以前、当ブログで、石田郁子さんが25年前にうけた性暴力被害にふれたことがあります。
(参考。当ブログ)
<石田郁子さんの性暴力被害>
・2019年4月27日
・2020年10月6日
・2020年10月7日
・2020年10月8日
石田郁子さんの被害を簡単にふりかえってみます。
(2019年4月26日 NHK北海道「20年余前“教諭から性被害”」(全6分26秒)より、引用。)
(※音声の文字化は、筆者。)
(※全文につきましては、2019年4月27日の当ブログをご覧ください。)
<一部分を抜粋>
●2019年4月26日 瀬田宙大アナウンサー
札幌市内の中学校に通っていた41歳の女性が、中学の卒業前から4年間にわたってわいせつな行為をされた、として当時の教諭と札幌市に賠償をもとめています。 |
●2019年4月26日 太細真弥キャスター
今日(4月26日)からはじまった裁判で教諭側は、うったえをしりぞけるようもとめました。 |
●2019年4月26日 ナレーション(瀬田宙大アナウンサー)
東京都内に住む石田郁子さんは、札幌市内の中学校を卒業する前の15歳から4年間にわたり中学校の教諭だった男性からわいせつな行為をくりかえしうけ3年前にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した、として教諭と札幌市に対し3,000万円余りの賠償をもとめています。
今日(4月26日)から東京地方裁判所ではじまった裁判で教諭側は、そうした事実はなかったなどとしてうったえをしりぞけるようもとめました。 |
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●2019年4月26日 ナレーション
いっぽう教諭側は裁判で、こうした事実はない、と主張しました。 石田さんが大学生のころは交際していたが、それ以前にわいせつな行為などはしていない、としています。 |
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●2019年4月26日 ナレーション
このころ(4年前)から石田さんは、精神的に不安定になり眠れない日々がつづくようになった、と言います。 過去のつらい体験を思い出して恐怖などを感じつづけるPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された、と言うことです。 そのいっぽうで、教諭がいまも教壇に立っていることを知った石田さんは、3年前、札幌市教育委員会に、被害をうけた、と申し出ました。 当時のできごとをなかったことにはされたくない、と石田さんは今年2月、教諭と札幌市教育委員会に賠償をもとめるうったえを起こしました。 |
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●2019年4月26日 瀬田宙大アナウンサー
今日(4月26日)の裁判で教諭側は、大学生よりも前の時期のわいせつな行為については否定したうえで、 「PTSDを発症したとしても因果関係はない」 また、 「原告がわいせつな行為をされたと主張する時期からは20年以上が経過しており、賠償を請求できる権利はない」 と主張しました。 石田郁子さんのうったえに対し全面的に争う姿勢をしめした教諭側。 |
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上述の報道から、4か月後(2019年8月23日)のことです。
地裁は判決を出しました。
(2019年8月23日 弁護士ドットコム「26年前に中学教師から受けた『性被害』、訴えた教え子が敗訴 『時間の壁』越えられず」より、引用。)
●2019年8月23日 弁護士ドットコム
(略)約3000万円の損害賠償を求めて提訴した裁判の判決が(2019年)8月23日、東京地裁で言い渡された(田中秀幸裁判長)。 |
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石田さん側はPTSDと診断された2016年を起算点としたが、裁判所はこれを認めず、除斥期間は過ぎていると判断した。 |
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地裁は、石田郁子さんのうったえを退けました。
石田さんは控訴しました。
先日(2020年12月15日)、高裁が判断をしめしました。
(2020年12月15日 弁護士ドットコム「『時間の壁』超えられず 『中学教師からわいせつ行為』訴えた女性、東京高裁でも敗訴」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2020年12月15日 弁護士ドットコム
中学3年生だった15歳のときから、当時在校していた札幌市立中学の男性教師にわいせつな行為をされて、その後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したとして、フォトグラファーの石田郁子さんが、教師と札幌市を相手取り、損害賠償を求めていた裁判で、東京高裁(後藤博裁判長)は(2020年)12月15日、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。 |
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●2020年12月15日 弁護士ドットコム
一審から争点となっていたのは、20年間を経過すると賠償請求の権利が消滅してしまう「除斥期間」が過ぎているかどうかだった。 |
石田さん側は、PTSDと診断された2016年を起算点であると主張したが、一審判決では認められず、除斥期間は過ぎていると判断されていた。 |
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高裁も地裁と同様、時効の成立をみとめました。
石田郁子さんは敗訴しました。
高裁は石田さんのうったえを棄却しました。
いっぽう、教師側がおこなった性暴力についてはみとめました。
