法制審議会における刑法の性犯罪規定改正の審議(その8)。前回(2017年)の刑法改正のときは、7回目の会議で、要綱(法案の叩き台)が策定されました⑥

本日も、5年前に開催された法制審議会の「刑事法(性犯罪関係)部会」の7回目の会合をふりかえります。

2016年6月16日
 法制審議会
 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会
 議事録

2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会
(※ |)

7回目の同部会で、実質、刑法の性犯罪規定の改正案が策定されました。

(参考。当ブログ)
<前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)
2021年10月2日(その3)※要綱策定①
2021年10月3日(その4)※要綱策定②
2021年10月4日(その5)※要綱策定③
2021年10月7日(その6)※要綱策定④
2021年10月8日(その7)※要綱策定⑤

(2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会「議事録」より、引用。)

<14~15ページ>
2016年6月16日 北川 佳世子 委員(早稲田大学教授)

今回、非親告罪化ということとともに、要綱(骨子)第三類型という新たな犯罪類型が設けられたことによって、家庭内において児童が性的な虐待を受けるということについて、ある意味、早期発見され、そして適正な処罰が図られていくことを期待しています。

ただ、それだけに、既に多くの委員の方々がおっしゃいましたように、被害者に対する支援、ケア、そちらの方に非常に今後は期待されるところが大変大きくなってくることだと思いますし、また、非親告罪化に伴い生じ得る被害者の精神的な負担ということについて、被害者の方々が司法過程に関係するということについてケアや配慮がどんどん必要になってくることかと思いますので、そういったところの実際的な今後の動きに期待をしております。

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<15ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
大体よろしゅうございますでしょうか。

それでは、本日御欠席の小西委員からも、修正後の要綱(骨子)についての意見書が提出されておりますので、最後に事務当局から御紹介をお願いします。

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<15~16ページ>
2016年6月16日 隄 良行 幹事(法務省 刑事局刑事法制企画官)

小西委員の意見書を読み上げます。

現在、事務当局より示されている要綱骨子(案)については、不足な点があるが、性暴力に関して、被害の現実に即さない現刑法から新しく一歩踏み出したことを評価したいと思います。

2、3意見を述べた上で、案に賛成します。

第一、強姦の罪(刑法177条)の改正について。
女性、男性、またどのような性的アイデンティティを持つ人にも、性暴力被害があり得ること、その容態は多様であること、その被害の結果は深刻であることが踏まえられていることが必要だと考えますので、第一、強姦の罪の改正には原則的に賛成します。
ただし強姦という名称は適当でなく、「性的侵襲」「性的侵入」等の名称が適当であると考えます。
ほかに「強制性交の罪」という案もあったと思いますが、性交という行為に焦点を当てるのではなく、人の極めてパーソナルな領域への侵襲が許されないという点に焦点を当てるべきであるという考えから、「性的侵襲」「性的侵入」を推したいと思います。

なお、今回は「暴行又は脅迫を用いて」という条件やその解釈はそのまま残されています
これが多くの性暴力被害者を潜在化させる要因となっています。
将来的に、さらに、「同意のない性的侵襲」にも刑法の適用が可能になるような改正を望みます。

第三、監護者であることの影響力があることに乗じたわいせつな行為又は性交等に係る罪の新設について。
この罪が新設されることは大きな意味があります。
子どもに対し親の立場にある者の「影響力」がいかに大きいか、当事者のヒアリングでも示されたと思いますが、そのような被害を受けた人は、多数存在します。
新設には大いに賛成ですが、ただ、性的虐待の被害の実情から考えると、少なくとも、教師についても、同様の罪を設けるべきだと考えます。
今回の改正は第一歩ですが、更に検討が必要と考えます。

第四、強姦の罪等の非親告罪化。
賛成します。
性犯罪はほかの暴力犯罪と同じく人権を侵す暴力行為であり、特殊視することなく同じように扱われることが基本的に必要だと思います。
しかし、非親告罪化する場合には、司法の過程での傷つきが深くなるようなケースが生じることが危惧されます。
非親告罪化を行うのなら、司法過程の中での被害者支援、司法過程に参加できるようになるための精神的社会的な被害者支援をより強化することが必須であり、それを保証する政策、対応が必要です。
非親告罪化と同時に被害者支援の大幅な強化が必要なことを、何らかの形で示すことを強く希望します。

上記のほかの第二から第七に関しては案に賛成します。

以上、小西委員からの意見書を紹介させていただきました。

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<16ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ありがとうございました。

それでは、これで議論は終結し、部会としての意見の取りまとめに入りたいと思います。

諮問第101号は、
近年における性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするための罰則の整備を早急に行う必要があると思われるので、別紙要綱(骨子)について御意見を賜りたい
というものであり、その別紙として、要綱(骨子)が付されておりましたが、

(参考。性犯罪の罰則の改正に関する法制審議会の審議状況等。)

〇 平成27年(2015年)10月9日

法制審議会に諮問

法制審議会(総会)において審議

2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

この要綱(骨子)につきましては、本日、事務当局から修正案が提出されました。

具体的には、要綱(骨子)第一及び第三について修正がなされ、要綱(骨子)第四の三が追加されました。

ここで、資料34として本日配布されました要綱(骨子)修正案を部会における取りまとめの対象とし、これを単に要綱(骨子)と呼ぶこととしたいと思います。

そこで採決の方法でございますが、要綱(骨子)第一から第七は、それぞれが密接に関連するものであり、これらを一体として諮問されたことに鑑みまして、要綱(骨子)第一から第七までを一括して採決の対象とさせていただきたいと考えておりますが、よろしゅうございましょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
では、採決に入らせていただきます。
要綱(骨子)第一から第七に賛成の委員の方は挙手をお願いいたします。

(賛成者挙手)

次に、反対の委員の方は挙手をお願いいたします。

(反対者挙手)

それでは、事務当局から採決の結果を報告していただきます。

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<16ページ>
2016年6月16日 隄 良行 幹事(法務省 刑事局刑事法制企画官)

ただいまの採決の結果を御報告いたします。

賛成の委員の方14名、反対の委員の方1名、出席委員総数は、部会長を除きまして15名でした。

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<16~17ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

ただいま報告がございましたとおり、要綱(骨子)につきましては、挙手されました委員の賛成多数で可決されたと認めます。

諮問第101号につきましては、配布資料34の事務当局による修正後の要綱(骨子)を、部会の意見として総会に報告することに決しました。

この決定は、部会長である私から総会に報告させていただきますが、報告につきましては、慣例として、部会長に一任願うということでよろしゅうございましょうか。

(一同異議なし)

ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。

これで当部会の審議は終了となります。

昨年以来、充実した審議を重ねていただきまして、誠にありがとうございました。

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日

委員の方々から、既に御指摘がございましたように、明治以来の日本の性犯罪の罰則に関する規定としては、ある意味で画期的なものが部会の結論として出されたのではないかと思います。

これまでの皆様の御尽力、御協力に心より御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

なお、本日の議事につきましては、特に公表に適さない内容に当たるものはなかったと思われますので、発言者名を明らかにした議事録を作成し、公表することとさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(一同異議なし)

それでは、そのようにさせていただきます。

それでは、これで散会とさせていただきます。
どうもありがとうございました。

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(再掲。山口 厚 部会長)
この決定は、部会長である私から総会に報告させていただきます

(参考。性犯罪の罰則の改正に関する法制審議会の審議状況等。)

〇 平成28年(2016年)9月12日

法制審議会(総会)において審議の上、法務大臣に答申

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当該要綱(骨子)は、3か月後の総会で了承されました。
明日はこのときの総会の議事録をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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