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先月、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました(その6)。地位・関係性を利用しておこなわれる性犯罪②

4年前、刑法の性犯罪規定が改正されました。
110年ぶりの改正でした。
いま、この刑法の性犯罪規定が、さらに改正されようとしています。
現在までの進捗状況は次のとおりです。

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会

(参考。当ブログ。性犯罪に関する刑事法検討会で出された意見と、上川陽子法務大臣の諮問)
2021年10月13日(1)
<AV出演強要に関して(於;性犯罪に関する刑事法検討会)>
2021年10月14日(2)・・・3名の委員(東大教授、東大教授、京大教授)の意見
2021年10月15日(3)・・・齋藤梓委員、山本潤委員の意見
2021年10月16日(4)・・・小島妙子委員の意見
<「地位・関係性」を利用した性犯罪について(於;性犯罪に関する刑事法検討会)>
2021年10月17日(5)・・・齋藤梓委員、 上谷さくら委員、小島妙子委員の意見

本日も、昨日にひきつづき、「地位・関係性」を利用した性犯罪の取扱いについてみてみます。

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方
(※

まずは、性犯罪に関する刑事法検討会で出された意見を参照します。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第5回(2020年8月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第6回(2020年9月24日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第7回(2020年10月20日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第11回(2021年1月28日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第14回(2021年3月30日)※議事録公開
第15回(2021年4月12日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書(案)
第16回(2021年5月21日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書

(参考。当ブログ。性犯罪に関する刑事法検討会で出された意見と、上川陽子法務大臣の諮問)
<「地位・関係性」を利用した性犯罪について(於;性犯罪に関する刑事法検討会)>
2021年10月17日(5)・・・齋藤梓委員、 上谷さくら委員、小島妙子委員の意見

2021年2月16日
第12回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2021年2月16日 第12回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<27ページ>
2021年2月16日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

本当に難しいということは承知しておりまして、ただ、これまでの被害者支援の経験や調査の中で、成人の性犯罪被害で最も捉えられていない類型はここだと思いますので、それについて本当にお知恵をお借りしたいと考えています。

ここでこれを言うべきでないということは重々承知しておりまして、佐藤委員も例として持ち出しただけだということも本当に重々分かっているのですが、

(参考。佐藤陽子委員【北海道大学教授】)
ドイツでは、心理療法を受けている患者は常にメンタル的に不安定なので、その治療をしている人との関係性では、絶対に保護するというようになっているのですけれども、そうすると、逆に今度は患者側の権利が侵害されるのではないかとか、その人とはおよそ恋愛ができないということになってしまうので、それはそれでどうなのかという問題が出てくるのではないかと思います。

心理療法で患者側の権利が阻害されるという点については、倫理にも関わることなので一点だけ言わせていただきます。

心理療法で患者側がセラピストに恋愛感情を持つことは、もちろん問題ありません。

しかし、セラピストと患者には圧倒的な立場の上下があり、セラピストが患者と性的行為をした場合、相手の恋愛感情に乗じたとしても、それは性的搾取となります。

セラピストにとって、患者からセラピストに向けられる恋愛感情は、患者の自由意思とは到底考えられないということが通常です。

セラピスト側が心理療法の間に患者に性的行為をするということが、ドイツで性犯罪として類型的に定められているというのは、心理職からすると自然なことです。
例で持ち出したということは本当に分かっているのですが、日本においても実際に事件が起き、心理職の資格が剥奪されることもある行為ですので、心理職の立場から看過できず、一言言わせていただければと思いました。

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2021年3月30日
第14回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2021年3月30日 第14回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<28~29ページ>
2021年3月30日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

地位・関係性に関してなのですけれども、これまで議論をお聞きしていて、今から私が述べることを刑法に反映いただくかどうかはさて置いて、地位・関係性による性的搾取についてもう少し御理解いただきたいなと感じましたので、少し御説明をさせていただきたく思います。
関係性の中で強者が弱者に対して、その関係性を破棄するとか、あるいは、その上下関係を理解した上で対等な関係になろうという努力をする、ということをしないままに性行為を要求するということは、搾取になり得るものだと思います。
一番説明のしやすい私自身の職業に関わることで説明をさせていただくならば、心理職とクライアントというのは対等ではありません。

心理職はクライアントの秘密をたくさん知っていて、クライアントは心理職の個人情報はほとんど知りません。

クライアントの中には、この心理職に見放されたら自分は死んでしまうかもしれないと思う人もいます。

そこまではいかなくとも、多くの場合、心理職はクライアントにとって心のよりどころであって、嫌われることには耐えられないという状況になります。

対して心理職は、クライアントとの面接が中断しても生活に大きな影響が出るわけではありません。

不均衡な関係の中で心理職がクライアントに性関係を持ちかけるとか、クライアントの恋愛感情かのように見える感情を利用して性関係を持つということは、クライアントの弱い部分や依存を利用した搾取になります

相手にとって拒否することは人生が揺らぎかねないことになりますし、クライアントに自傷行為とか自殺行為をもたらしかねない行為となります。

心理職とクライアントの関係は、恐らく大変分かりにくい関係だと思うのですね。
一見すると命とか生活に関わる問題があるとは分からないからなのですけれども、その心理職とクライアントの関係でさえ、そうした性的な搾取ということが成り立つと考えるならば、直接的に、例えば、この施設に面倒を見てもらえなかったら自分はこの社会で生きていられないとか、命が危なくなってしまうような障害者と施設職員などでは、拒否することや訴え出ることがどれだけ困難かということは想像に難くないと思います。

もちろん障害者と施設職員だけではなく、様々な地位・関係性の中でこうしたことがあるというのを、議論に活かすかどうかというのは別として、理解いただきたいなと思いました。

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性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会

先月(2021年9月)の16日、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。
上川大臣は今回、以下の10項目に及ぶ諮問をおこないました。
諮問の内容を確認します。

上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容(※抄)

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
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刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

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刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
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配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

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第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

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被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

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第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

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性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。2021年9月16日 上川陽子法務大臣)
相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること

上川陽子法務大臣は、「地位・関係性」を利用した性犯罪につきましても、処罰規定の新設を諮問しました。

明日も、上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容についてみていきます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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先月、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました(その5)。地位・関係性を利用しておこなわれる性犯罪①

刑法の性犯罪規定の改正に向けて、物事が進展しています。

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会

先月(2021年9月)、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定改正の諮問をおこないました。
法制審議会は、法務大臣の諮問機関です。
これから、法制審議会で、改正案の叩き台づくりの審議が始まります。

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会

(参考。当ブログ)
<AV出演強要の処罰に関して、性犯罪に関する刑事法検討会で出された意見と、上川大臣の諮問>
2021年10月13日(1)
2021年10月14日(2)・・・3名の委員(東大教授、東大教授、京大教授)の意見
2021年10月15日(3)・・・齋藤梓委員、山本潤委員の意見
2021年10月16日(4)・・・小島妙子委員の意見

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第5回(2020年8月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第6回(2020年9月24日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第7回(2020年10月20日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第11回(2021年1月28日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第14回(2021年3月30日)※議事録公開
第15回(2021年4月12日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書(案)
第16回(2021年5月21日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書

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本日は、「地位・関係性」を利用した性犯罪の取扱いについてみてみます。

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方

「地位・関係性」を利用した性犯罪につきましては、2020年8月27日の第5回性犯罪に関する刑事法検討会で、1回目の論議がおこなわれました。
同検討会議事録のなかから一部分を抜粋します。

2020年8月27日
第5回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年8月27日 第5回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<24ページ>
2020年8月27日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

(前略。)
関係性につきましては、関係性で定義するのがいいのか、抗拒不能などの文言の中で考えるのかというのは、私には考えが及ばないのですけれども、私が調査を行った結果からは、加害者が被害者に対して言動を用いて力関係を作り出すことで、被害者が抵抗できない状態、拒否できない状態に追い詰められていくということが、性暴力が発生するプロセスで見られました。

その上で、もしも従前に上下関係があった場合は、性暴力の発生プロセスを容易にするということも分かっております。

臨床経験においても、上司からの強制的な性交は、不起訴や不受理になることが多いという感覚があります。

上司以外にも教師や習い事の先生、就職活動先のOB、OG、フリーランスの人たちの取引相手医療機関医療職心理職、福祉施設職員、利害関係、依存関係、脆弱性がある関係性など、いろいろな関係性が挙げられると思います。

それをどこまでどのような形で明確にするのかというのは、難しいところではあると思うのですけれども、少なくとも、その人の人生や将来、経済状態等を決定する権限のある人たち、医療心理、福祉施設職員のように、その人たちに力を行使したり、その人たちの生活、生命、精神状態を左右できるような立場にいる人たちからの被害は、きちんと罰する必要があるのではないかと考えております。

