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“改正刑法の叩き台をつくる3回目の会議の議事録”(1) 「被害者に抵抗義務を課すのではなく、そのような状況に追い込んだ加害者の行為を問う規定にしてほしい」

いまから1か月ほど前(2021年12月27日)、第3回刑事法(性犯罪関係)部会が開催されました。

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会 ※議事録公開
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※議事録公開
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会 ※議事録公開
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年2月28日 第5回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

昨日、第3回刑事法(性犯罪関係)部会(※2021年12月27日開催)の議事録が公開されました。

2021年12月27日 第3回 刑事法(性犯罪関係)部会

早速、当該部会の議事録を参照します。

(2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<2~3ページ>
2021年12月27日 井田良 部会長(中央大学教授)

それでは、議事に入りたいと思います。

前回会議でも申し上げたとおり、本日の会議から、諮問に掲げられた事項についての一巡目の議論を行いたいと思います。

第1回の会議でも何人かの委員から御意見が出されたように、議論に当たっては、「性犯罪に関する刑事法検討会」の議論の到達点を踏まえ、それを土台として、各事項についてどのような対処あるいは解決の方策があるのかを具体的かつ建設的に御発言いただけると、より掘り下げた中身の濃い議論ができると思います。

もし改正が必要だということで、ある程度議論の方向性が見えているとお考えの事項については、条文で用いられるべき文言にまで踏み込んで御提案いただけますと、議論を一歩も二歩も先に進めることができると思います。

これらの点につきまして、何とぞ御理解いただきますよう、改めて、よろしくお願い申し上げます。

当面の進め方についてですが、これも、第1回会議において御発言がありましたように、性犯罪に対処するための法整備は喫緊の課題とされており、当部会には、十分な議論を行いつつも、できるだけ早期に結論を出すことが求められています。
諮問に掲げられた事項の内容や項目数等も踏まえますと、一巡目の議論としては、本日を含め、合計3回程度に分けて行うのが適当ではないかと思われます。

その上で、一巡目の議論を踏まえて、事務当局に更なる議論のたたき台となるような資料を作成してもらい、二巡目以降の議論では、その資料を見ながら更に議論を深めるのが建設的ではないかと思われます。

そのようなことで、本日の進行については、まず、諮問に掲げられた事項のうち、「第一の一」から「第一の三」までについて御議論いただきたいと思いますが、そうした進め方とさせていただくことでよろしいでしょうか。

(一同異議なし)

(※参考)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

2021年12月27日 井田良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。

本日の進行における時間の目安につきましては、諮問事項の「第一の一」(刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること)について80分程度御議論いただいた後、午前11時30分前後に10分程度休憩をとりたいと考えております。
その後、諮問事項の「第一の二」(刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること)について45分程度、「第一の三」(相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること)について30分程度、それぞれ御議論いただきたいと思います。
そのような進め方とさせていただくことでよろしいでしょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございます。
それでは、まず、
「第一の一 刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること」
について御議論いただきたいと思います。

御意見ある方は、挙手の上、あるいは、オンライン参加の方は挙手ボタンを押すなどして
くださっても結構ですけれども、御発言をお願いしたいと思います。

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<3~5ページ>
2021年12月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

今回の法制審議会で、処罰すべき者を処罰し、処罰すべきでない者を処罰しないことについて、議論がされると思いますが、

(参考。組織図)
法務省
 |(設置)
法制審議会
 |(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

当罰性がある処罰範囲について、それぞれの専門性や立場によって認識がすごく違うことを懸念しています。

私は、被害者支援者の立場として参加していますので、文言については理解が不十分なところもあるのですけれども、このようなケースについては、当然犯罪として規定することにしてほしいということについて述べたいと思います。

性犯罪に関する刑事法検討会取りまとめ報告書5ページに、被害者が性交等に同意していないにもかかわらず、その意思に反して行う性交等は、被害者の法益を侵害する行為であることについて異論はなかったとありますが、いかなる事情があれば性行為に不同意であると言えるのかが明らかでなく、イメージが異なっていると、かみ合わない議論になる可能性があると思います。

そのときに、従来の法律的見解ではなく、性被害を受けた被害者を中心に改正してほしいと思います。
それは、従来の法律的見解が、人間の自然な心身反応であるフリーズ、解離、迎合反応の結果、逃げられていない、抵抗できていない、訴えられていないという状況になったことを認めず、逃げていない、抵抗していない、だから同意なのではないかと言われ、被害者に不可能を強いてきた経緯があるからです。
被害者に抵抗義務を課すのではなく、そのような状況に追い込んだ加害者の行為を問う規定にしてほしいと思います。

NPO法人ヒューマンライツ・ナウが先週末(2021年12月24日)要望書を出されたと思いますが、178条(準強制性交等罪)を明確にするために、人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害若しくは洗脳、恐怖、困惑その他の状況により、特別に脆弱な状況に置かれている状況を作出し、又はその状況に乗じて行ったとしてくださいとあります。

意識がない状態や寝ているときは、当然同意について判断できません。
アルコールや薬物の影響で判断力が低下していたり、加害者に突然性行為を迫られ、何が起こっているか分からず、困惑し、フリーズしている間に性行為を進められたり、あるいは、医療行為や宗教行為や指導だと言ってだましたり、グルーミングやマインドコントロールをされている場合は、被害者が同意について判断できず、意思形成が困難な状態です。
このような加害者から抵抗できないと思わせられた、言うことを聞かなければいけないと思わせられた状態を作り出したことを、構成要件として規定してほしいと思います。

第2回会議のヒアリングで説明してくれた西田教授が、著書の中で、パニック寸前で思考が働くときに、人は最も依存的になる、加害者は状況の力を利用し、ターゲットにされている人は思考を支配されていると述べています。

ヒューマンライツ・ナウの要望書では、「特別に脆弱な状況」と書かれており、法律上、どのような言葉が適切なのかは私には分からないですけれども、心理学上の依存状態について捕捉できるような構成要件にしてほしいと望みます。

また、例示列挙については、適切な文言にして、分かりやすく、起訴されやすくなることを望みます。

性犯罪に関する刑事法検討会の令和3年3月8日の会議における議論で、弁護士の上谷委員が、法律上、「威迫」といわれるものを暴行・脅迫として解釈していると感じる判決は非常に少ない、それは、検察官が起訴する段階で絞っているからだと思います、威迫にとどまる場合は、ほとんどの場合は不起訴になっているのではないかと述べられていました。

警察段階、検察段階で足切りされるのは、司法に適切に取り扱われないという意味で、被害者にとっての不利益をもたらします。
その行為が犯罪であるか否かは、裁判所で判断してほしいと思います。

今でも、お酒を飲まさせて判断力が低下している間に、ホテルの部屋に連れ込まれて性行為を強要された場合であっても、警察では、防犯カメラを見て、足元がふらついていない、抱きかかえられているような状態ではないから事件にできないと言われています。

例示列挙を作った場合の当てはまる規定が、酩酊なのか、監禁なのかには議論があると思いますが、多くの性加害は、対等性のない関係を利用したり、だましたりして、密室に連れ込み性行為を強要するというプロセスの下で行われています。

性行為に不同意であるということは、対等な関係ではなく、黙示の強要があったり、ノーを表明しても聞いてくれなかったり、発達段階や知識に差があり真の同意ができなかったりする状態です。

強制性があった場合には同意ができないので、そこを規定してほしいです。

同僚から飲み会の帰りにカラオケに誘われ、そこで性行為を迫られた、断っても断っても相手がノーを聞いてくれず、力が抜けて抵抗を諦めた。
被害者としては同意していないけれども、逃げられた、抵抗できたと言われがちなケースです。
立ち上がって出ていけばいいと簡単に言われますけれども、その場で自分に何が求められているか、今、相手との関係で何が起こっているのかが分からず、混乱状態のときには、言葉は出るけれども、状況判断ができないということが起こります。
相手に言えば伝わると思って説得しているのに、全く伝わらず、困惑し、諦めさせられてしまうことも起こります。
被害状況で起こることが、脅迫なのか、監禁なのか、困惑なのかは多様であり、どういう例示列挙が必要なのかを議論いただければと思いますが、多様な被害の状況の中でノーを言った場合、そして、脆弱な状態や依存状態を利用されて、同意の判断や意思形成ができない、ノーと言えなかった場合を、規定してほしいと思います。

受皿規定については、被害者に抵抗義務を課していると感じさせる文言ではなく、犯罪処罰の本質は、被害者の意思に反する性的行為であるということを明確に記載し、「No means No」を規定する要件にしてほしいと思います。

断っているのに性交等をしたら、被害者が性交等に同意していないにもかかわらず、その意思に反して行う性交等であり、法益侵害であるというのは、一致したことと思います。

アメリカのワシントン州で性的関係があるカップルの彼女が飲酒後、テントで寝ているときに、彼氏に性交を誘われ、拒絶したのに性交が行われた事案が、「No means No」として処罰されていると聞いています。
このような例を含む規定にしてほしいです。

最後に、同意の撤回と同意の範囲について述べて終わりたいと思います。

同意の撤回についてですが、アメリカでは、同意に基づいて性交を開始した後、同意が撤回された場合、性犯罪の成立を認める州もあると、「性犯罪規定の比較法研究」の144ページに書かれていました。

同意を明確に撤回した後、加害者から体を押さえ付けられ性行為を継続されたら、それはレイプですし、当罰性があるという判断をしてほしいと思います。

また、同意の判断については、コンドームを渡したら同意があると言われることには疑念があります。
交際相手の家に行く途中で、見知らぬ人から手を引っ張られて公園に連れ込まれ、抵抗したけれども、押し倒されて性交されたときに、殺されるよりは早く終わってほしいと思い、性感染症と妊娠の心配からコンドームを渡したにもかかわらず、警察に後で訴えたときに、コンドームを渡したから同意があると言われることなどがあります。
被害者としては、身体の保護として当然の処置です。
このような場合には、同意のない意思に反した性交と認められる必要があると思いますし、そのような規定にしていただければと思います。

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2021年12月27日 井田良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございました。
法律専門家の側が議論に当たって留意すべき点として、例えば、被害者の抵抗が要件となるような規定はよろしくないという御指摘を頂きましたし、また、行為者による手段や被害者の状態を例示列挙するとしたときに、どこに注意すべきかということについても御指摘を頂きました。

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明日も、第3回刑事法(性犯罪関係)部会(※2021年12月27日開催)における論議をみていきます。

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会
 ↓(取りまとめ報告書を提出)
②上川陽子法務大臣
 ↓(諮問
法制審議会
 ↓(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

「相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等」は処罰されるのか(その3)。「一方がすごく優位であって、他方が下位」「対等性がない行為が性暴力である」

この日本には、地位や関係性を利用して性交等をおこなう悪党が存在します。
前回の刑法改正(※2017年)では、監護者性交等罪が新設されました。
現在、刑法の性犯罪規定の改正に関する論議が進んでいます。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

今後は、監護者のほかに、さらに、処罰の対象者が広がるのでしょうか。
本日も、ひきつづき、性犯罪に関する刑事法検討会における論議をみてみます。

性犯罪に関する刑事法検討会
地位・関係性を利用した性交等に関する論議(その3)

(参考。当ブログ)

<※巡目の論議>
2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その1

<※巡目の論議>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その2|その3|

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<32ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

これまでの御議論の中には、どうも児童福祉法の「児童に淫行をさせる行為」の処罰規定に触れた御意見がないのですけれども、それでは処罰として十分ではないのかということについても、触れていただきたい、あるいは、御議論いただきたいと思います。

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<32~33ページ>
2020年11月10日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

結論としては、私は、やはり、せめて義務教育における教員は、専門性とか国家資格であるというようなことを踏まえて、監護者性交等罪と同じような形で含めていただくということを希望しています。

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

一つは、監護者と教師が違うという議論がありますけれども、被害の類型を見ますと、どちらもすごく似ているのですね。

加害者が持っているパワーでコントロールされて、被害者が自分が被害を受けているかどうかも認識できないこともあることも、すごく共通していますし、地位のパワーの濫用という点で、「abuse」(濫用であり虐待である)であるといった似たところが非常に多いです。

