【刑法改正を審議する検討会の10回目の議事録】(その8)。夫婦間の問題と香西咲さんたちのAV出演強要問題については、処罰に反対する意見がありません

先日、第10回性犯罪に関する刑事法検討会議事録が公開されました。
当日(2020年12月25日)の議題は以下のとおりです。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年12月25日 第10回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」、
法定刑の在り方」、
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方」(※途中まで)
につきましては、当ブログの記事を参考にしてください。

(参考。当ブログ)
<10回目の検討会の議事録について>
2021年2月19日・・・・・・「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」(※AV出演強要問題)
2021年2月20日・・・・・・「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」(※AV出演強要問題)
2021年2月21日・・・・・・「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」
2021年2月23日・・・・・・「法定刑の在り方」
2021年2月24日・・・・・・「法定刑の在り方」
2021年2月25日・・・・・・「配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方」
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本日は、昨日にひきつづき、
「配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方」
のつづきの論議をみてみます。

2020年12月25日 
 法務省
 第10回 性犯罪に関する刑事法検討会

配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について
昨日のつづき)

(2020年12月25日 第10回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<20ページ>
2020年12月25日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

今の点なのですけれども、意見要旨集の10ページの「③」(配偶者間等でも犯罪が成立することを明示する規定を設けることの要否・当否)の上から4つ目の「〇」、

(参考。「③」の上から4つ目の「〇」)

〇 海外とは立法形式が異なるため、あえて条文を置く必要性は国ごとに違いがあるものの、我が国の刑法に配偶者間の性的行為について規定がないことは、国際的な批判の対象となっているから、書き方を慎重に検討した上で、配偶者を強制性交等罪の客体から排除していないことを示す必要はある。

これは、私が発言したことに関連してのことなのかもしれないのですけれども、やはり海外からはかなり批判が強い部分で、単なる誤解なのかというふうに一時的に思っていたことがあったのですが、やはり実際に立件数がこれだけ少ないとなると、単なる誤解ともいえないのではないかというふうに思っております。

さらに、日本の中でも、今、和田委員から刑法学者の見解を示していただきましたけれども、刑法学者以外の方、例えば社会学者の方が書かれたものの中では、日本では配偶者間の強制性交等は成立しないというふうに明示されているようなものも読んだことがありまして、そのような理解が社会的に一般にされているのだとすると、これはもう明文を置くしかないのかなと思いました。

それで、明文の置き方ですけれども、11ページの1つ目の「〇」のところで、

(参考。「④ 考えられる規定の在り方」)

〇 強制性交等罪の客体を、「者(婚姻関係にある者を含む。)」と規定する方法や、「婚姻関係があることによって第176条(強制わいせつ)又は第177条(強制性交等)の罪が成立しないものと解することはできない。」といった規定を置く方法が考えられる。

客体について、
「者(婚姻関係にある者を含む。)」
というふうに書く書きぶりなのですけれども、これは先ほどの御指摘のように、確かに、それ以外のパートナーに関してどうなるのかという問題があるのかもしれないですが、婚姻関係にある者を含むと書いてあるだけで、それ以外を排除するという趣旨ではないので、その辺りはきちんと説明すれば御理解いただけるのではないかというふうに思いました。

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<20~21ページ>
2020年12月25日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

これまでの御発言の内容と若干重なりますけれども、まずは私個人の刑法の理解から申し上げますと、配偶者間であっても、意思に反する性行為であれば、それ以外の場合と全く同様に、性犯罪を構成するのは当然ですので、本来はこのような明文の規定を設ける必要はないはずだと考えています。

もっとも、先ほど、木村委員、和田委員から御紹介がございましたように、民法上、性交渉の拒否が婚姻を継続し難い重大な事由に該当するとされていることから、刑法の議論においても、配偶者間においては、少なくとも一定の範囲では性交に応ずる義務があり、それゆえ、配偶者間については性犯罪の成立範囲が限定され得るという理解が一部に存在することは否定できません。

このような議論を封ずる必要があるのであれば、法律上の疑義や問題を払拭するために、明文の確認規定を設けるということも選択肢としては十分にあり得るように思います。

このような前提から、大変せん越ではございますけれども、規定ぶりについて御提案申し上げたいと思います。

例えば、現行法の規定を前提にしますと、

「暴行又は脅迫を用いて性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、強制性交等の罪とし」

という規定ぶりなどが考え得るように思います。

意見要旨集の11ページの「④」(考えられる規定の在り方)では、婚姻関係だけではなくて、他の親密な関係性全般について規定すべきという御意見が示されています。

(参考。「④ 考えられる規定の在り方」)

〇 強制性交等罪の客体を、「者(婚姻関係にある者を含む。)」と規定する方法や、「婚姻関係があることによって第176条(強制わいせつ)又は第177条(強制性交等)の罪が成立しないものと解することはできない。」といった規定を置く方法が考えられる。

〇 現在、WHOを始めとする各種機関や各種研究においては、基本的にIPV(Intimate Partner Violence:親密な関係性における暴力)という言葉が使われおり、配偶者のみならず、同棲するパートナー、内縁、性的マイノリティー同士のパートナーなどを含めた概念が用いられていることも踏まえるべき。