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<24~25ページ>
2020年8月27日 上谷さくら 委員(弁護士)

自分がいろいろな被害者の相談を受けた経験も踏まえて意見を述べますと、地位・関係性を利用した犯罪類型が最も救われていないゾーンだと思っています。

やはり、地位・関係性がある場合は、力関係がそもそもあったり、顔見知りであるということで、従来求められている暴行・脅迫に満たないですね。

そのために、ほとんどが不起訴というケースがあります。

先ほど、齋藤委員が言われたように、やはり、教師や塾の先生と生徒、また、部活の先輩・後輩、会社の先輩・後輩、上司と部下の関係、取引先医師と患者など、こういうのは非常に多いにもかかわらず、一番救われていないゾーンだと思っています。

(中略。)

特に会社内とか取引先など、仕事が絡んでいると、なかなか言いづらいし、なぜか日本の場合は、被害者が責められて会社にいられなくなるということになっていますので、生活が成り立たないということに直結しているのですよね。

そのようなことも、現実としてたくさん起きていますので、この辺のところを、単に「地位・関係を利用し」というふうに言えばいいのか、関係性を細かく列挙するのかというのは、私の中でも、まだまだ検討は足りていないのですけれども、その辺りのことも議論していただければと思っています。

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<27ページ>
2020年8月27日 小島妙子 委員(弁護士)

監護者性交等罪というのは有意義な改正だったと思います。

(参考。現行刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

これで救われる子供たちがたくさん出てきているということで、やはり、このスキームをもう少し広げていく必要があると思います。

子供の性被害は、非常に深刻だということを前提に、この監護者性交等罪については、適用範囲を広げていくということが要請されていると思っております。

少なくとも教師、それから、例えば、先ほど木村委員がおっしゃっていましたように、学校に雇われているスポーツの指導者等につきましては、監護者性交等罪の中に入れて拡大していくことが、必要ではないかという意見を持っております。

それ以外の関係性について、どこまでこのスキームでやっていくのかということについては、検討の余地があるかと思いますけれども、私としては、アルバイト先で被害に遭うことが多いので、職場も含めて、検討していただきたいと思っております。

また、被害者が18歳以上の場合の地位・関係性を利用した性行為、性交等についても、新たな犯罪類型を創設していただきたいと思っております。

親族、教師、雇用主、施設の職員等について、力関係を利用・濫用して行う性的行為を犯罪化する方向を考えたいと思います。

処罰範囲については、諸外国の法令を参考にして、国際基準にのっとった形で、ここの部分の改正も是非お願いしたいと考えております。

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先月(2021年9月)の16日、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。
上川大臣は今回、以下の10項目に及ぶ諮問をおこないました。
諮問の内容を確認します。

上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容(※抄)

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。
     記
第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
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刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

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刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。現行刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
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配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。現行刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

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第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

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被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

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第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

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性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。2021年9月16日 上川陽子法務大臣)
相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること

上川陽子法務大臣は、「地位・関係性」を利用した性犯罪につきましても、処罰規定の新設を諮問しました。

再掲。2020年8月27日 第5回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

2020年8月27日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

「就職活動先のOB、OG、フリーランスの人たちの取引相手医療機関医療職心理職、福祉施設職員」

「その人の人生や将来、経済状態等を決定する権限のある人たち、医療心理、福祉施設職員のように、その人たちに力を行使したり、その人たちの生活、生命、精神状態を左右できるような立場にいる人たちからの被害は、きちんと罰する必要があるのではないかと考えております」

2020年8月27日 上谷さくら 委員(弁護士)

「会社の先輩・後輩、上司と部下の関係、取引先医師と患者など、こういうのは非常に多い」

「特に会社内とか取引先など、仕事が絡んでいると、なかなか言いづらいし、なぜか日本の場合は、被害者が責められて会社にいられなくなるということになっていますので、生活が成り立たないということに直結しているのですよね」

2020年8月27日 小島妙子 委員(弁護士)

アルバイト先で被害に遭うことが多いので、職場も含めて、検討していただきたいと思っております」

「親族、教師、雇用主、施設の職員等について、力関係を利用・濫用して行う性的行為を犯罪化する方向を考えたいと思います」

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法制審議会での論議に注目が集まります。
明日も、上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容についてみていきます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

先月、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました(その4)。AV出演強要が重罪となることを期待しています

刑法の性犯罪規定改正の論議につきましては、現在、法制審議会の段階まで進んでいます。

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
——————————————————–

AV出演強要の処罰に関しては、性犯罪に関する刑事法検討会の段階で積極的な意見が頻出しました。
上川陽子法務大臣はこの声に応えました。
法制審議会へ諮問しました。

本日も、AV出演強要の処罰に関して、性犯罪に関する刑事法検討会で出された意見と、上川大臣の諮問をみてみます。

(参考。当ブログ)
<AV出演強要の処罰に関して、性犯罪に関する刑事法検討会で出された意見と、上川大臣の諮問>
2021年10月13日(1)
2021年10月14日(2)・・・3名の委員(東大教授、東大教授、京大教授)の意見
2021年10月15日(3)・・・齋藤梓委員、山本潤委員の意見

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第5回(2020年8月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第6回(2020年9月24日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第7回(2020年10月20日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第11回(2021年1月28日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第14回(2021年3月30日)※議事録公開
第15回(2021年4月12日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書(案)
第16回(2021年5月21日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書

2020年12月25日
第10回 性犯罪に関する刑事法検討会

第10回性犯罪に関する刑事法検討会の議事録を参照します。

(2020年12月25日 第10回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<23ページ>
2020年12月25日 小島妙子 委員(弁護士)

私は、意見要旨集の13ページの
「④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為」
の中の4つ目の「〇」の中で整理していただいている新たな処罰規定を設ける必要があると指摘される類型の中で、「③」

(参考。③)
アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

アダルトビデオ出演強要の類型について意見を述べます。

この点につきましては、検討会の第6回会合で配布されておりますが、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウさんが要請書を出しています。
アダルトビデオの出演強要というのは非常に深刻な人権侵害をもたらしています。
被害者の方が自分の同意している範囲以上の形で引きずり込まれまして、被害を受けている。
被害者に事前に性行為や裸体の撮影であるということを告知しないまま、だまして撮影場所に連れ込んで、恐怖や困惑の中で撮影に応じざるを得ない状況に追い込んで性的姿態を撮影し、インターネットで頒布・販売して多額の利益を得ている業者がおります。
若い女性が被害に遭っておりまして、一旦契約したのだから、仕事なのだから、仕事を断れば違約金を払わなければいけないから、親にばらすぞと脅されて、やむを得ず出演させられているという現状があります。
これは、性的姿態の撮影行為の類型としては特殊な類型だと思います。
要請書では、性的姿態及び性器の全部又は一部を露出した人の姿態を同意なく撮影する行為を処罰することと、併せて、アダルトビデオ出演強要について、性的行為の強要自体を処罰することを求めています。
アダルトビデオ出演強要に関する撮影については、強制性交等の犯行を撮影した場合とは異なり、撮影者と性的行為を行う者は別人です。
撮影者は、業者です。
商業的な性的画像記録の販売・頒布について一定の規制を考える必要があります。
一旦被害に遭ってしまいますと、違約金で法外なお金を請求されたり、撮影された映像が海外に流されたりなどの深刻な被害を被るという現状がございますので、アダルトビデオ出演強要による撮影行為についても御検討いただければと思います。

——————————————————–

先月(2021年9月)の16日、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。
上川大臣は今回、以下の10項目に及ぶ諮問をおこないました。
諮問の内容を確認します。

上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容(※抄)

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
——————————————————–

刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
——————————————————–

配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
——————————————————–

性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

——————————————————–

第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

——————————————————–

被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

——————————————————–

第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

——————————————————–

性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

——————————————————–

(再掲。2021年9月16日 上川陽子法務大臣)
性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること
性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること

明日も、上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容についてみていきます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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先月、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました(その3)。そう遠くない将来、AV出演強要罪が新設されることでしょう

本日もひきつづき、昨年(2021年)から法務省が進めている刑法改正のうごきについてみてみます。
AV出演強要につきましては、昨年(2021年)の第4回性犯罪に関する刑事法検討会で意見が出ました。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第5回(2020年8月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第6回(2020年9月24日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第7回(2020年10月20日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第11回(2021年1月28日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第14回(2021年3月30日)※議事録公開
第15回(2021年4月12日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書(案)
第16回(2021年5月21日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書

2020年7月27日
第4回 性犯罪に関する刑事法検討会

第4回性犯罪に関する刑事法検討会の議事録を参照します。

(2020年7月27日 第4回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<12~14ページ>
2020年7月27日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