1回限りの被害より、繰り返して継続する被害の方が多いので、監護者性交等罪の場合と非常に似た心理で被害が起きている。

そうなると、子供の同意というお話がありましたけれども、同意がなかなか自分で分からない、あるいは、被害を受けていると分かっていない子供が非常に多いということが言えます。

そういう点では、同じような形で扱わない限り、先ほど宮田委員ですかね、特定できないケースが多いのではないかと言われたのですかね。

しかし、実際には、性交があったことが特定できるのだけれども、それに子供の同意があったかどうかということが言えないケースというのは、たくさんあるのです。

その全部を救えるわけではないけれども、少なくともそういう形の類型を作ることによって、パワーでコントロールされるために抵抗しない被害者、あるいは犯罪というのを認識することができるというふうに考えます。

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<33ページ>
2020年11月10日 佐藤陽子 委員(北海道大学教授)

私の考えによりますと、教師というのは確かに監護者と同じような影響力を持っている場合があり得ると思うのですが、ただ、複数種類があって、関係性も複数あるというふうなことを考えますと、監護者性交等と同じように処罰しようと思った場合には、やはりそれと同じような強い影響力のある人に限るという形で、少し範囲を絞る必要があるのではないかと思います。

逆に、そうではなくて、処罰範囲を広めに取っておきたいというのであれば、健全育成の視点とか、あるいは、人格的統合性とかの法益に何らかのダメージを与える危険があるというような法益侵害の危険性を根拠に、少しパターナリスティックに保護するという形で、法定刑を少し下げつつ、広めに取るというふうな可能性があるのではないかと思っております。

法定刑を下げて広めにというふうになると、それこそ児童福祉法との関係性が出てくるかと思うのですけれども、児童福祉法の方は、性交類似行為にまで至らないと、現在処罰されない状況にありますから、それに至らないわいせつ行為も拾えるというふうな形で規定することに意味はあると思いますし、あるいは、一般的に児童福祉法があまり知られていないということもありますので、刑法典に入れるということに価値があるという視点もあるのではないかと考えております。

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<33~34ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

既に御指摘がありましたが、私も、コーチや教師は、場合によっては、親以上に影響を持つ場合があることには異存ありません。

しかし、例えば教師といっても、担任の教師から同じ学校に在籍するだけの教師までおり、その関係性はケース・バイ・ケースでありまして、影響の程度に濃淡があるわけです。

したがいまして、教師やコーチと児童の性行為を影響力の程度などを問わずに一律に処罰することについては疑問があり、やはり児童の年齢、あるいは地位・関係性、同意の内容等も含めて、個別具体的に処罰範囲を検討する必要があると考えております。

なお、意見要旨集の7ページの「②」の一つ目の「〇」に、児童福祉法では18歳未満の者への性行為は罪であるとされているという御指摘がございますが、

(参考)
児童福祉法では18歳未満の者への性行為は罪であるとされていることも踏まえ、教師という立場の大人が生徒という立場の子供に対し、性行為を含むような恋愛をすることは許されないと考えてもよいと思われる

これが、18歳未満の者との性行為が一律に犯罪であるという趣旨であるならば、それは正確な理解ではないと思いますので、念のため、この点を補っておきたいと思います。

すなわち、児童福祉法34条1項6号は、児童に淫行をさせる行為を処罰しておりますけれども、ここでいう淫行とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為と解されておりますので、例えば親公認の交際など真摯な関係性に基づく行為は、これに該当しないというのが一般的な理解です。

また、淫行をさせる行為というためには、単に性交の相手方になるだけでは不十分であって、直接たると間接たるとを問わず、児童に対して事実上の影響力を及ぼして、児童が淫行をなすことを助長し促進する行為が必要であると解されています。

そして、これに該当するためには、行為者と児童の関係、意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機、経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮した上で判断する必要があると解されています。

最近の判例では、高校の教師が児童と性行為に至った事件について、本罪の成立を肯定したものがありますが、これも、具体的な事実関係を一切考慮せずに処罰を肯定したわけではなく、当該教師と児童の具体的な関係性や影響力、性交に至った経緯などの事実関係を前提として、本罪の成立を肯定している点については、改めて確認しておきたいと思います。

もちろん、教師は児童に対して強い影響を持つことが多いことから、その影響力を背景にした場合には、児童の自由な意思決定を阻害するおそれがあること、また、実際に児童の自由な意思決定が阻害された場合を処罰する必要性が高いことには何の異存もありません。

私が申し上げたいことは、教師であるという地位に基づいて、一律に処罰規定を設けることは、場合によっては、児童福祉法の「淫行」に該当しないような場合までを処罰対象に含むおそれがあることから相当ではなく、やはり個別の事案ごとに、その影響力、関係性などの事情に基づいて、処罰の可否を判断する必要があるという点に尽きます。

もちろん未成年者の意思決定といっても、周囲から影響を受けやすく、自由な意思決定とはいえない場合が多いでしょうし、教師の影響力を背景にした場合には、なおさら意思決定の過程に瑕疵が生ずる場合が多いでしょう。

児童については、有効な同意があるか否かについて慎重な判断が必要であることは当然です。

ここでは、それでもなお本人の自由な意思決定による同意があったと評価できる場合まで、処罰することは相当ではないという観点から、意見を申し上げた次第です。

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<34~35ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

法律の言葉なのか、よく真摯な恋愛という言葉が出てくると思うのですけれども、平成29年の刑法改正前の検討会、法制審議会でも、親子でも真摯な恋愛があり得る可能性がないわけではないかもしれないというような議論がありました。

この真摯な恋愛というのを、皆さんはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

性暴力の考えから言えば、同意がなく、対等性がなく、強制性がある行為が性暴力であり、同意は、年齢、成熟、発達レベル、提示されたことが何らかの性行為であるということを経験に基づいて理解していることや、提示されたことへの反応について、社会的な標準を知っていること、生じ得る結果やほかの選択肢を認識していること、同意するのもしないのも同様に尊重される前提があること、自己決定であること、精神的、知的な能力があることの全てを満たしていなければならないと、報告されています。

このような成人と未成年であって、しかも教師と生徒、それが、同じ学校の自分の担当する教員、あるいは学年主任であるとか、そのような立場の人と生徒が対等な関係と言えるのでしょうか。

そして、そのような場合に、真摯な恋愛が存在することは考えられるのでしょうか。

それは、やはりこの平等性というところに関して、私たちの社会が作り上げてきた固定観念に惑わされているのではないかなということも思います。

一方がすごく優位であって、他方が下位であったとしても、そのような関係であっても、真摯な恋愛が成立し得るというふうに考えられてきましたけれども、被害を受けた人たち、ヒアリングの方もおっしゃっていましたけれども、下の立場に置かれていれば、そのような状況で恋愛と思いこまされるということは容易であり、だからこそ、地位・関係性の問題が指摘されているのだと思います。

加害者は、接触することも容易ですし、そのような人たちをコントロールすることも可能だということは、小西委員、齋藤委員からも指摘されているところです。

ですから、この真摯な恋愛というのを深く考えていただきたいですし、対等性がない行為が性暴力であることということに基づいて、地位・関係性を議論していただければと思っています。

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<35ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

予定された時間を過ぎておりますし、この問題との関わりで、不同意とは何なのだろうか、真摯な恋愛とは何なのだろうかというのは、またこの検討会でも必ず議論しなければいけないテーマではあると思いますので、今日はこのぐらいにさせていただきまして、次回、意見要旨集の「(3)」、つまり、
被害者の年齢を問わず、行為者が被害者の脆弱性、被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為について、当罰性が認められる場合を類型化し、新たな罪を創設すべきか
の部分から議論を行いたいと思います。

その後、同一被害者に対して継続的になされた一連の事実を一罪とすることのできる罪の創設の問題、それから、いわゆるグルーミング行為を処罰する規定の創設の問題、いわゆる性交同意年齢の在り方の問題、それから強制性交等の罪の対象となる行為の範囲、これらのテーマについての検討を行っていきたいと考えております。

そういう進め方でよろしいでしょうか。

(一同了承)

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2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

ありがとうございます。
それでは、そのように進めさせていただきます。
(後略。)

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における「地位・関係性」の論議をみていきます。
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(※参考)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会
 ↓(取りまとめ報告書を提出)
②上川陽子法務大臣
 ↓(諮問
法制審議会
 ↓(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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「相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等」は処罰されるのか(その2)。「再被害を防ぐことは非常に重要」「今の被害者を救うことは、もっと大事」

性犯罪に関する刑事法検討会
地位・関係性を利用した性交等に関する論議(その2)

(参考。当ブログ)

<※巡目の論議>
2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その1

<※巡目の論議>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その2|

「地位・関係性を利用した性交等」を処罰する規定は新設されるのでしょうか。
本日も、前回にひきつづき、性犯罪に関する刑事法検討会における論議をみてみます。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<28~29ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

次に、今日(2020年11月10日)の二つ目のテーマ、
「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」
についての検討を行いたいと思います。

まず、意見要旨集の第1の3の「(2)」、すなわち、
「被害者が一定の年齢未満である場合に、その者を「現に監護する者」には該当しないものの、被害者に対して一定の影響力を有する者が性的行為をしたときは、被害者の同意の有無を問わず、監護者性交等罪と同様に処罰する類型を創設すべきか」
という項目について議論することとしたいと思います。

一巡目の検討では、意見要旨集の6ページの「(1)」にありますように、「(2)」と「(3)」に関係する総論的な御意見として、
「① 地位・関係性を利用した被害の実態」、
「② 監護者性交等罪では処罰されない被害」
という観点から、総論的な御意見を頂いておりますほか、特にこの項目に関する事項として、6ページの「(2)」にありま
すように、
「① 子供の被害の実態」、
「② 被害者の同意の有無を問わない新たな処罰類型を設けることの要否・当否」
という観点から御意見を頂いております。

先ほどと同様に、このうちのどこに関連する御意見かということを明示して、御発言をしていただければと思います。

——————————————————–

<29ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

意見要旨集の「(2)」の「②」(被害者の同意の有無を問わない新たな処罰類型を設けることの要否・当否)の論点ですが、被害者が一定の年齢未満の者について、被害者の同意の有無を問わず監護者性交等罪と同様に処罰する犯罪類型を設けるべきだという意見を申し上げます。

学校の教師やスポーツの指導者による性被害から、中学生、高校生の子どもたちを守る必要があるからです。

中高生については、親からだんだん自立を遂げていく段階であり、家庭以外での人間関係が重要になってきます。
家庭以外での居場所を強く求める段階になってきます。

学校やクラブ活動などでの人間関係に惹かれて、学校やクラブ活動という居場所を失うということについての恐怖が大きい。

教師やスポーツの指導者などのような支配従属関係の下で、嫌と言えない関係において性的関係を強要される場合について、監護者性交等罪と同様に処罰する規定を設けるべきだと考えます。

ここで、高校卒業の資格は、子供の人生にとって重要です。
高校を出ていないと、まともな仕事に就けないということが多いです。

性被害を訴えると、学校やクラブ活動を辞めなければならなくなると思う子どもがいます。

学校とかクラブ活動において教師やコーチの支配従属関係の下にある子供たちについて、何らかの手当てが必要であると考えます。

社会的生存が脅かされるということを考えていただきたいと思います。

先ほど、日弁連の犯罪被害者の委員会のアンケートを紹介したのですけれども、そのアンケートの中で、6ページにありますけれども、監護者性交等罪で処罰できないのだけれども、どういう被害が生じているかというところで、教師からの被害に遭っているということが明らかになっています。

なお、先ほどのアンケートでございますけれども、個人情報というのが入っておりますので、委員の皆様には提供いたしましたけれども、非開示ということで、ホームページには載せない扱いにしていただきたいと存じます。

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<29ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

小島委員、一つ、今の御意見の趣旨を確認させていただきたいと思うのですけれども、監護者性交等罪は、被害者の同意の有無を問わず処罰の対象とする犯罪なのですけれども、

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

同じ形でカバーしていくとなると、例えば、被害者が高校生、16歳、17歳ぐらいの年齢の生徒であったとしても、同意の有無を一切問わず、処罰の対象にすべきであるという趣旨でございますでしょうか。

