昨日、法務省の刑法改正検討会の第8回目の議事録が公開されました。暴行・脅迫要件の拡充は必定です。香西咲さんたちを蹂躙したやつらはおわりです

昨日(2021年1月13日)、刑法改正を審議する検討会(性犯罪に関する刑事法検討会)の第8回目の議事録が公開されました。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録公開
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>
2020年11月10日 第8回 性犯罪に関する刑事法検討会 ※議事録

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※巡目①)

早速(さっそく)、
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方
に関してどのような論議がおこなわれたのかをみていきます。
同論点の巡目の議論につきましては、先日の当ブログをご覧ください。

(参考。当ブログ)
<不同意性交罪の新設について>
2020年12月6日(※前段の意見)・・・・・・第4回目の議事録を参照
2020年12月7日(※意見①)・・・・・・第5回目の議事録を参照(1)
2020年12月8日(※意見②)・・・・・・第5回目の議事録を参照(2)
2020年12月9日(※意見③)・・・・・・第5回目の議事録を参照(3)
2020年12月10日(※意見④)・・・・・・第5回目の議事録を参照(4)
2020年12月11日(※意見⑤)・・・・・・第5回目の議事録を参照(5)

2020年11月10日 第8回性犯罪に関する刑事法検討会

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について
巡目の論議)

<1~2ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

それでは、議事に入りたいと思います。

前回会合でも申し上げましたとおり、本日からは、巡目の検討に入ることとし、まず、
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」
について、その後、
「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」
について、議論することとしたいと思います。

一巡目の検討は、本検討会において検討すべき論点を記載した資料12に沿って、各論点について一通りの御意見を頂く方法で進めてまいりました。

二巡目の検討も、基本的には資料12の論点・項目の順番に進めたいと考えておりますが、二巡目の検討では、議論を更に深めていく必要がありますので、一巡目での検討で頂いた御意見を土台としつつ、より突っ込んだ議論を積み上げていきたいと考えております。

本日配布いたしました意見要旨集は、各論点・項目の下に小見出しを付けておりまして、これまでの御意見を議論の際の観点ごとに整理したものとなっております。

このような観点を意識して議論することにより、一巡目よりも更に突っ込んだ議論をかみ合う形で行うことができると思いますので、本日の議論は、この意見要旨集に沿って進めることにしたいと考えております。

もちろん、議論のための観点は、今回の意見要旨集に記載したものが全てではないと思いますし、異なる観点ないしは違った角度からの御意見も頂けますと、議論が更に深まることになると思います。

限られた時間の中で、できるだけ多くの委員の方に御発言いただけるようにしたいと思います。

これまでの議論でも、すぐ時間切れになってしまって、思うように意見を述べられなかったという御不満をお持ちの委員もいらっしゃるかもしれません。
そういう意味で、過去の議論との重複を避けるためにも、また、なるべく各委員の御意見をコンパクトに御発言いただく、あるいは、まとめて御発言いただくためにも、意見要旨集を手元に置いて、必要に応じてこれを引用するなどして御発言いただくことをお願いしたいと思います。

早速、一つ目の大きなテーマであります
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」
についての検討に入ります。

この論点については、まず、意見要旨集第1の2の「(1)」、すなわち、
「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか」
という項目につき議論することとしたいと思います。

この項目については、一巡目の検討で、この意見要旨集
「① 保護法益」、
「② 処罰すべき性交等の範囲についての基本的考え方」、
「③ 暴行・脅迫等の要件の撤廃や「不同意」を要件とすることの要否・当否」
という観点から御意見を頂いております。

これらと同じ観点について別の御意見や反対する御意見がある場合は、例えば、「③について」などと、どの観点からの御意見であるのかを明示していただき、また、これまでに述べられていない観点からの御意見や、他の論点と関連するような御意見の場合には、そのことを明示して御発言いただければと考えます。

それでは、御意見のある方は、御発言をお願いしたいと思います。

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<2ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

