刑法改正に関する宮田桂子弁護士の論説(2)。香西咲さんたちAV出演強要の被害者は泣き寝入りをしませんでした。あとは刑法が改正されるのを待つだけです

昨年(2020年)の3月31日に、法務省は、性犯罪に関する刑事法検討会を設立しました。
設立の目的は、刑法改正の審議です。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録準備中
第13回(2021年3月8日)※議事録準備中
・第14回(2021年3月30日開催予定)

上述のとおり、2020年11月10日に、8回目の検討会が開催されました。
この席で、山本潤委員がつぎの発言をしました。

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<34~35ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

法律の言葉なのか、よく真摯な恋愛という言葉が出てくると思うのですけれども、平成29年の刑法改正前の検討会、法制審議会でも、親子でも真摯な恋愛があり得る可能性がないわけではないかもしれないというような議論がありました。
(後略。)

(再掲。山本潤 委員【一般社団法人Spring代表理事】。2020年11月10日)
平成29年の刑法改正前の検討会
親子でも真摯な恋愛があり得る可能性がないわけではないかもしれないというような議論がありました

昨日の当ブログでもふれました。
親子でも真摯な恋愛があり得る可能性がないわけではないかもしれない
平成29年の刑法改正前の検討会(性犯罪の罰則に関する検討会)」でこういった趣旨の発言をしたのは、宮田桂子委員です。
もう一度、宮田委員の発言をみてみます。

(2015年5月28日 第10回性犯罪の罰則に関する検討会「議事録」より、引用。)

<18ページ>
2015年5月28日 宮田桂子 委員(弁護士)

これは極めてレアケースなのかもしれませんけれども、親子の場合も含めて、一定の地位や関係にある場合であっても、その真摯な感情に基づいて性的な関係に立ち至ってしまうということが果たして起こらないのか。

それが道徳的には妥当ではなかったとしても、性犯罪として本当に処罰すべきなのかどうなのかという問題はあると思っています。

——————————————————–

<24~25ページ>
2015年5月28日 宮田桂子 委員(弁護士)

親子関係であっても、例えばその親子が離れて暮らしていて、一緒に暮らすことで恋愛感情のようなものが生じてしまう場合というのは、実際ないわけではない。

そういう意味で、いや、そんなのは真摯な同意ではないのだと角田委員はおっしゃるのかもしれないのだけれども、いろいろな状況からして、ある意味において真摯な関係、真摯な気持ちがあったと思われるような事例もないわけではないと私は思っております。

——————————————————–

宮田桂子委員(※当時)は、このたびの性犯罪に関する刑事法検討会でも、委員に任命されました。

(参考)
性犯罪に関する刑事法検討会 委員名簿

昨年(2020年)の週刊金曜日の記事を参照します。

(2020年4月28日 週刊金曜日「刑法性犯罪規定改正へ一歩刑法見直す検討会設置決定被害当事者も検討委員に」より、引用。)

2020年4月28日 週刊金曜日(小川たまかさん)

(2020年)3月31日、性犯罪に関する刑法のさらなる見直しに向けた検討会の設置と、検討委員の発表が法務省から行なわれた。
(中略。)
弁護士4名中、小島妙子弁護士は日弁連の両性の平等に関する委員会メンバーだが、残る2人はバランスを取って改正反対派の刑事弁護人が選ばれている。特に宮田桂子弁護士は前回改正後もメディア露出が多く、反対派の急先鋒だ。
(後略。)

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(再掲。山本潤 委員【一般社団法人Spring代表理事】。2020年11月10日)
平成29年の刑法改正前の検討会
親子でも真摯な恋愛があり得る可能性がないわけではないかもしれないというような議論がありました

宮田桂子委員は、刑法の改正をもとめるひとたちからあまり評判がよろしくないようです。
山本潤委員はインターネットの番組でつぎのようにのべています。

(2020年12月15日 「ポリタスTV『抗拒不能要件はなくなるのか?』|法務省で行われている性犯罪関連の刑法改正議論の現在地と、2017年改正で積み残された4つの課題について」より、引用。)

<22:51のあたりから>
2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

で、いっぽう、やはり、刑事弁護側(金杉美和弁護士、宮田桂子弁護士)ですね。

先ほど弁護士のおはなしもおっしゃってくれていましたけれども、(刑事)弁護士って、やはり、加害者を弁護する仕事なんですね。
性犯罪の場合、特にそうですし。

だから、いかにあまり罪にならないようにするのか、みたいな、そういうポジショニングではなされるので、はなしがなかなかむずかしいな、って思うところもありますし。

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(再掲。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録準備中
第13回(2021年3月8日)※議事録準備中
・第14回(2021年3月30日開催予定)

(再掲。山本潤 委員。【一般社団法人Spring代表理事】。2020年12月15日)
やはり、刑事弁護側(金杉美和弁護士、宮田桂子弁護士ですね
(刑事)弁護士って、やはり、加害者を弁護する仕事なんですね
だから、いかにあまり罪にならないようにするのか、みたいな、そういうポジショニングではなされる

