“改正刑法の叩き台をつくる2回目の会議の議事録”(3) ぱっぷす(PAPS)の岡 恵 理事は、「性行為の動画や画像を撮影するということ自体に対しての規制というのが必要」

先月の末(2021年11月29日)に、第2回刑事法(性犯罪関係)部会が開催されました。
同部会は現在、刑法の性犯罪規定の改正を審議しています。
同部会は、最終的に、改正法案の叩き台を作成します。
この叩き台は実質、内閣が国会へ提出する法案となります。

2021年11月29日 第2回 刑事法(性犯罪関係)部会

本日もひきつづき、第2回刑事法(性犯罪関係)部会で、ぱっぷす(PAPS)の方々が述べた意見をみていきます。

2021年11月29日 ぱっぷす(PAPS)~その3
(※その1その2

(2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会 議事録より、引用。)

<38ページ>
2021年11月29日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

資料の5ページの事例5で、性的画像を拡散するということで脅されたという事例なのですけれども、このような形で、この方はDVのような被害なのかなと思うのですけれども、呼び出されて性交を強要されるとか、またお金を取られるとか、又は性を売買するように求められるというような被害を私も聞くのですけれども、こういういわゆるセクストーションといわれるような性的画像を用いた脅しについて、どういう相談があるか、教えていただければと思います。

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<38ページ>
2021年11月29日 岡 恵(NPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)理事)

多いものでは、例えば、最初に撮影されたもの、これはグルーミングでもそうなのですけれども、最初に撮影されたものを用いて、その人の言うことを聞かないと、既に撮られてしまった動画や画像だとか個人情報を、どういうふうにこちらが利用するか知らないよ、といった感じで圧力をかけられて、その人に従わざるを得なかったというような、そういった関係性を作られてしまう、そこでその関係性から抜けられず、ずっとそういった、性行為もですし、動画や画像の撮影も承諾させられていたというような相談というのがあります。

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<38ページ>
2021年11月29日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

ありがとうございます。そういう場合に、どういう規制があるといいのでしょうか。

脅迫とかも使われるのかなと思うのですけれども、特別に規制が必要だと思われますか。

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<38~39ページ>
2021年11月29日 岡 恵(NPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)理事)

そもそもやはり人の性的な姿態・裸だけではないですけれども、裸の写真であったり、動画、性行為の動画や画像を撮影するということ自体に対しての規制というのが必要になってくるとは思っています。
今、本当に何も規制がないこと、がいけないことなのだということの社会認知がそもそもないので、やはりそういった、まず、人の性的な姿態であったり、裸の動画や画像の撮影、性行為の撮影ということに関して、これが規制されていかないといけないというふうには、相談から感じています。

というのが、それがやはりいけないという認識がないと、結構、相談者たちの方々は皆さん自分を責めているわけなのですよね、これが被害として訴え出ていいという認識にも、やはりなかなかなれないという問題があるのですね。

例えば、先ほどのグルーミングの方でもそうですけれども、人のそういった性的な動画・画像を、撮ってはいけないとか要求してはいけないというのが、それが社会的なルールであれば、それを強要されたときに、少しは、これっていけないことをされている、相談してもいい立場だという認識になれるかなとは思うのですけれども、それすら今ない状況では、別に相手は法的には何も違反していないし、自分は言われるがままに、やはり従わなければいけないというような状況があると思って、見ています。

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<39ページ>
2021年11月29日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

ありがとうございます。

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<39ページ>
2021年11月29日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

貴重なお話をありがとうございました。

グルーミングに関してなのですけれども、グルーミングで性行為とか、あるいは実際に体を触られるとかということに至らず、グルーミングだなとオンライン上で思った時点でブロックするなどで切ったとしても、やはりその言葉を投げ掛けられたということ自体で子供たちがどれぐらい傷つくのかということについて、教えていただければと思っております。

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<39ページ>
2021年11月29日 金尻カズナ(NPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)理事長)

特にオンライン上だけで終わるグルーミングというのもあります。
それは、児童だけではなくて私も経験したりとか、実際、性的な、例えば自慰行為をしている映像がどっと来たりということもあったりするわけです。
大人であっても、それはすごくショックですし、すごくトラウマになると思います。
子供であればなおさらです。
特に、児童に対して性的な映像とか写真を見せるということは、これは児童虐待そのものでもありますので、まず実際、オンライン上で児童虐待が行われているというふうな認識になります。

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<39ページ>
2021年11月29日 岡 恵(NPO法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)理事)

やはりどうしてもSNS上で知り合って、それで、例えばLINE交換をして、というケースが相談事例としては多いのですけれども、まず児童の信頼を勝ち得るということをしているのですよね。

例えば、先ほどの例だと、「受験勉強大変だよね」といった感じで近付いてきたところから、どんどん今度は性的な内容に入ってくる。

相談者さんの中ではやはり、「いや、自分はそういったのに関心ないよ」とか、「自分はそういうことをしないので」と言ったときに、「えっ、ほかの子たちはしているよ」というような感じで、ほかの子たちはしているのに、君はどうしてと言われるということが、やはり自分自身のモラルであったり価値観というのをすごく傷つけられるのですよね。

自分は嫌だから嫌ときちんと断ったけれども、その断ったこと自体がおかしいことなのだ、それで、何だったら自分と同い年ぐらいの女の子たちで、その送ってもらった動画や画像を急にばっと送り付けてきて、「見て、ほら、この子たちもこうやってみんな普通にやっていることなのに、どうして君にできないの」と言われてしまう。