——————————————————–

<30ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

はい、そのとおりでございます。

高校生はまだ社会的に自立していないという意味で、高校在学の子供まで対象にするべきだと思っております。

——————————————————–

<30ページ>
2020年11月10日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

私も、監護者の範囲が現状では狭過ぎると考えておりまして、前にも申し上げたように、特に教員に関しては広げるべきではないかと思っています。

最近、教員免許のことが随分問題になっていますけれども、社会的にも非常に関心が高く、やはり課題が大きく認識されるようになってきているのだと思います。

ですから、教員という立場についても、親と同様に、生活をかなり支配しているという意味では、広げていいのではないかと思います。

その理由なのですけれども、先ほどから保護法益のことで性的自己決定というお話がありましたけれども、やはり子供に関しては、青少年の保護という側面も刑法で考えてもいいのではないかというふうに思います。

また、教員はボランティアではなくて、教員免許に基づいて責任を持って子供の生活を預かっているわけですから、その意味でも、やはり通常の大人一般とは全然違いますし、別扱いというのは可能ではないかと思います。

それと、事実上、児童にとって、学校生活の比重は家庭に次いで大きいわけですから、その意味でも責任は大きいし影響力も大きい。
しかも、継続するおそれがあるというふうに思います。

ですので、そのような法益侵害の大きさを考えれば、教員という枠でくくり出すということも可能だと思います。

それと、意見要旨集には、おじとかおばということが書いてあるのですけれども、やはりそれとは責任の重さが違うというふうに思っております。

中学生までか高校生までかというのは、実は結構悩ましくて、個人的には、高校生まででもいいというふうに、小島委員と同じように思うのですけれども、かなり抵抗が大きいようであれば、中学生というふうに絞ったとしても、やはり教員は教員としての責任を負うべきだというふうに思っております。

——————————————————–

<30~31ページ>
2020年11月10日 宮田桂子 委員(弁護士)

これは、議論の前提として前回も言ったことですが、あえて申し上げますけれども、子供や知的障害のある人の事件について処罰ができない理由として、被害者の方の記憶が曖昧で、加害者や加害事実の特定ができない、だから、そもそも裁判まで至らない、あるいは有罪に至らないという場合があることは、十分に認識しておくべきだと思います。

次に、「現に監護する者」の範囲を広げるかどうかの話ですけれども、現在の監護者性交等罪を作ったときに、監護している親、それに準じるような保護者との関係では、ほぼ同意はあり得ない、そのような監護者であるという強い立場に対しては、子供は抵抗することはできない、だから、同意があり得ないと考えるのが合理的だという立法理由だったかと思います。

監護者であるという特別な地位がある場合に、同意があることはほぼ考え難い。

この条項が立証責任の転換ではないのだという考え方もありますけれども、事実上、監護者であるということになると、反証はほぼ難しい。

ただ、こういう事案ですら、実際には、被害者と加害者の間に同意がある案件もないわけではない。親の若い恋人と高校生ぐらいの子供が恋仲になってしまう事例も、実際にあります。
また、海外の近親相姦処罰に関する例では、離れて住んでいた親子が恋愛関係になってしまい、それで、それが処罰されることについて、我々を放っておいてほしいと言った例なども報道されております。

監護者と子のような同意がないことが推定されるような案件ですら、例外があります。

ですから、同意があったということの反証がほぼできないような類型を作ることは、最小限にとどめるべきではないかと、私は考えます。

しかも、教師、あるいはコーチなどといった上下関係の場合には、その地位自体に非常にグラデーションがあると思います。

例えば、木村委員が、もう高校生まで含めてもいいかもしれないけれども、そこは考え方が違うかもしれないとおっしゃいました。
正に、私の知っている例で、高校の先生と恋愛関係になって結婚まで至った方や、あるいは、スポーツの指導に来ていた先輩と結婚した方もいらっしゃいます。
生徒が挑発して、先生と関係を持って、嫌いな先生を辞めさせた例も知っています。
小学生の場合には、性交同意年齢の規定で教師への処罰が可能です。
ですから、学校の先生の問題に対する社会での関心や意識が高まっている中で、早期に加害者を発見して、先生を懲戒解雇の対象とする。
そして、少なくとも教育の場には戻さないで、再被害を防ぐことの方が重要であると思います。
犯罪にするよりも、被害拡大防止のためにそういう措置を採る方が大事だと思います。

悪質な例については、178条(準強制性交等罪)での処罰を考えることができるのです。
未成年への加害が一律処罰に本当になじむのかということを、考えなければならないかと思います。

そもそもこの点に関する被害についてのお話を伺っていると、この保護法益は、性的な自己決定権やそれよりも広い性的な統合性だと考えたとしても、児童の健全育成、脆弱な意思決定しかできない方の保護ということに尽きるように思います。

そうしてくると、児童の保護ということであれば、児童福祉法、あるいは児童ポルノ法があります。
児童ポルノ法という呼ばれ方をしているので非常に狭い法律だと思われるかもしれませんが、正式名、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律には、3条の2の中に、児童に対する性的な搾取や性的虐待に係る行為は禁止するという規定がありますので、ここをうまく活用して罰則を設けていく方法なども考えられると思います。

そういう意味で、児童福祉法制の中で、この問題については解決をしていくのは、一つ有効な方法ではないかと考える次第です。

——————————————————–

<31ページ>
2020年11月10日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

もうほとんど言われてしまったので、重ならないところを端的に申し上げますが、高校生と教師の組合せについて、同意の有無を全く問わずに処罰する類型を作ることには反対です。

高校生ですと、上下関係が逆転することが無視できない程度に想定されますので、一律の処罰は適切でないと思います。

せいぜい中学生に限定すべきだと思いますが、そうすると、性交同意年齢を引き上げる話との関係を考える必要が出てきます。それを、もし、ある程度引き上げるのであれば、この新たな類型については設ける必要性はかなり減ずるかなと思います。

——————————————————–

<31~32ページ>
2020年11月10日 上谷さくら 委員(弁護士)

私は、この問題は性的同意年齢と非常に強く関わってくるのかなと思っていまして、個人的には、性的同意年齢を16歳程度に引き上げるべきかと思っているのですけれども、そうすると、中学生については、そちらで救われるのかなと思っています。

そうすると、あとは高校生をどうするかという話になってきて、そこについては、確かに多様な議論があると思うのですけれども、今の性的同意年齢である13歳というのは、中学生と高校生とかなり違うという面がありますし、成長の段階という意味からも、義務教育かどうかという問題がありますので、そこは、性的同意年齢を上げるという前提であれば、高校生をどうするかということに絞って議論できると思っています。

あと、1点ですけれども、先ほど宮田委員から、再被害を防ぐことの方が大事というお話がありまして、確かに再被害を防ぐことは非常に重要なのですけれども、今の被害者を救うことは、もっと大事だと思っておりまして、政策だけの問題ではないということを申し述べておきたいと思います。

——————————————————–

<32ページ>
2020年11月10日 池田公博 委員(京都大学教授)

意見要旨集の7ページの「②」の二つ目の「〇」(保護者である親等と子供との関係については,ある程度の定型性があるが、学校の先生と生徒などの関係は、非常に不定型な部分があるため、そのような関係があるというだけで処罰するという規定を作ってはならない)のところになりますけれども、これまでの御指摘にも出ておりましたように、自由な意思決定ではない形で、地位を利用した性交が行われているという問題があることは否定されないと思う一方で、一律に同意の有無を問わない類型に含めて考えるというまでの定型性が認められるかということは、慎重に検討すべきではないかと思います。

教師やコーチ、施設の職員というのも、そのような地位があるというだけで一律に、同意の有無が問題とならないというふうにして良いのかということは、検討の観点として踏まえられるべきでしょうし、親族も、6ページの「(1)」の「②」の一つ目の「〇」(犯罪として処罰される家庭内の性虐待の範囲は狭く、監護者性交等罪の「現に監護する者」に、きょうだいや祖父母、おじ、おば、同居していない親などは含まれないし、18歳を超えた者の被害は,まだ見逃されている)にあります、きょうだいや祖父母、おじ、おば、同居していない親が問題となるというのは、そのとおりだと思いますけれども、関わりの濃淡には様々なものがあります。

今、指摘が出てきておりますように、被害者の年齢にも応じて、その影響力の程度は一様ではないと思いますので、これらのものを一律に同意の有無を問わない類型としてよいのかということは、今後検討すべき点とするべきだろうと思います。

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<32ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

少なくとも、現行法の「現に監護する者」の範囲だけでは狭過ぎるというのは、以前も申し上げたとおりです。

同意の有無を問わずという、現在の監護者性交等罪と同様に処罰する類型で、いろいろ挙げたのですけれども、きょうだい、祖父母、おじ、おばというのを挙げたのは、彼ら彼女たちは監護者の下での子供の生活に強く影響を与える人たちであって、その人たちからの要求を断ることで、監護者の下での生活に影響があるという場合に、子供たちが断ることは難しいということがあります。

義務教育における教師というのも入れていただきたいと思っておりますが、先ほどからお話が出ているとおり、性交同意年齢との関係で考えられると思いますので、地位・関係性や性交同意年齢などと併せて、適切に子供たちの受ける被害、子供たちがいかに断りにくいかを考えていただきたく、先ほど178条でということがあったのですが、子供が被害者の場合に、加害者が被害者の思考を利用するとか、思考を誘導するという形で、非常に被害がつかみにくいことがあります。ですから、子供に関して、特別にきちんと検討いただきたいと思っております。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における「地位・関係性」の論議をみていきます。
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(※参考)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会
 ↓(取りまとめ報告書を提出)
②上川陽子法務大臣
 ↓(諮問
法制審議会
 ↓(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
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(明日のブログへつづく)



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“職業安定法(有害業務の紹介)違反” 警察は、大手AVプロダクションの社長ら5人を逮捕(その3)。AV業界は、伏魔殿です

一昨日昨日のつづきです。
つい先日、AVプロダクションの社長ら5人が逮捕されました。
逮捕容疑は、職業安定法(有害業務の紹介)違反です。

(参考。当ブログ)
2022年1月22日(※昨日)
2022年1月23日(※一昨日)

(参考。一昨日と昨日のブログで引用した記事)

2022年1月21日 FNN 「スターにして有名に」女性をAVに紹介 社長ら逮捕 出演料4分の1受け取る(※動画あり)

2022年1月21日 日本テレビ 大手AVプロダクションの代表ら5人逮捕(※動画あり)

2022年1月21日 TBS 「数万人の女性をAV制作会社に紹介した」プロダクション社長ら5人逮捕(※動画あり)

2022年1月21日 テレビ朝日 女性を違法に紹介しAV出演か AVプロダクション摘発(※動画あり)

2022年1月21日 毎日新聞 大手AVプロダクション社長ら逮捕 20代女性に出演業を紹介疑い

2022年1月22日 読売新聞 「スターにしたかった」AV製作会社に女性紹介…06年以降、数万人派遣か

2022年1月23日 日刊ゲンダイ 蒼井そら発掘 数万人をAV女優違にして逮捕された大手プロ社長の「目利きと商魂」

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さらに、FNNプライムオンラインも昨日、今回の逮捕に関する記事を配信しました。
一部を引用します。

FNNプライムオンライン

(2022年1月23日 FNNプライムオンライン 「AV女優を数万人紹介」「スターにしたい」 業界トップの“凄腕”社長が逮捕されたワケより、引用。)

2022年1月23日 FNNプライムオンライン

職安法では、アダルトビデオに出演して、性行為に及ぶことを「有害業務」と位置づけている。

(参考。職業安定法)
第63条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者

2022年1月23日 FNNプライムオンライン

そして、その仕事を紹介する行為は「有害業務の紹介」として禁止されているのだ。

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2022年1月23日 FNNプライムオンライン

今回の逮捕容疑のAVに出演した女性2人については、1人は友人を介して、もう1人は歌舞伎町のスカウトの男を通じて斡旋を受けていた。

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2022年1月23日 FNNプライムオンライン

(略)社にとっては、女性を制作会社に紹介するだけで、1人につき180万円程度の収入になる計算だ。

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2022年1月23日 FNNプライムオンライン

一方で、「プロダクション歴30年のキャリアがあり、過去に同業者が逮捕され報道されていたので違法性の認識はあった。」とのこと。

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いまから5年前(2017年9月15日)のことです。
厚生労働省は、AV業界に対して、職業安定法や労働者派遣法などに関する警告文(いわゆるアダルトビデオ出演強要問題に関する関係法令の遵守について(依頼))を送付しました。

