【香西咲さんたちのAV出演強要被害】昨日、法務省の”性犯罪に関する刑事法検討会”は、取りまとめ報告書を発表しました。AV出演強要の処罰も明記されました

昨日(2021年5月21日)、法務省の第16回性犯罪に関する刑事法検討会が開催されました。

(参考。法務省の性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>

第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第14回(2021年3月30日)※議事録公開

第15回(2021年4月12日)※議事録準備中

2021年4月12日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書(案)

第16回(2021年5月21日)※議事録準備中

2021年5月21日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書

2021年5月21日 第16回性犯罪に関する刑事法検討会

昨日(2021年5月21日)の同検討会(第16回性犯罪に関する刑事法検討会)の議事概要を確認します。

引用

第16回会議では、
取りまとめ報告書(案)
について議論が行われ、同報告書(案)の内容で、本検討会の取りまとめとされた。

昨日(2021年5月21日)、「取りまとめ報告書」が公開されました。

(再掲)

2021年5月21日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書

簡単にこれまでの流れを確認します。

2021年4月12日 取りまとめ報告書(案)公開

2021年5月21日 取りまとめ報告書公開

今回の取りまとめ報告書は、先月のものとくらべて内容が変わったのでしょうか。
本日は、
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」、
「公訴時効の在り方」、
「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」、
「他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか」、
「撮影された性的な姿態の画像の没収(消去)を可能にする特別規定を設けるべきか」
について、見比べてみます。

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方

2021年4月12日の取りまとめ報告書(案)

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、処罰の対象とすべき意思に反する性交等を過不足なく捕捉することのできる規定とする観点から、現行の構成要件を明確化する場合には、当罰性があるのに処罰されない行為があるとされる原因が構成要件にあるか否かを見極めつつ、より安定的な運用がなされることにも資するよう、行為者が用いる手段、被害者の状態を列挙することや、列挙された手段・状態の実質的意味を示す包括的な要件を設けることなど、規定の在り方について更に検討がなされるべきである。
その際、処罰範囲の外延を明確にする必要があることや、現行法の暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の解釈との関係、認定の難易等の実務への影響にも留意する必要がある。

  
2021年5月21日の取りまとめ報告書

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、処罰の対象とすべき意思に反する性交等を過不足なく捕捉することのできる規定とする観点から、現行の構成要件を明確化する場合には、当罰性があるのに処罰されない行為があるとされる原因が構成要件にあるか否かを見極めつつ、より安定的な運用がなされることにも資するよう、行為者が用いる手段、被害者の状態を列挙することや、列挙された手段・状態の実質的意味を示す包括的な要件を設けることなど、規定の在り方について更に検討がなされるべきである。
その際、処罰範囲の外延を明確にする必要があることや、現行法の暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の解釈との関係、認定の難易等の実務への影響にも留意する必要がある。

まったく同じ文面です。
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公訴時効の在り方

2021年4月12日の取りまとめ報告書(案)

オ 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、性犯罪について公訴時効の完成を遅らせる改正をする場合には、一定の年齢未満の被害者については、若年であることに伴う脆弱性が原因となって被害の認識や申告に困難を生じることを踏まえる一方、証拠の散逸や法的安定性にも留意しつつ、具体的な方策の在り方について更に検討がなされるべきである。

  
2021年5月21日の取りまとめ報告書

オ 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、性犯罪について公訴時効の完成を遅らせる改正をする場合には、一定の年齢未満の被害者については、若年であることに伴う脆弱性が原因となって被害の認識や申告に困難を生じることを踏まえる一方、証拠の散逸や法的安定性にも留意しつつ、具体的な方策の在り方について更に検討がなされるべきである。

内容に変わりはありません。
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地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方

2021年4月12日の取りまとめ報告書(案)

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、若年であることや障害を有するという類型的な脆弱性に応じた新たな罰則を設ける場合には、被害者の属性や地位・関係性に係る要件に加えて、意思決定に影響を及ぼしたといえる実質的要件を設けることを含め、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

これら以外の地位・関係性を利用する新たな罰則については、その要否・当否を検討した上で、これを設ける場合には、被害者に類型的な脆弱性がない場合であることにも留意しつつ、処罰範囲の外延を明確にするための適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

いずれの場合についても、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方と併せて検討がなされる必要があり、被害者が若年である場合については、さらに、いわゆる性交同意年齢の在り方とも併せて検討がなされる必要がある。

  
2021年5月21日の取りまとめ報告書

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、若年であることや障害を有するという類型的な脆弱性に応じた新たな罰則を設ける場合には、被害者の属性や地位・関係性に係る要件に加えて、意思決定に影響を及ぼしたといえるなどの実質的要件を設けることを含め、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

これら以外の地位・関係性を利用する新たな罰則については、その要否・当否を検討した上で、これを設ける場合には、被害者に類型的な脆弱性がない場合であることにも留意しつつ、処罰範囲の外延を明確にするための適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

いずれの場合についても、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方と併せて検討がなされる必要があり、被害者が若年である場合については、さらに、いわゆる性交同意年齢の在り方とも併せて検討がなされる必要がある。