「① 保護法益」についてなのですけれども、性犯罪は心身の境界線の侵害であり、身体の統合性を破壊する行為であるという意見を入れてくださり、ありがとうございます。

参考
〇 性犯罪は心身の境界線の侵害であり,身体の統合性を破壊する行為であって、性犯罪の被害者は、自由意思を侵害されただけでなく、自分の心身が踏みにじられ,自分の体が犯罪の現場になったことに苦しむということを踏まえ、心身に関わる内容を保護法益に加えるべき

次の「〇」の
「性犯罪の保護法益は、性的自由・性的統合性であり、これを侵害すれば犯罪が成立すると考えるべき」
についてなのですが、保護法益は、何を保護するのかということを考える非常に重要な概念だと思っています。

性的統合性という言葉を初めて聞きましたので、こちらは、小島委員から出た発言だと思いますけれども、どのような定義であるのか、何を含んでいるのかということをお伺いできればと思います。

看護師なので医療職としてお伝えしますと、医療の場では、全体は部分の総和ではないというふうに言われます。

心臓などの内臓や骨や筋肉を集めても、それで心身が機能するわけではなく、生命システムを働かせるための神経系の統合が重要であるという理解です。

性暴力のような外傷的出来事を察知すると、より古い神経回路の働きが優位になり、新しい脳機能等の統合性を失うということから、国連では身体の統合性と性的自己決定権の侵害を性暴力として定めております。

そのような身体の概念が、こちらの性的統合性の保護法益の中に取り入れられているのかも、併せて伺えればと思っておりますが、いかがでしょうか。

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<2~3ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

保護法益の内実について、一巡目の議論では、身体の統合性、あるいは、性的統合性というものを考えるべきだという御発言があり、今、山本委員からは、身体の統合性ということについて御説明いただきました。

統合性というのは、インテグリティーということですかね。

小島委員は性的統合性という言葉をお使いになっているということで、その趣旨について少し御説明いただきたいということでしたが、小島委員、よろしいでしょうか。

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<3ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

性的統合性というのは、スウェーデン法やカナダ法などで、保護法益として言われていることでございまして、性的自由や性的自己決定権より少し広い概念として捉えられています。

各法制について、専門の先生方から教えていただきたいのですけれども、性的自由より広い概念で、被害者の尊厳とか自律とかまで含んだ概念として考えております。

身体の統合性について入っているかどうかということですが、もちろんその中に含まれているという理解でおります。

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<3ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

もしよろしければ、私からも小島委員にお伺いしたいのですが、通説は、性的自由や性的自己決定権を性犯罪の保護法益として理解してきました。

性的自由や性的自己決定権という理解と性的統合性という理解とで、どのような相違が生じるかにつきまして、具体的に御説明を頂けますと幸いです。

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<3ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

小島委員は、先ほど、性的統合性は、性的自由や自己決定より広い概念であるとおっしゃいました。

例えば、こういう事例だと、性的自由や自己決定の観点からは説明がしにくいけれども、性的統合性という概念であれば説明できるのだというような、何か具体的事例を幾つか挙げられて内容を御説明いただけると、とても有り難いですが、小島委員、いかがですか。

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<3ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

過失犯の処罰等を考えるときは、性的統合性の方が考えやすいのかなと思いました。

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<3ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

過失犯処罰というのは、同意に関する過失責任を問うということですか。

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<3ページ>
2020年11月10日 小島妙子 委員(弁護士)

相手方に対して性的な行為をするときに必ず同意を取らなくてはいけない義務を課すというようなことを考えたときには、性的自己決定というよりは、もう少し広い概念で捉えた方が、保護法益として説明がしやすいのではないかと思います。

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<3ページ>
2020年11月10日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