(前略。)
最後に、「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」についてです。

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会 論点整理(案)

第1 刑事実体法について

8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
〇 他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為を処罰する規定を設けるべきか
〇 撮影された性的な姿態の画像の没収(剥奪)を可能にする特別規定を設けるべきか

アダルトビデオ出演の強要でありますとか、
盗撮だけではなく、同意なく撮影する行為も幅広く含まれるのか
という点が一つです。
また、この撮影に関する問題で、強制性交等の間に撮影されているということではなく、例えば、いわゆる盗撮について、よく被害者は盗撮では傷つかないのではないかという質問を受けることがございます。
そのようなことは全くなく、被害者は大変傷つくわけですが、こういった誤解が生じないよう、同意なく撮影されることについて、どのように被害者が傷つくのか、この処罰規定で何を守るべきなのかということについては、よくよく議論が必要なのではないかと思っております。

——————————————————–

2020年7月27日 岡田 法務省 参事官

(前略。)
それから、性的姿態の撮影行為に関して、アダルトビデオの出演の強要のような場合についても含まれるのかという観点の御質問ですけれども、どのようなものを処罰の対象とすべきかというところから、この検討会で御議論いただくべきものと考えております。
その際に、同意なく撮影をされるということについての被害がどういうものであるかですとか、何を処罰しようとするのかという観点からも、御議論を頂ければと思っております。

——————————————————–

2020年7月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

(前略。)
第1の8の「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」についてなのですけれども、やはり、私も、アダルトビデオ出演強要は、人身取引も含めて非常に問題だと思っています。
デジタル化が進み、画像が拡散・拡大していくような問題をどのように解決していくのかということについても、議論していただければと思います。
画像等が拡散していくので、没収や削除が非常に難しく、被害がデジタルタトゥーとして永遠に記録されているということ自体が、被害者にとって、忘れられない烙印として残ってしまっているという問題があります。
アダルトビデオ出演強要は契約の問題というふうにも言われ、非常に難しいところはあるのですけれども、自分の性的な姿態が録画され、それを後から取り消すことができないということの問題や、また、だまされたり、脆弱な立場に乗じるなど、その他の強制力によって、性的な行為を撮影・録画された映像が拡大していくという問題について、「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」に、ぜひ含めていただければと思っています。

——————————————————–

(再掲。2020年7月27日 岡田 法務省 参事官)
性的姿態の撮影行為に関して、アダルトビデオの出演の強要のような場合についても含まれるのかという観点の御質問ですけれども、どのようなものを処罰の対象とすべきかというところから、この検討会で御議論いただくべきものと考えております

先月(2021年9月)の16日のことです。
上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。

(参考。当ブログ)
<上川陽子法務大臣が法制審議会に対しておこなった諮問>
2021年10月13日(1)
2021年10月14日(2)

上川大臣は今回、以下の10項目に及ぶ諮問をおこないました。
諮問の内容を確認します。

上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容(※抄)

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
——————————————————–

刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。

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刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
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配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
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性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

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第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。

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被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

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第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。

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性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。2021年9月16日 上川陽子法務大臣)
性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること
性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること

このたび、上川陽子法務大臣は、AV出演強要罪の新設を諮問しました。
明日も、法務省の性犯罪に関する刑事法検討会でのべられたAV出演強要に関する意見をふりかえってみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

先月、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました(その2)。AV出演強要は、刑法で処罰されることになりそうです

法務省内に設置された性犯罪に関する刑事法検討会は、昨年(2020年)来、刑法の性犯罪規定の改正について議論を重ねてきました。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第5回(2020年8月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第6回(2020年9月24日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第7回(2020年10月20日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第11回(2021年1月28日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第14回(2021年3月30日)※議事録公開
第15回(2021年4月12日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書(案)
第16回(2021年5月21日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書

同検討会では、現在野放しとなっているAV出演強要について、処罰すべき、との意見が噴出しました。

AV出演強要罪 ~性犯罪に関する刑事法検討会で検討

2020年9月24日
 第6回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<33~34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

第3点目として、アダルトビデオの出演強要問題について簡単に言及しておきたいと存じます。

問題を正確に理解していないかもしれませんが、この問題は、盗撮の問題とは異なる側面を有する問題であるような印象を持っております。

と申しますのは、盗撮行為であれば、性行為については同意があるけれども、撮影行為については同意がないというケースがままあり得るわけであり、それゆえ撮影行為を独立に処罰することの要否が問題となるわけです。

しかし、アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。

そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用についても問題にする余地があると思います。

例えば、被害者が抗拒不能の状態にあることに乗じて、被害者に服を脱ぐように命じて、裸の写真を撮影するような行為は、服を脱がせて撮影する行為全体を評価した上で、準強制わいせつ罪の適用を検討する余地があると思われます。

このように、アダルトビデオの出演の場合、性的行為に応ずることと撮影に応ずることは同一の意思決定によって行われる場合が多いことから、まずは性的行為自体についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要になりますし、このような意味においては前回の検討会で議論しましたように、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件の意義についての議論を踏まえながら、更に性的行為自体に関する同意・不同意の限界について検討する必要があると考えます。

<35~36ページ>
2020年9月24日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

それから第3は、アダルトビデオの出演強要のような事案で、欺罔や威迫によって、性的な姿態を撮影することに同意させられるという類型になります。

この類型につきましては、先ほど橋爪委員から御指摘があったように、欺罔や威迫による性行為等についても広く強制性交等罪等が成立するという規定を設ければ、第2の類型として処理することが可能なのですが、

(参考。第2の類型)
2020年9月24日 川出敏裕 委員(東京大学教授)
第2は、強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型です。この類型には、被害者が撮影を認識している場合としていない場合の両方がありますけれども、被害者は性交等について同意しておらず、そうである以上は撮影についても当然に同意しておりませんので、同意のない撮影ということになります

性行為等については、そこまでカバーする処罰規定を設けない場合には、撮影について同意に瑕疵があるということで、同意のない撮影として処罰の対象にすることも考えられるのではないかと思います。

また、この類型は、第2の類型とは違って、性行為等を行う者と撮影する者が別で、撮影者の主目的は撮影自体にありますので、第2の類型とは別個の類型として考えた方が実態に合うようにも思います。

2020年12月25日
 第10回 性犯罪に関する刑事法検討会

(2020年12月25日 第10回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<27~28ページ>
2020年12月25日 池田公博 委員(京都大学教授)

私もこの意見要旨集の)(1)の「④」の4つ目の「〇」を手掛かりに意見を申し上げたいと思います。

(参考。(1)の「④」の4つ目の「〇」)
新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、
①被害者に気付かれずに密かに性的な姿態を撮影する類型(撮影されていることの認識があれば同意しなかったと推定されるもの)、
②強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型(性交等に同意しておらず、当然、撮影にも同意していないもの)、
アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)
に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

(中略。)

以上を踏まえて、こうした撮影される者の承諾を得ずに一定の性的姿態を撮影する行為についての処罰規定の在り方を検討した上で、引き続いて、「④」の中の3つの類型のうちの2つ目の強制性交等罪の犯行状況を撮影する類型や、3つ目のアダルトビデオ出演強要の類型についても、その規定(処罰規定)を適用することで足りるのか、あるいは、更に別の要件を設けるなどする必要があるかということを考えていくことになるものと思います。

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昨日のブログでもふれました。

(参考。当ブログ)
2021年10月13日(※昨日)

性犯罪に関する刑事法検討会の論議を受けて、上川陽子法務大臣は、先月(2021年9月)、法制審議会へ刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。
諮問の内容は以下のとおりです。

上川陽子法務大臣がおこなった諮問の内容

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 諮問第117号

諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

     記

第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

1 刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

2 刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

3 相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
4 刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

5 配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

6 性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。
第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

1 より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
2 被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。
第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

1 性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
2 性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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(再掲。2021年9月16日 上川陽子法務大臣)
性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること
性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること

AV出演強要は、刑法という最強の法律によって処罰されることとなりそうです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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先月、上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました(その1)。驚嘆すべき内容です。AV出演強要罪の新設も求めています

昨年(2020年)、法務省は、省内に、性犯罪に関する刑事法検討会を設置しました。
爾来、同検討会は、刑法の性犯罪規定の改正に関する検討を精力的におこなってきました。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第5回(2020年8月27日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第6回(2020年9月24日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第7回(2020年10月20日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第11回(2021年1月28日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開・・・AV出演強要についても論議
第14回(2021年3月30日)※議事録公開
第15回(2021年4月12日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書(案)
第16回(2021年5月21日)※議事録公開・・・取りまとめ報告書

上述のとおり、性犯罪に関する刑事法検討会は、2021年5月21日に、取りまとめ報告書を策定しました。
同日(2021年5月21日)、同検討会の座長は、上川陽子法務大臣に対して、取りまとめ報告書を提出しました。

