性犯罪に関する覚書  ~AV出演強要、セクハラ、etc.

旧タイトルは、「香西咲さんを勝手に応援するブログ」です。(※2014年~2022年)

Last Modified: 2022/08/15(Mon) 10:47:55 RSS Feed

No.16


#[AV出演被害防止・救済法]

昨日の参議院内閣委員会で、"AV出演被害防止・救済法案"が全会一致で可決されました。
本日は、昨日の参議院内閣委員会における塩村あやか議員の質疑と、応答をみてみます。

動画
2022年6月14日 参議院インターネット審議中継 参議院内閣委員会
2022年6月14日 YouTube 参議院内閣委員会(※塩村あやか議員の質疑)

(※音声の文字化は、筆者。)

●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
まず、附則第4条についてお伺いいたします。

今回、立法趣旨と異なる(本来、別法となるべき)反対意見が多かったことから、次回のこうした混乱を防ぐためにはですね、いわゆる守備範囲を確認しておきたいと思います。

附則第4条では、2年以内の法の見直し、が書かれているんですが、次回の改正時に、本法案に性行為を伴うAVそのものを禁止することを規律する、という議論をする場合、本法案の趣旨と整合するのか、まずお伺いいたします。

〇2022年6月14日 山下貴司 衆議院内閣委員長代理(自民党)
冒頭、本法案によって、AV出演被害を防止し被害者を救済することにご尽力された超党派の塩村委員、佐々木委員をはじめ、超党派の先生方に心から敬意を表します。

その上で、本法案は、AV出演被害の防止、被害者の救済を目的とするものであって、現に存在する性行為に係る人の姿態を撮影したAVに関する契約を規律の対象といたしまして、その出演契約の効力を制限するための特則や差止請求等を規定しているものであります。

一方で、他の法律で違法、無効なものについて、これをいささかも合法化の変更を加えるものではございません。

その上で申し上げれば、本法律の中でたとえば、一方で性行為に係る人の姿態を撮影したAVに関する契約の特則などの規定を定めながら、他方で、先程ご指摘の法改正によってそれ自体を禁止する規定を法律に盛り込むというのは、整合性を図るということがこれは困難ではないか、というふうに考えております。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
つづきまして、海外配信のプラットホームについてお伺いいたします。

アダルトビデオのサイトには、カリビアンコムやFC2などの海外配信プラットフォームがですねー
海外のサーバにアップロードしたAVについては対応は難しいのではないか」という意見がありますがいかがでしょうか。

また、契約締結や撮影、撮影をしたアダルトビデオのアップロードすべて海外で行ってる場合はどうか、お伺いいたします。

〇2022年6月14日 森山浩行 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
ご質問、ありがとうございます。

まず、「海外サーバーにアップロードされた場合の公表の差し止めに本法が適用されるか」という問題は、準拠法の選択の問題、でもあります。
最終的に個別事情による判断となり一概にはお答えできませんが、海外サーバーにアップロードされても、そのことのみをもってただちに本法の適用が排除されるものではなく、日本語が準拠法とされ本法が適用されれば、第15条による差止請求の対応が考えられます
本法第15条では、制作公表者から出演者に、当該AVの公表をおこなっているものに関する情報提供をさせるなど、出演者の差止請求に必要な協力をすること、と定めており、差止請求権を行使しやすくする工夫をしております。

さらに海外サーバーから配信されているものである場合、出演者による契約解除の事実を了知したプロバイダー等が利用規約に基づき当該情報を削除する、等の対応も考えられます。

次に、契約締結、撮影、アップロードなど、全て海外で行なっている場合についても、最終的には個別事情による判断となり一概にはお答えできませんけれども、日本語で制作されるなどを主として日本向けに発信をされ閲覧者の多くが日本人であるなどの場合には、その差止請求の可否等について日本法が準拠法とされ、本法第15条が適用されることもあり得る、と考えられます。

一般に、当該制作公表行為と日本との関係が密接であればあるほど日本法が準拠法とされる可能性が高くなる、と考えております。

また、現在各国においても各プラットフォームが、「権利侵害情報であれば削除できる」とする規定を置いている例があり、また各プラットフォームの利用規約等において権利侵害情報の削除について定めていることが多いことから、日本国内での権利侵害になっていることが明確になったものについてはこのような規約等に基づいて一定程度対応される可能性もございます

なお、海外のウェブサイト等の場合には対応に一定の困難もあり得ることから、本法は、本法案成立後に定められる予定の内閣府令において、契約前に出演者に説明をする事項としてAVを配信するウェブサイト等を運営する者の所属地の国名を明示して説明させることを期待することが想定されております。
これは、AVの公表方法について事前に出演者が知ることができるようにしておくことがも望ましい、との考え方によるところのものであり、AVの公表方法が出演者の意に沿わない場合にはもとより、そういった契約を締結する必要はない、というものであります。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
次です。
本法案は出演契約の解除等につき定めるものですが、「出演者は[契約を解除すると著作権がなくなり、その結果、海外を含めて著作権の侵害対応ができなくなるのはないか」との心配の声がありますが、著作権著作隣接権がなくなるのか、お伺いいたします。