〇 親しい関係には、交際関係にある者、パートナー、かつてのパートナーなども考えられるので、配偶者のみを条文上明示することが得策であるかを検討する必要がある。

しかし、今回、あえて婚姻関係に限った規定ぶりを御提案した趣旨について3点理由を申し上げたいと存じます。

第1点ですが、これは、先ほど木村委員、小島委員からも御指摘がございましたけれども、このような確認規定を設けますのは、かつては、法律上の婚姻関係については、性交に応ずる義務があり、性犯罪の成立が限定されるといった理解が一般的だったことから、そのような理解を封ずるためには、正に性交に応ずる義務が問題とされてきた婚姻関係に絞った規定を設けることが有効と言えるからです。
第2点ですが、法律上の婚姻関係がある場合でも性犯罪が成立することを確認的に規定すれば、それ以外の親密な関係性の場合についても性犯罪が成立することは、あえて明文の規定を設けなくても、当然解釈として導くことができます。

すなわち、婚姻関係に限って規定しているから、他のパートナーシップについては適用がないという反対解釈はおよそ採り得ないということです。

さらに、第3点ですが、親密な関係性と申しましても、多様なものがあり得ることから、これら全てを網羅的に列挙することは不可能であり、また、親密な関係性やパートナーシップという表現を使うと、刑法の条文としては内容の明確性、具体性が乏しいという問題が生じます。
これらの点に鑑みまして、私としましては、
「婚姻関係の有無にかかわらず」
という規定ぶりを御提案申し上げたいと思います。

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<21ページ>
2020年12月25日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

今の橋爪委員や木村委員の意見に関してなのですけれども、
「婚姻関係にある者を含む」(※木村光江委員【東京都立大学教授】の意見)
と書かれるよりは、
「婚姻関係の有無にかかわらず」(※橋爪隆委員【東京大学教授】の意見)
と書かれた方がよいのではないかと考えています。

今、橋爪委員が御説明くださったことではありますけれども、婚姻関係がないパートナーシップの場合には非常に立件されにくいという事実がございます。

委員の御発言意図は婚姻関係が最も強力に法律などで限定され得るということだと理解していますが、その法律で限定された婚姻関係でさえ、同意のない性交等は性犯罪になるということを示すことで、それ以外のパートナーシップにおいてももちろん同意のない性交等は性犯罪になるということについて、報告書などに確実に明記いただきたいなと考えております。

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<21~22ページ>
2020年12月25日 井田 良 座長(中央大学教授)

具体的な規定ぶりと言いますか、文言まで御提案いただきました。

「婚姻関係にある者を含む」
とするか、
「婚姻関係の有無にかかわらず」
とするか、それとも
「それ以外のパートナーも含む」
とするか、その点について御意見があれば、お願いしたいと思います。

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<22ページ>
2020年12月25日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

齋藤委員の
「婚姻関係の有無にかかわらず」(※橋爪隆委員【東京大学教授】の意見)
という意見に賛成します。

先ほど橋爪委員がおっしゃいましたように、親密な関係についてはなかなか規定することが難しいのではないかという懸念があるということは分かりますけれども、やはり、婚姻関係にあることによって除外されているということは、恋人であったり、同棲するパートナーであったり、性的マイノリティー同士のパートナーであったりでも、実務的に同じであると考えています。

支援現場でも、付き合っている、交際関係にある、同棲している人たちは被害を訴えにくく、また、それが犯罪とも認められないという実態があります。そういう実情を加味していただければと思っています。

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<22ページ>
2020年12月25日 井田 良 座長(中央大学教授)

ほかに御意見はございませんか、よろしいですか。

それでは、第1の「7」(配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方)についての議論は、この辺りで一区切りとさせていただきたいと思います。

配偶者間でも性犯罪が成立するということを確認する何らかの規定が必要だという意見が改めて表明されたというふうに思いました。

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(再掲。井田良 座長)
配偶者間でも性犯罪が成立するということを確認する何らかの規定が必要だという意見が改めて表明されたというふうに思いました

昨日もふれました。
配偶者間の問題につきましては、なんらかの罰則規定が設けられるような感じがします。
AV出演強要問題と同じような展開になっています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
第12回(2021年2月16日)※議事録準備中
・第13回(2021年3月8日開催予定)

(再掲)
2020年12月25日 第10回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」の論議で、池田公博委員(京都大学教授)は、つぎのようにのべています。
アダルトビデオ出演強要の類型についても、その規定(処罰規定)を適用することで足りるのか、あるいは、更に別の要件を設けるなどする必要があるかということを考えていくことになるものと思います
と。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月14日

今まで人間とは思えない仕打ちを受け続けてきた事、やっと吐き出す事ができました
こんな私ですが今も変わらず好きでいてくださる方、本当にありがとうございます。
何度も言うけれど今後私はその人たちを大切に生きていくのみです。
「おまえ明日死ぬかもしれないんだから(←青木亮の口癖)」

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(再掲。池田公博委員【京都大学教授】)
アダルトビデオ出演強要の類型についても、その規定(処罰規定)を適用することで足りるのか、あるいは、更に別の要件を設けるなどする必要があるかということを考えていくことになるものと思います

AV出演強要犯は、はたしてどのような罪で処罰されるのでしょうか。
強姦罪(強制性交等罪)が適用されることを期待しています。
現在、常習性と集団性のある強姦(強制性交等)につきましては、無期懲役刑にすべき、との意見も出ています。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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