ありがとうございます。

多分、通説の立場からも、性的自由や性的自己決定権を保護法益とする以上、意思に反する性行為は違法であって法益侵害と評価されるはずです。

したがいまして、過失犯を処罰するか否かという問題と、保護法益をどのように解するかということは、私の理解では直結しないような印象を持っておりましたが、この点については更に勉強したいと思います。

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<3ページ>
2020年11月10日 木村光江 委員(東京都立大学教授)

私も、どちらかというと、尊厳のようなものも保護法益に含むべきではないかと思うのですけれども、そのときに、自己決定とどこが違うかということなのですが、実は、前回の改正の際、地位・関係利用類型の主体を「現に監護する者」に限るという議論のときに、自己決定を強調することにより、やはり圧倒的に生活を支配していて、子供の自由を奪うようなものでなければ、きちんとした法改正ができないというような議論があったのですね。

自己決定といいますと、暴行・脅迫などもどうしても強いもの、自己決定を凌駕するようなものでなくてはいけないということになるので、どうしてもその要件の要否や程度の問題と関連してくるような気がします。

ですから、別に過失までいかなくても、暴行・脅迫要件をより弱いものでもいいというふうに議論するのであれば、尊厳のようなものも含めて考えた方がいいと思います。

それと、少し先走りますけれども、例えば、先ほど申し上げた親以外の者も含むかというときにも、やはり尊厳のような議論をした方が、広げやすいのではないかというふうに思いました。

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<4ページ>
2020年11月10日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

私も、性的自由が保護法益であるという考え方はもうやめて、人格的統合性とか性的尊厳というものが保護法益であると考える方が望ましいと思っています。
理由は幾つかあるのですが、今日この先で扱う他の論点や、今日扱わない論点に関係するところもありますので、それぞれの部分で触れたいとは思いますけれども、一つは、やはり、性犯罪がどのような犯罪であるのかを考えるときに、性的自由ということだけ言うと、単に被害者の意思に反することを行った犯罪にすぎないというイメージになってしまい、それは避けるべきだということです。
より重大なものを害する犯罪であることを、保護法益の表現の中に含めた方が望ましいだろうと考えています。
なぜ、保護法益を性的自由と捉えるよりも、人格的統合性といったようなもので捉えた方が、より重大な犯罪として性犯罪を理解することにつながるのかを考えてみますと、性的自由として捉えるときには、性的行為それ自体はニュートラルなものであるけれども、それに対する被害者の同意がないときに、初めて違法性・侵害性が生じるという考え方になり、それが一般的な理解になってしまっているかもしれませんが、そうではないだろうと思います。
この検討会が始まる前に出した意見書にも書いたことですが、本来、性的行為というのは、対等な人格的存在として相互に承認し合いながら人格的交流を行うべきものであるのに対して、一方が上に立ち、他方を下に見て、相手が自分に対して性的利益を提供して当然であるという考え方に基づいて、その上下関係を利用して性的利益を奪い取るというところに、性犯罪の本質があり、つまり、そのように性的利益の単なる入れ物として相手を扱うということに本質があり、そのように扱われて身体的侵襲を受けると、人格的統合性が害されるということなのではないかと理解しています。
そうしますと、客観的に一定の上下関係に基づいて行う性的行為それ自体に、既に侵害性があり、それに対する同意の有無を考えるという構造で理解すべきではないかと思います。
つまり、被害者の同意も、単に性的行為に対する同意ではなくて、上下関係に基づいて性的利益を奪われることについての同意がない限りは、同意は不存在であるとして扱うべきだと思います。
その意味で、今回見ていこうとしている要件の改正の話は、どのような上下関係を、それ自体、客観的に侵害性あるものとして処罰対象にするのかという観点から、従来の要件を、ぎりぎりどこまで広げられるかを検討する議論だと理解しているところです。

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<4ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

法的な言葉がよく分からないので、法的な言葉は他の委員の方に考えていただきたいのですけれども、先ほど和田委員もおっしゃっていたことではありますが、その人の意思や感情に反する性行為というのは、対等な人間であるというのが認められないことにより、その人の尊厳とか、その人が人であるということ自体を踏みにじることだと思うのです。

