“改正刑法の叩き台をつくる2回目の会議の議事録”(8) 慶応大学の有志団体Safe Campusの方々①「被害者が被害を訴えることができて、認められて、支援を受けられる」

昨年の9月(2021年9月16日)に上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。

(参考。2021年9月16日に上川陽子法務大臣がおこなった諮問)
諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

第一、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
一、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
二、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
三、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

(参考。組織図)
法務省
 |(設置)
法制審議会
 |(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

現在、刑事法(性犯罪関係)部会は、刑法の性犯罪規定を改正する作業を進めています。
同部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

上述のとおり、刑事法(性犯罪関係)部会の2回目の会合では、ヒアリングがおこなわれました。

(2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 議事概要より、引用。)

2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 議事概要

(ヒアリング)について
以下の6組10名の方から、ヒアリングを実施した。

・桝屋二郎 氏(東京医科大学精神医学分野准教授)

・佐保田美和 氏(Safe Campus代表)、本田義明 氏(Safe Campus)、中村彩夏 氏(Safe Campus

・西田公昭 氏(立正大学心理学部対人・社会心理学科教授)

・安藤久美子 氏(聖マリアンナ医科大学神経精神科学准教授)

矢野恵美 氏(琉球大学法科大学院教授)

金尻カズナ 氏(NPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)理事長)、岡恵 氏(理事)、後藤稚菜 氏(相談員)

本日は、Safe Campusの方々の論説をみてみます。

2021年11月29日 第2回 刑事法(性犯罪関係)部会
(※ぱっぷす【1】【2】【3】【4】)
(※矢野恵美教授【1】【2】【3】)
(※Safe Campus【1】)

(2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<9ページ>
2021年11月29日 井田良 部会長(中央大学教授)

(前略)
2組目の方は、佐保田美和様、本田義明様、中村彩夏様です。
青少年の性行動についてというテーマでお話しいただきたいと思います。

部会長を務めております井田でございます。今日はもしかすると履修している授業の時間とバッティングしているのではないかと心配しております。
こうしてヒアリングに御協力くださり、誠にありがとうございます。
まず、皆さんから15分程度お話を伺い、その後、委員・幹事の方から質問があれば10分程度御質問させていただきたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。

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<9~10ページ>
2021年11月29日 佐保田美和 Safe Campus(慶応大学の学生有志の団体)

皆様、はじめまして。私は、学生団体Safe Campusの佐保田と申します。
【Safe Campus提出資料:スライド1枚目】(以下、佐保田氏、本田氏及び中村氏発言部分中の【 】内は、同資料のスライドの位置を示す。)

Safe Campusは、慶應義塾大学の未公認学生団体になります。
私たちは、性暴力の被害をなくしたいという思いから2019年に活動を始めまして、現在は、約20名の学生が在籍をしております。
これまでには様々な形で性暴力や性的同意に関する啓発活動であったり、あるいは学内でのロビーイング活動などを行ってまいりました。

本日は、団体を代表しまして、私、理工学部4年の佐保田と、総合政策学部4年の本田、同じく総合政策学部2年の中村より、若者の性行動の実情の報告や、我々の考える問題点などについて述べさせていただきたいと思います。

スライド2枚目

まず初めに、私たちが考えている社会の在り方というものを整理させていただきます。
それは、不同意性交の取締りを強化しつつ、若年層が健康な性行動を行えるように法の整備と教育の充実、そして環境の構築も並行して行っていくべきと考えていま
す。

ここで強調したいのは、やはり被害者が不利な立場に置かれることが絶対にあってはならないということです。

一方で、性行動自体が悪いと思っているわけではなくて、相手を傷つける性行動や、性の無理解による結果的に危険な性行動が悪だと考えています。
やはり性や性行動にはグラデーションがありますので、その中で精神的にも身体的にも健康な性行動を身に付けていくということが重要であって、性に関する若者の理解を推進することと並行して、より包括的に被害者が保護される社会を作っていくことが重要だと思います。

今回の改正事項の検討に当たっても、どこまでが罰せられるべきかという線引きの議論のみに終始するのではなくて、被害者が被害を訴えることができて、認められて、支援を受けられるということに是非重きを置いてほしいと私たちは考えています。