□厚生労働省
 警告(※職業安定法や労働者派遣法などの適用について)
□AV業界

当該警告文(いわゆるアダルトビデオ出演強要問題に関する関係法令の遵守について(依頼)のなかから一部分を参照します。

引用
厚生労働省

平成29年9月15日

特定非営利活動法人 知的財産振興協会 御中

厚生労働省労働基準局監督課長
( 公印省略)
労働関係法課長
( 公印省略)
職業安定局需給調整事業課長
( 公印省略)
いわゆるアダルトビデオ出演強要問題に関する関係法令の遵守について(依頼)

1.労働者性の判断基準について
アダルトビデオの出演者(以下「出演者」という。)が「労働者」に該当する場合は、労働関係法令を遵守する必要があります。
労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条においては、「「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とされていますが、この「労働者」であるかどうかは、雇用契約、業務委託契約といった形式的な契約の名称にかかわらず、基本的には、事業に「使用される」者であるか否か、その対償として「賃金」が支払われているか否かによって判断されることとなります。
しかしながら、現実には、指揮監督の程度及び態様の多様性、報酬の性格の不明確さ等から、この判断が困難な場合があり、その場合には、労働者性の判断に当たっては、労務提供の形態や報酬の労務対償性及びこれらに関連する諸要素をも勘案して、総合的に判断されることとなります。

(中略。)

(3)職業紹介、労働者の募集又は労働者供給について
厚生労働大臣の許可の有無又は労働者本人の同意の有無にかかわらず、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務(以下「有害業務」という。)に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行った者又はこれらに従事した者は、職業安定法(昭和22年法律第141号)第63条第2号により、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処せられます。

<職業紹介>
職業紹介とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間の雇用関係の成立をあっせんすることをいいます。
(職業安定法第4条第1項)

<労働者の募集>
労働者の募集とは、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘することをいいます。
(職業安定法第4条第5項)

<労働者供給>
供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいいます。労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合を除き、禁止されています。
(職業安定法第4条第6項、第44条及び第45条)

——————————————————–

(参考。職業安定法)
第63条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者

今回、逮捕されたAVプロダクションの社長ら5人は、AVメーカに対して「職業紹介」をおこないました。
もちろん今回の逮捕は、氷山の一角であると思惟します。
氷山の一角、とは、広辞苑によりますと、
「明るみに出た、物事全体のほんのわずかの部分」
という意味です。
警察によるさらなる逮捕を切望します。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
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問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
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2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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大手AVプロダクションの社長ら5人が、2022年1月18日に逮捕される(その2)。日刊ゲンダイ「警視庁生活安全特別捜査隊に職業安定法違反(有害業務の紹介)で逮捕された」

昨日のつづきです。
新春早々、AVプロダクションの社長ら5人が逮捕されました。
逮捕容疑は、職業安定法(有害業務の紹介)違反です。

(参考。当ブログ)
2022年1月22日(※昨日)

(参考。昨日のブログで引用した記事)
2022年1月21日 FNN 「スターにして有名に」女性をAVに紹介 社長ら逮捕 出演料4分の1受け取る(※動画あり)
2022年1月21日 日本テレビ 大手AVプロダクションの代表ら5人逮捕(※動画あり)
2022年1月21日 TBS 「数万人の女性をAV制作会社に紹介した」プロダクション社長ら5人逮捕(※動画あり)
2022年1月21日 テレビ朝日 女性を違法に紹介しAV出演か AVプロダクション摘発(※動画あり)
2022年1月21日 毎日新聞 大手AVプロダクション社長ら逮捕 20代女性に出演業を紹介疑い

上述のほかにも、読売新聞と日刊ゲンダイが、当該AVプロダクションの摘発にふれています。
参照します。

読売新聞

(2022年1月22日 読売新聞 「スターにしたかった」AV製作会社に女性紹介…06年以降、数万人派遣かより、引用。)

2022年1月22日 読売新聞

警視庁は(2022年1月)21日、東京都目黒区碑文谷、プロダクション会社社長(50)と同社社員ら計5人の男を職業安定法違反(有害業務への職業紹介)容疑で逮捕したと発表した。(2022年1月)逮捕は18日

発表によると、5人は2020年9月~21年6月、新宿区歌舞伎町などでスカウトされた20歳代の女性2人を、都内のアダルトビデオ(AV)製作会社5社に紹介した疑い。

(中略。)

社長の男の会社は06年の設立で、AV製作会社約50社と契約しており、警視庁は06年以降、数万人の女性を派遣したとみている。

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日刊ゲンダイ

(2022年1月23日 日刊ゲンダイ 蒼井そら発掘 数万人をAV女優違にして逮捕された大手プロ社長の「目利きと商魂」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2022年1月23日 日刊ゲンダイ

女性をAVメーカーに紹介したとして、東京都渋谷区の大手AVプロダクション「(略)」代表の●● ●(50)と、実弟で取締役の●(44)の両容疑者、他3人の社員が(2022年1月)18日、警視庁生活安全特別捜査隊に職業安定法違反(有害業務の紹介)で逮捕された。

2022年1月23日 日刊ゲンダイ

(略)は01年設立。約30人のAV女優が所属していて、年間約300本のAV制作販売している。代表の●●容疑者は自社でAVを制作する一方、スカウトマンが見つけてきた女性を契約する他のAVメーカー50社に売り込み、荒稼ぎしていた。

2022年1月23日 日刊ゲンダイ

(捜査事情通)
「スカウトマンが街で勧誘した女性を弟の●と面接し、売れると思ったら“お墨付き”を与え、社員に命じて別のAVメーカーに売り込ませ、契約料を稼いでいた」

2022年1月23日 日刊ゲンダイ

(捜査事情通)
「昨年(2021年)10月、違法行為で書類送検されたスカウトマンから事情を聴いたところ、(略)の名前が挙がり、ガサ入れで女性2人を他社に紹介していたことが判明した」

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(参考。職業安定法)
第63条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者

警察はこれまでも間断(かんだん)なくAV業界人を検挙しています。
ここ1年の逮捕事例をふりかえってみます。

2021年11月20日報道
 ~AV出演勧誘者を逮捕

(2021年11月20日 読売新聞「女性に『AVに興味ありませんか、ギャラ弾みます』と送信…撮影動画の投稿も」より、引用。)

2021年11月20日 読売新聞

宮城県警大和署などは(2021年11月)18日、仙台市宮城野区新田、会社員の男(32)を職業安定法違反と、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列の疑いで逮捕した。
発表によると、男は昨年(2020年)11月、県内の10歳代女性と仙台市内の20歳代女性に「AVの仕事とか興味ありませんか。ギャラはかなり弾みます」とツイッターでメッセージを送信し、AV出演を勧誘した疑い。

(後略。)

(参考。当ブログ)
2021年11月22日
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2021年10月27日報道
 ~AVスカウトを逮捕

(2021年10月27日 TBS「スカウトグループ『ビクトリー』 女性にAVや風俗紹介で4人逮捕」より、引用。)

2021年10月27日 TBS

東京・歌舞伎町の路上での声かけや、SNSによる募集で若い女性にアダルトビデオの仕事などを紹介したとして、スカウトの男4人が警視庁に逮捕されました。
職業安定法違反の疑いで逮捕されたのは、静岡県の無職・****容疑者(25)ら4人で、今年(2021年)に入り先月(2021年9月)までの間に、性的な業務であることを知りながら若い女性にアダルトビデオや派遣型風俗店の仕事を紹介するなどした疑いがもたれています。
**容疑者らは「ビクトリー」というスカウトグループで活動していて、歌舞伎町の路上で声かけをしたり、ツイッターで「もうかる仕事紹介します」と呼びかけていたということです。

(後略。)

(参考。当ブログ)
2021年10月28日
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2021年10月26日報道
 ~AV出演勧誘者を逮捕

(2021年10月26日 産経新聞「『パパ活』女性にAV出演勧誘疑い 男2人逮捕」より、引用。)

2021年10月26日 産経新聞

(前略。)
逮捕容疑は昨年(2020年)7月と11月下旬、共謀し、アダルトビデオに出演させる目的で、当時19歳と24歳の女性2人をそれぞれ勧誘したとしている。
**容疑者らは、デートなどの見返りに金銭を受け取る「パパ活」の相手を探す女性らにマッチングアプリで接触し、報酬を渡す約束で出演を持ち掛けていた。

(後略。)

(参考。当ブログ)
2021年10月27日
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2021年9月16日報道
 ~AVスカウトを逮捕

(2021年9月16日 日本テレビ「『日本一フォロワーが多いスカウト』逮捕」より、引用。)

2021年9月16日 日本テレビ

アダルトビデオ出演の仕事をさせると知りながら、女性をAVプロダクションに紹介したとして、スカウトグループの代表の男が逮捕されました。男は自らを「日本一フォロワーが多いスカウト」などとかたっていました。
警視庁によりますと、スカウトグループの代表・****容疑者は、先月(2021年8月)24日、ツイッターで知り合った女性にアダルトビデオ出演の仕事をさせると知りながら、女性をAVプロダクションに紹介した疑いがもたれています。
**容疑者は、ツイッターに6万人あまりのフォロワーがいて、自らを「日本一フォロワーが多いスカウト」などとかたっていましたが、実際には6万人分のアカウントは7万円ほどで購入していたということです。調べに対し、容疑を認めているということです。

(参考。当ブログ)
2021年9月17日
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2021年5月19日報道
 ~AV出演勧誘者を逮捕

(2021年5月19日 東海テレビ「『AVの勧誘受け出演してしまった』と警察に相談…26歳女性をマッサージモデルと偽り勧誘か 47歳男」より、引用。)

2021年5月19日 東海テレビ

去年(2020年)1月、当時26歳の女性をアダルトビデオの出演勧誘したとして、東京都の47歳の男が逮捕されました。
インターネットの掲示板でマッサージモデルと偽って募集していたということです。
逮捕されたのは東京都の無職・****容疑者(47)で、去年(2020年)1月、都内のホテルで名古屋市の当時26歳の女性をアダルトビデオに出演するよう勧誘した職業安定法違反の疑いが持たれています。
 警察によりますと、去年(2020年)8月、女性から「アダルトビデオの勧誘を受けて出演してしまった」などと相談があり、撮影を行ったホテルの予約履歴や防犯カメラの映像などから**容疑者が特定されました。
**容疑者はインターネットの掲示板にマッサージモデルと偽って募集していて、偽名を使って女性と連絡していたということです。

(後略。)

(参考。当ブログ)
2021年5月20日
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2021年3月5日報道
 ~AV制作会社社長、男優らを逮捕


(2021年3月5日 朝日新聞「無修正わいせつ動画をネット配信、不特定多数が閲覧できる状態に」より、引用。)

2021年3月5日 朝日新聞

(前略。)

保安課によると、逮捕されたのは社長の** ***(40)=東京都(略)=、役員の** ***(40)=(略)=、「*****」の名称でAVに出演していた** **(38)=(略)=の3容疑者。
逮捕容疑は、昨年(2020年)12月9日に共謀し、ネット上の動画販売サイト「FC2コンテンツマーケットアダルト」に、自作の無修正のAVをアップロードしたというもの。
調べに対し、**容疑者(役員の** ***)は黙秘し、ほかの2人(社長の** ***と男優の** **)は容疑を認めているという。

(後略。)

(参考。当ブログ)
2021年3月7日
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2021年3月3日報道
 ~AV制作会社社員を逮捕

(2021年3月3日 テレビ朝日「『AVに使うため』女子高校の卒業式を男が撮影か」より、引用。)

2021年3月3日 テレビ朝日

男は「アダルトビデオに使うために撮影した」と説明しています。
自称・アダルトビデオ制作会社社員、** ***容疑者(26)は1日、東京・北区にある女子高の敷地に無断で侵入した疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、当時、この学校では卒業式が行われていて、**容疑者はこの様子を撮影していました。

(略。)

**容疑者のビデオカメラには20人以上の女子生徒が映っていたということです。

(後略。)

