性犯罪に関する覚書  ~AV出演強要、セクハラ、etc.

旧タイトルは、「香西咲さんを勝手に応援するブログ」です。(※2014年~2022年)

Last Modified: 2022/08/15(Mon) 10:47:55 RSS Feed

No.19


#[AV出演被害防止・救済法]

3日前(2022年6月15日)に、参議院の本会議で、AV出演被害防止・救済法案が可決されました。

(経緯。AV出演被害防止・救済法案
<衆議院>
(1)2022年5月25日 内閣委員会で可決
 ↓
(2)2022年5月27日 本会議で可決
 ↓
<参議院>
(3)2022年6月14日 内閣委員会で可決
 ↓
(4)2022年6月15日 本会議で可決

(参考。日本国憲法第59条第1項)
法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる

AV出演被害防止・救済法案の附則の第1条を確認します。

 附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日の翌日から施行する。ただし、第五章(※罰則)の規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

--------------------------------------------------------

(再掲)
<参議院>
(3)2022年6月14日 内閣委員会で可決


本日も、ひきつづき、AV出演被害防止・救済法案に関する6月14日の参議院内閣委員会の審議をみてみます。
今回は、倉林明子議員の質疑です。

2022年6月14日 参議院内閣委員会 質疑者
①塩村あやか 議員(立憲民主党) ※3日前の当ブログを参照。
 ↓
②佐々木さやか 議員(公明党) ※2日前の当ブログを参照。
 ↓
③梅村聡 議員(日本維新の会) ※1日前の当ブログを参照。
 ↓
④倉林明子 議員(日本共産党)

動画
2022年6月14日 参議院インターネット審議中継 参議院内閣委員会
2022年6月14日 YouTube 参議院内閣委員会(※倉林明子議員の質疑)

(※音声の文字化は、筆者。)

●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
日本共産党の倉林明子です。
本法案に対してですね、「救済できるように成立を早く」と。
こう求める意見と同時にですね、「この法律では救えない被害者も多いんじゃないか」という声が挙げられております。
スカウトだと思って行ってみたらAVだった、と。
こういう「話が違う」っていうひとたちにとって、取り消しや解除、っていうのも、しやすい、ということになりますけれども、AV出演だ、ということはわかったうえでですね、契約した場合。
虐待、貧困、性暴力から抜け出すため、と。
生きるためにお金が必要で契約せざるを得ない、と。
こういう実態もたくさんお聞きしているわけですね。
で、解除権があっても事実上行使できないのではないか、という懸念の声が示されているわけで、この声に発議者はどう答えますか。

〇2022年6月14日 山下貴司 衆議院内閣委員長代理(自民党)
倉林委員のご指摘、その懸念についてですね、我々もしっかりと対応していきたいと思います。

まず大前提としてですね、「出演料を返還しなければ契約を解除できない」というふうに言われることがありますが、これは事実ではありません




(山下貴司 衆議院内閣委員長代理)
事実と異なることでございます。

確かに出演契約が解除されたあと、各当事者はその相手方に対して原状に回復させる義務を負うことになりますけれども、原状回復義務はまず解除があってそのあとに初めて生ずるものでございまして、解除権を行使する条件として原状回復義務を同時履行しなければならないということではない、というのは先ほど国重衆議院議員がおっしゃった通りでございます。

ですから出演者は、出演料をただちに返還できない状態であっても契約が解除できます
このことは強調しておきたいと思いますし、また、出演契約の任意解除を妨げるために 事実でないことを告知したりあるいは出演者を威迫して困惑をさせた場合においてはこれは罰則の対象にもなる犯罪にもなる、ということで、これは違う、ということは周知していきたいと思います。

また、委員ご指摘の通りですね、そもそも、お金が必要で契約をせざるを得ないという事態を生じないようにすることは必要である、と思っております。
そのためには、本人が契約せざるを得ないと考えたとしても、たとえば一度立ち止まって他の方法がないか相談して考える機会を持てることが重要である、と考えております。
そうしたことについて熟慮期間など制度的に設けているんですが、そうした相談先を確保すべく本法案17条において、相談体制の整備、という規定を設けて出演者等からの相談に応じる体制を整備することとしております。
こうした相談機関も活用していただき必要な情報提供や支援を受けることで、お金が必要で契約せざるを得ない、というふうに思い込むということ自体を避けることを期待しております。