スライド3枚目

それでは、個々の論点に関する議論に先立ちまして、発表概要をまとめます。

まず、性交同意年齢に関しましては、現行の13歳では明らかに不適切と考えておりまして、引上げを求めます。

また、地位・関係性を利用した犯罪類型の創設に関しては、例を示しながら、私たちの考える意見と、あとは団体外の学生などのより一般的な意見の両方を御紹介します。

最後に、同意の在り方について、若者の意見をそれぞれの立場から御紹介したいと思います。

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<10~11ページ>
2021年11月29日 本田義明 Safe Campus(慶応大学の学生有志の団体)

ここからは本田が担当いたします。
スライド4枚目

この審議会に出席するに当たりまして、若者がどのような性行動を行っているのかについてヒアリングを実施しました。
ここからは、このヒアリングで得られた若者の性行動の実態について紹介いたします。
対象は、中学生から大学生を中心に、約90名について、インタビュー又はオンライン上でのアンケートで実施しました。
ここで御留意いただきたいことですけれども、今回のアンケートではSafe Campusのメンバーと関わりのある人を中心に実施しました。
そのため、このアンケート、聴き取りが若者全体の意見や実態を反映しているわけではありません。
また、アンケートの回答には性被害や性行動の年齢が判別できない回答も含まれていましたが、できるだけ広く若者の性行動を取り上げるという観点から、そのまま取り上げております。

スライド5枚目

まず、性的な知識の情報源についてですけれども、そのきっかけとして、小学校高学年や中学時代における友人との会話などから、自分の知らない性的なワードに興味を持ち始め、その後、インターネットや雑誌などでより多くの知識を得ようとしています。
同様の回答が非常に多く寄せられました。
また、公的な情報源である学校の教科書や保健の授業を挙げる方も少なからずいましたが、そのほとんどが抽象的・表面的であったといった印象を持っており、学校における性教育の不十分さを感じていました。
そのほかにも、パートナーから教えてもらうという回答や、助産師や産婦人科医の方など性教育関連のインフルエンサーとして活動されている方を情報源としているという意見もありました。
一方で、アダルトビデオやアニメといった創作物のみを情報源としているといった回答も寄せられました。

スライド6枚目

次に、恋愛や性行動に関わるトラブル、直感的にやばいなと思った事例について、ヒアリングを実施しました。
ヒアリングの対象としては、本人のエピソードだけでなく、親しい友人の身に起きたことも対象としました。
その中で、幾つか同じような回答が寄せられた点としては、周りの中高生が塾講師の大学生や、その更に上の世代の教員を含む社会人と恋愛していることに不安に感じているという点です。
また、中学生同士での性行為において、アダルトビデオなどの間違った知識を信じていたり、性行為を誘われた際にショックを受けたなどの回答が寄せられました。

スライド7枚目

最後に、性に関して不安に思っていることや判断に困っていることについてヒアリングした結果を紹介します。
避妊具の使い方など踏み込んだ性教育を受けていないため、性感染症や妊娠のリスクに正しく向き合えていないのではないかといった不安を感じていたり、パートナーとの知識や認識にギャップがあることを不安視している声が挙げられました。
また、性的同意について理解していたとしても、いざ相手から性行為を望まれたときに断り切れなかったり、性に関する知識を学びたいと思っても、周りから笑われてしまう可能性を感じ、言い出せない、行動しにくいといった意見がありました。
これらは主に高校生の意見でしたが、中学生の中には、そもそも性的な話が自分事ではなく、遠い存在の話として感じているといった意見もありました。

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<11ページ>
2021年11月29日 中村彩夏 Safe Campus(慶応大学の学生有志の団体)

ここから中村に替わります。
ここから、性交同意年齢に関する私たちの意見を述べます。
スライド8枚目

私たちは、現行の13歳という性交同意年齢は、若者の性行動や教育の実情に鑑みて明らかに不適切であると考えております。

また、何歳に引き上げるべきかについては、最低でも義務教育修了後が適切であると考えます。

理由としては、まず、最低限の知識・教養を身に付けるための義務教育を修了していない子供たちに同意能力があると考えるのは不適切だからです。
また、13歳で性行為をする子供もおりますが、同意能力や知識の正確性には疑問が残る上に、多くの13歳には十分な同意能力がないと考えられます。
したがって、自ら同意ができるだけの情報を提供され終わるまでは子供たちを法律で守るべきだと考えております。

また、法の整備だけでなく、教育の推進やインターネットなどの性に関する情報を得る環境の整備にも力を入れるべきだと考えます。

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明日も、第2回刑事法(性犯罪関係)部会におけるSafe Campusの方々の論説をみていきます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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