(参考。当ブログ)
2021年3月4日
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2021年1月28日報道
 ~AVスカウトを逮捕

(2021年1月28日 日テレ「女性につきまといスカウト行為 男4人逮捕」より、引用。)

2021年1月28日 日テレ

(前略。)

警視庁によりますと、****容疑者(36)ら男4人は、去年(2020年)12月、港区・六本木の路上で女性につきまとい、キャバクラやアダルトビデオの出演などの、スカウト行為をした疑いがもたれています。

(後略)

(参考。当ブログ)
2021年1月31日
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AV業界人のつぎの逮捕はいつになるのでしょうか。
楽しみです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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大手AVプロダクションの社長ら5人が、職業安定法(有害業務の紹介)違反で逮捕されました。新春早々の慶事です。さらなる検挙を期待してます

昨日、AVプロダクションの社長ら5人が逮捕された、との報道がありました。
逮捕容疑は、職業安定法(有害業務の紹介)違反です。

(参考。職業安定法)
第63条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者

昨日のマスコミ各社の報道をみてみます。

FNN(※動画あり)

(2022年1月21日 FNN 「スターにして有名に」女性をAVに紹介 社長ら逮捕 出演料4分の1受け取るより、引用。)

2022年1月21日 FNN

アダルトビデオに出演させる目的で、制作会社に女性を紹介していた。

AVプロダクション会社の社長・●● ●容疑者(50)ら5人は、2020年9月から5回にわたり、アダルトビデオに出演する女性2人を制作会社に紹介した、職業安定法違反の疑いが持たれている。

(後略。)

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日本テレビ(※動画あり)

(2022年1月21日 日本テレビ 大手AVプロダクションの代表ら5人逮捕より、引用。)

2022年1月21日 日本テレビ

アダルトビデオに出演する仕事を女性に紹介し、AV女優として働かせたとして、警視庁は大手AVプロダクションの運営会社代表ら5人を逮捕しました。

(中略。)

調べに対し、(逮捕されたAVプロダクション社長の)●●容疑者は「数万人の女優を紹介した」と供述し、もう1人の男とともに容疑を認めていて、ほか3人のうち2人は一部否認、もう1人は黙秘しているということです。

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TBS(※動画あり)

(2022年1月21日 TBS 「数万人の女性をAV制作会社に紹介した」プロダクション社長ら5人逮捕より、引用。)

2022年1月21日 TBS

東京・歌舞伎町などで女性をスカウトし、アダルトビデオの制作会社に紹介したとして、プロダクション会社の社長らが逮捕されました。

(中略。)

逮捕されたのは、渋谷区のプロダクション「●●」の社長、●● ●容疑者(50)と弟で取締役の●● ●容疑者(44)ら5人で、おととし(2020年)9月以降、歌舞伎町などでスカウトした20代の女性2人をAV女優として5つの制作会社に紹介した職業安定法違反の疑いがもたれています。

(後略。)

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テレビ朝日(※動画あり)

(2022年1月21日 テレビ朝日 女性を違法に紹介しAV出演か AVプロダクション摘発より、引用。)

2022年1月21日 テレビ朝日

(前略。)

「(略)」代表の●● ●容疑者(50)ら5人はおととし(2020年)9月以降、20代の女性2人をアダルトビデオの制作会社に紹介してAV女優として違法に働かせた疑いが持たれています。

警視庁によりますと、●●容疑者らの会社には30人の女性が所属し、アダルトビデオに出演していました。

(中略。)

●●容疑者ら2人は「1000人以上の女性をAV制作会社に紹介した」などと容疑を認め、2人は一部否認、もう1人は黙秘しています。

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毎日新聞

(2022年1月21日 毎日新聞 大手AVプロダクション社長ら逮捕 20代女性に出演業を紹介疑いより、引用。)

2022年1月21日 毎日新聞

(前略。)

逮捕容疑は2020年9月28日~21年6月15日、20代の女性2人を都内のAV制作会社5社に紹介したとしている。女性は、新宿区歌舞伎町の路上でスカウトされるなどしていた。

同隊によると、小山容疑者は「プロダクション歴30年で、過去に同業者が逮捕されたことを知っており、違法性の認識はあった」と容疑を認め、「これまでに数万人の女性を紹介した。最初は金銭目的だったが、女性を有名にしたいと考えるようになった」と供述しているという。

(後略)

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昨年の国会で、日本共産党の田村智子衆議院議員は、AVスカウトについて質しました。

2021年4月8日 参議院 内閣委員会

(2021年4月8日 動画 参議院インターネット審議中継「参議院 内閣委員会」より。)

音声の文字化は、筆者。)

2021年4月8日 田村智子 参議院議員(日本共産党)

(前略。)

繁華街の路上で女性に声をかけるスカウト行為ー
そこから、AV出演への強要や性風俗店へのあっせん行為にもつながっています。
警察庁として、コロナ渦でどのような問題意識をもち、スカウト行為に対するとりしまりをおこなっているのでしょうか?

——————————————————–

政府側の答弁は以下のとおりです。

2021年4月8日 小田部耕治 警察庁 生活安全局長

(前略。)

ご指摘のスカウト行為につきましては、アダルトビデオの出演強要や、性風俗店での稼働につながるものであり、警察としましては迷惑防止条例、職業安定法、軽犯罪法等を適用してとりしまりをおこなっているところでございます。
ひきつづき厳正なとりしまりをおこなってまいりたい、と考えております。

——————————————————–

2021年4月8日 小此木八郎 国家公安委員長

本人の意に反してアダルトビデオに出演をさせられたり、性風俗店で稼働させられたりすることにつながりかねないスカウト行為については、女性の安全で安心な暮らしの基盤を揺るがす重大な問題である、とまず認識しています。

警察においては、もう委員、おっしゃったとおりですが、こうしたスカウト行為に対し、迷惑防止条例によるとりしまりのほか、職業安定法等の法令を適用してとりしまりを推進しておりますけれども、今後ともひきつづき各都道府県警察において検挙事例をふくめ、必要な情報を共有しつつ、厳正なとりしまりがおこなわれるよう、警察を、わたしとしても指導してまいります。

——————————————————–

警察によるさらなるとりしまりを期待しています。

(再掲)
(参考。職業安定法)
第63条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者

——————————————————–

(参考。2016年1月25日 労働旬報社「賃金と社会保障1月合併号」より。改行を施しています。)
<31ページ>
2016年1月25日 宮本節子 PAPS世話人

AVと類似の行為がおこなわれている(略)性風俗の事例を扱った判例には、職業安定法第63条2号の「公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集」、労働者派遣法58条「公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者」の条項を適用したものがある。

しかし、これらの判例は(AV出演強要の)性被害者対策のためには生かされなかった。

これらの法(職業安定法、労働者派遣法)を適用して(AV出演強要被害の)女性救済に役立てようという発想が、取り締まり当局にないのだろうか。

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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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「相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等」は処罰されるのか(その1)。「上司と部下の関係、取引先」「医師と患者」「一番救われていないゾーン」

地位や関係性を利用して性犯罪をおこなう輩(やから)が存在します。
現在の刑法は、監護者を除き、こうした悪党を処罰することができません。
そう遠くない将来に改正されるであろう刑法は、「地位・関係性」の規定を新設するのでしょうか。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

本日からは、性犯罪に関する刑事法検討会において、「地位・関係性」を利用した性交等についてどのような論議がなされたのかをみてみます。

性犯罪に関する刑事法検討会
地位・関係性を利用した性交等に関する論議(その1)

(2020年8月27日 第5回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<23ページ>
2020年8月27日 井田 良 座長(中央大学教授)

(前略。)
それでは、一つ目の「〇」、被害者が一定の年齢未満である場合に、被害者の同意の有無を問わずに処罰する罪を創設することと、二つ目の「〇」、被害者の年齢にかかわらず、当罰性が認められる場合を類型化することについて、御意見のある方は御発言をお願いします。

(参考。検討すべき論点

3 地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方

〇 被害者が一定の年齢未満である場合に、その者を「現に監護する者」には該当しないものの、被害者に対して一定の影響力を有する者が性的行為をしたときは、被害者の同意の有無を問わず、監護者性交等罪と同様に処罰する類型を創設すべきか

〇 被害者の年齢を問わず、行為者が被害者の脆弱性、被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為について、当罰性が認められる場合を類型化し、新たな罪を創設すべきか

——————————————————–

<23ページ>
2020年8月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

先ほど、抗拒不能は幅広に解釈されているという議論もあったというふうに思います。

しかし、そうはいっても、暴行・脅迫も認められず、抗拒不能も認められず、不起訴になったり、裁判で無罪判決も出ているということも指摘されたとおりです。

こちらの資料にも、やはり、認定されているものもあり、認定されていないものもあるというふうに思います。

そうであるならば、やはり地位・関係性、抗拒不能について、どこが認められ、どこが認められないのかということを列挙し、そして、一定の地位・関係性があり、被害者に対して一定の有形力、影響力を有する者が性行為をした場合という類型を設けることも大切かと思います。
(後略。)

<23~24ページ>
2020年8月27日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

(前略。)
少なくとも、現行法の対象である監護者だけでは非常に狭過ぎるというのが、実際に臨床をやっている者としての意見です。

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

例えば、教員からのケースというのは、常にありますし、かなり年齢が高い層まで、教員からの被害というのはあります。

スポーツのコーチからの被害も、一つ、強制起訴になったケースで有名なものがございますけれども、被害がコントロール下で起こったということが、やはり大きな意味を持っていると思います。

その中で何を取るかということなのですけれども、例えば、スポーツのコーチといっても、関わる度合いがすごく違いますよね。
難しいところだとは思いますが、最低限、教員と、それから監護者と、それに代わる、例えば、養護施設や監護施設のケアする人たち、さらに、里親をやっている人たち、そういうところの人については、監護者性交等罪と同じような形で処罰してもいいのではないかというふうに思っています。

——————————————————–

<24ページ>
2020年8月27日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

(前略。)
関係性につきましては、関係性で定義するのがいいのか、抗拒不能などの文言の中で考えるのかというのは、私には考えが及ばないのですけれども、私が調査を行った結果からは、加害者が被害者に対して言動を用いて力関係を作り出すことで、被害者が抵抗できない状態、拒否できない状態に追い詰められていくということが、性暴力が発生するプロセスで見られました。

その上で、もしも従前に上下関係があった場合は、性暴力の発生プロセスを容易にするということも分かっております。

臨床経験においても、上司からの強制的な性交は、不起訴や不受理になることが多いという感覚があります。

上司以外にも教師や習い事の先生、就職活動先のOB、OG、フリーランスの人たちの取引相手医療機関医療職心理職、福祉施設職員、利害関係、依存関係、脆弱性がある関係性など、いろいろな関係性が挙げられると思います。

それをどこまでどのような形で明確にするのかというのは、難しいところではあると思うのですけれども、少なくとも、その人の人生や将来、経済状態等を決定する権限のある人たち、医療心理、福祉施設職員のように、その人たちに力を行使したり、その人たちの生活、生命、精神状態を左右できるような立場にいる人たちからの被害は、きちんと罰する必要があるのではないかと考えております。

——————————————————–

<24~25ページ>
2020年8月27日 上谷さくら 委員(弁護士)

自分がいろいろな被害者の相談を受けた経験も踏まえて意見を述べますと、地位・関係性を利用した犯罪類型が最も救われていないゾーンだと思っています。

やはり、地位・関係性がある場合は、力関係がそもそもあったり、顔見知りであるということで、従来求められている暴行・脅迫に満たないですね。

そのために、ほとんどが不起訴というケースがあります。

先ほど、齋藤委員が言われたように、やはり、教師や塾の先生と生徒、また、部活の先輩・後輩、会社の先輩・後輩、上司と部下の関係、取引先医師と患者など、こういうのは非常に多いにもかかわらず、一番救われていないゾーンだと思っています。

(中略。)

特に会社内とか取引先など、仕事が絡んでいると、なかなか言いづらいし、なぜか日本の場合は、被害者が責められて会社にいられなくなるということになっていますので、生活が成り立たないということに直結しているのですよね。

