No.37
#[AV出演被害防止・救済法]
本日も、ひきつづき、内閣府が公開したAV契約を解除するさいに用いる文面のひな型をみていきます。
内閣府によりますと、「メールや「SNSで任意解除の意思表示をする場合」は、以下の文面でよろしいそうです。
1 メールやSNSで任意解除の意思表示をする場合
(引用。内閣府)
以下の内容を、出演契約の相手方に送ってください。
①AVに出演する契約をしたが、なかったことにしたい場合
「(●月●日に契約した)AVに出演する契約を解除します。今後、このことで連絡をしてこないでください。」
※文言を加筆・修正することは差し支えありません。ただし、「契約を解除する」という文言は必ず入れるようにしてください。
②撮影した後や公表後に、公表をやめてほしい場合
「(●月●日に契約した)AVに出演する契約を解除します。公表はやめてください。」
※文言を加筆・修正することは差し支えありません。ただし、「契約を解除する」という文言は必ず入れるようにしてください。
(参考。当ブログ)
・2022年7月3日
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非常に簡単です。
出演者は簡易な方法で任意解除をすることができます。
内閣府は、ほかに、「メール、ファックス、郵送で意思表示をする場合」の文面のひな型も公開しています。
2 メール、ファックス、郵送で意思表示をする場合
昨日は、「アダルトビデオ出演契約の任意解除をする場合」の文面のひな型を参照しました。
(参考。当ブログ)
・2022年7月4日
今回は、「性行為に係る撮影を拒絶することができないなど履行の任意性が確保されなかった場合」の文面のひな型についてみてみます。
(参考)
様式④ アダルトビデオ出演契約の法定義務違反解除(差止請求)をする場合
④-1 出演契約書等を交付されてから1か月経過せずに撮影された場合【Word形式】
④-2 性行為に係る撮影を拒絶することができないなど履行の任意性が確保されなかった場合【Word形式】
④-3 事前に確認する機会が与えられずに公表された場合【Word形式】
④-4 すべての撮影が終了した日から4か月を経過せずに公表された場合【Word形式】
④-2のなかから一部を引用します。
<一部分を抜粋>
私、〇〇〇〇は、〇年〇月〇日に貴社とアダルトビデオ出演契約(以下「本出演契約」という。)を締結いたしましたが、「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」第7条第1項(同条第4項の規定により出演者の性行為映像制作物への出演に係る撮影とみなされる撮影を含む。)に該当する撮影の際に、性行為に係る撮影を拒絶することができないなど履行の任意性が確保されなかったことは、同法第7条第3項及び第4項の規定に違反しますので、本通知をもって、同法第12条に基づき本出演契約の法定義務違反による解除をいたします。
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(内閣府)
以下、時点に応じて①~③を選び、必要に応じて※を選ぶ。
【①撮影前の場合】
よって、今後本出演契約に基づく撮影には一切応じません。
【②撮影後、販売・配信前の場合】
よって、同法第15条に基づき、私を被写体(出演者名●●)とする当該性行為映像制作物であるタイトル「●●●●」の販売・配信等の公表をしないこと、当該性行為映像制作物のうち、私に関連する全ての画像・情報のインターネット配信等をしないことを求めます。
また、すでに性行為映像制作物を出荷している場合には、全ての出荷先に告知して全ての商品・記録媒体を店頭から回収する等の予防措置を求めます。
さらに、同条第3項の規定に基づき、当該性行為映像制作物の制作公表を行い又は行うおそれがある者に関する情報の提供、当該者に対する制作公表の停止又は予防に関する通知その他必要な協力を行っていただくことを求めます。
貴社が有する全ての記録媒体から当該性行為映像制作物に関する私の画像、動画、これらを利用した全ての商品や資料等の電磁的記録を破棄・消去するとともに、今後、一切の利用、譲渡、流出をしないよう求めます。
【③販売・配信後の場合】
よって、同法第15条に基づき、私を被写体(出演者名●●)とする当該性行為映像制作物であるタイトル「●●●●」の販売・配信等の公表を直ちに停止すること、当該性行為映像制作物のうち、私に関連する全ての画像・情報のインターネット配信等を停止することを求めます。