やはりそういった形で自分の写真や動画を送ると、その写真や動画が、これは児童だけではなくて大人もなのですけれども、今その写真や動画がどのように使われているか分からないという恐怖観念にすごく陥るのです。

それで、学校に行くこともできない、大人であれば大学に行くことができない、会社に行くことができない、目が誰かと合えば、あの人は私の動画や画像を見たのかなというような、そういった恐怖観念にさいなまれて、なかなか社会復帰ができなくなっている相談というのも聞いています。

実際にそういった動画・画像というのが、Twitter上で加害者が同級生を見付けるのですよね、その同級生にそれを実際に送り付けてしまったりだとかいうようなことがあります。

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<39~40ページ>
2021年11月29日 井田良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございます。
残念ながら、もう時間が参りましたので、これで終了とさせていただきたいと思います。

金尻様、岡様、後藤様には、本日は、実際の活動の中で遭遇されたたくさんの事例に関する情報や非常に貴重な知見をたくさん御提供くださり、誠にありがとうございました。

お話しいただいた内容につきましては、当部会における審議に役立たせてまいりたいと思っております。

委員・幹事を代表して心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

<40ページ>
2021年11月29日 井田良 部会長(中央大学教授)

それでは、本日のヒアリングは以上で終了となります。

次に、次回の進行についてお諮りしたいと思います。
第1回会議で議論いただいたとおり、諮問に掲げられた個別の論点について、第一の一から順番に一巡目の議論を行うことにしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(一同異議なし)

(再掲。井田良 部会長)
諮問に掲げられた個別の論点について、第一の一から順番に一巡目の議論を行うことにしたい

(参考。現時点までの流れ)
<刑法の性犯罪規定の改正>

性犯罪に関する刑事法検討会
  ※2021年5月21日 刑法の性犯罪規定の改正に関する取りまとめ報告書を提出
上川陽子法務大臣
  ※2021年9月16日 諮問
法制審議会
  ・2021年10月27日 第1回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年11月29日 第2回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2021年12月27日 第3回刑事法(性犯罪関係)部会
  ・2022年1月26日 第4回刑事法(性犯罪関係)部会・・・予定

(確認。組織図)
法務省
 |(設置)
法制審議会
 |(設置)
刑事法(性犯罪関係)部会

上川陽子法務大臣は、法制審議会に対して、以下の10項目の改正を諮問しています。

(2021年9月16日 諮問第117号

近年における性犯罪の実情等に鑑み、この種の犯罪に適切に対処するため、所要の法整備を早急に行う必要があると思われるので、左記の事項を始め、法整備の在り方について、御意見を承りたい。

第一、相手方の意思に反する性交等及びわいせつな行為に係る被害の実態に応じた適切な処罰を確保するための刑事実体法の整備
一、刑法第176条前段及び第177条前段に規定する暴行及び脅迫の要件並びに同法第178条に規定する心神喪失及び抗拒不能の要件を改正すること。
二、刑法第176条後段及び第177条後段に規定する年齢を引き上げること。
三、相手方の脆弱性や地位・関係性を利用して行われる性交等及びわいせつな行為に係る罪を新設すること。
四、刑法第176条の罪に係るわいせつな挿入行為の同法における取扱いを見直すこと。
五、配偶者間において刑法第177条の罪等が成立することを明確化すること。
六、性交等又はわいせつな行為をする目的で若年者を懐柔する行為(いわゆるグルーミング行為)に係る罪を新設すること。

第二、性犯罪の被害の実態に応じた適切な公訴権行使を可能とするための刑事手続法の整備
一、より長期間にわたって訴追の機会を確保するため公訴時効を見直すこと。
二、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則を新設すること。

第三、相手方の意思に反する性的姿態の撮影行為等に対する適切な処罰を確保し、その画像等を確実に剥奪できるようにするための実体法及び手続法の整備
一、性的姿態の撮影行為及びその画像等の提供行為に係る罪を新設すること。
二、性的姿態の画像等を没収・消去することができる仕組みを導入すること。

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<40ページ>
2021年11月29日 井田良 部会長(中央大学教授)

ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。

本日予定していた議事につきましては、これで終了いたしました。
本日の会議の議事につきましては、原則的な方針としては、発言者名を明らかにした議事録を作成するとともに、説明資料等についても公表することとさせていただきたいと思います。もっとも、御発言内容を改めて確認し、ヒアリング出席者の御意向も伺った上で、プライバシー保護等の観点から非公表とすべき御発言等があった場合には、該当部分を非公表としたいと考えております。
それらの具体的な範囲や議事録等の記載方法については、ヒアリング出席者との調整もございますので、部会長である私に御一任いただくことはできますでしょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございます。
そのようにさせていただきたいと思います。

では、本日の審議はここまでにしたいと思います。

次回の予定について、事務当局から説明をお願いします。

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<40ページ>
2021年11月29日 浅沼雄介 幹事(法務省刑事局企画官)

次回の第3回会議は、令和3年12月27日月曜日の午前10時からを予定しております。詳細につきましては、別途御案内申し上げます。

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<40ページ>
2021年11月29日 井田良 部会長(中央大学教授)

本日はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。

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(参考。当ブログ)
同会議で、ぱっぷす(PAPS)の方々が用いた資料>
2021年12月7日(その1)
2021年12月8日(その2)

明日も、第2回刑事法(性犯罪関係)部会の議事録をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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