そういったニュアンスが入っているような保護法益ということで是非考えていただきたいというふうに思いますし、自己決定といったときに、小さい子供の被害などをどうやって捉えるのかということがありまして、山本委員や小島委員が言っていたような、身体の境界線の侵襲であるとかというようなニュアンスが入っていると、心理としては、とても実際に近くなるのではないかということを考えました。

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<4~5ページ>
2020年11月10日 池田公博 委員(京都大学教授)

先ほど和田委員の御指摘の中で、同意の対象というお話が出たことに関連して、「②」の
処罰すべき性交等の範囲についての基本的考え方
について、意見を申し上げたいと思います。

この点については、同意を得ていない性交等を対象とすべきであるという御意見が、冒頭にも示されているとおりですけれども、

参考
〇 被害者から明確な同意を得ていない性交は犯罪となるべき

他方で、この部分でいいますと、四つ目の「〇」の御意見にもあるように、

参考
〇 「不同意」という言葉自体がかなり幅のある概念であり、例えば、一定の関係を有する相手の要求に対し、悩んだ挙げ句に最終的に性行為を甘受するに至った場合には、被害者の心理状態は多様であり、どこまでが「不同意」といえるかが明確ではないように思われるし、結婚すると偽ってだまして性交した場合に、被害者が錯誤に陥っており有効な同意がないとして犯罪の成立を肯定することは適当ではないから、どこまでを処罰すべきかという点については踏み込んだ議論が必要

同意のないこと、ないしは不同意という言葉自体が、かなり幅のある概念であって、その中には処罰すべきかどうかについて意見の分かれ得るものも含まれてくるように思います。

特に、この御意見にも示されておりますけれども、結婚すると偽ってだまして性交した場合などのように、錯誤に陥って同意をしたような場合にまで、同意がないとして処罰するのは適当ではないという考え方もあり得るところではないかと思います。

そこで、不同意の性交として処罰すべきものを、どのようなものとして考えるべきか、何についての同意が欠けることが問題なのかということについて、特に不同意の性交を処罰すべきとの御意見をお示しになられている委員からの御意見も伺いながら、議論していく必要があるのではないかと思っております。

その上で、処罰すべき範囲を念頭に置きながら、それを的確に表現する処罰規定の在り方として、どのような要件を規定するべきかということを考えることになるのではないかと思います。

——————————————————–

<5ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

保護法益につきましては、幾つか非常に示唆に富む御発言をいただいたわけですが、非常に抽象的なレベルでの議論でもありますので、今後、具体的な論点を考えるときに、それぞれのお考えがどういうふうにそこに反映してくるのかということについて、具体的な形でもって議論を展開していただけますと大変有り難いと考えております。

それぞれの保護法益論の理解により、このように考えるからこそ、こういう結論になるという形で御発言いただけると、それぞれの見解の趣旨が明確になるかと思います。

池田委員からは、不同意という場合の不同意の内容がいま一つ明らかでない面があるので、それを明らかにしていただきたいという御発言がありました。

——————————————————–

<5ページ>
2020年11月10日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

今お話のありました「②」の四つ目の「〇」に関してですけれども、

参考
〇 「不同意」という言葉自体がかなり幅のある概念であり、例えば、一定の関係を有する相手の要求に対し、悩んだ挙げ句に最終的に性行為を甘受するに至った場合には、被害者の心理状態は多様であり、どこまでが「不同意」といえるかが明確ではないように思われるし、結婚すると偽ってだまして性交した場合に、被害者が錯誤に陥っており有効な同意がないとして犯罪の成立を肯定することは適当ではないから、どこまでを処罰すべきかという点については踏み込んだ議論が必要

例えば、私が考えるものとしては、一定の関係を有する相手の要求に対して、対等に話し合った上で、あるいは、関係を深めた上で性行為に同意した場合には、同意があると思います。