4か月後(2021年9月16日)のことです。
上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。

・上川陽子法務大臣
  諮問(意見を求める)
・法制審議会

法制審議会は法務大臣の諮問機関です。
改正法案は、実質、法制審議会で策定されます。

(参考。当ブログ)
前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)
2021年10月2日(その3)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定①
2021年10月3日(その4)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定②
2021年10月4日(その5)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定③
2021年10月7日(その6)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定④
2021年10月8日(その7)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定⑤
2021年10月9日(その8)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定⑥
2021年10月10日(その9)【総会で決議①】
2021年10月11日(その10)【総会で決議①】

先月(2021年9月)の16日、上川陽子法務大臣は法制審議会に対して、どのような内容の諮問をおこなったのでしょうか。
今回の諮問に関する文書をみてみます。

(2021年9月16日 上川陽子法務大臣 諮問第117号より、引用。)

2021年9月16日 上川法務大臣 諮問第117号

諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

     記

第1 相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備

1 刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

2 刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

3 相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
4 刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。

(参考。刑法)
第176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

5 配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。

(参考。刑法)
第177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

6 性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。
第2 性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備

1 より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
2 被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。
第3 相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処置を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備

1 性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
2 性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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上述の諮問第117号を読んで驚嘆しました。
上川陽子法務大臣は、現行刑法の大幅な改正を求めています。
法制審議会は、当然、上川陽子法務大臣の意向にそって法案の叩き台をつくることになるのでしょう。
法制審議会はこのたび、「刑事法(性犯罪関係)部会」を新設しました。
近々、「刑事法(性犯罪関係)部会」による審議が始まります。
AV出演強要の量刑は、どれくらいになるのでしょうか。
そう遠くない将来、全貌が明らかになります。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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法制審議会における刑法の性犯罪規定改正の審議(その11)。2016年9月12日の総会で、「要綱」(※現在の刑法の性犯罪の規定)が承認されました③

4年前(2017年)に、刑法の性犯罪規定が改正されました。
このときは、法制審議会の刑事法(性犯罪関係)部会の7回目の会合で、法案の叩き台が取りまとめられました。
その後、この叩き台は、法制審議会の総会にかけられました。

(参考。当ブログ)
<前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)
2021年10月2日(その3)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定①
2021年10月3日(その4)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定②
2021年10月4日(その5)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定③
2021年10月7日(その6)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定④
2021年10月8日(その7)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定⑤
2021年10月9日(その8)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定⑥
2021年10月10日(その9)【総会で決議①】
2021年10月11日(その10)【総会で決議①】

本日もひきつづき、法制審議会の総会における審議状況をみていきます。

2016年9月12日 法制審議会 第177回会議
(※ |)

(2016年9月12日 法制審議会 第177回会議 議事録より、引用。)

<8ページ>
2016年9月12日 小杉礼子 委員(独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー)

先ほど山口部会長からお話がありましたが、7回の審議のうち1回はヒアリングをしていただいたということで、実態に即した要綱案となったのではないかと思っております。

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日)・・・要綱が取りまとめられる

その上で、2点意見を述べさせていただきます。

まず、要綱案の第一の強姦罪に関してなのですが、諮問の際にも申し上げましたが、従来強姦罪の被害者というのは女性の性のみであったわけですが、今回の改正で男性あるいはLGBTの方々を含む全ての方々が被害者として認められるということで、現代の社会情勢と合致しており、性犯罪に関する法整備において、大きな前進になったのではないかと思っております。
これが1点目です。

2点目ですが、要綱第三の監護者であることによる影響力に乗じて性交渉した場合に関する罰則の新設についてですが、これまで表面化してこなかった事案、また必ずしも実態と合致しているとは言えなかった量刑、こうしたものが整理されたのではと思っておりまして、非常に意義が大きいものと思います。
ただ、一般庶民的な感覚から申し上げますと、この要綱第三の題名と言いますか、罪の名前ですが、少し表現が固く、一般の人には少し言いづらいですし、また、分かりづらいという印象を持っております。
今後新設された後には社会に実装していくということになるかと思いますので、直観的にこういう犯罪なのだということが一般の国民の方々に分かりやすいような表現、少し不謹慎な言い方をしますとキャッチフレーズと言いますか、そういうようなものを少しお考えいただければ、広く世の中に認識されて、法意、法の意図が、社会に実装されていくのではないかと思いました。

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<9ページ>
2016年9月12日 加藤俊治 関係官(法務省 大臣官房審議官)

御指摘ありがとうございました。

要綱(骨子)第三の罪の呼び名等についてですが、もちろん要綱(骨子)に書いてあるとおりの文言が、そのまま法律を作った際の見出しとなるわけではございません。
したがいまして、立案に際しまして御指摘も踏まえ、法律の見出しとしてどのようなものが適切であるか、あるいは一般的な呼称としてどのようなものが適切であるかについても検討させていただきます。

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<9ページ>
2016年9月12日 大塚弘之 委員(読売新聞東京本社論説副委員長)

私も今回の内容は全体的には賛成であります。
その上で、皆さんもおっしゃっていましたけれども、非親告罪化の部分で1点だけ意見を述べたいと思います。

諮問のときにも申し上げましたけれども、非親告罪化にするということはいわゆる逃げ得を許さないという観点からは非常に妥当な措置だとは思います。

ただ、皆さんおっしゃっていたのに加えて一つ、特に懸念しているのは、被害者に対する二次被害の部分であります。

公判を通じて思い出したくもない記憶がよみがえざるを得ないという状況が生じるかと思います。
その被害者の心情、これに十分に配慮していただいて、運用に当たっては警察、検察の方はもちろんですけれども、裁判所の訴訟運営においても被害者の心情に留意していただくことをお願いしたいと思います。

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<9~10ページ>
2016年9月12日 八木宏幸 委員(次長検事)

ただいまの刑事手続における被害者の二次被害の御心配に関しまして、現状の運用について御説明申し上げます。

大塚委員のおっしゃるとおり、性犯罪が被害者の方にとりまして、身体のみならず、多くの場合は精神的に長期にわたる傷跡を残す重大な犯罪であることを捜査・公判に携わる者の皆が認識しております。

そのような被害を受けた被害者の方のプライバシーの保護や負担軽減は言うまでもなく重要であると認識しております。

ただ、性犯罪は犯罪事実を特定して立証するためにはどうしても被害状況に関する被害者の詳細な供述を得ることが不可欠である場合が多く、特に被告人が犯行を否認している場合には、その弁解状況によっては事情聴取を再度行う必要も出てくることもありますし、被害者の方に公判廷で証言をしていただく必要が生じることもあります。

このことは今回のような非親告罪化によっても変わるところはないところだと思っております。

その上でではございますが、検察官・検察事務官としましては、被害に遭われたことで既に重大な精神的苦痛を感じておられている被害者の方がこれらの手続において感じる負担をできる限り軽減するため、様々な配慮を現に行っており、強姦罪等が非親告罪化された場合においても、被害者保護のための制度を適切に活用するなどして、できる限り被害者の方の負担を軽減するようより一層の配慮をしてまいりたいと思っております。

現在の運用につきまして若干申し上げますと、平成26年(2014年)10月に最高検から通達を発出しておりまして、その通達の中で検察官等に対し、被害者等から事情聴取するに当たっては被害者等が受けた身体的、精神的被害等に十分に配慮しつつ、被害者等との間のコミュニケーションをより一層充実させ、その声に真摯に耳を傾けるように努められたいということを注意喚起しているところでございます。

これは被害者等が捜査等の過程で配慮に欠けた対応をされることによって、今委員おっしゃられましたように二次被害を受けるこ
とがあり得ることに鑑みまして、検察官等においてこのことをよく理解した上で、被害者等の受けた被害の内容を的確に把握し、その心情等に十分配慮した対応をとる必要があるという趣旨で注意喚起しているところでございます。

その配慮の在り方について、具体的に御説明いたしますと、現に捜査段階での事情聴取におきましては検察官が事情聴取をする場合には必要に応じて女性検察官をこれに当て、あるいは、女性立会事務官を立ち会わせる等の工夫をしております。
また、取調室は往々にして非常に無味乾燥なところであることもございまして、非常に精神的に苦痛を与えかねないところでございますので、被害者専用に設けた部屋や、被害者等の心情の状況によっては被害者等の自宅に伺って事情聴取させていただく場合もございます。
また、発問の順序や方法を工夫するなどするように教育しているところでございます。

また、公判段階での工夫としましては、公開の法廷における被害者特定事項の秘匿をできる限り行うとともに、書類に記載されている被害者特定事項につきまして、証拠開示の際に弁護人に対しまして被告人には知らせないように配慮をお願いしたり、あるいはマスキングした上で証拠を請求する等の工夫もしております。

