児童ポルノの単純所持に対する自民党&公明党と、民主党の対応(16)。民主党は、人情がきわめて薄い政党です。再認識しました

2009年の国会に与党(自民党&公明党)は、児童ポルノの単純所持を禁止する改正案を提出しました。
単純所持の禁止が実現したら困る野党は、抵抗しました。

(確認。2009年当時の各党の方針)
<児童ポルノの単純所持について>
与党(自民党&公明党)「児童ポルノの単純所持は禁止」
民主党「児童ポルノの単純所持を禁止すべきでない」

本日もひきつづき、2009年6月26日の衆議院法務委員会におけるやりとりをみてみます。

(参照元)
2009年6月26日
 衆議院 法務委員会
 会議録

(参考。当ブログ)
2009年6月26日の衆議院法務委員会の論議>
2021年8月18日(序)
2021年8月19日(1)
2021年8月20日(2)
2021年8月21日(3)
2021年8月22日(4)
2021年8月23日(5)
2021年8月24日(6)
2021年8月25日(7)
2021年8月26日(8)
2021年8月27日(9)
2021年8月28日(10)
2021年8月29日(11)
2021年8月30日(12)
2021年8月31日(13)
2021年9月1日(14)
2021年9月2日(15)

2009年6月26日 衆議院法務委員会

児童ポルノの単純所持に対する処罰(16)
 ※|(序)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)

(2009年6月26日 衆議院 法務委員会「会議録」より引用。)

2009年6月26日 山本幸三 衆議院 法務委員会 委員長(自民党)

次に、一場参考人にお願いいたします。

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この参考人は、民主党側がよんだ人物のようです。

(確認。2009年当時の各党の方針)
<児童ポルノの単純所持について>
民主党「児童ポルノの単純所持を禁止すべきでない」

2009年6月26日 一場順子 弁護士

弁護士の一場でございます。
このたびは、発言の機会を与えていただきましてありがとうございます。
私は、日弁連子どもの権利委員会や東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する委員会に所属しております。
また、現在、社会福祉法人カリヨン子どもセンターの理事もしております。
そのような弁護士としての活動の中で、性的虐待を受けた子供のケースを扱うことがたびたびありました。
カリヨンは子供のシェルターを運営していますが、性的虐待を受けた子供が入居することもあります。
本日は、児童ポルノ禁止法の一部を改正することに関しての参考意見ということですので、これまでの子供の権利にかかわる私の経験を踏まえてお話しさせていただきたいと思います。

今回の改正の眼目は、先ほど前田先生(前田雅英 首都大学東京法科大学院 教授)もおっしゃられたように、児童ポルノの単純所持処罰化の問題ですが、私は、現在の児童ポルノ禁止法の児童ポルノの定義があいまいである点に問題があると考えています。

同法の第2条3項によれば、「「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿」、正確には「姿態」ですが、言葉にするとおかしいので姿と言いかえますが、「児童の姿」「を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。」というふうになっています。

そこに言う「児童の姿」とは、1号で「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿」とあります。これはどういう姿かが具体的で、違法性は明らかです。
そして、2号が「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿」。
ですから、これもどういうものか具体的です。

ところが、3号は、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿」となっています。
イメージしていただければすぐわかると思いますが、これだけでは、裸の赤ちゃんもプールの水着の子供もみんな入ってしまいます。
もちろん、このどれにも「性欲を興奮させ又は刺激するもの」というものが加わっていますけれども、何が「性欲を興奮させ又は刺激するもの」かは、客観的、一義的に明確ではありません。
構成要件の明確性というのは先ほど前田先生(前田雅英 首都大学東京法科大学院 教授)がおっしゃいましたけれども、そういう意味でこの定義は問題だと私は考えます。

1号、2号はもちろんこのままで構わないと思いますが、3号は、そういう意味で、親が撮影した子供の写真も客観的にはみんな入ってしまうということになるので、このような定義のままで単純に持っていることを処罰するということは、処罰の範囲が広がり過ぎる危険があると思います。

児童ポルノの定義としては、お手元に参考資料としました児童の権利に関する条約の選択議定書、この2ページ目には、「「児童ポルノ」とは、現実の若しくは擬似のあからさまな性的な行為を行う児童のあらゆる表現又は主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現をいう。」というふうに定義しています。
あからさまな性的な行為、主として性的な目的のための子供の身体の性的な部位といえば、その内容は具体的で、なぜ違法かは客観的にも明らかです。

また、もう1つ、次の資料は、昨年(2008年)4月に米国大使館でアンドリュー・オースターバーン米国司法省児童搾取・わいせつ部部長がお話をされたときに資料として配付されたものです。
やはりこの2ページ目の3に、まさに、「自分の子供が海で遊んでいる裸の姿を親が撮影する場合はどうですか。その親は有罪となりますか。」という質問が書いてあります。
この質問に対して、「こうした画像は米国法では児童ポルノには当たりません。合衆国法典第18編第2256条に明記されている米国の児童ポルノの定義では、違法な児童ポルノであるには、描写に一定の特徴が示されていなければなりません。最低限でも、描写に「児童の性器や恥部のみだらな表出」が含まれていなければなりません。この定義に合致しない児童の描写を所持する人が訴追されることはあり得ません。」と答えています。

違法か違法でないかはその文言から一義的にわかるような明確な定義でなければならないのは言うまでもないことです。
先ほども申しましたように、処罰範囲の拡大の危険性があります。
この資料で答えられているように、違法となる児童ポルノの定義は適切に行わなければなりません。

そのような観点で見ると、現行法の児童ポルノの定義は、3号が極めてあいまい、不明確です。
今回の与党(自民党&公明党)は、この児童ポルノの定義を変えないまま、これを所持した者を罰する罰則規定を新設している点で非常に問題があると私は考えます。
民主党案は、問題となっている第2条第3号を削除し、定義を客観化し明確にしている点で評価できると私は考えます。