また、当該性行為映像制作物に関する全ての出荷先・販売先に販売停止を告知して全ての商品・記録媒体を店頭から回収する等の予防措置を求めます。
さらに、同条第3項の規定に基づき、当該性行為映像制作物の制作公表を行い又は行うおそれがある者に関する情報の提供、当該者に対する制作公表の停止又は予防に関する通知その他必要な協力を行っていただくことを求めます。
貴社が有する全ての記録媒体から当該性行為映像制作物に関する私の画像、動画、これらを利用した全ての商品や資料等の電磁的記録を破棄・消去するとともに、今後、一切の利用、譲渡、流出をしないよう求めます。
【※個人情報の削除を求める場合】
私に関する、身分証明書の写し等の一切の個人情報を消去するとともに、今後、一切の利用、譲渡、流出をしないよう求めます。
【※損害賠償請求について記載する場合】
なお、本通知は、貴社の債務不履行に基づく損害賠償請求等の行使について影響を与えるものではないことを申し添えます。
―――――――――――――― ここまで ――――――――――――――
以上、通知します。
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AV出演の被害者におかれましては、これまでのように泣き寝入りをせず、「ひな型」を用いて解除や取り消しをおこなってほしいものです。
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(参考)
2 メール、ファックス、郵送で意思表示をする場合
①用語について
(※略。※詳細につきましては、内閣府のホームページで確認してください。)
②様式の選び方について
法律が施行される前(令和4年(2022年)6月22日以前)に契約を締結した場合には、出演契約の取消しや解除は適用対象外となりますが、撮影した性行為映像制作物の差止請求をすることは可能です。
■ 法律が施行された令和4年(2022年)6月22日以前に契約を締結して撮影した性行為映像制作物の差止請求をする場合
様式①の差止請求通知書を使用してください。
(参考)
様式① 法施行前に契約を締結して撮影した性行為映像制作物の差止請求をする場合
①-1 制作公表者あて(メーカー、プロダクション)【Word形式】
①-2 制作公表者以外あて(販売会社、サイト運営管理者、レンタル会社)【Word形式】
差止めを請求したい相手が、メーカーやプロダクジョンなどの制作公表者の場合には、①-1を使用してください。
また、差止めを請求したい相手が、販売会社、サイト運営管理者、レンタル会社等の制作公表者以外の場合には、様式①-2を使用してください。
■ 法律が施行された令和4年(2022年)6月23日以降に契約を締結した場合で、任意解除をする場合
様式②の出演契約解除通知書(任意解除)の様式を使用してください。
(参考)
様式② アダルトビデオ出演契約の任意解除をする場合
②-1 契約の解除をする場合【Word形式】 ※主に本様式を活用
②-2 契約の申込みを撤回する場合【Word形式】
※任意解除ができる期間については、「任意解除の行使期間」【PDF形式】をご覧ください。
締結した契約を解除したい場合には、様式②-1を使用してください。
また、契約の申込み(契約に至っていない場合)を撤回したい場合には、様式②-2を使用してください。
※任意解除ができる期間については、「任意解除の行使期間」【PDF形式】をご覧ください。
■ 取消事由に該当する場合(任意解除ができる期間が過ぎてしまった場合も含む。)
様式③の出演契約取消通知書の様式を使用してください。
(参考)
様式③ アダルトビデオ出演契約の取消(差止請求)をする場合
③-1 説明義務違反の場合【Word形式】
③-2 交付義務違反の場合【Word形式】
③-3 制作公表従事者が出演契約の内容等について出演者を誤認させるような説明をした場合【Word形式】
※契約の取消しは、契約の時から20年、追認することができる時から5年間で時効消滅します(民法第126条)。
取消事由に応じて様式が異なるため、該当する様式を選択してください。
・ 出演契約に係る説明義務違反の場合は様式③-1
・ 出演契約書等の交付義務違反の場合は様式③-2
・ 制作公表従事者が出演契約の内容等について出演者を誤認させるような説明をした場合は様式③-3
