【法制審議会へ刑法改正の諮問⑦】かつて原田隆之 筑波大学教授が刑法改正の検討会で述べた意見(その2)。「一見、同意」「それが本当に自由意思による同意なのか」

法務大臣の諮問に関する最近の流れを確認します。

2021年9月10日(金)

(2021年9月10日 毎日新聞 性犯罪規定の見直し、法制審で議論へ 「不同意」処罰や時効撤廃などより、引用。)

上川陽子法相は(2021年9月)10日の閣議後の記者会見で、性暴力被害の実態に応じた法制度の見直しを、(2021年9月)16日の法制審議会(法相の諮問機関)の総会で諮問する方針を明らかにした

(2021年9月10日 原田隆之教授のツイートより、引用。)

私も昨年(2020年7月9日)、加害者の「治療」に携わる立場として、この件で法務省の「性犯罪に関する刑事法検討会」に呼ばれ、意見を述べてきました。

いよいよ不同意処罰に関して一歩前進です。

性犯罪規定の見直し、法制審で議論へ 「不同意」処罰や時効撤廃など

  
2021年9月16日(木)

(2021年9月16日 朝日新聞 性交罪の要件拡大を議論、時効の延長も 法制審に諮問より、引用。)

性犯罪を適切に処罰できるようにするため、上川陽子法相は(2021年9月)16日、刑法や刑事訴訟法の規定のあり方について法制審議会に諮問した

(再掲。2021年9月10日 原田隆之教授)
私も昨年(2020年7月9日)、加害者の「治療」に携わる立場として、この件で法務省の「性犯罪に関する刑事法検討会」に呼ばれ、意見を述べてきました

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第14回(2021年3月30日)※議事録公開

第15回(2021年4月12日)※議事録公開

2021年4月12日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書(案)

第16回(2021年5月21日)※議事録公開

2021年5月21日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書

(再掲。2021年9月10日 原田隆之教授)
いよいよ不同意処罰に関して一歩前進です

4日前(2021年9月16日)の当ブログで、2020年7月9日の第3回性犯罪に関する刑事法検討会における原田隆之教授の意見を途中までてみてみました。

(参考。当ブログ)
2021年9月16日

本日も原田隆之教授の意見を参照します。

2020年7月9日 第3回性犯罪に関する刑事法検討会

原田隆之 筑波大学教授「性犯罪者の現状」②
(※

(2020年7月9日 第3回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<19~21ページ>
2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド10枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

それで、ここで私が強調したいのは、こういったものは、もちろん性犯罪者特有なのですけれども、やはり、一部、社会の中にも、こういったゆがんだ認知が共有されている、場合によっては、法執行機関ですとか司法関係者の中にも、こういう認知をある程度共有している人がいるかもしれないということです。

例えば、世間でも、被害者を責めたりとか、あるいは多少のことで騒ぎ立てるなと言ったりとか、もっと抵抗すべきだったのではないかとか、今頃になって何で騒ぎ立てるのかとか、あるいは、被害者というのはよくうそを言うのだと。

実際、うその申告とか、あるいは、大げさに被害を言うという人もいるのですけれども、ごく少数であって、これは、別に性犯罪に限ったことではなくて、ほかの犯罪も同様だということも分かってきています。

まさに、この本当にごく少数の人たちであるわけですけれども、それを一般化してしまうということです。

ですから、今後、例えば、刑法の改正で不同意性交罪などができたとしても、それに対して、先ほど申し上げたような加害者の心理状態、それから、一般の人の心理状態、こういったものをよく理解して、一般の人にもこういうものを啓発するということが重要なのではないかというふうに考えます。

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド11枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

そして、犯行に至る際の心理なのですけれども、やはり、加害者といえども、発覚を恐れるというのは当然のことです。
そして、加害行為を成功裏に遂行するために、いろいろなことを行います。
それが、主なものを3つ書いてありますけれども、段階的な犯行、それから、被害者の選択や関係作りということ、それから、中和や合理化ということです。
これを簡単に御説明します。

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド12枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

まず、段階的な犯行というのは、これは、全員が全員そうではないのですけれども、軽微な犯行から徐々にエスカレートしていくことです。

言葉は悪いですけれども、比較的軽微な行動でまず犯行を練習してみる、これでばれなかった、では、大丈夫だということでまた次へ進んでいって、より刺激的な行動を求めるという傾向が、一部の人にはあります。
そして、その中で、自分の中で成功した性行為を反芻するといいますか、その後でも何度も思い返して、それでマスターベーションしたりとか、ファンタジーにふけるということがあるわけです。