そのようなことも、現実としてたくさん起きていますので、この辺のところを、単に「地位・関係を利用し」というふうに言えばいいのか、関係性を細かく列挙するのかというのは、私の中でも、まだまだ検討は足りていないのですけれども、その辺りのことも議論していただければと思っています。

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<25ページ>
2020年8月27日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

監護者に関連した話なのですけれども、先ほど、177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の関係がどうかという議論があったのですが、抗拒不能は、どうしても177条(強制性交等罪)の暴行・脅迫と同程度というふうに従来考えられているので、少なくとも形式的には結構程度の強いものが必要になってしまって、その結果、本来、親子関係であれば、178条(準強制性交等罪)で拾えていたと思うのですけれども、それができなかったために、監護者が立法されたのだという経緯があったかと思います。

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

同じように考えると、やはり、ある程度類型化してくくり出すという作業をしないと、なかなか178条(準強制性交等罪)では拾えないというふうに思います。

また、地位・関係性の範囲ですけれども、確かにどういうふうに限定するかというか、どこまで入れるかというのはすごく難しくて、地位とか、力関係という抽象的な表現では、条文としては曖昧になってしまうのかなという気がするので、取りあえずは、この前は監護者を入れましたけれども、それに近いような、例えば、教師であるとか、学校に雇われているコーチであるとか、そういうような形でくくり出すというのは、一つの方法かなというふうに考えております。

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<25~26ページ>
2020年8月27日 井田 良 座長(中央大学教授)

先ほど佐藤委員がおっしゃったように、不同意といわれるものの中にもグラデーションがあって、言わば、黒が強いところから、だんだん薄くなって白に近い灰色までグラデーションがあるとすると、そのどこに177条(強制性交等罪)、178条(準強制性交等罪)の処罰を可能にする境目があるのかが問題です。

我々は、これから議論していく中で、そのあるところに線を引かなければならないわけです。

その上で、さらに、そこに至らない、今度はもうちょっとグラデーションの薄いところまで捕まえていくとなると、それは大変難しい問題になると思います。

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<26ページ>
2020年8月27日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私も今、御議論を伺っておりまして、若年者につきましては、精神的に未成熟であり、親族や教師、スポーツのコーチなどの関係性を有しており、精神的に影響を及ぼし得る者から性行為の要求があった場合に、これに適切に対応できない場合があり得ることから、青少年の脆弱性に着目して何らかの対応を取ること、すなわち、新たな刑罰法規を設ける、あるいは、抗拒不能要件に関する具体的な判断基準を設けることなどが、選択肢としては十分に考えられるように思います。

ただ、その場合には、単純に監護者性交等罪と同様の規定を設けるのではなく、その要件や処罰範囲については、更に限定的に考える必要があると思います。

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

すなわち、監護者性交等罪につきましては、監護者と被監護者が依存・被依存、保護・被保護の関係にあることから、監護者による被監護者に対する性的行為は、被監護者の自由な任意の意思決定によるものとは評価できず、また、監護者が被監護者の利益を保護すべき立場にあることもあいまって、強制性交等罪と同等の悪質性・当罰性を有するという観点から新設されたものです。

すなわち、現に監護する者の影響力と関連性を有して行われた性行為については、たとえ被害者が同意していた、あるいは、当事者間に恋愛感情があったとしても、これを一切問題にせずに処罰対象とするものと解されます。
また、個別の関係性の強弱についても、具体的に認定する必要はありません。

これに対して、学校の教師やスポーツのコーチなどの場合、もちろん監護者と同等の影響力を持つ場合もあると思うのですが、その影響の程度は一様ではありません。

また、例えば高校生が、学校の教師やスポーツのコーチと真剣な恋愛関係に至り、性的行為に及ぶことは、全くないわけではなく、当・不当はおくとしましても、これを全て性犯罪としての処罰対象にすべきかについては議論があり得るように思います。

すなわち、仮に、一定の地位・関係性に基づく性行為を罰するとしましても、監護者性交等罪よりは厳格な要件が必要であり、例えば、相手に対する影響力の程度や当事者間の関係性を個別に認定したり、あるいは、地位・関係性を悪用・濫用する具体的な行為を要求するなど、何らかの限定的な規定を検討する必要があるように考えております。

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<26ページ>
2020年8月27日 宮田桂子 委員(弁護士)

今、橋爪委員がおっしゃったことで、私の意見は、ほぼ尽きている感じはいたします。

地位・関係性利用の問題については、日弁連が反対意見を出しました。
これは、地位・関係性があるということだけで、それ以上の反証ができなくなってしまう、そのような構造が問題だということでございます。

ですから、それを更に広げるべきだという議論になってしまいますと、今、橋爪委員が御指摘になったように、保護者である親等と子供との関係というのは、ある程度、定型性がありますが、学校の先生の関係その他については、非常に不定型な部分がある。
そういうものを、そういう関係があるというだけで処罰してしまうという規定を作ってしまうことは、あってはならないことであるというふうに考えます。

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<26~27ページ>
2020年8月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

先ほど、教師と生徒で真摯な恋愛関係があり得る可能性があるというお話が出ましたけれども、こちらの資料にもあったと思うのですけれども、諸外国では、そのような関係性において、性的自己決定権に明らかに差があるということを認識して、地位・関係性を置いているという国もあります。

日本の場合、性犯罪、性暴力を議論すると、いつも真摯な恋愛関係がある場合というふうな話をしますけれども、その真摯な恋愛というのは、一体何を想定しているのだろうかと思います。

対等でない関係で、強制性があった場合、そして同意がない場合、これが性暴力を構成する定義です。

教師と生徒という上下関係がある場合において、真摯な恋愛関係が形成されると真剣に考えることについては、私は憤りを持って批判させていただきたいと思います。

児童福祉法でも、18歳未満への性行為は罪です。
そのことも踏まえて、そのような立場の大人が子供に、性行為を含むような恋愛をすることは許されないと考えてもいいと思います。

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<27ページ>
2020年8月27日 小島妙子 委員(弁護士)

監護者性交等罪というのは有意義な改正だったと思います。

(参考。刑法)
179条
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。

2 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条(強制性交等罪)の例による。

これで救われる子供たちがたくさん出てきているということで、やはり、このスキームをもう少し広げていく必要があると思います。

子供の性被害は、非常に深刻だということを前提に、この監護者性交等罪については、適用範囲を広げていくということが要請されていると思っております。

少なくとも教師、それから、例えば、先ほど木村委員がおっしゃっていましたように、学校に雇われているスポーツの指導者等につきましては、監護者性交等罪の中に入れて拡大していくことが、必要ではないかという意見を持っております。

それ以外の関係性について、どこまでこのスキームでやっていくのかということについては、検討の余地があるかと思いますけれども、私としては、アルバイト先で被害に遭うことが多いので、職場も含めて、検討していただきたいと思っております。

また、被害者が18歳以上の場合の地位・関係性を利用した性行為、性交等についても、新たな犯罪類型を創設していただきたいと思っております。

親族、教師、雇用主、施設の職員等について、力関係を利用・濫用して行う性的行為を犯罪化する方向を考えたいと思います。

処罰範囲については、諸外国の法令を参考にして、国際基準にのっとった形で、ここの部分の改正も是非お願いしたいと考えております。

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明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における「地位・関係性」の論議をみていきます。
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(※参考)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会
 ↓(取りまとめ報告書を提出)
②上川陽子法務大臣
 ↓(諮問
法制審議会
 ↓(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

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(※参考。性犯罪に関する刑事法検討会
「暴行・脅迫」要件の撤廃に関する論議

(参考。当ブログ)

<※巡目の論議>
2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その1その2その3その4その5

<※巡目の論議>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その6その7その8その9その10その11その12その13その14その15

<※巡目の論議>
2021年2月16日 第12回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その16その17
2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その18その19その20その21その22

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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その22)。「被害者の意思に反して性交等を強いる行為が処罰を免れてはならないということについては、異論はなかった」

刑法の性犯罪規定の中に明記されている「暴行・脅迫」要件は、撤廃されるのでしょうか。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

本日もひきつづき、性犯罪に関する刑事法検討会における「暴行・脅迫」要件の論議をみてみます。

(参考。当ブログ)

<※巡目の論議>
2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その1その2その3その4その5

<※巡目の論議>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その6その7その8その9その10その11その12その13その14その15

<※巡目の論議>
2021年2月16日 第12回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その16その17
2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その18その19その20その21|その22|

性犯罪に関する刑事法検討会
暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その22)

(2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<10ページ>
2021年3月8日 宮田桂子 委員(弁護士)

明確化をしたとしても難しい問題が残るという点について、法律的な問題については今までほかの委員の方が述べたところとほとんど重なるので割愛しますが、裁判において争点整理をするときの問題について、一言述べたいと思います。

性犯罪について、争っている事件では、相当数、無罪の事件も出ているし、裁判が長期化するという問題が起こります。
それはなぜかといえば、刑法177条(強制性交等罪)では

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

暴行・脅迫に比肩するような被害者の抵抗が困難になる状態があったのかどうかについて、刑法178条(準強制性交等罪)
では

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

被害者が客観的あるいは心理的に抗拒不能な状態になるような具体的な状況があるかどうかについて、今、正に上谷委員がおっしゃったように、被害者と加害者の関係はどうであったのかとか、あるいは事件が起きた時間はどうだったのかとか、場所はどうだったのかとかといった、様々な間接事実による主張・立証が必要になります。

例示をした上で受皿要件を付けるという点ですけれども、

(参考。小島妙子委員【弁護士】)
当罰性がある不同意性交について、現時点でコンセンサスが得られるような行為態様や被害者の状態を構成要件に例示列挙すること、すなわち、類型化して個別に規定を設ける必要があると考えます。
これと併せて、不同意性交に対する当罰性の判断は、時代とか人々の意識、社会の変化に応じて変化するものだと考えておりますので、今後の判例法理の展開を見越して受皿規定を設けておくべきだと考えます。
受皿規定としては、例えば、「その他意に反する」とか、「その他意思に反する性的行為」という規定ぶりが考えられると思います

まず、受皿要件の前に、この条文のどの例示に当たるのかが、問題になります。
要件に該当しても、間接事実による主張・立証が必要な場合もあるでしょう。

その次に、例示に当たらないのだとすれば、「その他」に該当する行為は、被害者の心理に対してどういう影響を与えたのか、あるいは、その影響を与えたということがどのような事情によって推認できるのか、例示されたような事実と同じような影響があったといえるのか等というところで、争点の整理が恐らく大変になるのだろうと感じます。

特に、「その他」に該当する行為という、受皿のところで勝負をするということになると、正に間接事実による立証をどのように行っていくかという難しさが出てきますから、起訴も大変でしょうし、検察官の方がうまく整理できていなければ、無罪が出る可能性もあるでしょうし、裁判所の判断の違いも出てくる可能性があるだろうと思います。

また、そのように判断のばらつきが出るとすれば、何よりも、本来であれば無罪となるべき人が、起訴されて犯罪人扱いされてしまうということにもつながりかねないと思います。

そういう意味でも、要件を定めるときの明確性は非常に重要だと思いますし、前回、私の述べたところでございますが、現在の裁判例でどのようなものが処罰されているのかについての整理の作業をもう一度きちんと行っていくことが必要であるように思います。

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<10~11ページ>
2021年3月8日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

酩酊に関して少し申し述べたいと思います。

2019年3月の福岡地裁久留米支部の判決においては、被害者が酩酊しているにもかかわらず、まばたきをしたとか身じろぎをしたということで、加害者が誤信した可能性があると言われ無罪となっています。

(※注 第2審の福岡高裁は、加害者に対して懲役4年の実刑判決を言い渡しました。)
2020年2月5日 朝日新聞 「抗拒不能を認識」と故意認定 準強姦罪、二審は有罪に

(参考。当ブログ)
2020年2月7日

(※注 加害者は、最高裁に上告しました。現在、審理中です。)
2020年2月14日 毎日新聞 福岡準強姦事件 被告の男が上告 高裁で逆転有罪

医療者から見たら、意識が低下している人は介助の対象であるのですけれども、加害者が同意していると誤解したと言えば、同意と思われてしまう。

先ほどから、抵抗を困難にするとか、抵抗できない状態であることが認められればというお話も出てきていますけれども、被害者や支援の場では、被害を訴えても現場の警察官などから、抵抗していないでしょうとか、あとは、連れ込まれた場合でも、二人で部屋に入ったでしょうというようなことを言われて、同意でしょうなどと言われてしまうことが起こっています。

