児童ポルノの単純所持に対する自民党&公明党と、民主党の対応(18)。被害者の救済よりも、表現の自由を優先する政党が存在するようです 

現在、児童ポルノの単純所持は、違法です。
2014年からそのようになりました。
それまで、児童ポルノの単純所持は、合法でした。
2009年に、児童ポルノの単純所持を禁止しようといううごきがありました。
与党(自民党&公明党)は国会に児童ポルノ禁止法の改正案を提出しました。
民主党は、この与党案に反対しました。
その後、民主党政権となり、児童ポルノの単純所持の問題は闇に葬られました。

(参考。児童ポルノ禁止法)
<経緯>

1999年 児童ポルノ禁止法成立
  
2004年 児童ポルノ禁止法改正
 ・児童ポルノの「製造・販売」、「提供目的での所持」を罰則の対象に。
  
2009年
 ・与党(自民党と公明党)は、児童ポルノの単純所持を禁止する改正案を国会に提出した。
 ・民主党などが反対した。
 ・衆議院が解散され、与党案は廃案となった。
  
2009年9月16日~2012年12月26日 民主党政権
  
2012年12月26日~ 自民党政権
  
2014年6月18日  児童ポルノ禁止法改正
 ・児童ポルノの単純所持を禁止する改正案が可決、成立した。

本日もひきつづき、2009年6月26日の衆議院法務委員会で交わされた論議をみてみます。

(参照元)
2009年6月26日
 衆議院 法務委員会
 会議録

(参考。当ブログ)
2009年6月26日の衆議院法務委員会の論議>
2021年8月18日(序)
2021年8月19日(1)
2021年8月20日(2)
2021年8月21日(3)
2021年8月22日(4)
2021年8月23日(5)
2021年8月24日(6)
2021年8月25日(7)
2021年8月26日(8)
2021年8月27日(9)
2021年8月28日(10)
2021年8月29日(11)
2021年8月30日(12)
2021年8月31日(13)
2021年9月1日(14)
2021年9月2日(15)
2021年9月3日(16)
2021年9月4日(17)

(確認。2009年当時の各党の方針)
<児童ポルノの単純所持について>
与党(自民党&公明党)「児童ポルノの単純所持は禁止」
民主党「児童ポルノの単純所持を禁止すべきでない」

2009年6月26日 衆議院法務委員会

児童ポルノの単純所持に対する処罰(18)
 ※|(序)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)

(2009年6月26日 衆議院 法務委員会「会議録」より引用。)

2009年6月26日 山本幸三 衆議院 法務委員会 委員長(自民党)

次に、田島参考人にお願いいたします。

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田島泰彦参考人は、民主党側がよんだ参考人のようです。

(確認。2009年当時の各党の方針)
<児童ポルノの単純所持について>
民主党「児童ポルノの単純所持を禁止すべきでない」

2009年6月26日 田島泰彦 上智大学教授

よろしくお願いします。

私は、日ごろは表現の自由の問題とかあるいはジャーナリズム、あるいはメディアについて主として研究をし、教育に携わっている者です。
ということですので、今回の児童ポルノ等に関する法律の改正という問題については、その立場から、すなわち、主として表現の自由の立場からという形で意見を申し述べたいと思います。

やはり、いずれにしましても非常に大事な問題であると思います。
ですので、いろいろな角度から、あるいはいろいろな立場から、理性的な議論を交えて、時には非常に厳しいやりとりもした上で、それで、よい方向を目指していくというのが我々の社会が目指していく方向かな、そういうふうに考えて、きょう議論に参加するつもりでおります。

さて、今回の問題につきましては、御承知のように、与党(自民党&公明党)案と民主党の案の2つの提案が示されております。

私の立場からいうと、与党(自民党&公明党)が提示している問題、法律案、改正案ですね、そこにやはり主として疑問に感じるところが少なくないなというふうに考えていますので、その点を中心に検討を試みるという形にしたいと思います。

さて、法の改正を考える上では、やはりこういう視点が大事かなというふうに私は考えております。
すなわち、私たちの社会が健全に維持されるためには、やはり児童の、子供たちの人権のしっかりした保護、これはもちろんだと思うのですね。
とともに、しかしながら、表現の自由との適切な調整ということを一方で欠かしてはならないというのも確かではないかなというふうに私は考えています。
それが私の基本的なスタンスです。

その点から、あらかじめ結論を申し上げますと、与党(自民党&公明党)による今回の、特に単純所持罪の新設という問題、それからさらには、将来の新設の可能性にもかかわりまして、実在の児童を描写しているというものではなくて、それをはるかに超えたいわゆる創作物規制、一般にそういうふうに言われていますけれども、そういう規制の調査研究規定の導入、これが2つの大きな問題かなというふうに私は考えております。

その2つの点については、やはり表現の自由の保障という観点から見たときに、私は、やや過剰な規制になっていないだろうかというふうに思います。
もし過剰な表現規制ということであるとすれば、私たちが維持しなければいけない自由な市民社会というものが少し息苦しい方向に向かうということになると思われますので、やはりそれは十分に注意して検討しなければいけないのかなというふうに思います。

1つは、現在の児童ポルノ法、これは買春も含みますけれども、便宜的に児童ポルノ法という表現を使います。
現行法の枠組み自体が、やはり私は少し問題を抱えているところがあるのかなというふうに思います。
すなわち、表現の自由という観点、それからさらには諸外国との比較などから見てもやや過剰な規制に傾いているところがあって、児童の、子供たちの人権の保護と表現の自由の両者のバランスというのが必ずしも適切な形で確保されているとは言えないのではないかというふうに考えております。

