【法務省の刑法改正を審議する検討会の「取りまとめ報告書(案)」】(その3)。香西咲さんたちのAV出演強要被害の論議は、法制審議会の場へ移る運びです

6日前の2021年4月12日(月曜日)、法務省の性犯罪に関する刑事法検討会で、取りまとめ報告書(案)の審議がおこなわれました。

(参考。当ブログ)
取りまとめ報告書(案)について>
2021年4月13日
2021年4月16日

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録公開
第13回(2021年3月8日)※議事録準備中
第14回(2021年3月30日)※議事録準備中
第15回(2021年4月12日)※議事録準備中
・第16回(2021年5月21日開催予定)

取りまとめ報告書(案)につきましては、次回(2021年5月21日)の同検討会でも論議されて、
「取りまとめ報告書」
となる運びです。

そのあとのうごきは、以下のとおりです。

(参考。東京新聞。2020年3月31日)
「不同意性交罪 是非を議論へ 法務省、性犯罪検討会」

<一部分を抜粋>
2020年3月31日 東京新聞

法改正が必要と判断すれば、法相が法制審議会に諮問する。

法務大臣は、「取りまとめ報告書」のなかから、「法改正が必要と判断」した部分を抽出します。
抽出した箇所を法制審議会へ諮問します。
法制審議会は、意見をもとめられた箇所を審議して、改正草案を作成します。

AV出演強要の処罰につきましては、今回の取りまとめ報告書(案)の段階で、以下の記載がされています。

2021年4月12日 取りまとめ報告書(案)

<39ページ>

(8)性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
ア 処罰規定
他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか

(ア) 議論の概要
他人の性的な姿態を撮影する行為のうち、処罰規定を設けるべきかを検討する対象行為として、
ア.強制性交等などの犯行の場面を撮影する行為、
イ.被害者に気付かれずに撮影する行為、

ウ.アダルトビデオへの出演の強要など欺罔や威迫によって同意させた上で撮影する行為、

エ.ユニフォーム姿のスポーツ選手の胸部や臀部を殊更にアップにして撮影したり、脚を開くなどの特定の姿勢を撮影したりする行為、
オ.街で子供に声を掛けて水着姿やブルマ姿の姿態を撮影する行為
が挙げられ、これらのうち、どのような行為を処罰することとし、処罰対象とすべき行為をどのように規定するかについて、保護法益の捉え方、いわゆる迷惑防止条例や私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律との関係等を含めて議論を行った。

また、撮影行為のほか、撮影された画像を流通させる行為などを処罰することの要否・当否についても議論を行った。

<41ページ>

また、前記(ア)ウのアダルトビデオへの出演の強要について、
⑦ だまして撮影場所に連れ込まれ、恐怖や困惑の中で撮影に応じざるを得ない状況に追い込まれて性的姿態を撮影される場合があるといった意見が述べられた

が、これに対しては、

⑧ いわゆるアダルトビデオへの出演の強要については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえることが必要であるし、ひそかに撮影する類型や強制性交等の犯行状況を撮影する類型等について議論した上で、更に別の要件を設ける必要があるかを検討すべきであるといった意見が述べられた。

——————————————————–

(参考。当ブログ)
取りまとめ報告書(案)について>
2021年4月13日
2021年4月16日

AV出演強要の処罰が法制審議会で審議されるのは必定です。

AV出演強要以外の論点についてはどうでしょうか。
意見が割れているものもあります。

いまから1か月余り前のことです。
上川陽子法務大臣は、衆議院の法務委員会で、法制審議会への諮問に関する答弁をおこないました。

2021年3月10日 衆議院 法務委員会

(参考)

動画 衆議院インターネット審議中継)

2021年3月10日
 衆議院 法務委員会

質疑者は、寺田学衆議院議員です。
会議録のなかから一部を引用します。

(2021年3月10日 衆議院 法務委員会「会議録」より、引用。)

2021年3月10日 寺田学 衆議院議員(立憲民主党)

(前略。)
(略)、私自身、秋田の横手というところで生まれまして、18歳まで過ごしていました。

浪人だったので東京に出ることになった3月のちょうど今頃ですけれども、東京に初めて独り暮らしで出る前の日に母親に呼ばれまして、夜中ですね、夜、まあ座りなさいと言われて、出ていく前に一言だけということを言われて、それは、これから独り暮らしをするけれども、レイプだけは絶対にするなといきなり言われたんです。

私も、別にそういうそぶりがあったわけでも何でもなく、いやいや、本当に冗談みたいに言っちゃ駄目ですよ、それはびっくりはしたんですけれども、本当にそれは衝撃があったので、心にずっと刻んでいました。

今思うと、私も今7歳の息子がいますけれども、物心ついたらちゃんと言おうかなと思っています。

やはり、そういうふうにしてちゃんと何か伝えていかないと、母親からそのときに言われたのは、何でそれをするなと言ったかというと、人間として最低の犯罪だ、それだけは絶対にするなと、ただそれだけでした。

——————————————————–

(中略。)

2021年3月10日 寺田学 衆議院議員(立憲民主党)

(前略。)
もう一点ですが、性犯罪に関する刑法の在り方。
今、法務省の方で検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)を鋭意やっておられるのを聞いています。
不同意性交罪ということが一つの論点として議論されています。

今、いわゆる強制性交自体は、加害者側の方の威力であったり何かしらの対応があったかどうかということですけれども、根底には、不同意である、本人が同意していないということであれば犯罪ではないかという声が、やはりそういう法体系にするべきだと。
私自身が18歳の夜に言われたこと自体、まさしくそのことですから。