また本法18条において、委員ご指摘の通り、AV出演被害の背景に貧困問題が指摘されているということで、そのことを踏まえて出演に係る被害の背景にある「貧困、性犯罪及び性暴力等の問題の根本的な解決に資するよう、社会福祉に関する施策、性犯罪及び性暴力の被害者への支援に関する施策その他の関連する施策との連携を図りつつ、出演者その他の者への支援その他必要な措置を講ずる」ということを規定しているところでございます。
そうしたこういう条文も見て、我々もしっかりフォローアップしていきたいと思います。


●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
ご紹介しましたようなケースの場合ですね、契約を結んだのは自己責任、と思い込む、と。
AVへの出演が被害だ、という認識するまでに何年もかかる、と。
誰にも相談できないで迷った末に、ようやく相談、と至ったときにはすでに、二次利用されてる、と。
海外サイトにまでアップされている、と。
拡散されているということもけっして珍しくない、ということです。
本法案は、理由がなくても解除できる任意解除権と、1年間(まあ経過措置の間は2年間)行使できる、ということなんだけれども、解除権が行使できると知るまでに時間かかったら、救済できないわけですよね。
わたし、本法案が成立した場合、AV出演契約の規制がどのようなものでどのような被害防止と救済の手段があるのか、これ、広く周知啓発することは決定的に重要だと思います。
端的にお答えください。

〇2022年6月14日 宮崎政久 衆議院内閣委員長代理(自民党)
お答えいたします。
ご指摘の通り、被害の防止、救済、非常に重要であります。
この法案のタイトルもそのようなかたちにさせていただいているところでございます。
今後は、成立をしたあとには、政府において様々な広報ツールを駆使して、本法案の内容については、先生ご指摘のように周知を図らないといけない、というふうに考えております。

また、AV出演被害を未然に防止するためには、このAV出演被害についての必要な教育啓発をおこなうことも重要だ、というふうに考えておりまして、この法案の19条では、「学校をはじめ、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じて」と、あえて明記をいたしまして、そのうえで、「被害の発生を未然に防止するために」「必要な教育活動及び啓発活動の充実を図る」ということにしておりまして、この法案の内容を前提事実もしっかりと社会に伝わるようにしてまいりたいと思っております。


●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
法案3条2項ではですね、「性行為を強制してはならない」と。
で、3条3項、公序良俗違反の契約は有効とならない、と。
そして、3条4項、刑法や売春防止法で禁止される性行為ができるようになるものではない、と。
などと、注意的に示した条文が複数、盛り込まれているわけです。

AVの中にはですね、暴行も含むなどの刑事罰に当たる、あるいは、明らかに公序良俗に反するものもあるわけです。
こうした内容を含む契約の場合、出演者はどのような法的な対応を取ることが可能となるか。

〇2022年6月14日 山下貴司 衆議院内閣委員長代理(自民党)
どのような行為が刑事罰の対象に当たる、あるいは、公序良俗違反に反するかについては個別具体的な判断によるものでありますが、一般にですね、刑罰を対象に当たるような強行法規違反の行為あるいは公序良俗に反する行為がある場合の出演契約は無効である、と考えております。

本法案は、そうした民法90条、その他の規定の解釈適用など、現行法の立場をいささかも変更するものではございません。

したがって出演者は契約後であっても、無効を主張し出演や撮影を拒絶できますが、なお簡便には、13条の任意解除に、契約を解除することができます。

こうした出演契約が無効である場合や、契約が解除された場合や、そもそも出演者は当該出演契約に基づいて出演する義務を負いません。

また、本法案で定めるように、性行為映像制作物の撮影にあたっては出演者の安全及び衛生並びに債務の履行の任意性が確保されるよう必要な措置を講じなければならない、ということになっておりまして、出演者が拒絶したにも関わらずそうした撮影が行われた場合には、当該義務違反があった、として出演者は出演契約の解除をおこなうことができますし、先ほど申し上げたような13条に基づく任意解除も可能であります。

さらにですね、制作公表者が特定の行為を暴行脅迫を用いて強要した場合には、場合によっては強要罪や強制性交罪などの犯罪やあるいは解除権についてあの先ほど言った不実なことを言ったりした場合には不実告知罪などの犯罪も成立し得ます
そうした犯罪が成立する場合には、出演者は、告訴や被害届を出すなどして処罰を求めることができる

