“刑法改正を審議する14回目の検討会”(3)。意に反する性行為は、処罰される予感がします。泣き寝入りをしない香西咲さんたち被害者が世の中を変えました

本日も、2021年3月30日の第14回性犯罪に関する刑事法検討会で論議された
「その他の論点全般」
をみていきます。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第14回(2021年3月30日)※議事録公開

第15回(2021年4月12日)※議事録準備中

2021年4月12日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書(案)

第16回(2021年5月21日)※議事録準備中

2021年5月21日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書

2021年3月30日 第14回性犯罪に関する刑事法検討会

(参考。当ブログ)
第14回性犯罪に関する刑事法検討会議事録
2021年5月26日(公訴時効について)
2021年5月27日(その他の論点全般【その1】)

その他の論点全般(その2)

(2021年3月30日 第14回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<26ページ>
2021年3月30日 佐藤陽子 委員(北海道大学教授)

個別の事件に少し入ってしまうのですが、先ほど山本委員がおっしゃっていた川崎支部の事件などのように、

(参考)
2021年3月17日 朝日新聞 17歳への強姦罪、被告に無罪 日や場所「合理的疑い」

11年前、当時17歳の女性に性的暴行をしたとして強姦(ごうかん)罪に問われた男性被告に対し、横浜地裁川崎支部は15日、無罪判決(求刑懲役7年)を言い渡した。江見健一裁判長は、女性が被告から長期間、重い性的虐待を受けていたと認め、「苦痛が筆舌に尽くしがたいことは明らか」と指摘した。一方、起訴内容どおりの日や場所で事件が起きたとするには「合理的な疑いが残る」と結論づけた。
(後略。)

(参考)
2021年4月1日 産経新聞 11年前の強姦事件、男性の無罪確定 横浜地検控訴せず

11年前に当時17歳の女性に性的暴行を加えたとして、強姦罪に問われた男性に無罪を言い渡した横浜地裁川崎支部判決が確定したことが1日、分かった。控訴期限の3月29日までに検察側が控訴しなかった。
(後略。)

性的行為が認識されつつも、犯行の日時の比較的厳格な証明が重要になる場合として、主として二つが考えられると思います。

第一に、罪名が強制性交等罪、しかも13歳以上の者に対する行為の場合、つまり犯罪成立のために暴行・脅迫という手段プラス性交というのが必要になるため、性交があったことの証明だけでは足りない場合であると思われます。

もしも、これが13歳未満だったら、どの時点かちょっとふわっとしているけれども、性交の事実自体があると確定できたら、行為者を処罰することも可能だと思いますし、児童福祉法などだと、同じように多少被害の日時が曖昧でも、間違いなくこの時期に性的行為がなされたんだというのが分かれば、それで処罰が可能だと思われます。

しかし、強制性交等罪の場合には、性的行為の存在だけでは足りず、それと同時に暴行・脅迫も証明されなければならないので、日時がある程度の重要性を持ってきます。

先ほど小西委員がおっしゃったように、継続的な性的虐待を証明して、ある段階でもう抵抗できないような精神状態になっていたから抗拒不能だったのだという刑法178条(準強制性交等罪)の構成も考えられますが、正にそのときに抗拒不能だったことの証明は必要になりますから、こちらの場合も日時はある程度重要になると思います。

それから、第二の場合ですが、私が報道の範囲で知った事実を前提にすると、川崎支部の事件が正にこちらの場合だと思うのですが、時効にかかっている可能性がある場合です。

川崎支部の事件は、複数の性的行為のうち、時効にかかっていた行為が大半で、起訴された行為も時効だった可能性があり、この点で行為の日時が非常に重要だった事案のように思われます。

時効が過ぎていないという意味での日時が証明できないと、刑法177条(強制性交等罪)においても、刑法178条(準強制性交等罪)においても、処罰することはできません。

その上で、前向きな話として申し上げますと、第一の場合は、例えば18歳未満の未成年者を広く保護する規定、それは年齢差と性的行為だけを要件とする方法や、それに未成年者の判断能力の未熟さの利用という要件を追加する方法なども考えられますが、いずれにせよ、そういう規定がもしもできるのであれば、性的行為以外の要件、たとえば年齢差は客観的に明らかですし、未熟さの利用も、児童福祉法のように、両者の関係性から比較的容易に基礎付けられますから、行為の日時の特定はある程度緩くできるようになると思われます。
この意味で未成年者を厚く保護することは可能ではないかと思います。
また、第二の場合は、先ほどおっしゃっていたように、少なくとも未成年者については成人するまで時効を停止することができれば、今回のように早い時期に時効になるということは起きないかと思います。
中間層に向けた保護を構成要件の面で厚くする方法と、時効を一時停止するというような方法で、未成年者を保護する形が今後できてくればいいなと考えている次第でございます。