ただ、対等ではない関係性の中で、逃げられない状況で説得されて受けざるを得なくなったならば、それは同意がない行為ではないかと思います。

また、結婚すると偽ってだまして性交した場合とありますけれども、例えば、13歳の子供に対し、成人した人間が結婚すると偽ってだまして性交した場合には、処罰されるべきだと思います。

この場合、性行為に対する同意について、理解力の差であるとか、力関係の差を利用しているというふうに考えられるためです。

一方、成人同士であり、性行為の理解力や力関係の差がなく、結婚すると偽って性交した場合は、深刻な裏切りで、被害者は大きく傷つくので、もちろん臨床心理としては、心理のケアの対象となりますけれども、それは、先ほど述べたような理解力の差や力関係の差というのを利用したものとは、少し違うのかなというふうに考えております。

——————————————————–

<5~6ページ>
2020年11月10日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

今の論点に付け加えてということですが、私も法律用語が分からないので、その辺は理解していただければと思います。

実は、問題になっていることは、大きく分けて二つ違う類型があって、一つは、自己決定ができないところまでパワーで追い込まれて、抵抗ができなかったり、あるいは、不同意だということが言えなかったりしているようなケース、例えば、今でしたら、性的虐待の子供のケースとか、あるいは、突然の行為に対する生物学的な反応で抵抗ができない、こういう場合は、自己決定という概念に全然当てはまらない状況であるのに、拾えていないということがあると思います。

もう一つは、今おっしゃった同意・不同意ということが表に出てきて、問題になる場合なのですけれども、そこでの同意・不同意の問題と、自己決定そのものが侵される場合というのが、私たちがうまく拾えていないものがあって、それを上手に拾っていただけるような改正がなされればいいと思っております。

——————————————————–

<6ページ>
2020年11月10日 渡邊ゆり 委員(東京地方検察庁検事)

実際に法を適用する立場から、感想を申し上げたいと思います。

「③」で暴行・脅迫要件を撤廃することについての御意見がございますけれども、以前にもお話ししたように、実際に、被害者の方が同意していないということは、被害者からお話を伺って、あるいは、客観的な行動等を私どもが確認させていただくことで、確信に至るということはできるわけですけれども、被告人自身が、被害者が同意していると思ったという弁解をしているときに、その被告人の認識を明らかにするためには、暴行、脅迫、薬物、飲酒といった客観的な要素が非常に重要になってまいります。

先ほど齋藤委員の言われた年齢差、これも客観的な状況でございまして、被告人の認識を明らかにする重要なよすが(頼りとなるもの)になるわけでございます。

さらに、裁判所にそれを理解してもらうということも非常に大変です。

検察官は、立証責任を全て負っておりますので、非常にハードルが高いわけでございます。

不同意だけを要件とするということになりますと、例えば、欺罔ですとか様々な不同意があるというお話もございましたけれども、立証の対象が特定しにくいというのが、正直な感想でございます。

むしろ、私どもは、小西委員の御講義を数年前から伺ったりしていろいろと勉強してまいりましたけれども、そういったことで法曹関係者が被害者の方の心理を理解し、性犯罪における暴行・脅迫の意義を再構築していくことによって、裁判所にも御理解を頂いていくというようなことを進めてきたところでございまして、そういう意味では、立証という観点からしますと、今申し上げたような客観的なよすが(頼りとなるもの)がある方が、結論的に問題のある御判断を頂くことにならないで済むのではないかというふうに思っております。

——————————————————–

<6~7ページ>
2020年11月10日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

Springのアンケート調査でも、自分が性被害を受けたことを認識できなかった人が、挿入を伴う被害を受けた人の半数近くいました。

臨床現場でも、やはり数年間、あるいは10年、20年たって、自分が被害を受けたということが認識できるようになったという人は多いわけです。

それは、やはり、今の日本の刑法の性犯罪の中での扱われ方が、非常に対等でなく、意思に反していて、強制性があるという、そういう性暴力の本質と離れたところに、このルールとしての定めがあるからではないかというふうに思っています。

