法制審議会における刑法の性犯罪規定改正の審議(その3)。前回(2017年)の刑法改正のときは、7回目の会議で、要綱(法案の叩き台)が策定されました

本日もひきつづき、前回(2017年)の刑法改正時における法制審議会の審議をふりかえります。

(参考。当ブログ)
<前回(2017年)の刑法の性犯罪規定改正時における法制審議会の審議>
2021年9月30日(その1)
2021年10月1日(その2)

昨日のブログで、法務大臣が2016年6月17日の記者会見でのべたことばを引用しました。
もう一度引きます。

(2016年6月17日 法務省「法務大臣閣議後記者会見の概要」より、引用。)

2016年6月17日 記者

昨日(2016年6月16日)、性犯罪を厳罰化する刑法改正の要綱が法制審議会の部会でまとまりました。

松島元大臣の問題提起から始まり、上川前大臣の下で議論が進み、岩城大臣の下でこのような具体案としてまとまったと思うのですが、岩城大臣の御所見をお聞かせください。

2016年6月17日 岩城光英 法務大臣

昨日(2016年6月16日)の法制審議会刑事法部会において、強姦罪等の非親告罪化、強姦罪の構成要件の見直し、法定刑の引上げなどを内容とする要綱(骨子)が採択されました。

これまで部会においては、大変熱心な御議論をいただき、昨日、結論を出していただいたことに感謝を申し上げたいと存じます。

(参考。法務省 法制審議会)
刑事法(性犯罪関係)部会
第1回(2015年11月2日)
第2回(2015年11月27日)
第3回(2015年12月16日)
第4回(2016年1月20日)
第5回(2016年3月25日)
第6回(2016年5月25日)
第7回2016年6月16日

2016年6月17日 岩城光英 法務大臣

今後、法制審議会総会において、更に審議がなされるものと思っていますが、法改正すべきとの答申が得られた場合には、その内容を踏まえ、適切な時期に法案を提出できるように図ってまいりたいと考えています。

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(再掲。岩城光英 法務大臣)
昨日(2016年6月16日)の法制審議会刑事法部会において、強姦罪等の非親告罪化、強姦罪の構成要件の見直し、法定刑の引上げなどを内容とする要綱(骨子)が採択されました

2016年6月16日に開催された第7回「刑事法(性犯罪関係)部会」で、刑法改正の要綱(骨子)が採択されました。
本日は、当該部会の議事録を参照します。

2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会

(2016年6月16日 法制審議会 第7回 刑事法(性犯罪関係)部会「議事録」より、引用。)

<1ページ>
2016年6月16日 山口 厚 部会長(早稲田大学教授)

(前略。)
それでは、審議に入りたいと思います。

本日は、まず、前回までに事務当局に検討をお願いした点などにつきまして、事務当局から検討結果の御説明を受けた上で、更に審議を行いたいと思います。

具体的には、要綱(骨子)第三の「影響力を利用して」という表現について、被害者に向けられた具体的な利用行為が必要であるようにも読めるため、より適切な表現ができないか、要綱(骨子)第四の強姦罪等の非親告罪化の適用範囲をどのようにすべきかという点について、検討をお願いしておりましたほか、要綱(骨子)第一の処罰対象となる行為について、「性交等」とした上で、括弧書きで定義を置いている点につき、より端的で明確な表現ぶりがないかという点についても御検討いただいていたものと思います。

それで、まずは、事務当局から、検討結果について御説明をお願いしたいと思います。

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<1~4ページ>
2016年6月16日 加藤俊治 法務省 刑事局刑事法制管理官

御指示の点について説明を申し上げます。
本日お配りいたしました資料34(要綱(骨子)修正案)を御覧いただきながら、お聞き取りください。

また、従前の要綱(骨子)は、お手元の資料1に付いておりますので、そちらも必要に応じて御覧ください。

前回までの部会における委員・幹事の皆様からの御指摘・御意見を踏まえて、事務当局において、諮問に係る要綱(骨子)を再度検討いたしました結果、本日の配布資料34(要綱(骨子)修正案)のとおり、3点について一部修正するのが適当であると考えるに至りましたので、その修正内容及び理由について説明いたします。