また、不法行為に基づいて民事上の損害賠償を請求することもできる場合がある、と考えられます。

そして公表されてしまった場合には、先ほど来ありますようにこの解除などを利用するなどとして15条に基づく差止請求や、16条において特例が設けられているプロバイダ責任制限法による削除要請等をおこなう、ということは考えます。


●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
契約を解除するとですね、出演者も原状回復義務を負う、と。
そして、報酬は返還、ということになります。
これが解除権行使のハードルとなって、解除権があっても実際には行使できない、と。
こういう懸念の声も上がっているわけです。

まずですね、契約内容と異なる撮影のために取消したり解除したりする場合に、別途、出演者が損害賠償請求をする余地もあるはずだ、と思うわけですけども、いかがか、と。

また、契約違反がなくて任意で解除する場合、これ、返金が必要となる。
これがハードルになり得る、ということも考えられるわけです。
こうしたケースでの支援、っていうのはやはり、別途、検討が必要だ、と。
別途必要になると思うわけですね。

法案には、相談支援体制を整える、ということが含まれているわけですが、予算、人的体制の拡充、これ、どう進めるのか、と。
大きな課題だと思います。

特に、出演者が解除権を行使できるようにするために、報酬の返金がハードルとなる、と。
こんなことのないようにしないといけないと思うんだけれども具体的にどんな手立てをお考えか。

〇2022年6月14日 宮崎政久 衆議院内閣委員長代理(自民党)
お答えいたします。

まず、損害賠償請求する余地があるか、という点でございますけれども、契約内容と異なる撮影がおこなわれ契約が解除などをされる場合については、その撮影の対応次第では、債務不履行になる場合もあります。
また、不法行為になる場合もございます。
こういったことに該当する場合には、先生ご指摘の通りですね、出演者が損害賠償請求をする余地は十分にある、というふうに考えております。
特に本法案7条3項では、出演者の撮影においてですね、拒絶ができるようにするなど履行の任意性が確保されるように配慮しなければいけない、と書いておりますので、契約内容と違うものを強制するということであれば7条3項違反になりますし、12条で解除することもできますし、さらには別途損害を賠償する場合は十分ある、というふうに考えているところでございますです。




(宮崎政久 衆議院内閣委員長代理)
そして、出演料の返還が解除権行使の前提にはならない
今日、再度、答弁もさせていただいているところでございますし、また、出演者の解除権の行使を妨げるために不実の告知をするような場合には、13条5項に違反して罰則の適用がある。
これ、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人の場合は、両罰規定もございます。
こういったこともございます。

さらに、被害者が抱えている経済的な問題の支援はどうするんだ、というご指摘がございました。
このことは、ワンストップ支援センターが主として担って行くことになるわけでありますけれども、こういった背景事情についてもしっかりと気持ちに寄り添って相談体制をつくっていくべきである、ということを相談体制の整備の中で謳わせていただいているところでございますので、こういった17条、18条、19条の規定にしたがって、背景にある根本的な問題の解決にも資するような体制の整備をつくってまいりたいというふうに考えております。
当然、これ、政府の方でやっていくことでありますけれども、提出者としてもしっかりと見守っていきたい、と考えているところございます。


●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
解除権、せっかく行使できると規定したんだけども、使えない、と。

(再掲。倉林明子議員)
(略)AV出演だ、ということはわかったうえでですね、契約した場合。
虐待、貧困、性暴力から抜け出すため、と。
生きるためにお金が必要で契約せざるを得ない、と。
こういう実態もたくさんお聞きしてるわけですね。
で、解除権があっても事実上行使できないのではないか、という懸念の声が示されているわけで、この声に発議者はどう答えますか。


ひとつのハードルとして提起しましたので、本当にね、ハードにならないようにということでの取り組みが求められる、と指摘しておきたいと思います。

AV撮影について、労働者派遣法、職業安定法の有害業務に当たって刑事罰の対象となったという裁判事例がある、と。
これらの法律は労働者の安全、公衆衛生を守るためのもので、女性の尊厳を守るということを目的にしたものではありません、
しかしですね、少なくとも業者が対価を払って第三者と性交をさせることは、性道徳を著しく害し、性病の危険もあり、これ、有害業務、と言っていいものだと思うわけです。
契約の形式が派遣であれ職業紹介であれ、第三者と性交させるという契約自体、許されない、と。
こういう公序を示したものだ、と言えると思うんですね。
いわゆる本番行為を含むAV撮影のように、対価を払って第三者との性交を義務づけるような契約、これは刑事罰の対象となる、と。
それ自体が公序良俗違反、と。
こういう可能性があると思うんですけれどもいかがでしょうか。