ですので、どのような文言にするかというのは、これから議論されると思いますけれども、不同意の徴表というふうに言われるのであれば、やはり同意がないということ、意思に反しているということを前面に出して、それを、被害者も加害者もお互いに認識できるようにならないと、実務上の問題で、加害者が故意がないと言って、それが認められれば犯罪にならないという状況は解決しないのではないかなと思います。

——————————————————–

<7ページ>
2020年11月10日 井田 良 座長(中央大学教授)

これまでの議論の中で、特に池田委員と渡邊委員の御意見の中に、一つのポイントになるべき重要な御指摘があったように思われます。

この検討会の課題は、不同意性交のいろいろな形を過不足なく捉えて文言化した規定の提案を行うということであり、それが我々に求められているところだと思うのですけれども、ただ単に、同意を得ずにとか、不同意であるという言葉を裸で条文に書くと、結婚すると偽って、あるいは、お金を払うと偽って関係を持ち、後にその望みをかなえなかったという欺罔類型のケースのように、現在だと177条の文言により排除されているものが入ってきてしまう可能性がある。

そこで、そうした類型の事例が入らないような文言にするためには、同意を得ずとか不同意とかと条文に書くのでは適切でない、こういう問題提起であったと思います。

この点は、とても大事なポイントだと思いますので、御意見を頂ければと思うのですけれども、いかがでしょうか。

——————————————————–

この論議はまだつづきます。
つづきは明日のブログでみてみます。

(再掲。木村光江 委員。2020年11月10日)
暴行・脅迫要件をより弱いものでもいいというふうに議論するのであれば、尊厳のようなものも含めて考えた方がいいと思います

(再掲。和田俊憲 委員。2020年11月10日)
従来の要件を、ぎりぎりどこまで広げられるかを検討する議論だと理解しているところです

(再掲。池田公博 委員。2020年11月10日)
処罰すべき範囲を念頭に置きながら、それを的確に表現する処罰規定の在り方として、どのような要件を規定するべきかということを考えることになるのではないかと思います

(再掲。渡邊ゆり 委員。2020年11月10日)
客観的なよすが(頼りとなるもの)がある方が、結論的に問題のある御判断を頂くことにならないで済むのではないかというふうに思っております

山本潤委員は後日(2020年12月15日)、「暴行・脅迫」要件の拡充の件に言及しております。

(参考。当ブログ)
2021年1月12日

昨年(2020年)の12月15日に山本潤委員はこうのべました。
わたしたち性犯罪に関する刑事法検討会の各委員)としては、いま、たぶん、「暴行・脅迫」要件の見直しがいま必要だ、と思っているんですね
と。
「暴行・脅迫」要件が拡充されますと、AV出演強要犯を強制性交等罪(強姦罪)で処罰することが可能となります。

(例)
(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

しかし、アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。

そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪(強姦罪)や準強制性交等罪(準強姦罪)の適用についても問題にする余地があると思います。

このように、アダルトビデオの出演の場合、性的行為に応ずることと撮影に応ずることは同一の意思決定によって行われる場合が多いことから、まずは性的行為自体についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要になりますし、このような意味においては前回(第5回)の検討会で議論(※巡目の論議)しましたように、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件の意義についての議論を踏まえながら、更に性的行為自体に関する同意・不同意の限界について検討する必要があると考えます。

山本潤委員は上述の2020年12月15日に、
検討会がおわったら法制審議会にうつっていって、改正されないことはないのではないかな、と思うんですよね
とものべています。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

——————————————————–

日本は、現在、AV出演強要犯やセクハラ犯を野放しにしています。
一刻も早く性犯罪者たちに鉄槌を下してほしいものです。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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