“刑法改正を審議する検討会”の山本潤委員は先日、現状と今後の見通しを語りました。香西咲さんたちのAV出演強要被害は、法制審議会の議題となることでしょう

法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は、15日前(2021年4月12日)に、「取りまとめ報告書(案)」を公表しました。
この取りまとめ報告書(案)につきましては、2021年5月21日に開催が予定されている第16回検討会でふたたび、審議がおこなわれる予定です。
最終的に、「(案)」が取れて、「取りまとめ報告書」になるものと思われます。

2021年4月12日に取りまとめ報告書(案)が公開される前のことです。
性犯罪に関する刑事法検討会の委員をされている山本潤さんは、2021年4月5日のインターネットの番組で、現状と今度の見通しをのべました。
山本さんの発言を参照します。

(参考)
2021年4月5日 山本潤委員がインターネットの番組で現状と今度の見通しをのべる
  (※7日後)
2021年4月12日 第15回性犯罪に関する刑事法検討会開催。取りまとめ報告書(案)を公表

(2021年4月5日 YouTube「4/5 What’s “No means No”? 性暴力の刑法改正に向けて、何が議論されているのか」より。)
(※音声の文字化は、筆者。)

<32:08のあたりから>
2021年4月5日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

(2021年)3月31日までに14回の議論がおわりまして。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第14回(2021年3月30日)※議事録準備中
第15回(2021年4月12日)※議事録準備中

□2021年4月12日
 性犯罪に関する刑事法検討会
「取りまとめ報告書(案)」

・第16回(2021年5月21日開催予定)

そろそろ、検討会で話し合われたことのまとめをつくろう、と。
そういう段階になっています。

このまとめは、どういうふうにつくられるか、というと、いままで話し合ってきたことの意見として、主なものを並べていく、というかたちになる、と思うんですね。

先ほどおっしゃっていただいたように、
「絶対改正してほしい」
という、私たち被害者側の立場のひとと、
「絶対改正に反対」
という刑事弁護側の立場のひとと、
中立的な刑法学者と、運用についておはなしをしてくださる警察や検察官や裁判官のかたがいます。

なので、噛み合わない。
噛み合わない、って言ったら変ですけど、いろいろな意見があるわけですね。
このいろいろな意見が競い合ったそういう論点は、両方とも記載される、と思います。

いっぽう、すごく少数としてみられて、あまり重要でない、っていうものは、落ちてしまう可能性があります。

前回、2017年の改正の前のときは、その検討会で、「暴行・脅迫」や、公訴時効が落ちたので、法制審議会でも話し合われませんでした。

今回はそういうことがないように、まとめに、大事な意見として入れてもらう必要がある、と思っています。

また、さらに、法制審議会に進んだときに、通常は法務大臣からの諮問というかたちで、条文の案というのがつくられて、出てくるんですね。

叩き台、みたいなものなんですけども、この条文をどうするのかはー
どういうことが考えられるのか、っていうことは話し合われてくるので、そこに不同意性交等罪の規定を入れることをわたしたちは悲願としているわけです。

——————————————————–

2021年4月5日 永井玲衣さん(司会)
ありがとうございます。寺町さんはこの検討会をみていていかがですか?

2021年4月5日 寺町東子 弁護士(一般社団法人Spring理事)

そうですね、いま、山本さんが言われたように、かなり大詰めにきている、っていう段階です。

さっきの論点のフリップで言うと、意見がかなり一致しているという部分と、かならずしも一致していないところが、だんだんクリアになってきてはいるんですよね。

たとえば、さっきのパートナーからの性暴力、性犯罪、っていうのは、処罰対象であることを明記しましょう、ということについては、かなり意見の一致をみているところなんですけれども。

また、性交同意年齢に関しても、大人から、16歳未満とかー
中学生以下ぐらいですかねー
のひとに対しての行為については、「暴行・脅迫」とか、そのほかの要件をつけないで、年齢差がある、っていうだけで処罰しましょう、っていうところは、かなり一致している部分になっているかと思います。

あと、公訴時効も、特に子どもの被害で、成人になる前に時効が成立しちゃうなんていうのはぜったいおかしいだろう、っていうところはかなりコンセンサスがあって。
時効のスタートする時点を被害に遭ったときから成人するまでのあいだストップしましょう、とか。
あるいは、期間を少し伸ばしましょう、とかあたりは、かなりコンセンサスができているかな、っていうふうに思います。

