《刑法改正を審議する検討会の15回目の議事録~取りまとめ報告書【案】》(20)。香西咲さんたち被害者の側に立った集約となっています

刑法の性犯罪の規定の改正に向けて、いま、物事が進行しています。

(確認)
刑法が改正されるまでの手順
(1)性犯罪に関する刑事法検討会(※法務省内)

性犯罪に関する刑事法検討会、終わりました」(寺町東子弁護士

(2)法務省が改正要綱案を作成

「今日(2021年5月21日)取りまとめ報告書を法務大臣が受け取り、それを踏まえて、法務省が改正要綱案を作成し、法務大臣が法制審に諮問することになります」(寺町東子弁護士

(2021年)9月までに、検討会の結果を踏まえ、法務省がどのような改正要綱案をまとめて、法制審(法制審議会)に諮問するのか。注視していきましょう」(寺町東子弁護士

(3)法務大臣が法制審議会へ諮問

「法制審議会に進んだときに、通常は法務大臣からの諮問というかたちで、条文の案というのがつくられて、出てくるんですね。叩き台、みたいなものなんですけども」(山本潤 一般社団法人Spring代表理事

(4)国会で審議、採択
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現在、性犯罪に関する刑事法検討会取りまとめ報告書が公開されています。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第14回(2021年3月30日)※議事録公開

第15回(2021年4月12日)※議事録公開

2021年4月12日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書(案)

第16回(2021年5月21日)※議事録公開

2021年5月21日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書

本日もひきつづき、第15回性犯罪に関する刑事法検討会議事録を参照します。

2021年4月12日 第15回性犯罪に関する刑事法検討会

同検討会では、取りまとめ報告書(案)に関する論議がおこなわれました。

(参考。当ブログ)
取りまとめ報告書(案)に関する論議>
2021年5月31日(その1)
2021年6月1日(その2)
2021年6月2日(その3)
2021年6月3日(その4)
2021年6月4日(その5)
2021年6月5日(その6)
2021年6月6日(その7)
2021年6月7日(その8)
2021年6月8日(その9)
2021年7月13日(その10)
2021年7月14日(その11)
2021年7月15日(その12)
2021年7月16日(その13)
2021年7月17日(その14)
2021年7月18日(その15)
2021年7月19日(その16)
2021年7月20日(その17)
2021年7月21日(その18)
2021年7月22日(その19)

取りまとめ報告書(案)に関する論議(その20)

(2021年4月12日 第15回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<20ページ>
2021年4月12日 宮田桂子 委員(弁護士)

(前略。)
「第4 終わりに」のところなのですが、二つ目のパラグラフのところで、
被害者に対し深甚な苦痛を与えることに思いを致し
とあります。
これはもちろんなのですけれども、それだけではなくて、「えん罪を生まないための視点を忘れることなく」ということは、どこかに入れてほしいと思っています。
性犯罪でのえん罪に関して言えば、えん罪の対象者の苦痛がひどいのです。
ほかの事件と比べて社会復帰がものすごく困難になります。
その点については、後藤貞人さん(弁護士)ヒアリングなどもございましたので、何かの形でえん罪の防止という観点は明示していただけるとうれしいなと思いました。

<20~21ページ>
2021年4月12日 井田 良 座長(中央大学教授)

ありがとうございます。
私の気持ちとしては、「第4 終わりに」の2行目のところに、
現行法の基本的枠組みや刑事法の諸原則との整合性にも留意しつつ
とあるのは、えん罪防止を含めた現行法のいろいろな枠組み、あるいはいろいろな形のプリンシプルといいますか、そういうものを十分考えた上で、こういう提案をいたしますということです。

(参考。報告書案の「終わりに」)

第4 終わりに

本検討会においては、刑事の実体法・手続法に関する多岐にわたる論点について、各委員がそれぞれの専門的知見に基づき、現行法の基本的枠組みや刑事法の諸原則との整合性にも留意しつつ、幅広い観点から活発に議論を行った結果、今後の法整備に向けた検討に際しての重要な視点や留意点を示すことができた。

法務省には、本検討会の検討結果を踏まえ、ここに課題として示されていない点も含めて更なる検討を行い、性犯罪がその被害者に対し深甚な苦痛を与えることに思いを致し、より適切に対処するための刑事法の改正に向けた取組を迅速に進めることを期待したい。

また、性犯罪に適切に対処するためには、言うまでもなく、刑事法の整備だけでなく、性犯罪の被害者に対する支援、性犯罪による被害や二次被害を生まないための教育・啓発、性犯罪者の再犯防止のための施策の充実を含めた総合的な取組が求められる。

政府においては、引き続き、そのような視点から、性犯罪の根絶に向けて取り組んでいただきたい。

本検討会は、現在の日本の社会環境や国民意識を踏まえ、刑事法の在り方について検討したものである。

社会や価値観の多様化に伴い、性犯罪に関する刑事法のあるべき姿も変化し得ることから、今後とも、性犯罪に係る実態に即した対処のための議論が続けられていくことを望むものである。

あとは法務省にお任せしますので、法務省はもう刑事法の諸原則を考えなくていいので勝手にやってという趣旨ではもちろんないわけです。

法務省は、当然にそこは考えていただけるだろうと思うので、こういうような形で特に被害者のことのみを明示したということで書かせていただいているのです。

ですから、御趣旨は承りましたけれども、私は、これは簡潔ながらとても良い文章なのではないかと自画自賛しているのですが、もしほかに具体的に修文の御意見があれば、是非出していただきたいと思います。