(再掲。前回)「意思決定に影響を及ぼしたといえる実質的要件を設けることを含め
(再掲。今回)「意思決定に影響を及ぼしたといえるなどの実質的要件を設けることを含め

今回の取りまとめ報告書では、「などの」が追加されました。
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他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか

2021年4月12日の取りまとめ報告書(案)

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、被害者の意思に反する性的姿態の撮影行為を処罰する規定を設ける場合には、処罰の必要性のある範囲に限定するとともに、その要件の明確性に留意しつつ、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

また、意思に反して撮影された性的姿態の画像を第三者に提供する行為などを処罰する規定を設ける場合も、同様に、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

  
2021年5月21日の取りまとめ報告書

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、被害者の意思に反する性的姿態の撮影行為を処罰する規定を設ける場合には、処罰の必要性のある範囲に限定するとともに、その要件の明確性に留意しつつ、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

また、意思に反して撮影された性的姿態の画像を第三者に提供する行為などを処罰する規定を設ける場合も、同様に、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきである。

ちがいはみられません。
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撮影された性的な姿態の画像の没収(消去)を可能にする特別規定を設けるべきか

2021年4月12日の取りまとめ報告書(案)

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、性的姿態を撮影する罪の創設とともに、これにより生成された画像の没収(消去)を可能にする規定を設ける場合には、付加刑の没収として、データが保存された原本からデータが複製・移転された複写物についても没収(消去)ができるよう、データの複製・加工の容易性や原本との同一性にも留意しつつ、具体的な規定の在り方について更に検討がなされるべきである。

また、有罪判決を前提としない没収(消去)を可能にする規定を設ける場合には、財産権の制約との関係や現実的な対応可能性にも留意しつつ、その対象や判断主体、手続保障などに関する具体的な規定の在り方について、更に検討がなされるべきである。

  
2021年5月21日の取りまとめ報告書

(オ) 小括

以上の議論を踏まえると、今後の検討に当たっては、性的姿態を撮影する罪の創設とともに、これにより生成された画像の没収(消去)を可能にする規定を設ける場合には、付加刑の没収として、データが保存された原本からデータが複製・移転された複写物についても没収(消去)ができるよう、データの複製・加工の容易性や原本との同一性にも留意しつつ、具体的な規定の在り方について更に検討がなされるべきである。

また、有罪判決を前提としない没収(消去)を可能にする規定を設ける場合には、財産権の制約との関係や現実的な対応可能性にも留意しつつ、その対象や判断主体、手続保障などに関する具体的な規定の在り方について、更に検討がなされるべきである。

変更点はありません。
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(再掲)

2021年5月21日
 性犯罪に関する刑事法検討会
取りまとめ報告書

今後はどのように推移するのでしょうか。
同検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の山本潤委員はインターネットの番組でつぎのように語っています。

(2021年4月5日 YouTube「4/5 What’s “No means No”? 性暴力の刑法改正に向けて、何が議論されているのか」より。)
(※音声の文字化は、筆者。)

<32:08のあたりから>
2021年4月5日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

(2021年)3月31日までに14回の議論がおわりまして。
そろそろ、検討会で話し合われたことのまとめをつくろう、と。
そういう段階になっています。

このまとめは、どういうふうにつくられるか、というと、いままで話し合ってきたことの意見として、主なものを並べていく、というかたちになる、と思うんですね。

先ほどおっしゃっていただいたように、
「絶対改正してほしい」
という、私たち被害者側の立場のひとと、
「絶対改正に反対」
という刑事弁護側の立場のひとと、
中立的な刑法学者と、運用についておはなしをしてくださる警察や検察官や裁判官のかたがいます。

なので、噛み合わない。
噛み合わない、って言ったら変ですけど、いろいろな意見があるわけですね。
このいろいろな意見が競い合ったそういう論点は、両方とも記載される、と思います。

いっぽう、すごく少数としてみられて、あまり重要でない、っていうものは、落ちてしまう可能性があります。

前回、2017年の改正の前のときは、その検討会で、「暴行・脅迫」や、公訴時効が落ちたので、法制審議会でも話し合われませんでした。

今回はそういうことがないように、まとめに、大事な意見として入れてもらう必要がある、と思っています。

また、さらに、法制審議会に進んだときに、通常は法務大臣からの諮問というかたちで、条文の案というのがつくられて、出てくるんですね。

叩き台、みたいなものなんですけども、この条文をどうするのかはー
どういうことが考えられるのか、っていうことは話し合われてくるので、そこに不同意性交等罪の規定を入れることをわたしたちは悲願としているわけです。

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(再掲。山本潤委員)
法制審議会に進んだときに、通常は法務大臣からの諮問というかたちで、条文の案というのがつくられて、出てくるんですね

はたしてどのような「条文の案」がつくられるのでしょうか。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

(再掲。取りまとめ報告書)
処罰の対象とすべき意思に反する性交等を過不足なく捕捉することのできる規定とする

そう遠くない将来、「意思に反する性交等を過不足なく捕捉することのできる規定」の全貌が判明します。
性犯罪者が跋扈できなくなることだけはまちがいありません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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