朝日新聞の記事を参照します。
(2021年1月7日 朝日新聞「『男性教諭から性暴力』元生徒が処分訴え 高裁は認定」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2021年1月7日 朝日新聞
石田さんは東京高裁に控訴し、昨年(2020年)12月に請求は棄却されたが、性的行為の事実は認定された。 |
これを受け石田さんは今月(2021年1月)5日、教諭の懲戒処分と処分までの退職届不受理を札幌市教委に申し入れた。 |
教諭は現在も教職にあるといい、石田さんは「加害教諭が今も学校現場におり、生徒は何も知らされていない。このまま黙っているのは耐えられないと考えた。きちんと懲戒処分にしてほしい」と語った。 |
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札幌市教委教職員課によると、2016年に教諭への聞き取り調査を複数回行ったが、わいせつ行為の事実が認定できないと判断し、処分しなかった。 |
同課は「高裁で事実が認定されたことは重く受け止め、対応を協議している。申し入れには真摯(しんし)に対応していきたい」としている。 |
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上述のとおり石田郁子さんは、今月(2021年1月)の5日、札幌市教育委員会に対して、当該教諭の処分を申し入れました。
その4日後のことです。
読売新聞が現況を報じました。
(2021年1月9日 読売新聞「【独自】25年以上前の中学教員わいせつ、異例の再調査へ…被害認定の判決確定受け」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2021年1月9日 読売新聞
札幌市立中学生だった頃から男性教員に性的被害を受け続けたとして、東京都在住の女性(43)が教員らに損害賠償を求めた訴訟で昨年(2020年)12月、東京高裁が性的被害を認定する判決を出したことを受け、札幌市教育委員会がこの教員に聞き取り調査を進めていることがわかった。 |
教員は過去の調査で性的行為を否定したが、市教委は司法判断を重く見て、25年以上前の事案について異例の再調査に踏み切った形だ。 |
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石田郁子さんは4日前(2021年1月24日)、札幌市長に対して抗議文を提出しました。
(2021年1月25日 弁護士ドットコム「札幌わいせつ教師事件『判決で事実認定されたのに…』 被害女性が市長に『涙の抗議』」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2021年1月25日 弁護士ドットコム
15歳から19歳にかけて、札幌市立中学の男性教師にわいせつな行為をされたと裁判で訴えていたフォトグラファーの石田郁子さんが、東京高裁で「わいせつ」の事実が認定されたにもかかわらず、不適切な対応をされたとして、札幌市教委に抗議文を提出した。 |
石田さんが(2021年)1月25日、オンライン会見を開いて明らかにした。 |
抗議文は(2021年)1月24日付。 |
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本日(2021年1月28日)、マスコミ各社は一斉に、札幌市教育委員会が下した判断をつたえました。
(例)
(2021年1月28日 共同通信「28年前のわいせつで、教諭免職」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2021年1月28日 共同通信
札幌市教育委員会は28日、記者会見し、28年前に教え子にわいせつ行為をしたとして、市立中学の佐藤正人教諭(56)を懲戒免職処分にしたと発表した。 |
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事案発生から長期間を経て異例の処分を出した。 |
市教委は「長い間つらい思いをさせた。おわび申し上げる」と謝罪した。 |
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(再掲。共同通信。2021年1月28日)
「28年前に教え子にわいせつ行為をしたとして、市立中学の佐藤正人教諭(56)を懲戒免職処分にした」
民法724条後段がある以上無理な請求
依頼者の強い希望があっても
法的に厳しいものは厳しいと伝え納得させるのも
弁護士の仕事と思います
26年前に中学教師から受けた「性被害」、訴えた教え子が敗訴 「時間の壁」越えられず|弁護士ドットコムニュース https://t.co/tEboeWPRof @bengo4topicsさんから— 弁護士 髙橋裕樹(アトム市川船橋法律事務所代表) (@ichifuna_law) August 23, 2019
(再掲。ツイッター)
「無理な請求」
「依頼者の強い希望があっても法的に厳しいものは厳しいと伝え納得させるのも弁護士の仕事と思います」
石田郁さんは上述のような弁護士と邂逅しなくてよかったです。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2020年9月29日>
世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、 私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。 |
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泣き寝入りをしなければ道はひらかれる、ということをあらためて教えられました。
石田郁子さんの行動は崇高です。
高邁です。
こころから敬意を表します。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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