同意とは何か、同意があり得ないということはどういうことなのかということを定めてほしいと思います。

また、抵抗を前提にするのではなく、「その他同意を得ずに」などにしていただけた方が、私たちとしては、受皿として、きちんとそのような不同意の徴表といわれる性犯罪を拾えるのではないかと思っています。

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<11~12ページ>
2021年3月8日 井田 良 座長(中央大学教授)

ほかにございませんか。予定された時間をすでに超過しておりますが、とても大事な論点ですので、もしほかにあればどうぞ御発言をお願いします。よろしいでしょうか。
それでは、これ以上御意見はないようですので、この「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」についての議論は、ここまでとさせていただきたいと思います。

今日の三巡目までの議論を要約するのは、なかなか難しいことですけれども、これまでの議論で、いわゆる自発的に参加していない者、要するに「Yes」を表明していない人に対する行為を刑法上の処罰の対象にすべきなのだという点については、賛成・反対の両方の意見があったと思いますけれども、基本的な考えとして、被害者の意思に反して性交等を強いる行為が処罰を免れてはならないということについては、異論はなかったと理解しております。

他方、被害者に虚偽の結婚の約束をして性交に同意させたようなケースや、お金を払うという約束をして同意させたようなケースは、刑法で処罰の対象とすべき行為ではないということについても合意があったと思われます。

立法に当たっての課題ということになりますと、処罰すべき不同意性交等の行為をどのような言葉を用いて構成要件化すればよいかということになりますが、単に「意思に反して」と条文に書く、あるいは「意思に反した性交等」という形で条文に書くとすると、これまでの判例の理解、すなわち、性犯罪以外の他の犯罪類型についての意思に反することの意味に関する一連の最高裁判例の理解を前提とする限り、広きに失することとなりはしないか、取り分け、動機の錯誤を生じさせた事案等の処罰すべきでない行為がそこに入ってきてしまう、そういった処罰すべきでない行為が入らないようにするためにはどういう規定がよいのか、これが議論の焦点とされるべき問題であると考えられます。

そのために、現在、判例で示されている、被害者の抗拒を著しく困難にするといった要件を条文に書き込むのがよいのではないかという御意見も一部にありましたが、むしろ、様々な手段や被害者の状態を条文上に列挙すべきであるという御意見が強かったと思われました。

列挙という方法に対しては、一部に懐疑的な御意見もあったと思われますけれども、運用のばらつきをなくし、また、運用を安定させるために、あるいは処罰の対象を明確化するためには適切であるという御意見が多くの委員から述べられたと思います。

ただ、そうした列挙という方法を用いる場合には、2つの問題が出てくるように思われます。

1つは、列挙する事項をどういうものにするかは相当慎重に検討した方がよろしいだろうということ、もう一つは、全ての場合を過不足なく列挙することはなかなか困難なので、例示列挙にするほかないということです。

そして、例示列挙にするとして、その際、必ずしも不同意と直ちにイコールで結べないものを列挙するとすれば、列挙した手段・状態を包括するような、そして、列挙されたそれぞれの事項の言わば解釈基準となるような抽象的要件が更に必要であるということが指摘され、その要件としては、意思に反する性的行為ということでは不十分だという意見が多くの委員から表明されています。

そのため、それをどのように書くか、このことが立法上の課題とならざるを得ないというように思われた次第であります。

それでは、次の「強制性交等の罪の対象となる行為の範囲」についての検討に入りたいと思います。

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性犯罪に関する刑事法検討会の論議を受けて、上川陽子法務大臣は、以下の10項目の諮問をおこないました。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

現在は、刑事法(性犯罪関係)部会の段階まで進んでいます。

(参考。組織図)
法務省
 |(設置)
法制審議会
 |(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

(再掲。上川陽子法大臣がおこなった諮問)
刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること」(について、御意見を承りたい。)

明日からは、「相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等」に関する議論をみていきます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その21)。「拒否や拒絶の可能性の有無」「社会における意識を考慮して解釈する余地があるのではないか」

刑法の性犯罪規定が改正されるのは、必定です。
まずは、進捗状況を確認します。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

昨年(2021年)の9月16日に上川陽子法務大臣は、法制審議会へ、刑法の性犯罪規定の改正を諮問しました。
法制審議会は、審議をおこなうための機関として、刑事法(性犯罪関係)部会を設置しました。

(参考。組織図)
法務省
 |(設置)
法制審議会
 |(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

性犯罪に関する刑事法検討会
暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その21)
(参考。当ブログ)

<※巡目の論議>
2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その1その2その3その4その5

<※巡目の論議>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その6その7その8その9その10その11その12その13その14その15

<※巡目の論議>
2021年2月16日 第12回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その16その17
2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その18その19その20|その21|

(2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<8ページ>
2021年3月8日 中川綾子 委員(大阪地方裁判所部総括判事)

既にいろいろな委員からの意見の中にも出ているところなのですけれども、最終的にどのような要件にするかは政策の問題ですので、意見としては差し控えたいのですけれども、先ほどから出ている受皿要件、「その他意思に反する行為」というような言い方をした場合に、「その他意思に反して」というだけではどのような行為や状態を指すのかが明らかではなくて、実務には混乱が生じるように思われます。

以前に渡邊委員も指摘されていましたとおり、被害者の同意の有無や被告人の認識の判断に当たっては、暴行・脅迫などの不同意をうかがわせる状況があるかどうかといった、客観的な状況が重要な要素となります。

そうした客観的な状況を伴わない類型を想定するのだとすると、重要な判断要素がないまま、食い違った当事者の供述の信用性を判断するということになりますので、同意の有無ですとか、被告人の認識の判断が難しくなるということは申し上げたいと思います。

また、「威迫」、「不意打ち」などの手段や状態を要件とする御意見も述べられていたところですが、例えば、「不意打ち」というのがどのような手段を意味するのか判然としないという点もありまして、処罰範囲を明確にするためには、手段や状態を具体的で明確なものとする必要があるということも念のため申し上げておきたいと思います。

——————————————————–

<8ページ>
2021年3月8日 羽石千代 委員(警察庁刑事局刑事企画課刑事指導室長)

警察としましても、性犯罪として処罰すべき行為がきちんと対象として拾い上げられることは重要であると認識しております。

一方で、警察の現場で条文を運用するという観点から申し上げますと、構成要件については、できるだけ明確な方が望ましいと考えております。

例えば、「欺罔」とか「偽計」につきましては、なかなか立証が難しいのではないかということと、ほかの委員からも既に御指摘があったとおり、刑事責任を問うべき悪質なものとまではいえない多様なものが含まれてしまうのではないかと感じております。

意見要旨集6ページの3つ目の「〇」にありますとおり、

(参考。意見要旨集6ページの3つ目の「〇」)
〇 列挙される手段に欺罔を含めるか否かについて、成人に対して好意や婚姻する意思を偽る場合には処罰価値がないと思われる一方で、行為の性的な性質を偽る場合や相手方の同一性を偽る場合は現行法でも処罰されているから、欺罔を含める場合には、その範囲を限定することが重要。

過去に、ほかの委員の方から、同一性を偽る場合は含めてよいのではないかという御提案があったと思うのですけれども、

(参考。2020年11月10日の第8回性犯罪に関する刑事法検討会
佐藤陽子委員(北海道大学教授)
他方で、行為の性的性質を欺罔しているとか、あるいは、性交の相手方の同一性を欺罔しているという場合は、諸外国においても一般的に処罰されていますし、日本の現行刑法でも処罰されている類型になりますから、こういうのは入れておかないといけないと考えます。

この「同一性を偽る場合」というのが、どこまで含むのかということの判断が難しいのではないかと思っております。

また、今日、小島委員の意見にもありました、「その他意に反する性的行為」という規定につきましても、

(参考。小島妙子委員)
これと併せて、不同意性交に対する当罰性の判断は、時代とか人々の意識、社会の変化に応じて変化するものだと考えておりますので、今後の判例法理の展開を見越して受皿規定を設けておくべきだと考えます。
受皿規定としては、例えば、「その他意に反する」とか、「その他意思に反する性的行為」という規定ぶりが考えられると思います。

ほかの委員の方々と同じように、明確性という観点でやや懸念を持っております。

処罰すべき行為を対象に含めつつ、現場での判断に迷いが生じることのないような、できるだけ明確な規定としていただけるようにお願いできればと思っております。

——————————————————–

<8~9ページ>
2021年3月8日 池田公博 委員(京都大学教授)

考えられる規定の在り方、特に被害者の状態をどのように表現するかについて、意見を申し上げます。

現行法における強制性交等の罪(刑法177条)は、

(参考。刑法)
177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

その広狭はともかくとして、暴行・脅迫を用いて強制的に行われる場合を処罰するもので、これまで言われてきた不同意の徴表というときの不同意、被害者の心理状態というのも、幅広い意味を含み得る不同意全般ではなく、限定的なものと考えられます。

それがどのような意味かを考えるに当たり、刑法177条(強制性交等罪)と同列に置かれる刑法178条(準強制性交等罪)の場合の被害者の状況を見てみますと、

(参考。刑法)
178条
1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条(強制わいせつ罪)の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

心神の喪失、すなわち、被害の認識がおよそない場合、抗拒の不能、すなわち、被害の認識はあるけれども物理的あるいは心理的にあらがったり、あるいは拒んだりする能力を失っている場合を念頭に置いています。

これは、同意との関係では、そもそも同意するかどうかの選択の余地がない場合に当たり、そうであるがゆえに同意に基づいているとみる余地がないとされているものと考えられます。

そうだとすると、先ほど述べた限定的な意味の不同意というのも、そのような意味と解する余地もあるように思われます。
その上で、刑法177条(強制性交等罪)の規定については、そのように不同意の意義を限定的に理解するとしても、そうした状況が暴行・脅迫を用いた場合に限って生じるものではないのではないか、また、刑法178条(準強制性交等罪)との関係では、抗拒不能という表現は、身体的抵抗が不可能ではない場合を除くという解釈をもたらし得る点で問題があるという指摘は、いずれも正当だと思われます。
したがいまして、暴行・脅迫がもたらす不同意と同じ意味の不同意をもたらす手段、あるいはそうした状態に至っていることを示す表現によって、同列に論じるべき被害を明確に処罰範囲に含めていくことがまずは妥当と考えられます。
そのような観点から考えてみますと、例えば、手段をどのように規定するかはともかく、一定の手段を用いて、被害者が性交等を拒否し、あるいは拒絶することを不能若しくは困難な状態にしてする性交等又は被害者がそのような状態にあることに乗じてする性交等といった文言を用いて表現することも考えられるのではないかと思います。
抗拒」という言葉ではなくて、「拒否」あるいは「拒絶」という言葉を用いてはどうかということで、先ほどの橋爪委員の御指摘と同旨でございます。

(参考。橋爪隆 委員【東京大学教授】)
例えば、行為態様について、「その他被害者が性行為を拒絶することを困難とするような行為」、状態についても、「その他性行為を拒絶することが困難な心理状態」など、その規定内容に対応した受皿要件を設けることが、規定形式という観点からも適当であるような印象を持ちました。

その上で、ここでの拒否や拒絶の可能性の有無については、先ほどの性的同意についての御指摘を踏まえて考えますと、社会における意識を考慮して解釈する余地があるのではないかと考えております。

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<9~10ページ>
2021年3月8日 上谷さくら 委員(弁護士)

刑法177条(強制性交等罪)の暴行・脅迫という言葉についての佐藤委員や木村委員の問題意識について、私の考えを述べさせていただきます。

確かに、今、判例によって、暴行・脅迫と聞いたときの普通のイメージとは違う解釈がなされているというのはそのとおりだと思います。

文言どおりに解釈すると処罰されるべきものが含まれないケースが多いということで、被害者の抵抗を困難にする程度の暴行・脅迫をどう判断するのかというと、例えば二人の関係とか、時間とか、場所とか、いろいろな要素を盛り込んで判断するのだということになっているわけです。