他方でですね、さっきの「暴行・脅迫」、抗拒不能要件についてはー
いままでは「暴行・脅迫」っていう要件とか、あるいはその、抗拒不能、っていう要件をゆるやかに解釈することで処罰すべき事案を処罰する、っていうことで、救済対象を広げてきていた、という経過があるんですね。
それは裁判例で広げていたので、そういう意味で言うと、どの裁判官に当たるか、によって、結果の予測ができない状態におちいってしまっていた、っていう。
だから、暴行とか抗拒不能っていう要件がどんどん、ぶわー、っと広がっちゃって予測可能性がなくなっちゃっているという状況がある、っていうのは割とコンセンサスがある部分で。
もうちょっといままでの裁判例でみとめられているものを明確な要件にー
暴行よりも弱い「威力」とかですね、「威迫」とか、「監禁」とか、そういう手段を用いたときも処罰できるんだ、っていうことを明確に文言として出していきましょう、みたいなところは、コンセンサスがある部分だと思います。

他方で、同意がないこと、みたいなー
相手が同意していないのにやっちゃった、っていうような場合をふくめるかどうかについては、どういうー
同意がない性行為は処罰すべき行為だ、っていうことは一致しているんですけれども。
他方で、同意が行為をちゃんと処罰するためにどういう文言だったら、さっきの冤罪をふせぎながら、処罰すべきは処罰して処罰しないものを処罰しないで済むか、っていうところは、かなり意見が分けれているな、っていうところです。

それまでは、不同意性交罪をつくってください、なんていう意見はけっこう無視されていたんですけれども、(2020年の)12月ぐらいですかねー
(2020年の)12月ぐらいはぜんぜん、箸にも棒にもかからないこと言っている、ぐらいなあつかいをうけていて。
山本さんがすごいショックをうけて、ツイートしたりして。
で、世の中が、皆が、えっ、そんなことになっちゃっているの、っていう感じで盛り上がってきたので、それが委員の方々にもつたわって、もうちょっと受け皿規定について議論をしよう、みたいな雰囲気にはなってきているので。
やっぱり、世論の声がかわっていく、盛り上がっていく。
声をあげていくこと自体はすごく意味があるし、大事なことだな、っていうのをこの間、感じました。

——————————————————–

(再掲。山本潤さん)
すごく少数としてみられて、あまり重要でない、っていうものは、落ちてしまう可能性があります。前回、2017年の改正の前のときは、その検討会で、『暴行・脅迫』や、公訴時効が落ちたので、法制審議会でも話し合われませんでした。今回はそういうことがないように、まとめに、大事な意見として入れてもらう必要がある、と思っています

AV出演強要につきましては今回(2021年4月12日)、まとめ(取りまとめ報告書(案))のなかに入りました。
取りまとめ報告書(案)をみてみます。

2021年4月12日 取りまとめ報告書(案)

<39ページ>

(8)性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
ア 処罰規定
他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか

(ア) 議論の概要
他人の性的な姿態を撮影する行為のうち、処罰規定を設けるべきかを検討する対象行為として、
ア.強制性交等などの犯行の場面を撮影する行為、
イ.被害者に気付かれずに撮影する行為、

ウ.アダルトビデオへの出演の強要など欺罔や威迫によって同意させた上で撮影する行為、

エ.ユニフォーム姿のスポーツ選手の胸部や臀部を殊更にアップにして撮影したり、脚を開くなどの特定の姿勢を撮影したりする行為、
オ.街で子供に声を掛けて水着姿やブルマ姿の姿態を撮影する行為
が挙げられ、これらのうち、どのような行為を処罰することとし、処罰対象とすべき行為をどのように規定するかについて、保護法益の捉え方、いわゆる迷惑防止条例や私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律との関係等を含めて議論を行った。

また、撮影行為のほか、撮影された画像を流通させる行為などを処罰することの要否・当否についても議論を行った。

<41ページ>

また、前記(ア)ウのアダルトビデオへの出演の強要について、
⑦ だまして撮影場所に連れ込まれ、恐怖や困惑の中で撮影に応じざるを得ない状況に追い込まれて性的姿態を撮影される場合があるといった意見が述べられた

が、これに対しては、

⑧ いわゆるアダルトビデオへの出演の強要については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえることが必要であるし、ひそかに撮影する類型や強制性交等の犯行状況を撮影する類型等について議論した上で、更に別の要件を設ける必要があるかを検討すべきであるといった意見が述べられた。

(再掲。山本潤さん)
さらに、法制審議会に進んだときに、通常は法務大臣からの諮問というかたちで、条文の案というのがつくられて、出てくるんですね

いずれ法制審議会のなかで、AV出演強要に対する処罰の在り方があきらかになります。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

——————————————————–

AV業界は、女性に対するAV出演強要で成り立っています。
AV出演強要が刑罰の対象となったとき、AV業界はどうするのでしょうか。
見物(みもの)です。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。