議論がいろいろあるのは分かりますけれども、私が子供に問われたらでもないですけれども、同意なき性行為は犯罪なのか、犯罪と思うかと問われたら、大臣、何と答えますか。

——————————————————–

2021年3月10日 上川陽子 法務大臣

今、一般的なお言葉でおっしゃいましたので、そのことの犯罪の定義とか、あるいは、同意なき性交等の行為という形の中でその定義についてもこれは詰めなければいけないことではあると思います。

しかし、こうした行為そのものは、やはり基本的人間の尊厳に関わる極めて重要な行為である、行為というか、それをじゅうりんする行為であるというふうに思っております。

——————————————————–

2021年3月10日 寺田学 衆議院議員(立憲民主党)

そういうような行為にもかかわらず、やはり、今までの裁判事例も含めて、無罪になったり、もっと言うと、さっき言ったとおり、そういう前提だからこそといって示談の方に強く誘導される形で表面化しなかったということはいっぱいあると思います。

多くの不同意性交罪、私はスウェーデンのモデルとかはすごいなと思いながら見ているんですけれども、イエス・ミーンズ・イエスという意味ですけれども。

こういう罪を設けることを求める署名自体が約7万人ぐらい集まったというふうに聞きました。大臣として、そういうような署名活動が行われている認知はございますか。

——————————————————–

2021年3月10日 上川陽子 法務大臣

多くの署名活動、6万件、また更に追加をして活動していらっしゃるということで、更なる、6万、7万の署名をお持ちいただいております。
拝見させていただいております。

——————————————————–

2021年3月10日 寺田学 衆議院議員(立憲民主党)

様々な、制度設計の在り方であるとか議論というのはあるので、一足飛びに答えをすぐ出せるような状況にないとは思うんですけれども、じっくりと、やはり同意がない性行為は犯罪なんですよ。
それを、いかにその性暴力自体を全て性犯罪として捉えていくかということが私は大事だと思っているので、非常に重要な考え方だし、私は強く賛成します。

今、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)がありますので、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の後に法制審(法制審議会)に臨むと思うんですが、是非法制審(法制審議会)に、少年法のときもあったようですけれども、被害者団体の方を法制審(法制審議会)のメンバーにも入れていただきたいと思っているんですが、いかがですか。

——————————————————–

2021年3月10日 上川陽子 法務大臣

今、性犯罪に関する刑事法の検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)が開催されておりまして、その中には被害者の方(山本潤さん)にも当事者としての御発言をいただいているところであります。

今、そういう意味で、様々な論点で議論を、二巡目ということでありますが、していただいているということでありますので、その結果につきましてはしっかりと検証していただけるものというふうに思います。

その次の段階ということでの御指摘でございますが、ちょっと、今委員の構成につきましてお答えをする段階にないということについては御理解をいただきたいというふうに思っております。

いずれにしても、この検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)、しっかりとした議論が、またスピーディーに行われることを支援しておりまして、期待しているところでございます。

——————————————————–

2021年3月10日 寺田学 衆議院議員(立憲民主党)

現段階で、(法制審議会の)構成員に対して予断を持ってお話しすることができない立場は十分理解しています。
要望として申し上げておきます。

もう一つ要望ですけれども、まさしく、不同意性交罪もそうですし、あと性同意年齢の引上げも含めて、いろいろ議論がなされています。

議論が分かれているもの自体を先送りするというのは一つの手法ですが、まさしく社会的なニーズというか強い要望もあるものですから。

大臣が今度法制審(法制審議会)に諮問されるお立場になると思いますので、意見が分かれているものであっても、社会として必要なものであるということであれば是非とも法制審(法制審議会)の審議課題にのせていただきたいという要望ですけれども、いかがですか。

——————————————————–

2021年3月10日 上川陽子 法務大臣

失礼いたしました。
先ほど私、検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の議論について二巡目というふうに申し上げましたけれども、三巡目に入っているということでございますので、訂正させていただきたいと思います。

法制審議会の諮問の内容につきましては、これも検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の結果を踏まえてということではありますが、この問題につきまして総合的にこれまで取り組んできておりますので、ここで、この問題は議論足らずなのでというようなことにならないような、そういうものに検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)でしていただきたいなと実は思っております。

また、法制審議会の方でも幅広く検討していただけるような、そうした環境整備については努めてまいりたいと思います。

——————————————————–

2021年3月10日 寺田学 衆議院議員(立憲民主党)

議論が多く分かれるとは思うんです。
刑法学者、刑法の専門の方々にしてみると、及び検察の方、弁護士の方々、法律に本当にたけている方々にしてみると、どういうふうにして実態として運用するのかということが念頭にありながら組み立てていくんですけれども、やはりそれだけじゃ、やはり全てのニーズ、ニーズというか状況自体を把握するということができないと思うので、私は被害者団体の方々にはしっかり会っていただきたいというふうに思っています。
(後略。)

(後略。)
——————————————————–

寺田学議員の
意見が分かれているものであっても、社会として必要なものであるということであれば是非とも法制審(法制審議会)の審議課題にのせていただきたい
との要望に対して、上川陽子法務大臣は、
法制審議会の方でも幅広く検討していただけるような、そうした環境整備については努めてまいりたい
と答えました。

上川陽子法務大臣は、現時点で意見が対立している論点につきましても、法制審議会へ諮問する意向のようです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

(再掲。取りまとめ報告書(案)
いわゆるアダルトビデオへの出演の強要については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえることが必要であるし、ひそかに撮影する類型や強制性交等の犯行状況を撮影する類型等について議論した上で、更に別の要件を設ける必要があるかを検討すべきであるといった意見が述べられた

AV出演強要の処罰に関しては反対意見が存在しません。
強姦罪(強制性交等罪)や準強姦罪(準強制性交等罪)が適用されることを期待しています。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。