しかし、それが、いわゆる「威迫」や「不意打ち」というものまで含んでいるかと言われますと、多分ケース・バイ・ケースかと思うのです。

これまでの判例で「威迫」まで広がっているのではないかという御意見もありましたけれども、もしそこまで広がっているというのであれば、そのことが条文から分かるように、言葉の整理をした方がいいと思います。

私も、法律上「威迫」といわれるものを暴行・脅迫として解釈していると感じる判決に出会ったことがあるのですけれども、非常に少ないなと思います。

それは、検察官が起訴する段階で絞っているからだと思います。

「威迫」にとどまる場合は、ほとんどの場合は不起訴になっているのではないかと思います。

非常に熱心な検察官だと、もしかすると無罪になるかもしれないと思いつつ、勇気を持って起訴しているというのが現場の感覚です。

先ほど羽石委員からもありましたけれども、現場の警察官が分かりやすいというのも大事ですし、やはり国民にも分かりやすいというのは非常に大事だと思っていまして、特に性的な行為については、殺人とか窃盗みたいに非日常な違法行為ではなく、日常生活に密着した基本的には合法な行為ですので、何より分かりやすいことがとても大事だと思っています。

私もたくさん相談を受ける中で、刑法177条(強制性交等罪)の説明をするときは、一から全部言わなくてはいけないのです。

「暴行・脅迫」というのはこういう意味で、被害者の抵抗を困難にするというように判例では言われていて、それをどう判断するかというと、二人の関係とか、顔見知りかどうかとか、それが起きた時間帯とか、場所とか、全部そういうのを詰め込んで判断するのですよということを説明するわけです。

けれども、ほとんどの人がそのようなことは知らないですし、この条文を読んでも、加害者も被害者も、どれが犯罪に当たるか、多分、分かっていないと思います。

ですから、「威迫」に当たるものを軽い類型で別罪にするか、それが既に今の刑法177条(強制性交等罪)に含まれているという前提で話をするかということはちょっと置いておいても、今の刑法177条(強制性交等罪)の要件を暴行・脅迫だけにして、あとは今の判例に沿って解釈で運用するということは、やはり考え直す必要があるのではないかと思っています。

——————————————————–

明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。

(※参考)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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暴行・脅迫要件は撤廃されるのか(その20)。「性的同意についての社会の認識」「物すごいスピードで変わってきている」「変化にできる限り対応できるように」

刑法の性犯罪規定の改正に関する論議は、刑事法(性犯罪関係)部会の段階に進んでいます。

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 ※ヒアリング
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

(参考。組織図)
法務省
 |(設置)
法制審議会
 |(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

刑事法(性犯罪関係)部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

本日もひきつづき、前段の性犯罪に関する刑事法検討会で、暴行・脅迫要件、さらには抗拒不能要件についてどのような論議がなされたのかをみていきます。

性犯罪に関する刑事法検討会
暴行・脅迫要件の改正に関する論議(その20)
(参考。当ブログ)

<※巡目の論議>
2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その1その2その3その4その5

<※巡目の論議>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その6その7その8その9その10その11その12その13その14その15

<※巡目の論議>
2021年2月16日 第12回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その16その17
2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会・・・
その18その19|その20|

(2021年3月8日 第13回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<5~6ページ>
2021年3月8日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

小島委員のおっしゃるように、

(参考。小島妙子委員)
当罰性がある不同意性交について、現時点でコンセンサスが得られるような行為態様や被害者の状態を構成要件に例示列挙すること、すなわち、類型化して個別に規定を設ける必要があると考えます。

できる限り例示列挙していただきたいというのはそうなのですけれども、性交を強要する場合の人の言動や状態は本当に多様でして、例示列挙したとしても、必ず取り残されるというか、取り落とされるものがあると思います。

そのため、小島委員の、「その他意に反した」という要件を入れることに賛成です。

(参考。小島妙子委員)
これと併せて、不同意性交に対する当罰性の判断は、時代とか人々の意識、社会の変化に応じて変化するものだと考えておりますので、今後の判例法理の展開を見越して受皿規定を設けておくべきだと考えます。
受皿規定としては、例えば、「その他意に反する」とか、「その他意思に反する性的行為」という規定ぶりが考えられると思います。

どの要件にも当てはまりにくいものについて、個別に判断できる余地を残していただきたいと思っております。

性的同意について客観的手掛かりがないと難しいという、いろいろな御意見を伺っておりますが、世界的には、学術的に知見とか定義というのは積み上がっているものでして、それらが客観的手掛かりを考える手だてになると考えられます。
そうしたことを学び、取り入れて、御判断いただきたいと思っています。

もちろん、性的同意についての社会の認識というか、人々の認識がどうかということが、裁判などにおいては大切だということは分かっておりますが、皆様お感じになっていらっしゃると思いますけれども、社会の性的同意に関する意識は、本当にここ1、2年であっても随分と変わってきています。
物すごいスピードで変わってきているということを感じています。

そして、これは、これからも変わっていくと考えられます。
その場合、もう一度法改正をすればよいとお考えになるかもしれませんし、必要ならばそうすべきだとも思うのですけれども、変化の最中にその変化にできる限り対応できるように考えていただきたいと思っております。

——————————————————–

<6~7ページ>
2021年3月8日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

小島委員の御提案について、一言申し上げたいと思います。

小島委員の御提案については、既に意見書を頂戴しておりまして、その内容も踏まえて私なりに理解いたしますと、基本的には行為態様による類型化、被害者の状態に関する類型化を行うが、これらの類型化された事情は被害者の不同意を推認する事情であり、これらの事情に該当する場合には不同意が推認されて性犯罪を構成する、しかし、列挙された行為態様や状態に関する要件に該当しない場合であっても、受皿的な要件である「その他意に反する性的行為」に該当する場合には、性犯罪の成立を肯定するという御趣旨であると理解しました。

このような理解を前提として、意見を申し上げたいと思います。

このような規定を設ける際の課題としては、2つの問題があるように感じております。
順次申し上げます。

第1に、例示されている個別的要件の意義です。

私の理解では、行為態様や被害者の状態に関する個別的要件は、現行法の暴行・脅迫要件と同様に、被害者の意思に反する性行為であることの徴表であり、意思に反することを推認させるものですので、推認を正当化できるだけの内容・性質を有することが不可欠であると思われます。
そうしますと、これらの要件については、列挙された文言どおりの内容で解釈するのでは不十分であって、更に限定解釈する必要があるように思われます。

以下、具体的に申し上げます。

行為態様につきましては、先ほど御指摘がありましたけれども、暴行要件については、小島委員の御提案が「威力」、「威迫」、「不意打ち」等を併せて規定していることともあいまって、性行為に通常随伴する有形力の行使では不十分であって、更に強度の暴行であることを要求する趣旨の限定解釈が必要になってくると思われます。

また、「欺罔」、「偽計」についても、金銭を支払うとだましたり、結婚すると偽ったりした場合などは処罰範囲から除外する必要があると考えるならば、これについても一定の限定的な解釈及びその根拠を示す必要があります。

さらに、被害者の状態に関しても意見を申し上げます。

「酩酊」、「薬物の影響」が御提案されておりますけれども、もちろん、これらは、それによって被害者が抵抗困難な状態になる場合があり得ますし、そのような場合には当然に性犯罪を構成すべきですが、多少アルコールや薬物の影響があるという程度であるならば、それだけで意思に反することまでを推認することは困難であるように思います。

「疾患」や「障害」についても、前回の会議で議論があったように、その程度・内容は多様であって、不同意を推認できるのはその一部に限られてくるように思われます。

小島委員が不同意を推認させる事情を列挙されるのは、実務に対して明確で具体的な指針を示そうとする御趣旨だと思われ、それ自体は正当な方向であると思うのですが、これらの事情を列挙するだけではやはり不十分であって、その具体的内容を更に限定する作業が不可欠であるように思います。

そして、これらを全て裁判例の集積に委ねるというのは、一つの決断であると思いますが、当面の間は裁判実務にとって負担が掛かるだけではなく、一定の安定した判断・解釈が定着するまでの間、裁判所によって結論がぶれるなど、被害者の方にも御負担が掛かるように思われます。

第2に、受皿要件としての「その他意に反する」という文言についても意見を申し上げます。

恐らく、このような文言の要件を御提案されるのは、行為態様や被害者の状態を列挙しても漏れが生ずるおそれがあることから、包括的な要件を設けることによって処罰の間隙を防ぐという趣旨かと理解いたしました。

そのような問題意識自体は十分に理解できます。

もっとも、そのような限界事例については、列挙された行為態様や状態に該当しないわけですので、通常の場合以上に、意に反するか否かの限界を明確に設定する作業が必要になります。

そして、前回も申し上げた点ですが、人間の心理状態や意思決定は単純なものではなく、いろいろな葛藤、悩み、思わく、あるいは打算等の過程を踏まえて一定の決断に至るわけですので、どこまでを意に反すると評価できるかは必ずしも明確ではありません。

更に申しますと、「その他」という文言を用いて受皿要件を設ける場合には、列挙された個別の要件と基本的には同質のものを規定することが必要ではないかという疑問があります。

すなわち、小島委員の案では、行為態様や被害者の状態に関する事情が列挙されておりますので、むしろ受皿の文言としては、行為態様や被害者の状態に関する包括的要件として規定する必要があるように思われます。

例えば、行為態様について、
その他被害者が性行為を拒絶することを困難とするような行為」、
状態についても、
その他性行為を拒絶することが困難な心理状態
など、その規定内容に対応した受皿要件を設けることが、規定形式という観点からも適当であるような印象を持ちました。

——————————————————–

<7ページ>
2021年3月8日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

準強制性交等と準強制わいせつの類型との関係で考えられる規定の在り方に関する意見です。

現行の心神喪失・抗拒不能の要件については、既にお話に出ていますように、包括的でいろいろ拾えるというメリットがある反面、不明確であるという問題がありますので、手段や原因を例示することに一定の意義があるだろうと思います。

その際の具体的な方法ですけれども、これまでの裁判例で認められてきた手段・原因の中から典型的なものを選択して例示するという方法があると思います。

具体的にみてみますと、資料13「性犯罪に係る裁判例調査」によれば、準強制性交等罪において心神喪失・抗拒不能の原因として認定された事情を多いものから順に並べますと、「飲酒による酩酊」・「飲酒による熟睡」が合計29件、それから、「薬物の作用」・「薬物の作用による熟睡」が合計18件、さらに、「行為の意味について誤信」が6件、そして、「知的障害」・「被害者の知的障害と加害者との関係性」・「被害者の認知症」が合計5件などとされていますので、

(参考。資料13「性犯罪に係る裁判例調査」)

<15~16ページ>
(2)心神喪失又は抗拒不能の原因
有罪判決において認定された心神喪失又は抗拒不能の原因は,以下のとおりであった。
〇 飲酒による酩酊 28件
〇 飲酒による熟睡 1件
〇 薬物の作用 17件
〇 薬物の作用による熟睡 1件
〇 被害者の知的障害 3件
〇 被害者の知的障害と加害者との関係性 1件
〇 被害者の認知症 1件
〇 継続的な虐待(性的虐待,身体的虐待を含む。) 2件
〇 加害者との関係性及び継続的な性的被害 1件
〇 行為の意味について誤信 6件
〇 誤信と畏怖・困惑 1件
〇 熟睡 3件
〇 熟睡と覚醒後の驚がく・畏怖・困惑 2件
〇 畏怖・困惑 1件

これらを参考として、例示すべきものを選択するという方法が具体的に考えられるだろうと思います。

ただ、1点、注意が必要だと思いますのは、今挙げたもののうち、例えば飲酒や薬物の影響下にあるということについてみましても、それだけでは、心神喪失・抗拒不能とは限らないということです。

今挙げたような事情を例示するとしても、そういう手段や状態と、それから心神喪失・抗拒不能あるいはそれを表現し替えたものとを結び付けるような要件が必要であろうと思います。

——————————————————–

明日も、性犯罪に関する刑事法検討会における177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)の論議をみてみます。

(※参考)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会の論議をうけて、上川陽子法務大臣が2021年9月16日におこなった諮問)
諮問第117号
2021年9月16日 上川陽子法務大臣

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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