性暴力に関する「4つの無罪事件」以外でも、判決の見直しが進んでいます。香西咲さんたち被害者の戦いは、世の中の在り方を激変させました

2年前(2019年)の3月、4つの地方裁判所は、性暴力の犯罪に関していずれも、無罪の判決を出しました。

(参考。当ブログ)
2021年1月23日(※昨日)

この一連の不当判決は、全国でフラワーデモが起こる契機となりました。
その後、4件の無罪判決のうち3件が、上級審で、逆転有罪となりました。
詳細につきましては、昨日の当ブログをご覧ください。

「4つの無罪判決」以外にも、理不尽な判決は存在します。
本日は、すこし前に福岡県で起きた強姦事件についてみてみます。
朝日新聞の記事を参照します。

地裁が無罪判決

(2019年7月18日 朝日新聞「同居の養女と性交、男性に無罪 地裁『信用性に疑い』」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2019年7月18日 朝日新聞

18歳未満の養女と性交をしたとして、監護者性交等罪に問われた30代の男性に対し、福岡地裁は(2019年7月)18日、無罪(求刑懲役9年)を言い渡した。
溝国禎久裁判長は養女の証言が「信用性に疑いがある」と判断した。
男性は昨年(2018年)1月中旬~2月12日、福岡県内の当時の自宅で、同居する養女と性交したとして、昨年(2018年)6月に福岡地検が起訴した。
判決は、養女の証言を前提にすると「事件の約1年前から家族5人が密集して寝ているリビングで性交を繰り返していたことになり、他の家族が一切気付かなかった点は相当に不合理」と指摘。
当時、養女はインフルエンザにかかっており、男性が感染を覚悟したか、感染して体調が優れない中で性交したことになるため、「不自然さは否めない。養女が真に体験した事実を供述したのか合理的な疑いがある」と断じた。

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検察は控訴しました。

検察が控訴

(2019年7月31日 朝日新聞「18歳未満の養女と性交に無罪判決 福岡地検が控訴」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2019年7月31日 朝日新聞

18歳未満の養女と性交をしたとして、監護者性交等罪に問われた男性を無罪とした福岡地裁判決を不服として、福岡地検は(2019年7月)31日、福岡高裁に控訴した。

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8か月後、高裁は判決を出しました。

高裁判決

(2020年3月11日 朝日新聞「18歳未満の養女と性交、無罪破棄し差し戻し 福岡高裁」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年3月11日 朝日新聞

18歳未満の養女と性交したとして、監護者性交等罪に問われた30代男性被告の控訴審判決が(2020年3月)11日、福岡高裁であった。
鬼沢友直裁判長は「(被害者の)供述を適切に評価する審理が不足していた」として、一審・福岡地裁の無罪判決を破棄し、審理を地裁に差し戻す判決を言い渡した。

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供述の信用性を判断するには、被害を受けた精神的後遺症なども考慮する必要があるとして、一審を「被害者に対する十分な配慮に欠け、供述を適切に評価するための審理が不足していた」と結論づけた。

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弁護側は即日、上告した。

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高裁の結論は、地裁が審理をやり直せ、です。
被告側は上告しました。

最高裁の判断

(2020年9月12日 日本経済新聞「監護者性交、再び一審に 無罪破棄差し戻し確定へ」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年9月12日 日本経済新聞

最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は、14歳の養女に対する監護者性交の罪に問われ、一審の無罪判決が破棄された男(39)の上告を棄却する決定をした。
(2020年9月)11日付。
審理を福岡地裁に差し戻した二審福岡高裁判決が確定する。

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最高裁は、高裁の考えを支持しました。
地裁での裁判のやり直しが決定しました。

地裁での再審理がはじまる

(2020年12月23日 朝日新聞「養女と性交の罪、被告改めて無罪主張 一審無罪差し戻し」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年12月23日 朝日新聞