ほかにも、アダルトサイトなどで自分のそのファンタジーを強めていくという、そういった傾向もあります。
このアダルトサイトとかポルノというものは、犯罪自体を喚起するというよりは、もともとそういった認知のゆがみであるとか、犯罪傾向がある人を、より実行に至らせるリスクが大きいということが言われています。

それから、先ほどセントラルエイトで申しましたけれども、仲間集団がいることが、よりリスクを高めます。
これは、現実の仲間関係ということもありますけれども、オンラインでいろいろ情報交換をしたりとか、あるいは、自分の犯行を自慢したりとか、こういう仲間がいることは、非常に危険であるということが言えます。

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド13枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

それから、被害者の選択ということに関しましては、やはり、多くの場合、見知らぬ人に加害行為をするというよりは、何らかの関係性を作るその関係性の中で加害をするということが、非常に多いということも分かっています。

そこで、被害者の弱みに付け込むということがあるわけですけれども、例えば、何らかの障害を持っている方にその障害に付け込んで加害行為をするとか、あるいは、未成年者、十分な判断力のない子供に付け込むとか、それから、自分の力関係や社会的な立場を悪用したり、あるいは、被暗示性の強い相手、非常に自分の言いなりになりそうな人を上手に見分けて、そして、一種のマインドコントロールのような形で相手が抵抗できないようにする、心理的な支配をするということです。

それから、おとなしい相手とか、セックスワーカーといった人たち、そういう人たちの弱みに付け込むということも、よくあるケースです。

そうすると、この場合も、そもそも被害者には同意ができないということ、それから、はたから見ると、一見、同意をしているけれども、それが本当に自由意思による同意なのかということが、極めて疑わしい場合もあります。

こういうところも、それぞれの事件の中できちんと見ていかなければ、その同意というものの意味を取り違えてしまう。

そういう危険があるのではないかというふうに考えています。

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド14枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

この多様性ということなのですが、

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド15枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

たくさん列挙しましたけれども、認知のゆがみには、2つぐらいのパターンがあるということも分かっております。
これは、本人が心からそう思っているというか、心理的には病理が非常に深いわけなのですけれども、先ほど言ったような、相手が悪いのだとか、相手が誘っているのだということを、本心からそう思い込んでいるような場合があるわけです。
そうすると、取調べとか裁判の過程で、本人はそういうふうに言うわけですけれども、本心からそう思っているわけですから、非常に迫真があって、周りも、「ああ、そうなんだ。」というふうにだまされてしまうケースというのはすごく多いのではないかと。
こういうタイプは、相手の表情やノンバーバルなサインが伝わらない、相手が嫌がっていたり恐怖を感じていたりとかしても、それ自体も分からないというタイプがいます。

もう一つの中和の技術というのは、自分の罪悪感を中和するというタイプですけれども、自分が悪いことをしているということを分かっていて、それを意識的に、あるいは、無意識的に打ち消そうとして、先ほどの認知のゆがみを悪用するというタイプもあります。

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド16枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

非常にリスクの高い性犯罪者の中には、先ほども少し言いました、相手の表情が分からない、恐怖とか不快とか拒絶みたいなものの表情が分からない。
我々一般の人々は、それが分かれば、自分の暴力的な行為にストップがかかるというふうな、脳の仕組みができているわけですけれども、特に粗暴な犯罪者の中には、そもそも相手の表情を読み取れない、そして、ストップがかからないというふうな、これは、共感性の欠如とも言えると思いますけれども、そういった脳機能の異常があるのだということも言われているわけです。

2020年7月9日 原田隆之 筑波大学教授

【スライド17枚目】(※性犯罪者の現状を参照)

このように、いろいろな性犯罪者のタイプ、特にこの4つに分けた中で、上の2つは、割と自分の問題にも気づいていて、もう性犯罪をやめたいと思っている。
病院に通ってこられている方は、上の2つのタイプだと思いますけれども、下の2つのように、パーソナリティやいろいろなゆがみが大きくて、なかなか治そうとも思わないし、そもそも、自分が間違っているとも思わない、こういうタイプもいる。
これが、もちろん、よりリスクが高いということになるわけです。

非常に早口で駆け足になりましたけれども、以上で用意していましたプレゼンテーションは終了いたします。

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<21ページ>
2020年7月9日 井田 良 座長(中央大学教授)

ありがとうございました。

それでは、委員の中で御質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。

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このつづきは明日のブログでみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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