さらに、被害者特定事項につきましては、起訴状に名前を記載することによって、訴因を特定するという効果があるものですから記載をせざるを得ないときもあるのですが、事案によっては特定事項の記載を別な方法による、例えば旧姓や通称名を記載する、あるいはカタカナ表記にしてみたりする、また親権者の氏名とその続柄を記載することによってできる限り特定するという方法を試みたりしているところでございます。

そして、公判における証言の際や意見陳述を行う際の配慮の方法としましては、ビデオリンク方式による証人尋問や、遮断の措置、付添人を付けるといった制度を適切に利用しているところでございまして、これらは裁判所の訴訟指揮を受けながらでございますが、裁判所に働きかける側としてできる限りの配慮を現に行っているところでございます。

——————————————————–

<10ページ>
2016年9月12日 木村良二 委員(弁護士)

ただいまの非親告罪化及びその遡及適用という点についてもう十分な御報告いただきましたし、内容的には十分理解できたところではありますが、これだけ被害者の心情に対する懸念を持っている意見が多いということを改めて十分考慮していただいて今後の運用に活かしていただきたいということを述べさせていただきます。

——————————————————–

<10ページ>
2016年9月12日 高橋宏志 会長(中央大学法科大学院教授)

ほかに御意見いかがでしょうか。

では、原案につきまして採決に移ってもよろしいでしょうか。

それでは、諮問第101号につきまして、刑事法(性犯罪関係)部会から報告されました要綱案のとおり答申することに賛成の方は挙手をお願いいたします。

(賛成者挙手)

では、事務当局において票読みをお願いいたします。

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<10ページ>
2016年9月12日 佐伯 法務省 司法法制課長

それでは、採決の結果を御報告申し上げます。

議長及び部会長を除くただいまの出席委員数は18名でございますところ、全ての委員が御賛成ということでございました。

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2016年9月12日 高橋宏志 会長(中央大学法科大学院教授)

採決の結果、全員賛成でございましたので、刑事法(性犯罪関係)部会から報告されました要綱案は、原案のとおり採決されましたことを確認いたします。

なお、採択されました要綱案につきましては、会議終了後、法務大臣に対して答申することといたします。

山口部会長におかれましては、約半年の間多岐にわたる論点につきまして調査審議をしていただきました。
誠にありがとうございました。

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(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日)・・・要綱が取りまとめられる

2016年6月16日の法制審議会の第7回刑事法(性犯罪関係)部会で、「要綱」が取りまとめられました。
この「要綱」は、3か月後の法制審議会の総会で採択されました。

(再掲。2016年9月12日 佐伯 法務省 司法法制課長)
全ての委員が御賛成

(再掲。2016年9月12日 高橋宏志 会長)
採択されました要綱案につきましては、会議終了後、法務大臣に対して答申することといたします

答申された要綱は、実質、刑法の性犯罪規定の改正案となり、のちの国会で可決されました。

現在、この刑法の性犯罪規定が、再度、改正されようとしています。
近々、法制審議会の「刑事法(性犯罪関係)部会」で審議が始まります。
「刑事法(性犯罪関係)部会」でどのような法案の叩き台が取りまとめられるのでしょうか。
刮目(かつもく)して待っています。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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法制審議会における刑法の性犯罪規定改正の審議(その10)。2016年9月12日の総会で、「要綱」(※現在の刑法の性犯罪の規定)が承認されました②

先日来、現在の刑法の性犯罪規定は、どのような経過をたどって改正されたのかをふりかえっています。

(参考。当ブログ)
<前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)
2021年10月2日(その3)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定①
2021年10月3日(その4)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定②
2021年10月4日(その5)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定③
2021年10月7日(その6)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定④
2021年10月8日(その7)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定⑤
2021年10月9日(その8)・・・要綱(※現在の刑法の性犯罪の規定)策定⑥
2021年10月10日(その9)【総会で決議①】

昨日にひきつづき、本日も、当時の法制審議会の総会における審議状況をみてみます。

2016年9月12日 法制審議会 第177回会議
(※

(2016年9月12日 法制審議会 第177回会議 議事録より、引用。)

<6ページ>
2016年9月12日 高橋宏志 会長(中央大学法科大学院教授)

御報告ありがとうございました。

では、ただいまの御報告及び要綱案の全般的な点につきまして御質問及び御意見を承りたいと存じます。

御質問と御意見を分けまして、まず御質問がございましたらいかがでしょうか。

それでは、御意見の方を承りたいと存じます。

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<6ページ>
2016年9月12日 神津 里季生 委員(日本労働組合総連合会会長)

今回の改正の方向性については、おおむね賛成できるものと考えております。

その上で、連合として従来から政策全般の中で持っている考え方に照らしながら若干の意見を申し述べさせていただきたいと思います。

今回の改正に関する議論の途上では、配偶者間の強姦罪の明文化や、暴行・脅迫要件の緩和などが議題となりつつも要綱には入らなかったわけであります。

配偶者間の強姦や暴力が暴行・脅迫要件によって訴えが退けられてしまう例が多いことは引き続き課題であると考えます。

特に暴行・脅迫要件については、被害者の抵抗の有無に立証の焦点が当たり、抵抗するのもままならない状況、あるいは教師やクラブコーチなどの立場を利用した場合などが看過されているとともに、立証過程そのものが様々な意味での二次的被害を引き起こす側面があることも忘れてはならないのではないかと思います。

今回の改正自体が1907年に作られた刑法の抜本改正になると聞いておりますが、こうした課題が残る中で、次の改正が100年後といったことにならないよう、改正案成立の際には、施行後の現場の実態を多方面からよく注視し、被害者の声が十分に反映される形で見直しを図るようお願いをしたいと思います。

また、改正案要綱に関連して、性暴力被害者のプライバシーの保護の観点から、捜査公判過程や被害者の権利としてのレイプシールドの必要性など十分な関連法制度の検討が望まれると思います。

また、性暴力を根絶するために、性暴力被害者の相談支援体制を充実させ、暴力を許さない社会の形成、あらゆる性暴力は犯罪であるという社会認識の徹底、法曹三者を含めた意識啓発や情報の周知についても一層取り組むべきであると考えております。

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<6ページ>
2016年9月12日 高橋宏志 会長(中央大学法科大学院教授)

事務当局からお答えいただけますか。

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<6ページ>
2016年9月12日 加藤俊治 関係官(法務省 大臣官房審議官)

ただいまの神津委員からの御意見・御指摘は、御指摘のあったとおり、部会あるいはそれ以前の性犯罪の罰則に関する検討会で取り上げられた事項でございます。

(参考。法務省 性犯罪の罰則に関する検討会
第1回(2014年10月31日)
第2回(2014年11月21日)
第3回(2014年11月28日)
第4回(2014年12月24日)
第5回(2015年1月29日)
第6回(2015年2月12日)
第7回(2015年2月27日)
第8回(2015年3月17日)
第9回(2015年4月24日)
第10回(2015年5月28日)
第11回(2015年7月10日)
第12回(2015年8月6日)

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日)・・・要綱が取りまとめられる

委員の御指摘につきましては御意見として承り、事務当局として承知させていただきます。

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<6~7ページ>
2016年9月12日 小杉礼子 委員(独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー)

私は研究者として若い女性の貧困問題などにも最近関わっておりまして、その中でやはり貧困女性というのは性暴力被害に遭うことが度々あるというようなことが分かってきました。

中には性暴力被害に遭ったことがトラウマになって、男性のいる職場では働けなくなったりとか、そういったことも起こっておりますので、今回の非親告罪化されたり、あるいはその監護者であることの影響力がきちんと条文化されるというのは大変好ましいことと言いますか、こうした問題に対しても少しプラスの影響を与えるのではないかなと大変期待しているところです。

その上で一つ、今、神津委員の方からありましたことの中の一つなのですけれども、是非もう少し踏み込んでほしいなと思ったところが1点ございます。

これは感想ということでお話しさせていただきたいのですが、強姦罪の暴行又は脅迫を用いてという文言についてです。

暴行又は脅迫と言われても、一般にはその程度がどんなものかよく分からない、この条文からでは普通は分からないと思います。

暴行罪における暴行とかあるいは強姦罪における暴行・脅迫と同じような言葉を使われておりますけれども、実態と言いますかその行動態様というのは多分違いがあるのだろうと思うのですね。

ところが、私たち一般にはその言葉の違いというのがどの程度違うのかというのがよく分かっていません。

できれば、その暴行・脅迫の例示的な形で、威嚇とか強制とかあるいは威力によってとか何かその程度がある程度分かるような文言が入っていれば暴行罪の暴行とは違うのだなとか、そのレベルが一般にも分かるような文言が入っていれば分かりやすくなるのではないでしょうか。