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<26~27ページ>
2021年3月30日 小島妙子 委員(弁護士)

この事件については私も確認しておりまして、強制性交等と強制わいせつの時効期間に大きな差があるということと、未成年者が被害者である場合にも被害の時点から時効が進行してしまうという、この二点が非常に問題なのではないか。

また、被害を継続的に捉えられず、一点で押さえなくてはいけないということの問題点もあります。

この事件は、今日の問題が集約されたような事件だと思っております。

また、別の論点について申し上げますが、不同意性交に関して、私は、第12回の会合で、意見書を出して問題提起をさせていただき、皆さんの御意見を聞いて、そのままになっているものですから、若干補足というか、訂正をさせていただきたいと思いました。

同意を規範的な意味で捉えて、当罰性のある不同意性交を処罰するという提案でございます。
例示列挙は不同意の徴表となる行為や状態の類型化であるというように考えております。
当罰性のある行為は、現在コンセンサスが得られている行為よりも広がる可能性があるので、そういう意味では、今後の判例法の展開に合わせて、受皿規定を設けたらいいのではないかということを提案いたしました。

受皿規定の内容として、私としては、
「その他意に反する性的行為」
でよいというように考えておりまして、この点は委員の皆様と意見が違うと考えた次第です。

暴行・脅迫要件が狭過ぎるので、これを撤廃して不同意性交を漏れなく処罰してほしいというのが被害者を含む社会的要請だと考えておりまして、これになるべく応える法改正であってほしいと思う点から提案申し上げた次第です。

委員の中から、一定の制限、限定を設けたらいいのではないか、
「その他被害者が性行為を拒絶することを困難とするような行為」
とか、
「その他性行為を拒絶することが困難な心理状態」
とかの御提案もありましたけれども、ここであえて限定規定を設ける必要はないと考えております。

なお、前回の意見書の中で、私は、行為態様の中に暴行・脅迫という個別的な規定を入れました。

(参考。小島妙子委員の意見書
個別的規定として考えられるのは,以下のとおりである。
① 行為態様による類型化
暴行、脅迫、威力、威迫、監禁、欺罔・偽計、不意打ちなど。

暴行・脅迫というのを威迫だとか不意打ちだとかと並べてここに個別列挙してしまいますと、不都合だと考えましたので、これを削除して、例えば「有形力の行使」と改めた方がいいと思いました。

なぜならば、暴行・脅迫はこれまでもある程度強度の暴行・脅迫ということで解されてきて運用されている、威迫とか不意打ちなどと同列に規定されてしまうと、今回設ける不同意性交がこれまでの強制性交等とは異なる次元の規定という意味で提案しているということについて、誤解されるおそれがあると考えるからです。

そういう意味では、暴行・脅迫という文言は個別規定の中から外した方がいい、これを並べて列挙しない方がいいのではないかと考えています。

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<27ページ>
2021年3月30日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

ただ今、小島委員の方から、恐らく私の発言に対してだと思うのですが、「限定的」という評価を頂きましたが、御趣旨が十分理解できなかったところがございます。
大変恐縮ですが、私の発言内容が、何をどのような形で限定しているとお考えなのかにつきまして、御説明をお願いできますと幸いです。

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<27ページ>
2021年3月30日 小島妙子 委員(弁護士)

「その他意思に反する」
という規定の方が、これから先、その時代、時代に応じた様々な不同意性交をその中に盛り込んでいくことができると考えるからです。

橋爪委員の文言ですと、
「その他被害者が性行為を拒絶することを困難とするような行為」
「その他性行為に抵抗することが困難な心理状態」
ということで、橋爪委員は、ある程度やはり限定解釈をしなければいけない、広がり過ぎるということを御説明の中でもおっしゃっていたので、そういう限定は今のところはしない方がいいのではないかと考えたからです。
私の誤解があるかもしれないですけれども、御教示いただければと思います。

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<27~28ページ>
2021年3月30日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

前回の会議の際、私が申し上げたかったことは、意思に反する性行為をどのように具体的に規定し、処罰するのが適当かという問題に尽きております。
その際に、不同意自体を構成要件要素にするか、不同意を徴表する行為態様や心理状態を具体的に要件化するかによって、処罰範囲の広狭が生ずるようには思われません。
この機会に併せて、もう一点お伺いさせて下さい。
小島委員の御提案には欺罔・偽計という要件が含まれておりました。