※契約の取消しは、契約の時から20年、追認することができる時から5年間で時効消滅します(民法第126条)。
■ 解除事由に該当する場合(任意解除ができる期間が過ぎてしまった場合も含む。)
様式④の出演契約解除通知書(法定義務違反解除)の様式を使用してください。
(参考)
様式④ アダルトビデオ出演契約の法定義務違反解除(差止請求)をする場合
④-1 出演契約書等を交付されてから1か月経過せずに撮影された場合【Word形式】
④-2 性行為に係る撮影を拒絶することができないなど履行の任意性が確保されなかった場合【Word形式】
④-3 事前に確認する機会が与えられずに公表された場合【Word形式】
④-4 すべての撮影が終了した日から4か月を経過せずに公表された場合【Word形式】
解除事由に応じて様式が異なるため、該当する様式を選択してください。
・ 出演契約書等を交付されてから1月経過せずに撮影された場合は様式④-1
・ 性行為に係る撮影を拒絶することができないなど履行の任意性が確保されなかった場合は様式④-2
・ 事前に確認する機会が与えられずに公表された場合は様式④-3
・ すべての撮影が終了した日から4か月を経過せずに公表された場合は様式④-4
(推移。AV出演被害防止・救済法)
<衆議院>
(1)2022年5月25日(内閣委員会) 全会一致で可決(※参考)
・堤かなめ 議員(立憲民主党) ※当ブログ(前)、当ブログ(後)を参照。
↓
(2)2022年5月27日(本会議) 全会一致で可決(※参考)
↓
<参議院>
(3)2022年6月14日(内閣委員会) 全会一致で可決(※参考)
①塩村あやか 議員(立憲民主党) ※当ブログを参照。
②佐々木さやか 議員(公明党) ※当ブログを参照。
③梅村聡 議員(日本維新の会) ※当ブログを参照。
④倉林明子 議員(日本共産党) ※当ブログを参照。
↓
(4)2022年6月15日(本会議) 可決(※参考)。成立
(参考)
<5月25日の衆議院内閣委員会における立憲民主党の堤かなめ議員の質疑>
・当ブログ
(動画)
〇2022年5月25日 衆議院インターネット審議中継 衆議院内閣委員会
〇2022年6月14日 YouTube 衆議院内閣委員会(※堤かなめ議員の質疑)
(※音声の文字化は、筆者。)
●2022年5月25日 堤かなめ 衆議院議員(立憲民主党)
いまお答えありましたように、任意解除権は強力な武器でございますけれども、AV出演被害を受けた人が実際に行使することができなければ絵に描いた餅、となってしまいます。
法律、契約といったことに詳しくない人でも容易に解除権を行使できるような工夫、支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇2022年5月25日 山井和則 法案提出者(立憲民主党。衆議院議員)
おっしゃる通りであります。
容易に解除権が行使できるような工夫、支援。
さらに、この問題についての周知、広報。
法案について、必要だと考えております。
そこでこの法案が成立た場合における法律の所管官庁には、AV出演契約をした人が容易に解除権を行使することができるよう法律についてのQ&Aの形で解説したものを――役所のホームページを含め――公表をしたり、解除権を行使するための書面の雛形を作成してこれも公表するなどの具体的な工夫、支援の措置を求めたい、と考えております。
たとえばわたしも先週ですね、こちらにございますけれど、ぱっぷすさんが編集されたポルノ被害の声を聞くという本がございますけれど、こういう本を読ませていただき被害の実態、問題点、そういうものについてわたしもも学ばせていただきました。
●2022年5月25日 堤かなめ 衆議院議員(立憲民主党)
法律についてQ&Aの形で解説したものを公表したり、解除権を行使するための書面の雛形、これ、大変大事だと思います。
そういったものを公表していただくということで、ぜひよろしくお願いいたします。
(後略。)
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(参考)
このたび成立したAV出演被害防止・救済法の正式名称は、
「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」
です。
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