分かりやすくなるということは犯罪の抑止にもつながると思うので、できれば先ほど神津委員の方から、今後実態に即してもう一度考えてほしいという、その辺を検討してほしいというお話がございましたけれども、是非今後その辺りについても考えていただければと思います。

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<7ページ>
2016年9月12日 高橋宏志 会長(中央大学法科大学院教授)

御意見伺いました。

ほかに御意見いかがでしょうか。

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<7~8ページ>
2016年9月12日 井上正仁(早稲田大学大学院教授)

部会の方で非常に精力的に調査審議を重ね、意見をまとめていただいたことに感謝申し上げます。

山口部会長の方から御報告がありました趣旨、内容とも、全体として賛意を表させていただきたいと思います。

1点だけ、性犯罪を非親告罪化するということについて、若干コメントさせていただきますと、先ほど山口部会長が言われたように、従来、この制度は被害者の保護のための制度であると言われてきましたし、私も長年、大学で何の疑問も持たずにそういうふうに教えてきました。

けれども、ここ十数年、犯罪被害者等基本法等ができる前後からこういう問題にも関わって、被害者の方や支援団体の方の御意見を伺ったりして、実態はちょっと違うということに気付きました。

先ほど御報告があったように、性犯罪の被害を受けてその後も非常に苦しんでおられる、つらい状況にある被害者の方々が、刑事事件として取り上げてもらえるかどうかは、自分たちが決めなければいけない。
そういう選択を迫られることがまた苦痛を増加させるのだという声を随分伺いました。

同時に、被害者の方たちは、自分たちが特に申し出ない限り取り上げてもらえないというのは、社会から見放され、社会は、大したことではないと見ているのではないか。
そのような感を非常に強く持たれるということを知りました。

そういうことで、制度が設けられた当時の状況がどうであったかは別として、少なくとも今日の時点では、どうも、従来、立法趣旨とされてきたことは、立法関係者ないし法律関係者のやや一方的な思い込み、あるいは思い過ぎになってしまっているのではないかと反省させられたわけです。

その意味で、今回の非親告罪化の方向性には賛成する次第です。

ただ、従来、立法趣旨として言われてきたような、被害者の方の意向にかかわらず事件として取り上げ、公の裁判の対象とすると、被害者の名誉やプライバシーを一層傷つけることになってしまうという懸念が全く理由のないものになったというわけでもないわけで、実際、被害者の方々の中でもそういう心配をされる方もおられるわけですから、やはり配慮を欠くような捜査や公訴権の行使は極力避けなければならないことに変わりはありません。

非親告罪化するとしても、その面の配慮は尽くしていただかなければいけないと思います。

部会長の報告の中で触れられましたように、昔に比べ今では、被害者の方々に対する配慮あるいはバックアップの体制というのは制度的にも運用上もかなり進んできたことは確かですし、また検察当局の方からも、十分配慮した運用をするという表明があったということで、そのとおりやっていただけると思うのですが、問題は、親告罪でなくなってしまってかなり時間が経つと、こういう経緯が忘れられてしまい、たくさんの方が捜査や訴追の現場で働いておられますので、ややもすれば配慮を欠くような扱いが出てくるというおそれもなしとしないように思います。

ですから、警察や検察当局におかれては、教育とか運用上この点について、常に周知を図るという態勢を継続してとっていただきたい。
そのことをお願いしておきたいと思います。

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<8ページ>
2016年9月12日 加藤俊治 関係官(法務省 大臣官房審議官)

御意見ありがとうございました。
今回の法改正がこの部会の要綱(骨子)に沿ってなされた場合には、その趣旨につきましては御指摘のあったような周知に努めるようにいたしたいと存じます。

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この論議のつづきは、明日のブログでみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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法制審議会における刑法の性犯罪規定改正の審議(その9)。2016年9月12日の総会で、「要綱」(※現在の刑法の性犯罪の規定)が承認されました①

刑法の性犯罪規定が改正されようとしています。
先月(2021年9月)の16日のことです。
上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法改正に関する諮問をおこないました。

(2021年9月16日 日本経済新聞「性犯罪や侮辱罪も諮問 法制審、海外例を参考に議論」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2021年9月16日 日本経済新聞

(2021年9月)16日の法制審議会(法相の諮問機関)では、性犯罪規定の見直しについても議論が始まった。

今後はどのようなかたちで進行するのでしょうか。
本日も、前回の改正時の流れをふりかえってみます。

(参考。当ブログ)
<前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)
2021年10月2日(その3)※要綱策定①
2021年10月3日(その4)※要綱策定②
2021年10月4日(その5)※要綱策定③
2021年10月7日(その6)※要綱策定④
2021年10月8日(その7)※要綱策定⑤
2021年10月9日(その8)※要綱策定⑥

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会

第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日)・・・要綱が取りまとめられる

上述のとおり、2016年6月16日に開催された第7回「刑事法(性犯罪関係)部会」で要綱が取りまとめられました。
そのときの議事録を参照します。

(2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会「議事録」より、引用。)

<16ページ~>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

(法務大臣からの)諮問第101号は、
近年における性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするための罰則の整備を早急に行う必要があると思われるので、別紙要綱(骨子)について御意見を賜りたい
というものであり、その別紙として、要綱(骨子)が付されておりましたが、この要綱(骨子)につきましては、本日、事務当局から修正案が提出されました。

——————————————————–

2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

要綱(骨子)第一から第七に賛成の委員の方は挙手をお願いいたします。

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2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ただいま報告がございましたとおり、要綱(骨子)につきましては、挙手されました委員の賛成多数で可決されたと認めます。
諮問第101号につきましては、配布資料34の事務当局による修正後の要綱(骨子)を、部会の意見として総会に報告することに決しました。

——————————————————–

法制審議会の総会は、3か月後に開催されました。
総会の議事録をみてみます。

2016年9月12日 法制審議会 第177回会議

(2016年9月12日 法制審議会 第177回会議 議事録より、引用。)

(前略。)
<10ページ>
2016年9月12日 高橋宏志 会長(中央大学法科大学院教授)

本日の審議に入ります。
先ほどの法務大臣挨拶にございましたように、本日の審議事項は二つでございます。

まず、第1の議題である、「性犯罪に対処するための刑法の一部改正に関する諮問第101号」について御審議をお願いいたします。

では、刑事法(性犯罪関係)部会における審議の経過及び結果につきまして、同部会の部会長を務められました山口厚委員から御報告を頂きたいと存じます。
では、山口部会長、お願いいたします。

——————————————————–

<2~7ページ>
2016年9月12日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

刑事法(性犯罪関係)部会長の山口でございます。
私から、当部会における調査審議の経過及び結果を御報告申し上げます。

諮問第101号は、
近年における性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするための罰則の整備を早急に行う必要があると思われるので、別紙要綱(骨子)について御意見を賜りたい。
というものでした。

本諮問につきましては、平成27年(2015年)10月9日開催の第175回会議で、まず部会において調査審議すべきである旨が決定され、刑事法(性犯罪関係)部会が設けられました。

そして、部会において、同年(2015年)11月2日から本年(2016年)6月16日までの間、合計7回にわたって調査審議を行いました。

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日)・・・要綱が取りまとめられる

なお、諮問に先立って法務省で開催されていた「性犯罪の罰則に関する検討会」において実施されたヒアリングを補充する観点から、部会においても、性犯罪被害の当事者等のヒアリングを更に実施し、そこで示された御意見をも踏まえて審議を行いました。

(参考。法務省 性犯罪の罰則に関する検討会
第1回(2014年10月31日)
第2回(2014年11月21日)
第3回(2014年11月28日)
第4回(2014年12月24日)
第5回(2015年1月29日)
第6回(2015年2月12日)
第7回(2015年2月27日)
第8回(2015年3月17日)
第9回(2015年4月24日)
第10回(2015年5月28日)
第11回(2015年7月10日)
第12回(2015年8月6日)

それらの調査審議の結果、諮問に係る要綱(骨子)について一部修正の上、賛成多数により、本日配布資料刑1としてお手元に配布いたしました要綱(骨子)のとおり法整備をすることが相当であるとの結論に達したものです。

部会における審議の概要につき、資料刑1に沿って御説明いたします。

要綱(骨子)は、第一から第七までの構成としており、これは、おおむね刑法における条文の順序に対応する形で配列したものですが、ここでは、部会における審議の順序に従い、まず、要綱(骨子)第四について御説明し、さらに、相互に関係が深いと考えられる項目について、適宜まとめて御説明いたします。