自宅で養女と性交したとして、監護者性交等罪に問われた福岡県の30代の男性被告の差し戻し審が(2020年12月)23日、福岡地裁(柴田寿宏裁判長)で始まった。
一審・福岡地裁の無罪判決を二審・福岡高裁が破棄し、審理を差し戻したもので、被告は改めて無罪を主張した。

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この日の公判で、検察側は児童相談所で養女が面接を受けた際の記録などを新たな証拠として提出した。

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地裁はどのような判断をしめすのでしょうか。

(再掲。朝日新聞。2020年12月23日)
検察側は児童相談所で養女が面接を受けた際の記録などを新たな証拠として提出した

ここではなしがかわります。
現在、法務省内で、刑法改正の審議がおこなわれています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

7回目の検討会(2020年10月20日)では、「司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方」に関して議論が交わされました。
詳細につきましては、過日の当ブログの記事をご覧ください。

(参考。当ブログ)
<司法面接について>
2021年1月9日
2021年1月10日
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(再掲。朝日新聞。2020年12月23日)
検察側は児童相談所で養女が面接を受けた際の記録などを新たな証拠として提出した

検察が提出した司法面接の記録は証拠として採用されるのでしょうか。
この事件とは関係なく、上述の刑法改正の検討会では、司法面接の記録の証拠能力について意見が割れていましたが。
地裁の判断に注目があつまります。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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日本では現在、性犯罪者を野放しにするな、との声が高まっています。
現在の刑法は、こうした声に応えることができません。
上述の検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の委員のひとりは、刑法改正についてつぎの意見をのべています。

(2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<4ページ>
2020年11月10日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

私も、性的自由が保護法益であるという考え方はもうやめて、人格的統合性とか性的尊厳というものが保護法益であると考える方が望ましいと思っています。
理由は幾つかあるのですが、今日この先で扱う他の論点や、今日扱わない論点に関係するところもありますので、それぞれの部分で触れたいとは思いますけれども、一つは、やはり、性犯罪がどのような犯罪であるのかを考えるときに、性的自由ということだけ言うと、単に被害者の意思に反することを行った犯罪にすぎないというイメージになってしまい、それは避けるべきだということです。
より重大なものを害する犯罪であることを、保護法益の表現の中に含めた方が望ましいだろうと考えています。
なぜ、保護法益を性的自由と捉えるよりも、人格的統合性といったようなもので捉えた方が、より重大な犯罪として性犯罪を理解することにつながるのかを考えてみますと、性的自由として捉えるときには、性的行為それ自体はニュートラルなものであるけれども、それに対する被害者の同意がないときに、初めて違法性・侵害性が生じるという考え方になり、それが一般的な理解になってしまっているかもしれませんが、そうではないだろうと思います。
この検討会が始まる前に出した意見書にも書いたことですが、本来、性的行為というのは、対等な人格的存在として相互に承認し合いながら人格的交流を行うべきものであるのに対して、一方が上に立ち、他方を下に見て、相手が自分に対して性的利益を提供して当然であるという考え方に基づいて、その上下関係を利用して性的利益を奪い取るというところに、性犯罪の本質があり、つまり、そのように性的利益の単なる入れ物として相手を扱うということに本質があり、そのように扱われて身体的侵襲を受けると、人格的統合性が害されるということなのではないかと理解しています。
そうしますと、客観的に一定の上下関係に基づいて行う性的行為それ自体に、既に侵害性があり、それに対する同意の有無を考えるという構造で理解すべきではないかと思います。
つまり、被害者の同意も、単に性的行為に対する同意ではなくて、上下関係に基づいて性的利益を奪われることについての同意がない限りは、同意は不存在であるとして扱うべきだと思います。
その意味で、今回見ていこうとしている要件の改正の話は、どのような上下関係を、それ自体、客観的に侵害性あるものとして処罰対象にするのかという観点から、従来の要件を、ぎりぎりどこまで広げられるかを検討する議論だと理解しているところです。

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圧倒されます。
刑法学者がこのような意見をのべるとは。
刑法の改正が待たれます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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