〇2022年6月14日 山下貴司 衆議院内閣委員長代理(自民党)
本法案においては、出演者は、出演契約において定められた性行為に係る姿態の撮影であってもその全部また一部を拒絶することができるということになっておりまして、本法案によれば出演者に対して第三者との性交を義務づけることはできません

これを前提として、公序良俗に反するかあるいは刑事罰に値するかについては、最終的には裁判所によって判断されるものでございまして、一概にお答えすることは困難ですけれども、もとより、事案によって公序良俗違反を理由として無効となる場合や、あるいは罰則として対象になることは当然ある、というふうに考えております。

そうした場合、たとえば、性交を含む契約はいわゆるAV出演被害の背景となっている、という認識の下にこうした契約を制限する一方で、刑事罰等も設けておりまして、刑事罰の対象となる行為がおこなわれば、もとより、取り締まりの対象である、ということでございまして、本法案の3条3項あるいは4項は、その趣旨を明確にした、というものでございます。


●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
対価を払って実際に性交させる、と。
個人の尊厳を傷つけるものであって、こうしたAV撮影っていうのは禁止されるべきであってですね、実際の性交とAVについて正面からやっぱり規制する新たな法整備を進めることが緊急に求められている、と指摘したい。

そのうえで、衆議院で発議者は、附則で2年以内の検討事項に、AV出演において有償で性交を実際におこなうといった行為の条項の有効性についても検討事項に含まれる、と。
こういう答弁、ありました。。
この点が正面から議論の対象となった、と。
きわめて重要だと思います。

2年以内となる時間的に限られているわけですけれども、どのように検討を進めていくお考えか、最後お聞かせいただいて終わります。

〇2022年6月14日 宮崎政久 衆議院内閣委員長代理(自民党)
ご指摘の通り、衆議院内閣委員会の質疑におきまして、本法案の付則第4条第2項の2年以内の検討事項につきまして、AV出演において有償で性交を実際におこなうといった行為の条項の有効性についても検討事項に含まれる、旨の答弁をさせていただいているところでございます。

これは、党派を超えてこの本法案を検討する中で、対価を得て実際に性交をおこなうことが契約で合意された場合にそのような契約条項を無効とすべきではないか、と、こういう指摘があり、附則第4条第2項において無効とする出演契約等の条項の範囲が検討事項として明示することになった、と。
こういった経緯をたどっているところでございます。

この点も含めて、出演契約等に関する特則のあり方や、本法案の規定全般につきましては本法案の施行から2年以内に今後のAV出演被害の状況、本法案第5章の罰則の適用状況をはじめとした本法案の施行状況などを勘案しながら検討を加えてその結果に基づいて必要な措置が講じられることとされております。

その際にはですね、出演者であったり、被害に遭われた方であったり、被害者支援をはじめとして様々な活動に熱心に取り組んでいられる団体の皆様、などの声を聞いて、実態に照らした検討が不可欠であって、その中で先生がご指摘になっている様々なご懸念の声についても改めてお聞きをして、しっかり検討するべきものだ、と、このように発議者として考えております。


●2022年6月14日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
終わります。
ありがとうございました
--------------------------------------------------------

4人の委員による質疑が終了しました。
このあとの流れは以下のとおりです。

(再掲)
<参議院>
(3)2022年6月14日 内閣委員会で可決
 ↓
(4)2022年6月15日 本会議で可決


"AV出演被害防止・救済法案"は、このたび、可決、成立しました。

〔 8024文字 〕 編集

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■ご挨拶

香西咲さんを勝手に応援するサイトの管理人です。

これまで"ワードプレス"を使ってブログの記事を書いてきました。
2022年5月15日(月)のことです。
突如、"ワードプレス"が初期化されました。
ブログの記事のデータがすべて消えました。
当方が借りているサーバーの仕様変更が原因のようです。
バックアップデータからの復旧を試みました。
叶いませんでした。
茫然自失となりました。
これまで書き溜めてきた記事は、もう元に戻りません。
心機一転、ブログをリニューアルをすることにしました。
これからは、"ワードプレス"でなく、“てがろぐ”を用いて、また一から書いていきます。
今後は、これまでのような長文でなく、短めの文章を心掛けたいと思います。

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