〇2022年6月14日 森山浩行 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
著作権著作隣接権については、著作物を創作する行為や演じる行為等があれば自動的に付与される権利であり、契約に基づいて発生するものではないことから、出演に関する契約を締結する行為自体は著作権や著作隣接権の発生とは関係がございません。

したがって、制作された性行為映像制作物が著作物に該当する場合や、出演者の実演に著作隣接権が発生する場合は、出演契約の解除後も著作権や著作隣接権は消滅せず侵害行為に対しては著作権に基づく法的措置を取ることは可能、と考えられます。

このように、本法案は、著作権や著作隣接権の発生や消滅について、なんら影響を与えるものではございません。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
それでは、違法にアップロードされた、いわゆる海賊版のアダルトビデオについては、どのような対応が考えられるのかをお伺いいたします。

〇2022年6月14日 森山浩行 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
違法にアップロードされ、いわゆる海賊版のAVというものは、本法案第15条の差止請求権の対象となるため、出演者は同条に基づきその公表の停止を請求することができます

この際、制作公表者は必要な協力を行うことと、なっており、海賊版に対しても対応できる範囲で協力をすることが期待をされます。

また、本法案とは別に、たとえばAVメーカーなどの著作権者は、著作権法第112条に基づく差止請求や、プロバイダ責任制限法に基づき発信者情報開示請求をおこないアップロードしたものを特定した上で損害賠償請求をおこなうこともできます。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
はい、ありがとうございます。
それでは、第三者が(出演者が、解除後にですね)契約の解除後にアダルトビデオにアップロードした場合はどうなるのかをお伺いいたします。

契約解除、取り消しをしたとして、作品をいったんアップしていればですね、流通してしまうんですね、と。
出演者が契約解除、取消しを行使した場合に、その後第三者が映像をアップロードしてしまった場合、どのようになるのかお伺いいたします。

〇2022年6月14日 山井和則 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
お尋ねは、「AVの購入者が無断でAVをインターネット上にアップロードするという著作権侵害の事案」となるが、出演契約の解消を前提とした本法の適用関係について申し上げれば、出演者は第15条に基づく差止請求ができます。

また、当該AVは、第16条の性行為映像制作物侵害情報に該当すると考えられるため、出演者はプロバイダ責任制限法の特例を定めた同条の規定により削除を申し出ることができます。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
ありがとうございます。

「出演者が、制作公表者や関係者の氏名、名前、住所などを知らない場合は、差止請求権を行使することができず、アダルトビデオの公表拡散を止められないのではないか」このような意見もされていますがどのような対応がとれるでしょうか。

〇2022年6月14日 山井和則 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
本法案は、制作公表者以外の者がAVの公表を行う場合には、その者を特定するために必要な事項を出演契約書等に記載する義務を規定しており、第4条第3項第6号、この義務に違反した場合には罰則も設けております。

また、制作公表者は、差止請求をしようとする出演者への情報提供などの協力を義務づけております。
第15条第3項

これらの規定を通じ、出演者が、AVの公表をおこなっている者を特定しその上に差止請求することが容易になると考えられます。

また、AVがインターネットで公表されている場合、制作公表者の氏名、住所を知らなくとも、公表されているサイトの管理者や運営者に対し本法案の差止請求権を行使することが考えられます。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
ありがとうございます。
悪質メーカーと判明した場合の対応ですね。メーカーが。
これをお伺いしたい、と思っています。
たとえば、契約を適切に締結、出演者としていない場合など、特定のメーカーの不適切な事案が複数顕在化した場合ですね、差止請求がなされていない作品はそのままサイトで販売が継続される、ということになろうかと思います。

わかりやすく言えばですね、こう手を挙げて「差止請求をやってくれ」と言ったものは削除されるんですが、それ以外のものは残ってしまう、ということになってしまうと思います。

それを改善させる必要があるのではないか、と思いますが、いかがでしょうか。

〇2022年6月14日 山井和則 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
自己の性行為に係る姿態を撮影した性行為映像制作物が、出演者の意思に反して公衆の目に触れることになる場合には、その者の性をめぐる個人としての尊厳が著しく侵害されることになります。
このような被害の拡大を防ぐため本法案では、説明書面や出演契約書の不交付や必要事項の不記載に対しては罰則を設けており、違反事案があれば摘発されることとなります。

また、第15条の差止請求権や第16条のプロバイダー責任制限法の特例も設けております。

これらの仕組みが的確かつ円滑に活用されることによって、性行為映像制作物の制作公表を停止、予防することが大変重要だと考えております。

本法案の運用にあたり、政府においては、罰則違反の取り締まりや差し止め請求などが的確かつ円滑に行われるよう支援をおこなうとともに、既存のインターネット上の違法有害情報への対策も参考にしつつ、意思に反する性行為映像制作物の公表に対してしっかり対応していただきたい、と考えております。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
重要なご答弁、ありがとうございました。
これ、非常に重要だというふうに思っておりますので、ぜひお願いをしたい、というふうに思っております。