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<21ページ>
2021年4月12日 金杉美和 委員(弁護士)

宮田委員の意見と重なります。

また、今、座長からも、そういった趣旨であるということで御説明いただきましたけれども、やはり、えん罪防止の視点ということは明文でもう少し分かりやすい形で入れていただきたいなというのが意見です。

具体的な修正案につきましては、意見書で述べさせていただいています。

性犯罪に関する取組を迅速に進めることを期待したいということは書いていただいた上で、ただし、その際には処罰されるべき範囲を明確にし、本来処罰されるべきでない行為が処罰されることのないよう、えん罪を生まないための制度とする視点が必要であることは言うまでもないという記載を御提案しております。

御検討いただければと思います。

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2021年5月21日に確定した取りまとめ報告書を確認します。
以下のことばが追加されました。
しかし処罰されるべきでない行為が処罰範囲に取り込まれることとならないよう留意しつつ

(2021年4月12日 第15回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

(中略。)

<21~22ページ>
2021年4月12日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

先ほどの宮田委員、金杉委員の意見のえん罪についてですけれども、被害者がうそつきと呼ばれ、その被害の訴えが信用されないということは、日本だけではなく世界で起こっています。

レイプ神話があるということを踏まえていただき、えん罪が起こってはいけないというのは当然のことなのですけれども、処罰されるべきものが処罰されていないという現状もあるので、そこを殊更に言うことが、被害者が被害を訴えられなくしているということにも思いを馳せてほしいと思います。
少なくとも同列に扱ってほしくないと思っています。

また、被害者に苦痛を与えるということを記載し、思いを致してくれたのも大変有り難いと思っています。

(参考。報告書案の「終わりに」)
性犯罪がその被害者に対し深甚な苦痛を与えることに思いを致し、より適切に対処するための刑事法の改正に向けた取組を迅速に進めることを期待したい

加えて、政府が性犯罪・性暴力対策強化の方針で書いているように、

(参考。性犯罪・性暴力対策強化の方針
被害者が勇気を出して相談しても、二次的被害が生じ、被害を誰にも話さなくなり、社会が被害の深刻さに気付かず、無知、誤解、偏見がそのまま温存されるといった悪循環に陥っている場合があること

先ほどのレイプ神話の話とも重なるのですけれども、どうして被害の訴えが認められず、司法でなかなか取り扱ってもらえないのかということは、女性に対する暴力の問題、ジェンダー・ベースド・バイオレンスであるということの問題と大きく関係しています。
SDGsにおいても目標5で、ジェンダーの平等を達成し、全ての女性と女児のエンパワーメントを図ることが挙げられています。
イスタンブール条約でも、女性に対する暴力について、人権侵害であり、女性に対する差別の一形態とし、公的生活若しくは私的生活のいずれで生じるかにかかわらず、女性に対する身体的、性的、精神的、経済的な危害若しくは苦痛、強制又は恣意的な自由のはく奪をもたらすか、もたらす可能性のあるジェンダーに基づくあらゆる行為と定義されているということも踏まえて、このような性暴力というのを許さないというようなことを明記していただければ大変有り難いと思います。
もちろん女性だけではなく、男性、男児、セクシャルマイノリティーの被害もありますので、このことも踏まえて、性暴力・性犯罪を容認しないという意思を示していただければうれしいと思います

また、更にその下の、具体的に適切に対処するためにということの具体的な支援なのですけれども、

(参考。報告書案の「終わりに」)
また、性犯罪に適切に対処するためには、言うまでもなく、刑事法の整備だけでなく、性犯罪の被害者に対する支援、性犯罪による被害や二次被害を生まないための教育・啓発、性犯罪者の再犯防止のための施策の充実を含めた総合的な取組が求められる

よりフォレンジックな診察ですね、被害の訴えがあったとしても、証拠がないとなかなか起訴することが難しいというのは世界で共通する課題でありますので、被害者の苦痛に配慮した性暴力診察とフォレンジック、法医学的な証拠採取というのが進められているところでもあります。
国連は、女性20万人に1か所、性暴力被害ワンストップ支援センターを設けるように提言しています。
この被害直後の証拠採取と刑法の構成、立証の問題というのは車の両輪としてリンクしていますので、そのような証拠が確保できるような体制整備についても言及していただければ大変うれしいと思っています

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(再掲。山本潤 委員)
性暴力・性犯罪を容認しないという意思を示していただければうれしいと思います

2021年5月21日に確定した取りまとめ報告書では、あらたに、以下の文言が付け加わりました。
以下の文言が追加されました。

取りまとめ報告書。2021年5月21日)
<61ページ>

「政府においては、性犯罪は決して許されるものではないという認識の下」

(再掲。山本潤 委員)
証拠が確保できるような体制整備についても言及していただければ大変うれしいと思っています

2021年5月21日に確定した取りまとめ報告書を確認します。
以下の文章が追加されました。

取りまとめ報告書。2021年5月21日)
<61ページ>

十全なる被害者保護の実現のためには、科学的知見を踏まえ、被害者の負担にも配慮した適切な証拠採取や、心理学的・精神医学的知見をも踏まえた適切な事実認定・判断などを通じて、より適切な刑罰法規の適用がなされることが必要であるし、

明日も、取りまとめ報告書(案)の「終わりに」に対する各委員の意見や要望をみてみます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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