まず、要綱(骨子)第一の修正についてです。

要綱(骨子)第一においては、処罰対象となる行為を「性交等」とし、括弧書きを用いて、「あおいろ相手方の膣内、肛門内若しくは口腔内に自己若しくは第三者の陰茎を入れ、又は自己若しくは第三者の膣内、肛門内若しくは口腔内に相手方の陰茎を入れる行為をいう。」と定義することとしていました。

この点につき、第4回会議において、構成要件の明確性の要請を踏まえつつ、より端的な用語で表現することができないかという御意見がありましたので、これを踏まえて事務当局において検討を行いました結果、要綱(骨子)修正案第一のとおり、「性交、肛門性交又は口腔性交」と表現した上で、これらを合わせた略語として、「性交等」を用いることとするのが適当であると考えるに至ったものです。

これは、従前の要綱(骨子)第一の意味内容を変更する趣旨の修正ではなく、これまで説明をしてまいりました意味内容を維持したまま、より適切な表現を用いようとするものです。

要綱(骨子)修正案第一の案文に即して、具体的に説明します。

まず、従前の要綱(骨子)の括弧書きにおいては、その前半部分で、「相手方の膣内、肛門内若しくは口腔内に自己若しくは第三者の陰茎を入れ」る行為を記述し、「又は」以下の後半部分で、「自己若しくは第三者の膣内、肛門内若しくは口腔内に相手方の陰茎を入れ」る行為、すなわちこれまでの議論の中では、便宜上、「挿入させる行為」などと呼んでいた行為を記述しておりました。

修正案では、これらの行為のうち、膣内に陰茎を入れる行為を「性交」、肛門内に陰茎を入れる行為を「肛門性交」、口腔内に陰茎を入れる行為を「口腔性交」と表現しています。

このような表現を用いることにより、行為者が、自己又は第三者の陰茎を相手方、すなわち被害者の膣内等に入れる行為のほか、被害者の陰茎を自己又は第三者の膣内等に入れる、いわゆる「挿入させる行為」をも含むものとして、過不足なく表現することができるものと考えております。

より具体的に申し上げますと、現行刑法177条(強姦罪)は「女子を姦淫」と規定しておりますところ、この「姦淫」とは「性交」を意味し、また「性交」とは一般に男女が性器を交えること、すなわち膣内に陰茎を入れる行為をいうものと解されております。
しかし、同条では客体が「女子」に限定されているため、男性が主体となって、女性の被害者の膣内に陰茎を挿入する行為のみが処罰の対象となると解されています。

これに対し、今回の要綱(骨子)修正案においては、「十三歳以上の者に対し、……性交……をした」という構成要件としており、客体の性別を問わないものとしておりますことから、「性交」との文言で、男性が女性の被害者の膣内に陰茎を入れる行為だけでなく、男性の被害者の陰茎を女性の膣内に入れる行為をも当然に含むものとして表現できていると考えています。

同様に、「肛門性交」及び「口腔性交」についても、被害者の肛門内や口腔内に陰茎を入れる行為だけでなく、被害者の陰茎を肛門内や口腔内に入れる行為をも含むものとして表現できているものと考えています。

また、修正案においては、誰の陰茎を誰の膣内等に入れるのかについて限定していませんので、被害者に第三者と性交等をさせる場合をも含むものとして表現できていると考えています。

なお、これまでの議論においては、口腔内に陰茎を入れる行為を「口淫」という言葉で表現することも多かったのですが、この言葉は必ずしも口腔内に陰茎を入れる行為に限らず、もう少し広い意味、例えば女性器を舌でなめる行為などについても使われる場合があることから、従前の要綱(骨子)の内容を明確に示す意味では、この「口淫」という言葉ではなくて「口腔性交」との用語が適切であると考えたものです。

さらに、括弧書きの定義を置かないこととしたことに伴い、括弧書きの中に書き込まれていました「相手方」という文言を用いる必要がなくなりましたので、この際、刑法176条の強制わいせつ罪と同様の構文として、「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交……をした」という表現を用いることとしております。