次です。
闇に潜るんじゃないか、とか、会員サイトは対象になるのか、とか、さまざまなお問い合わせがわたしの(もと)に届いているところです。
何層にも出演者保護を現行法最大で図っているのが本法案だ、とわたしは理解をしております。
厳格な規制を設けているため、かえって事業者が闇に潜るアンダーグラウンド化するのではないか、と。
こうした意見がけっこうネットにも流れておりますし、わたしのところにも来ているんですね。

本法案は、個人として制作発表をするアダルトビデオについてもこれを適用されるのか

また、会員のみが入れるウェブサイトのような限られた範囲でアダルトビデオ配信する場合も、公表となって本品の対象となるのか、をお伺いいたします。

〇2022年6月14日 山井和則 衆議院内閣委員長代理(立憲民主党)
本法案の対象となる制作公表者は、出演者との間で出演契約、すなわち性行為映像物制作物において性行為に係る姿態の撮影の対象となりその性行為映像制作物の制作公表をおこなうことを承諾することを内容とする契約を締結し、または締結しようとする者であり、第2条第7項、事業者であるか個人であるかは問いません。

このため事業者に限らず、個人として性行為映像制作物を制作、公表している場合にも、本法案が適用されます。

なお出演契約書等や説明書面等の不交付等があった場合には、罰則の対象、第21条となるなど、アンダーグラウンド化に対しては厳正に対処される、と考えております。

本法案において、公表とは、頒布、公衆送信、または上映のことを言い、ここで言う公衆送信とは、公衆によって直接受信されることを目的として無線通信または有線電気通信の送信をおこなうことを言います。
この公衆には不特定または多数の者のみならず特定かつ多数のものも含むとしております。
第2条第5項

したがって、ご指摘の会員のみ入れるウェブサイトのような限られた範囲のAVを配信する行為についても、多数の者に対しておこなわれたものであれば、本法案の「公表」にあたります。


●2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)
ありがとうございました。
いま、8問質問させていただきました。

インターネットとか、問い合わせの中で、かなりの数の方がですね、いろいろと心配をされている点を中心に取り上げさせていただきました。

いまの質疑、そしてこのあとの委員の質疑で、多くの方たちがですね、ホッとするというような法案だというふうにわたしは思っております。

何よりもですね、被害者救済、これが一番でございますので、心をひとつにですね、ここまで来れたことに皆様に感謝を申し上げまして質問を終わります。
本当にありがとうございました。
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以前、神戸大学の青山薫教授は、AV出演強要被害に関して、内閣府の会議でつぎのように述べました。

(2016年9月12日 第83回男女共同参画会議 女性に対する暴力に関する専門調査会 議事録より、引用。)

<一部分を抜粋>
〇2016年9月12日 青山薫 神戸大学教授
(23~24ページ)
厳しくすれば目に見えないところに行ってしまう、アンダーグラウンド化してしまう、ネットの世界に入ってしまうということが、日本に限らず、フランス、ノルウェー、オーストラリア、UKで報告されています。
日本でも同じようなことを、本当に小さな調査ではありますが、私の手元では確認しています。


〇2016年9月12日 青山薫 神戸大学教授
(24ページ)
ここ数週間で、つてのあるところにだけお話を聞いてみました。
そして、AV業界の人たちの意見に似たような懸念が出てきていることがわかりました。
細かいところは飛ばしますが、まず、強制の問題が特に起こっているのは、15年前ではなく現在では、海外配信系のメーカーのかかわりが大きいのではないか、という疑いがあります。
海外配信系とは何が問題かと、先ほどの枠組みで申し上げますと、ネットワークから切れていることが問題です。
日本の業界から切れてしまっているし、法規制からも切れてしまっている状況です。
それが日本国内に拠点を置くプロダクションなどを使う形で制作をしている場合がある。


(再掲。2022年6月14日 塩村あやか 参議院議員)
インターネットとか、問い合わせの中で、かなりの数の方がですね、いろいろと心配をされている点を中心に取り上げさせていただきました

今回の塩村あやか議員の質疑は時宜(じぎ)にかなったものでした。
夾雑物(きょうざつぶつ)が失せました。



本日は、参議院の本会議で、"AV出演被害防止・救済法案"の採決がおこなわれます。

〔 6946文字 〕 編集

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■ご挨拶

香西咲さんを勝手に応援するサイトの管理人です。

これまで"ワードプレス"を使ってブログの記事を書いてきました。
2022年5月15日(月)のことです。
突如、"ワードプレス"が初期化されました。
ブログの記事のデータがすべて消えました。
当方が借りているサーバーの仕様変更が原因のようです。
バックアップデータからの復旧を試みました。
叶いませんでした。
茫然自失となりました。
これまで書き溜めてきた記事は、もう元に戻りません。
心機一転、ブログをリニューアルをすることにしました。
これからは、"ワードプレス"でなく、“てがろぐ”を用いて、また一から書いていきます。
今後は、これまでのような長文でなく、短めの文章を心掛けたいと思います。

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