今次の性犯罪に関する刑事法検討会において、宮田桂子委員が、加害者側寄りの発言に徹しているのか、というと、そうでもありません。
警察の在(あ)り様(よう)については、以下の言及をしています。
同検討会の議事録をみてみます。

(2021年1月28日 第11回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<20~21ページ>
2021年1月28日 宮田桂子 委員(弁護士)

今、池田委員の御発言の中で、具体的な防御で、被告人の主張としてそれを述べざるを得ない例については、的確な例を述べていただきましたので、それ以外の点について述べたいと思います。

私は、レイプシールドの規定が特に必要だとは思っておりませんが、「①」の2つ目の「◯」と同じ問題意識は持っています。

(参考。「①」の2つ目の「◯」

① 捜査・公判における二次被害の実態

〇 警察官による個人差はあるが、被害を訴えたときに、警察官から、裁判で嫌な質問をされるとか、過去の出来事を持ち出されるなどと言われて被害届を取り下げた例があるし、すぐに警察に届け出なかったことを理由に、同意を疑われる例もある。
また、その場から逃げなかったことを理由の一つとして性犯罪の無罪判決が出たり、これまでにいろいろな人と性的関係を持っているから今回も同意があると推測して被害者の訴えを信用しなかったりすることが司法の現場で起きており、社会全体に、被害者心理や危機的状況に置かれた人の反応についての無理解、レイプ神話に基づくジェンダーバイアスがある。

上述の「①」の2つ目の「◯」は、山本潤委員の意見です。
山本委員が昨年(2020年)の10月20日の7回目の検討会で語ったものが、上述のようなかたちでまとめられています。
山本委員は実際にどのような発言をしたのでしょうか。
7回目の検討会の議事録を確認します。

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<18~20ページ>
2020年10月20日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

レイプシールドについては、支援現場の視点から意見を述べさせていただければと思います。
私も警察官の方たちと会うことはよくあるので、全ての方がそうではないとは存じておりますけれども、被害を訴えたときに警察官から、「裁判になったら耐えられないような嫌な質問をいっぱいされるけど大丈夫。」とか、「昔のことをあれこれ持ち出されて傷つくよ。」というふうに言われたということを非常によく聞きます。
そう言われて被害届を取り下げた被害者の方も何人もいました
裁判が過酷なプロセスなので、尋問に耐えられるかどうかという観点からふるい落とそうとしているのかなというふうに思いますけれども、そういう話を聞くたびに、被害者を黙らせて加害者の罪を問わないようでは、何のための司法なのかと思います。
被害者は、事件に関連することについて、事実を証明するために証言するのであって、そこで傷つけられ、二次被害を与えられるようなことは、あってはならないと思います。

関連性のない証言を求めることは制止ができるので、性的言動の証拠を採用してはならないとするレイプシールド法を制定する必要はないと言われますけれども、そうはなっていないから、警察官が裁判を諦めさせるようなことを言うのではないのでしょうか。

最高裁判決でも、逃げなかったことを理由に、2009年4月14日に強制わいせつで逆転無罪判決が出され、逃げなかったことを一つの理由として、2011年7月25日に強姦罪の逆転無罪判決が出されました。
控訴審の有罪判決における認定が経験則に照らして不合理と指摘されましたが、被害者心理や危機的状態に置かれた人間の反応を理解しておらず、レイプ神話に基づくジェンダーバイアスがあるとジェンダー法学者などからも指摘をされています。
(後略。)

今年(2021年)の1月28日の宮田桂子委員の発言をつづけます。

(2021年1月28日 第11回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<20~21ページ>
2021年1月28日 宮田桂子 委員(弁護士)

特に、公判どころか、警察の段階で全く捜査がされないまま止まってしまう、被害が受け付けられない、あるいは、被害者が侮辱的なことを言われるような案件は物すごく多くて、そもそも事件として進まないことが最も大きな問題だと思っています。

警察が、前科や前歴のある人、不良だと警察が考えるような人、あるいは風俗関係の人などに対して、偏見に基づいた対応をすることがあります。

先ほど小島委員が、法曹三者の教育とおっしゃいましたけれども、一番必要なのは、警察だと思っています。

警察官に現在の被害者に対する対応を改めていただきたい例というのは、幾らでもあると思いますので、具体的にそういうものを提示して、警察官の被害申告の際の対応の在り方を改善することを求めるとともに、警察官に対して、性被害者についての教育や啓発をすることが、必要不可欠であろうと思います。

警察でブロックされてしまえば、もうそれ以上は手続が先に進みません。

私も被害者や被害者支援の方々と問題意識を共有して持っているつもりでございます

ここで止まらないようにするのが一番大事だと、私は思っています。

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明日も宮田桂子委員の論説をみてみます。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

「待てば海路の日和(ひより)あり」
ということばがあります。
待っていれば早晩幸運が到来する、という意味です。
刑法の改正は必定です。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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