刑法改正を審議する検討会の9回目の議事録が公開されました(その3)。刑法の改正は必定です。香西咲さんたちの戦いは結実します

昨年(2020年)の12月8日に開催された第9回性犯罪に関する刑事法検討会議事録が公開されました。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録公開
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
第11回(2021年1月28日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第12回(2021年2月16日開催予定)
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2日前から、当該(※9回目の)議事録をみています。

(参考。当ブログ)
<地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方(※二巡目②)について>
2021年2月4日(その1)
2021年2月5日(その2)

上述のとおり、9回目の検討会は、昨年(2020年)の12月8日に開催されました。
その1週間後の2020年12月15日のことです。
同検討会の委員のひとりである山本潤さんは、インターネットの番組に出演されて現況を語りました。
同番組のなかから一部を抜粋します。

(2020年12月15日 「ポリタスTV『抗拒不能要件はなくなるのか?』|法務省で行われている性犯罪関連の刑法改正議論の現在地と、2017年改正で積み残された4つの課題について」より、引用。)

<01:22:16のあたりから>
2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

検討会がおわったら法制審議会にうつっていって、改正されないことはないのではないかな、と思うんですよね。

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刑法は改正される、との認識です。

<46:09のあたりから>
2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

わたしたち性犯罪に関する刑事法検討会の各委員)としては、いま、たぶん、「暴行・脅迫」要件の見直しがいま必要だ、と思っているんですね。

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刑法の177条(強制性交等罪)と178条(準強制性交等罪)が改正されると、これまで切り捨てられてきた多くの被害者が救われます。
もちろん、全員ではありません。
取り残されるひとたちも存在します。
たとえば、若年者です。
被害者の一部は救済されません。
そこでいま、人々がもとめているのが、性交同意年齢の引き上げです。

<01:09:00のあたりから>
2020年12月15日 津田大介さん(ジャーナリスト)

これ(性交同意年齢の引き上げ)、どうですかね。

ぼくもこの法務省の検討会には注目もして、議事録なんかも読んではいたんですけれども。

正直、はじまるところのなかで、国際的なこういう状況(日本はほかの国と比べて性交同意年齢があまりにも低すぎる)も考えて、この性的同意年齢に関しては、さすがにこれ、かわるんじゃないか、かえられるんじゃないかな、というふうに事前に予測していたところもあったんでしょうけれども。

議論のなか――この来年(※2021年)の3月までの議論で――感触としてはいかがですか?

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2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

なんか、その、この、年齢、っていうことの捉え方がたぶん、ひとによってすごいちがう。
わたしたち、被害者にかかわるひとたちとか、被害者を支援するようなそういう仕事をしているひとは、非常に、このー
そういう中学生ー
14、15歳で性交をするっていうことは、状況が悪いひとが多い、っていうのはわかるわけですね。
ただ、やっぱり、その、ロマンチック、と言うか、結局は好意的に捉えるようなそういう作品であったりとか、報道ー
報道、と言うか、そういう表現とかもあるわけですよね。
そうなると、何に、どこをみてこの年齢を決めるのか、っていうのが非常に、この、ずれてくる、というか、視点がずれるのでー
方向性がずれるというか、そこがすごいむずかしいところだな、っていうふうに思います。

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2020年12月15日 津田大介さん(ジャーナリスト)

うーん、なるほど。

じゃ、これがすんなり決まる、というわけでもなさそう、という。

なかなかこれも、これはこれでね、深刻なはなしだなぁ、と思うー

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2020年12月8日 第9回性犯罪に関する刑事法検討会

はなしを第9回性犯罪に関する刑事法検討会にもどします。
性交同意年齢の引き上げに関しては、雲行きが怪しくなってきました。
同検討会は、種々の角度から刑法の改正を審議しています。
議論を重ねているうちに、各委員はこう考えたのであろうと推測します。
若年者については「地位・関係性」の規定を新設して保護すればよい、と。
議事録の一部を抜粋します。

(2020年12月8日 第9回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<29ページ>
2020年12月8日 小島妙子 委員(弁護士)

私は基本的に、性交同意年齢としては義務教育の期間、義務教育で線を引いて、義務教育が終わるまでは性交同意能力がないということで考えていいのではないかと思います。
ただ、立法事実ということで言いますと、やはり力関係において地位・権限を利用・濫用する、例えば学校の先生とか、塾の先生とか、クラブの先生とか、そういう力関係を利用・濫用して子供が多数被害に遭っていることをどうするかということ、これが一番のポイントではないかと思います。
年齢差も確かに問題かもしれませんけれども、この部分を何とかしたいと。

少なくとも中学生レベルについては、やはりそういう力関係を利用・濫用された場合に、同意があるとかないとかという話に持ち込まれるというのはいかなものかと、そういう立場でございます。

性交同意年齢を16歳未満とすれば、その部分がかなりカバーできるのではないかと思います。
ただし、地位・関係性の利用・濫用型の性犯罪を設け、子供の保護について十分だと考えられる新しい規定ができるのであれば、それでカバーできる部分もあるかと思っています。

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残念ながら、「地位・関係性」の規定を新設しても救えない部分があります。
山本潤委員は同検討会でつぎのようにのべています。

<30ページ>
2020年12月8日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

法律論が難しいので、こういう場合も大丈夫でしょうかということをお伺いしたいのですけれども、大阪で24歳の男性が14歳の女子中学生に対して、知り合って二日目の付き合った当日に、少女が「今日は早すぎる。やめておこう」と言ったのだけれど、性交された事件がありました。
強姦罪で起訴されて、裁判で同意していなかったことは認められたけれども、強い抵抗が示されなかったと認定され、加害者が少女が性交を受け入れたと誤解したなどとして、無罪になりました。
そういう地位・関係性がない場合の成人からの被害というのを救える規定になるのかを確認したいと思いました。

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重要な視座です。
ナンパの場合は、「地位・関係性」の範囲外です。

<30ページ>
2020年12月8日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

恐らく山本委員の御懸念は、地位・関係性が乏しく、いきなり会ってナンパされたような場合について、仮に性交同意年齢を絶対的に引き上げない場合、十分に児童の性的保護を図ることができるのかという点だと思います。
この点につきましては、もちろん被害者の同意に瑕疵がある場合には、それに基づく処罰の可能性もあり得ますし、本日の議論においても、一定の年齢の被害者については、年齢差に基づく処罰規定を設けたり、あるいは、誘惑的・困惑的な行為態様までを拡張した処罰規定を設けるなど、仮に性交同意年齢を一律に引き上げないとしても、言わば中間類型の年齢の被害者の保護を強化する方法はあり得るように思われます。

この点は更に議論していければと思います。

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<30ページ>
2020年12月8日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

ありがとうございます。

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若年者の性被害については、性交同意年齢の引き上げでなくほかの方法で救済をおこなう、という流れのようです。
委員の方々が性交同意年齢の引き上げに消極的なのは、ほかにも理由があります。
こちらの理由につきましては明日のブログでみてみます。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

(再掲。山本潤委員)
検討会がおわったら法制審議会にうつっていって、改正されないことはないのではないかな、と思うんですよね

現況は、刑法を改正する、という流れです。
性犯罪者に未来はありません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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