まず、要綱(骨子)2ページ目に記載しております「第四 強姦の罪等の非親告罪化」を御覧ください。

要綱(骨子)第四の一及び二は、現行法で親告罪とされている強姦罪等について、非親告罪化することとするものです。

この点につきましては、第175回会議において、総会委員の皆様から、被害者の心情への配慮の必要性等についての御意見を頂いておりましたことから、部会では、これらの御意見をも踏まえて、調査審議を進めました。

部会においては、強姦罪等を非親告罪化することについて、被害者の利益を守るためにその意思を尊重することとしてきた制度を廃止することには疑問があるなどとして、非親告罪化に反対する意見もありましたが、ヒアリング等の結果により、被害者にとって告訴するか否かの判断を迫られることが心理的な負担になっているという実態があることがよく理解できたなどとして、性犯罪が親告罪であることがかえって被害者の負担となっている場合があるとの理解が多数を占めました。

加えて、現在では、刑事訴訟法の改正等により被害者のプライバシー保護が図られるなどしており、親告罪であることとプライバシー保護等との関連性は既に薄れているなどの意見があり、部会の議論においては、非親告罪化することに賛成する意見が多数となりました。

なお、先の総会でも御指摘がありました刑事手続における被害者の心情への配慮については、検察官である委員から、現行法で非親告罪とされている強姦致傷等の罪についても、起訴するか否かの判断に当たって被害者の意思を丁寧に確認しており、強姦罪等を非親告罪化した場合にも、被害者の意思を最大限尊重することになると考えているとの発言があり、部会としても、実務での運用によって適切に対応ができるとの意見が多数でした。

次に、要綱(骨子)第四の三は、第四の一及び二の時的な適用範囲に関するものであり、諮問に係る要綱(骨子)には示されていなかったものですが、部会においては、強姦罪等が非親告罪化された場合、改正法施行前に行われた行為について、施行後は非親告罪として取り扱うべきかどうかの点も議論を行い、要綱(骨子)第四の三に記載した結論に至りました。

この点については、過去に刑法上の犯罪につき非親告罪化された際と同様に、その効果は改正後の行為にのみ及ぶこととすべきであるとして、施行前に行われた行為を非親告罪化することに反対する意見もありましたが、親告罪の規定は訴訟手続に関するものであり、手続の改正については進行中の手続にも新法を適用するのが原則である、被害者の負担を軽減するという非親告罪化の趣旨に鑑みると、改正法施行前の行為も非親告罪として取り扱うのが適当である、改正法施行の時点において、将来的に告訴がされる可能性がある事件については、これを非親告罪化したとしても、その被疑者の法律上の地位を著しく不安定にするものとは言えないなどとして、改正法施行前の行為についても新法を適用し、非親告罪として取り扱うこととするのが適切であるとの意見が多数を占めました。

もっとも、改正法施行前に、既に法律上告訴がされる可能性がなくなっている場合については、一旦起訴される可能性がなくなった被疑者の地位の安定を考慮する必要があることから、そのようなものについては新法を適用しないこととして、要綱(骨子)第四の三のとおりとすることとしたものです。

そして、この点は、いわゆる経過措置に関するものではありますが、その内容が関係者の権利利益にとって重要なものであると考えられたことから、要綱(骨子)に明記することとしたものです。

次に、要綱(骨子)第一、第二及び第六についてです。

このうち、要綱(骨子)第一は刑法第177条の強姦罪の改正に関するものであり、「女子」に対する「姦淫」のみを対象として、強制わいせつ罪よりも重く処罰するものとしている現行法の強姦罪について、その構成要件を見直し、重い処罰の対象となる行為の範囲を拡張するとともに、法定刑の下限を懲役3年から懲役5年に引き上げることとするものです。

要綱(骨子)第二は、刑法第178条第2項の準強姦罪の改正に関するものであり、要綱(骨子)第一と併せて、処罰対象となる行為の範囲を拡張するとともに、法定刑の下限を引き上げることとするものです。

3ページ目の要綱(骨子)第六は、強姦等致死傷の罪の改正に関するものであり、基本犯である強姦罪等の法定刑の下限を引き上げることに伴い、その結果的加重犯とされる強姦等致死傷の罪の法定刑の下限も懲役5年から懲役6年に引き上げることとするものです。

まず、諮問に係る要綱(骨子)を修正した点について申し上げますと、その第一においては、処罰対象となる行為について、「性交等」と表現した上で、括弧書を用いてその内容を詳細に定義しておりましたが、構成要件の明確性の要請を踏まえつつ、同じ内容をより適切な用語で表現するという観点から検討した結果、お手元の要綱(骨子)第一のとおり、「性交、肛門性交又は口腔性交」という表現を用いることとしたものです。

したがいまして、この修正は、諮問に係る要綱(骨子)の意味内容を変更する趣旨ではありません。

次に、要綱(骨子)の内容について審議の経過を御説明いたしますと、重い処罰の対象となる行為として、口腔性交をも含めることに反対する意見もありましたが、被害の重大さという点では、口腔性交も、膣性交や肛門性交と異なるところはなく、区別することに合理性は乏しい、体内への陰茎の挿入を伴う行為は、濃厚な性的経験の共有を強いられるという意味で、重く処罰されるべきものであるなどとして、性交、肛門性交のほか、口腔性交をも含めることに賛成する意見が多数を占めました。

また、法定刑の下限を引き上げる点については、その理由が乏しいとしてこれに反対する意見もありましたが、強姦罪の量刑傾向を見ても法定刑の下限が懲役5年である現住建造物等放火罪や強盗罪と比して軽い処罰がなされているとは言えず、そのような評価を法定刑にも反映すべきである、法定刑は、実際に科すことのできる刑の幅を決めているだけでなく、それぞれの犯罪あるいは被害法益に対する評価を示すという意義があり、強姦罪等の法定刑の下限を引き上げることには理由があるなどとして、法定刑の下限を要綱(骨子)のとおり引き上げることに賛成する意見が多数でした。

次に、要綱(骨子)第五は、要綱(骨子)第一、第二及び第六による法定刑の引上げに伴い、集団強姦等の罪を廃止することとするものです。

部会においては、集団強姦等の罪を廃止することに慎重な意見もありましたが、強姦罪、準強姦罪及び強姦等致死傷罪の法定刑を引き上げれば、これらの罪とは別に集団強姦等の罪を存置しておかなくても、適切な量刑ができるとして、要綱(骨子)第五に賛成する意見が多数を占めました。

続いて、要綱(骨子)第三は、監護者であることによる影響力があることに乗じたわいせつ行為又は性交等に関する罪を新設するものです。

まず、諮問に係る要綱(骨子)から表現を修正した点について申し上げます。

諮問に係る要綱(骨子)では、処罰の対象となる行為について、監護者がその「影響力を利用して」性交等をしたという表現を用いていましたが、審議の結果、お手元の要綱(骨子)第三のとおり、「影響力があることに乗じて」という表現を用いることとしたものです。

この「影響力を利用して」という文言は、「18歳未満の者に対する監護者の影響力が一般的に存在し、かつ、その影響力が遮断されていない状況で」性交等を行ったという意味で用いられていたものですが、「影響力を利用して」という表現では、被害者に向けられた具体的な利用行為が必要とされているようにも解され得ることから、より適切な表現に改めたものです。

したがいまして、この修正につきましても、諮問に係る要綱(骨子)の意味内容を変更するものではありません。

次に、要綱(骨子)第三の内容に関する審議経過を御説明します。被害者に対する行為者の影響力があることに乗じて性交等をした場合の処罰規定を新設する必要性について最初に議論を行い、現行法の準強姦罪等で対処することができると考えられることなどを理由に新設に反対する意見もありましたが、行為者との日常生活の中で性的関係が常態化している事案などは、行為者による明確な暴行や脅迫はなく、かつ、個別の性交等について抗拒不能にも該当しない場合が多く、刑法の性犯罪として処罰されていないが、強姦罪、準強姦罪等と同様に性的自由を侵害していることから、このような行為を性犯罪として刑法に規定し、重く処罰する必要があるなどといった意見があり、このような処罰規定を設けることに賛成する意見が多数を占めました。

また、要綱(骨子)第三の罪の主体の範囲について検討が行われ、行為主体をより広げるべきであるとの立場から、監護者のほかにも、監護者以外の親族や教師、スポーツの指導者もこの罪の主体に含めるべきであるとの意見がありましたが、新設の罰則は暴行・脅迫や抗拒不能がなくとも、強姦罪、準強姦罪等と同様に性的自由を侵害する行為について、それらの罪と同等に処罰するものであり、この観点からは、被害者が精神的・経済的に全面的に依存しており、その影響力が類型的に強いと評価できる監護者に限定するのが適切であるなどとする意見等があり、本罪の主体を「18歳未満の者を現に監護する者」に限定することに賛成する意見が多数を占めました。