以上が要綱(骨子)修正案第一についての説明です。

次に、修正の2点目として、要綱(骨子)第三の罪の修正案について説明します。

第5回の会議において、事務当局から要綱(骨子)第三の罪の「影響力を利用して」という文言の意義につき、「18歳未満の者に対する監護者の影響力が一般的に存在し、かつ、その影響力が遮断されていない状況で、性交等を行ったことをいう」旨の考え方を説明いたしましたところ、複数の委員から、「影響力を利用して」という表現では、被害者に向けられた具体的な利用行為が必要であるようにも読めるため、文言を工夫した方がよいのではないかとの御指摘を頂いていました。

そこで、事務当局において検討しましたところ、要綱(骨子)修正案第三のとおり、「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて」と修正するのが適切であると考えるに至ったものです。

なお、この修正は、従前の要綱(骨子)第三で示そうとしていたことを、より適切な表現に修正したものでございますので、第5回会議で申し上げた考え方や意味内容を変更するものではなく、「十八歳未満の者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした」とは、「18歳未満の者に対する監護者の影響力が一般的に存在し、かつ、その影響力が遮断されていない状況で、性交等を行った」ことをいうものです。

このほか、要綱(骨子)修正案第三の二において、冒頭に「十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる」としておりますのは、要綱(骨子)第一の修正に合わせて、構文を整理したものです。

それから、修正の3点目ですが、要綱(骨子)第四、すなわち強姦罪等の非親告罪化に関する時間的な適用範囲についてです。

この点については、第5回会議において、事務当局から、次のような考え方について御意見を伺ったところです。

すなわち、要綱(骨子)第四の趣旨が、告訴をするか否かの判断をしなければならない被害者の負担を軽減するというものであることに鑑みますと、改正法施行前の行為についても、非親告罪として取り扱うこととするのが適当であると考えられます。

もっとも、改正法施行前に、既に法律上告訴がされる可能性がなくなっている場合については、一旦、告訴がされる可能性がなくなり、その結果として起訴される可能性がなくなった被疑者の地位の安定性を考慮し、また、その当時の法に従って意思表示をした被害者の意思をも尊重して、非親告罪化しないこととするのが適切であると思われます。

そこで、改正法施行時において既に告訴がされる可能性がなくなっているものを除き、改正法施行前の行為についても新法を適用し、非親告罪として取り扱うこととするのが適当であるとの考え方を御説明したところです。

第5回会議においては、この事務当局の考え方について、御意見・御指摘を頂き、その御議論を踏まえて、事務当局において更に検討しましたが、第5回会議において申し上げた考え方によることが適当であると考え、また、この内容は、経過措置に関する内容ではありますものの、関係者にとって重要な内容であることに鑑みますと、この点についても、要綱(骨子)に明示した上で、御審議いただくこととするのが適当であると考えるに至りましたので、その旨を要綱(骨子)修正案の第四の三として追加することといたしたものです。

具体的には、要綱(骨子)修正案第四の三において、「一及び二に係る規定により非親告罪化がされる罪であって、改正規定の施行前に犯したものについては、改正規定の施行の際既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き、改正規定の施行後は、告訴がなくても公訴を提起することができるものとすること。」としております。

ここで、「法律上告訴がされることがなくなっているもの」というのは、いずれの告訴権者においても法律上もはや告訴をすることができなくなったため、告訴がされる可能性がなくなっていることを意味するものです。

具体的に申し上げると、
一つ目として、全ての告訴権者の告訴が取り消されて、更に告訴をすることができないような場合のほか、
二つ目として、被害者本人が死亡し、かつ、生前に告訴をしない意思を明示していたため、刑事訴訟法231条2項に規定する親族がいるものの、同項ただし書の規定により告訴をすることができない場合、
三つ目として、刑法229条ただし書の場合、すなわち、わいせつ又は結婚目的の略取・誘拐の罪で、被害者が犯人と婚姻した場合においては、婚姻の無効又は取消しの裁判が確定した日から6か月が経過したときは告訴の効力がないとされておりますところ、改正法施行の時点でその期間を経過しているときなどは、
この「法律上告訴がされることがなくなっているもの」に当たると考えられます。

他方で、単に告訴権者が告訴の意思を有しない場合や告訴能力を有しない場合などについては、法律上告訴の可能性がなくなっているわけではありませんから、この要綱(骨子)修正案第四の三にいいますところの「法律上告訴がされることがなくなっている」場合には当たらないものと考えています。

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この論議のつづきは、明日のブログでみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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