次に、被害児童の保護に関してですが、現在の児童ポルノ法でも15条に「関係行政機関は、」「当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。」と規定されています。
この文言から、児童ポルノ法において考えられている児童の保護に関する制度とは、主として福祉による保護です。
関係行政機関とは、児童福祉にかかわる行政機関である厚生労働省、都道府県、児童相談所、福祉事務所及び市町村と考えられているのだと思います。

与党(自民党&公明党)案は改正の対象にしていませんが、民主党改正案では、保護の措置を講ずる主体と責任を明確化して、これらの機関を例示しています。
責任の主体を明確にしたことは大いに評価できるのですが、福祉の分野だけに限られている点が、それだけでは足りないと私は考えます。

資料の最初の選択議定書を見ていただきますと、第8条において、この選択議定書を締約した国は、「刑事司法手続のすべての段階において、特に次のことを行うことによって、この議定書によって禁止されている行為の被害者である児童の権利及び利益を保護するための適当な措置をとる。」としています。現在の日本において決定的に不足しているのは、この刑事司法手続における子供の権利の保護のための措置です。

刑事司法手続に登場する機関として考えられるのは警察、検察、裁判所ですが、このどの機関においても、被害を受けた児童の保護のための特別な制度、特別な取り扱いは考えられていないと私は思っています。
裁判ではビデオリンクや遮へい措置がとられるようになりましたけれども、これも犯罪被害者一般、成人も含めた被害者、証人のための保護の制度であり、子供に対する特別な措置として設けられたものではありません。

資料の最後、「自由と正義」へ私が寄稿したものですが、司法面接の制度を導入すべきだと考えます。
子供は、暗示、誘導に陥りやすい特性があります。幼い子供は時間の観念が乏しく、目の前のことしかないので、起こった事実を時間に沿って並べることはとても難しく、また、もともと言語的表現がつたないので、大人から情報を入れられると、それもまた事実関係の中に入れてしまいがちです。
誘導しないように正確な真実を語ってもらうことは難しく、児童心理に詳しく、特別な訓練を受けた中立的な立場のインタビュアーによる面接が必要です。
司法面接ができなかったばかりに無罪になった事件があると聞いております。
しかし、正確な事情聴取は難しいのですが、子供が受けた苦痛に満ちた経験そのものは小さな子供でも語ることができます。
大人のようにきれいに整理して話すことができないだけです。そのような子供からの事情を聴取する手法として、そしてそれを裁判にもたえられるような証拠能力を持った証拠とすることができるようにするための制度として、欧米では司法面接の制度ができ、司法手続の中で取り入れられています。
また、きちんとした事情聴取を保護された最初の段階で行うことで、福祉の保護手続、刑事司法手続で繰り返し事情を聞かれることによる二次的被害を回避することができます。
かつて、裁判で証言した後、精神的に不安定になって自殺した少女の話を聞いたことがあります。
被害をきちんと聞いてもらうということは傷ついた心をいやす作用がありますが、苦痛に満ちた体験を何度も何度も、いろいろな場面で繰り返し聞かれるということは、二次的被害を拡大する可能性があります。
日本にも、ぜひ司法面接の制度を取り入れていただきたいと思います。
そのためにも、民主党案の例示する関係機関に警察、検察、裁判所を入れていただきたいと私は思います。

子供のころに心身に受けた傷をいやすことができないまま思春期になると、さまざまな問題行動を起こすことがあります。
人格の統合的な発達そのものが阻害される場合もあります。
カリヨンに来る子供たちを見ていても、幼いときにきちんと保護されないまま成長し、さまざまな心の傷を抱えていて、その自立の援助は容易ではありません。
この児童ポルノ法は、子供の権利の擁護をその目的としていることが明記されています。
子供の権利擁護を実現できるように、政府の具体的施策をお願いしたいと思います。

最後に、与党(自民党&公明党)案はアニメ等についても検討課題としていますが、この法律は、第1条にあるように、児童の権利擁護を目的としているのですから、実在の子供の被害者のいないアニメ等の問題は、この法律とは別の問題として考えるべきだと思います。

以上です。
(拍手)

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2009年6月26日 山本幸三 衆議院 法務委員会 委員長(自民党)

どうもありがとうございました。

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 ※|(序)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)

同委員会における議論のつづきは明日のブログでみてみます。

(参考。児童ポルノ禁止法)
<経緯>

1999年 児童ポルノ禁止法成立
  
2004年 児童ポルノ禁止法改正
 ・児童ポルノの「製造・販売」、「提供目的での所持」を罰則の対象に。
  
2009年
 ・与党(自民党と公明党)は、児童ポルノの単純所持を禁止する改正案を国会に提出した。
 ・民主党などが反対した。
 ・衆議院が解散され、与党案は廃案となった。
  
2009年9月16日~2012年12月26日 民主党政権
  
2012年12月26日~ 自民党政権
  
2014年6月18日  児童ポルノ禁止法改正
 ・児童ポルノの単純所持を禁止する改正案が可決、成立した。

民主党など野党の反対により、被害者の救済は5年も遅れてしまいました。
「澆薄」ということばが頭に浮かびました。

(参考)
・澆薄(ぎょうはく)・・・・・・人情がきわめて薄い。

(再掲。一場順子 弁護士)
単純に持っていることを処罰するということは、処罰の範囲が広がり過ぎる危険がある
与党(自民党&公明党)案は、この児童ポルノの定義を変えないまま、これを所持した者を罰する罰則規定を新設している点で非常に問題がある

まさに、「澆薄」です。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。

(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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