最後に、要綱(骨子)第七は、強姦と強盗とを同一機会に行った場合の罰則の整備に関するものです。

部会においては、主として、このような罰則の整備の必要性について議論が行われ、法定刑の引上げ等に消極的な観点から、新たな罰則の整備に慎重な意見もありましたが、現行法の強盗強姦罪が重く処罰されているのは、強盗犯人が同じ機会に更に強姦に及んだという悪質性に基づくものであるところ、強姦犯人が強盗に及んだ場合でも、その悪質性は同様であることから、強盗強姦罪と同等に重く処罰すべきであるなどとして、要綱(骨子)第七のとおりとすることに賛成の意見が多数を占めました。

修正後の要綱(骨子)について、一括して採決に付したところ、部会長である私を除く出席委員15名のうち、賛成14名、反対1名の賛成多数により、修正後の要綱(骨子)のとおりの法改正を行うべきであるとの結論に至りました。

以上のような調査審議に基づき、諮問第101号については、配布資料刑1のように法整備を行うことが相当である旨が決定されました。

以上で、当部会における調査審議の経過及び結果の御報告を終わります。

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当該総会におけるこのあとの論議につきましては、明日のブログでみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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法制審議会における刑法の性犯罪規定改正の審議(その8)。前回(2017年)の刑法改正のときは、7回目の会議で、要綱(法案の叩き台)が策定されました⑥

本日も、5年前に開催された法制審議会の「刑事法(性犯罪関係)部会」の7回目の会合をふりかえります。

2016年6月16日
 法制審議会
 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会
 議事録

2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会
(※ |)

7回目の同部会で、実質、刑法の性犯罪規定の改正案が策定されました。

(参考。当ブログ)
<前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)
2021年10月2日(その3)※要綱策定①
2021年10月3日(その4)※要綱策定②
2021年10月4日(その5)※要綱策定③
2021年10月7日(その6)※要綱策定④
2021年10月8日(その7)※要綱策定⑤

(2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会「議事録」より、引用。)

<14~15ページ>
2016年6月16日 北川 佳世子 委員(早稲田大学教授)

今回、非親告罪化ということとともに、要綱(骨子)第三類型という新たな犯罪類型が設けられたことによって、家庭内において児童が性的な虐待を受けるということについて、ある意味、早期発見され、そして適正な処罰が図られていくことを期待しています。

ただ、それだけに、既に多くの委員の方々がおっしゃいましたように、被害者に対する支援、ケア、そちらの方に非常に今後は期待されるところが大変大きくなってくることだと思いますし、また、非親告罪化に伴い生じ得る被害者の精神的な負担ということについて、被害者の方々が司法過程に関係するということについてケアや配慮がどんどん必要になってくることかと思いますので、そういったところの実際的な今後の動きに期待をしております。

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<15ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
大体よろしゅうございますでしょうか。

それでは、本日御欠席の小西委員からも、修正後の要綱(骨子)についての意見書が提出されておりますので、最後に事務当局から御紹介をお願いします。

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<15~16ページ>
2016年6月16日 隄 良行 幹事(法務省 刑事局刑事法制企画官)

小西委員の意見書を読み上げます。

現在、事務当局より示されている要綱骨子(案)については、不足な点があるが、性暴力に関して、被害の現実に即さない現刑法から新しく一歩踏み出したことを評価したいと思います。

2、3意見を述べた上で、案に賛成します。

第一、強姦の罪(刑法177条)の改正について。
女性、男性、またどのような性的アイデンティティを持つ人にも、性暴力被害があり得ること、その容態は多様であること、その被害の結果は深刻であることが踏まえられていることが必要だと考えますので、第一、強姦の罪の改正には原則的に賛成します。
ただし強姦という名称は適当でなく、「性的侵襲」「性的侵入」等の名称が適当であると考えます。
ほかに「強制性交の罪」という案もあったと思いますが、性交という行為に焦点を当てるのではなく、人の極めてパーソナルな領域への侵襲が許されないという点に焦点を当てるべきであるという考えから、「性的侵襲」「性的侵入」を推したいと思います。

なお、今回は「暴行又は脅迫を用いて」という条件やその解釈はそのまま残されています
これが多くの性暴力被害者を潜在化させる要因となっています。
将来的に、さらに、「同意のない性的侵襲」にも刑法の適用が可能になるような改正を望みます。

第三、監護者であることの影響力があることに乗じたわいせつな行為又は性交等に係る罪の新設について。
この罪が新設されることは大きな意味があります。
子どもに対し親の立場にある者の「影響力」がいかに大きいか、当事者のヒアリングでも示されたと思いますが、そのような被害を受けた人は、多数存在します。
新設には大いに賛成ですが、ただ、性的虐待の被害の実情から考えると、少なくとも、教師についても、同様の罪を設けるべきだと考えます。
今回の改正は第一歩ですが、更に検討が必要と考えます。

第四、強姦の罪等の非親告罪化。
賛成します。
性犯罪はほかの暴力犯罪と同じく人権を侵す暴力行為であり、特殊視することなく同じように扱われることが基本的に必要だと思います。
しかし、非親告罪化する場合には、司法の過程での傷つきが深くなるようなケースが生じることが危惧されます。
非親告罪化を行うのなら、司法過程の中での被害者支援、司法過程に参加できるようになるための精神的社会的な被害者支援をより強化することが必須であり、それを保証する政策、対応が必要です。
非親告罪化と同時に被害者支援の大幅な強化が必要なことを、何らかの形で示すことを強く希望します。

上記のほかの第二から第七に関しては案に賛成します。

以上、小西委員からの意見書を紹介させていただきました。

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<16ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ありがとうございました。

それでは、これで議論は終結し、部会としての意見の取りまとめに入りたいと思います。

諮問第101号は、
近年における性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするための罰則の整備を早急に行う必要があると思われるので、別紙要綱(骨子)について御意見を賜りたい
というものであり、その別紙として、要綱(骨子)が付されておりましたが、

(参考。性犯罪の罰則の改正に関する法制審議会の審議状況等。)

〇 平成27年(2015年)10月9日

法制審議会に諮問

法制審議会(総会)において審議

2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

この要綱(骨子)につきましては、本日、事務当局から修正案が提出されました。

具体的には、要綱(骨子)第一及び第三について修正がなされ、要綱(骨子)第四の三が追加されました。

ここで、資料34として本日配布されました要綱(骨子)修正案を部会における取りまとめの対象とし、これを単に要綱(骨子)と呼ぶこととしたいと思います。

そこで採決の方法でございますが、要綱(骨子)第一から第七は、それぞれが密接に関連するものであり、これらを一体として諮問されたことに鑑みまして、要綱(骨子)第一から第七までを一括して採決の対象とさせていただきたいと考えておりますが、よろしゅうございましょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
では、採決に入らせていただきます。
要綱(骨子)第一から第七に賛成の委員の方は挙手をお願いいたします。

(賛成者挙手)

次に、反対の委員の方は挙手をお願いいたします。

(反対者挙手)

それでは、事務当局から採決の結果を報告していただきます。

——————————————————–

<16ページ>
2016年6月16日 隄 良行 幹事(法務省 刑事局刑事法制企画官)

ただいまの採決の結果を御報告いたします。

賛成の委員の方14名、反対の委員の方1名、出席委員総数は、部会長を除きまして15名でした。

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<16~17ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ただいま報告がございましたとおり、要綱(骨子)につきましては、挙手されました委員の賛成多数で可決されたと認めます。

諮問第101号につきましては、配布資料34の事務当局による修正後の要綱(骨子)を、部会の意見として総会に報告することに決しました。

この決定は、部会長である私から総会に報告させていただきますが、報告につきましては、慣例として、部会長に一任願うということでよろしゅうございましょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。

これで当部会の審議は終了となります。

昨年以来、充実した審議を重ねていただきまして、誠にありがとうございました。

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日

委員の方々から、既に御指摘がございましたように、明治以来の日本の性犯罪の罰則に関する規定としては、ある意味で画期的なものが部会の結論として出されたのではないかと思います。

これまでの皆様の御尽力、御協力に心より御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

なお、本日の議事につきましては、特に公表に適さない内容に当たるものはなかったと思われますので、発言者名を明らかにした議事録を作成し、公表することとさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(一同異議なし)

それでは、そのようにさせていただきます。

それでは、これで散会とさせていただきます。
どうもありがとうございました。

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(再掲。山口 厚 部会長)
この決定は、部会長である私から総会に報告させていただきます

(参考。性犯罪の罰則の改正に関する法制審議会の審議状況等。)

〇 平成28年(2016年)9月12日

法制審議会(総会)において審議の上、法務大臣に答申

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当該要綱(骨子)は、3か月後の総会で了承されました。
明日はこのときの総会の議事録をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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