(参考。小島妙子委員の意見書
個別的規定として考えられるのは,以下のとおりである。
① 行為態様による類型化
暴行、脅迫、威力、威迫、監禁、欺罔・偽計、不意打ちなど。

小島委員も御承知のとおり、錯誤による同意に関する判例理論によれば、真実を知っていれば同意しなかったといえる場合には、常に同意は無効であると解されます。
すなわち、結婚すると偽って同意を得て性交した場合でも、真実を知っていれば同意しなかった場合には、判例理論を前提とした場合、同意は無効と評価されることになります。
小島委員の御提案によれば、結婚する気がないのに結婚すると偽った場合についても、これは不同意であって、かつ欺罔もありますので、性犯罪を構成するように思われますが、その点はいかがお考えでしょうか。

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<28ページ>
2021年3月30日 小島妙子 委員(弁護士)

私は、そういう場合についてまで欺罔として処罰する当罰性があるとは考えておりません。
「その他意に反する性的行為」について、限定列挙、個別列挙を設けるとしても、それぞれの文言がどの範囲になるのかということについては一定の解釈の余地があるというように考えております。
一定のコンセンサスが得られる範囲内について、個別規定の解釈が必要だと思います。

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<28ページ>
2021年3月30日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私の理解が正しければ、小島委員が掲げられる行為態様は例示列挙ですので、これに該当しなくても、最終的には意に反する行為であれば足りると思われます。
つまり、欺罔・偽計に該当するか否かは重要ではないわけです。
そうしますと、個別の行為態様をどのように解釈するかではなく、欺罔によって得られた同意が有効か無効かという問題が犯罪の成否を直接的に導くはずです。

そして、繰り返しになりますが、現在の判例理論を前提にするならば、真実を知っていれば同意しなかったといえる場合は、全て同意は無効となるように思われます。
もちろん、この判例理論は変更すべきというのであれば、それはもちろん結構だと思うのですが、現在の判例を前提とした場合、これが意思に反する行為ではないという結論を導くのは必ずしも容易ではないと思うのですが。
もし私が誤解しているのであれば、御指摘いただけますと幸いです。

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<28ページ>
2021年3月30日 小島妙子 委員(弁護士)

私は、不同意の中身については、その時代、その人々の考える、これは不同意性交罪だと考える線というのは動くと思います。
今の時代で、橋爪委員がおっしゃったような、結婚すると言ってだまして、それで性交等に及んだ場合について、それが強制性交等に該当すると考える人は、中にはいるかもしれませんけれども、それを今の時代の一般の人々が、強制性交等に該当するというところまで広がっているかというと、そうではないと思っています。
一般の人々ないし皆のコンセンサスが得られる範囲で不同意性交罪の線が決まってくるのではないかと思います。
橋爪委員がおっしゃったようなケースについて当罰性のある犯罪行為だと考える人はそうはいないと思うし、私は今の時点でそこまで処罰するべきだとは考えておりません。

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<28ページ>
2021年3月30日 井田 良 座長(中央大学教授)

委員お二人の御意見、それぞれによく理解できたと思います。
この論点でも構いませんし、ほかの論点でも構いませんけれども、更に御意見はございますでしょうか。

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このつづきは明日のブログでみてみます。

(再掲。橋爪隆 委員【東京大学教授】)

前回の会議の際、私が申し上げたかったことは、意思に反する性行為をどのように具体的に規定し、処罰するのが適当かという問題に尽きております。
その際に、不同意自体を構成要件要素にするか、不同意を徴表する行為態様や心理状態を具体的に要件化するかによって、処罰範囲の広狭が生ずるようには思われません。

意思に反する性行為をどのように具体的に規定し、処罰するのが適当か

その際に

不同意自体を構成要件要素にするか
(それとも)
不同意を徴表する行為態様や心理状態を具体的に要件化するか

(いずれを採用しても)
処罰範囲の広狭が生ずるようには思われません
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不同意を徴表する行為態様や心理状態を具体的に要件化するか
処罰範囲の広狭が生ずるようには思われません

仮に不同意性交等罪が新設されなくても、結果的に不同意性交等は処罰される予感がします。
名を取るか、実(じつ)を取るか、といったところでしょうか。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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AV出演強要犯は、そう遠くない将来、残らず捕獲されることになるでしょう。
世情は急変しました。
泣き寝入りをしない香西咲さんたち被害者が世の中を変えました。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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