そもそも、これはきょう議論するつもりはありませんけれども、保護対象の18歳未満というくくり方、すなわち年齢が、保護の対象として妥当かどうか、これは別な機会で恐らく議論はしなければいけないと思いますし、それから、立法過程の中でも、その議論はもう既に制定時にもあったと思います。
それは別としても、特に、やはり対象になっている児童ポルノの定義の問題ですね。

先ほど来、ほかの参考人の御意見にもありましたけれども、特に2条3項の3号の規定です。
すなわち、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」というのがその規定であります。
これはどう考えても、やはり本来イメージする児童ポルノとは違うものがそこには含まれているということになっていると思います。
すなわち、対象がかなり広いくくり方になっている。
しかも、必ずしも客観的な要件ではないと思われる主観的要件も含んでいる。
そのことの結果、先ほど言いましたように、いわゆる一般的なポルノやわいせつなどのものだけではなくて、それとはかけ離れた単純なヌード、いわゆるソフトヌード的なもの、こういう表現も法の規制の対象にされてしまっているのではないかというふうに考えます。

この点、例えば諸外国ではどうかということですけれども、アメリカ合衆国では連邦法典で、これは1466のA条というところで、例えば露骨な性的描写を含むわいせつであるものであるとか、あるいは性器間なども含むSM行為、交配行為であるとか、さらには、文学的、芸術的、政治的、科学的価値のないものとか、いろいろな留保や制限をつけて、極めて客観的で限定的な定義を示しております。
他の先進諸国も、多かれ少なかれこれに従っているものというふうに思われます。

少なくとも欧米では、規制は、詳細な、ポルノ的な行為ないしわいせつ的なものに限る、あるいは性的なものに限るということであって、また、芸術等の例外も許容をしている。
そうであるとすれば、ソフトヌードのような単純なヌードまで過度に規制されていないというのが実情ではないかなというふうに私は理解をしております。

欧米では、確かに単純所持規制創作物規制も設けられているところが少なくありません。
しかし、それは、このような、先ほど示したような表現の自由への配慮のもとで、極めて限定的な枠組みのもとでそうした措置が用意されているということが大切なのではないかなというふうに考えます。
そうであるとすれば、日本ではこうした前提を欠いているがゆえに、過度に広過ぎる規制になっているにもかかわらず、新たに単純所持規制や将来の創作物規制が加わるということになると、やはり問題なのかなというふうに私は考えております。

すなわち、いろいろなことが想定され得るわけですね。
例えば、市民のだれもが規制対象になってしまうおそれがあったり、あるいは、芸術活動も広く規制の網にかけられる、さらには、書店やメディアも自主規制を含め法規制のもとに厳しく置かれるという事態が生じます。
また、そういうもとでは、恣意的で政治的な捜査機関の権限濫用とか、あるいはさまざまな形での行政上の規制などが懸念されることになるのではないかなというふうに私は考えております。

なお、運用上の注意規定ですけれども、これは、民主党の案も含めてそういう運用上の注意規定というのが設けられておりますけれども、私の立場からいうと、肝心なことは、例えば表現の自由などに対して濫用されたような事態が、あるいは予想されるような事態が生じた場合には、ただ単にこの種の注意規定を置くということだけでは、やはりその濫用は防止できないだろうというふうに思います。

大事なことは、その濫用に対する実効的な歯どめ、すなわち異議の申し立てや救済のためのきちんとした具体的な措置をやはり用意するということをしないと、気休めの規定に終わってしまう可能性があるのではないかな。
これはいろいろな法律でそういう規定があるんですけれども、それが果たして本当に機能しているかどうかということについては、その実例も含めてシビアに検証し、チェックする必要があるのかなというふうに私は考えております。

このように考えますと、児童ポルノ法の改正の方向というのは次のようになるのかなというふうに私は思います。

現に問題をはらんでいる現行法をそのままにして、単純所持罪を新設したり、将来の創造物規制を導入したりするという方向ではなくて、欧米等の国際的水準にも配慮し、合わせて、さらには表現の自由への適切な考慮、あるいは2つの権利の妥当な調整ということを行った上で、現行法の枠組み自体を整理し、限定するということがまず何よりも私は必要なのではないか。
そして、それを踏まえた上で、それがきちんと確認をできた上で、さらに求められる事柄、必要な事柄があれば、新たな規制を慎重に検討していくという方向が望ましいというのが私の意見であります。

いずれにしても、そういうことを考えると、私は、大きな方向としては、もちろん個別的に幾つか問題点も感じられるところが全くないというわけではありませんが、民主党が提案しているような方向での法の改正、その方向が基本的に私の観点からいうと妥当かなというふうに思います。

いずれにしましても、両法案とも共通する部分ももちろんありますし、異なった部分も少なくないところがあるわけであって、ぜひその両者のけんけんがくがくの議論も踏まえて審議を行っていってほしいなというふうに強く希望いたします。
以上です。
(拍手)

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2009年6月26日 山本幸三 衆議院 法務委員会 委員長(自民党)

どうもありがとうございました。

以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

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 ※|(序)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)

明日も、同委員会における議論をみてみます。
それにしても、被害者の回復よりも加害者の人権や表現の自由のほうが重要とは。
慄然とさせられます。

(確認。2009年当時の各党の方針)
<児童ポルノの単純所持について>
与党(自民党&公明党)「児童ポルノの単純所持は禁止」
民主党「児童ポルノの単純所持を禁止すべきでない」
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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