刑法改正を審議する検討会の山本潤委員が、ネット番組で、現況について語りました(その2)。そう遠くない将来、香西咲さんたち被害者は、快哉を叫ぶことでしょう

法務省内でおこなわれている刑法改正の審議は、最終(三巡目)の検討に入ろうとしています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<審議状況>

2020年8月27日 第5回 ※議事録

現行法の運用の実情と課題(総論的事項)について
暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※一巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※一巡目)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※一巡目)

2020年9月24日 第6回 ※議事録

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※一巡目)
法定刑の在り方について(※一巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目①)

2020年10月20日 第7回 ※議事録

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※一巡目②)
公訴時効の在り方について
いわゆるレイプシールドの在り方について
司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方について

2020年11月10日 第8回 ※議事録(準備中)

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

2020年12月8日 第9回 ※議事録(準備中)

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目②)
いわゆる性交同意年齢の在り方について(※二巡目)

  
※2020年12月15日、山本潤さんがインターネット番組に出演
  
2020年12月25日 第10回 ※議事録(準備中)

強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について(※二巡目)
法定刑の在り方について(※二巡目)
配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について(※二巡目)

上述のとおり、二巡目の論議につきましては、まだ議事録が公開されていません。

(再掲)
2020年11月10日 第8回 ※議事録(準備中)

暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について(※二巡目)
地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について(※二巡目①)

この8回目の検討会のあと、委員のひとりである山本潤さんが「ポリタスTV」に出演されました。

(参考。当ブログ)
2021年1月11日(※昨日)

二巡目の論議はどのように進んでいるのでしょうか。
本日もひきつづき、山本潤さんのインタビュー動画をみていきます。

(2020年12月15日 「ポリタスTV『抗拒不能要件はなくなるのか?』|法務省で行われている性犯罪関連の刑法改正議論の現在地と、2017年改正で積み残された4つの課題について」より、引用。)

<46:09のあたりから>
2020年12月15日 津田大介さん(ジャーナリスト)

どうなんでしょう、これ。
この「暴行・脅迫」要件のところは――当然ですね、やっぱり、どうしてもその――同意の有無、ですよね。
不同意性交ともかかわってくるところだとも思うし。
まあ、ここがたぶん、おおきなところ、だとは思うんですけど。

性犯罪に関する刑事法検討会の)議論に参加していて、この「暴行・脅迫」要件の撤廃というところまでいけるのかどうかということもー
なんか、現時点での感触、というのはいかがでしょうか?

2020年12月15日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

わたしたち性犯罪に関する刑事法検討会の各委員)としては、いま、たぶん、「暴行・脅迫」要件の見直しがいま必要だ、と思っているんですね。
もともと、この強制性交等罪は、まあ準強制もふくめてですけれども、もともと、同意のない性行為とか、わいせつ――まあ強制わいせつ、って、わいせつ、なんですけれども――わいせつを処罰するためのものなんですよ、というのは言われています。

で、(法律家は)
不同意、っていうのが、表でみているだけだとわからないので、その不同意っていうのを、わかる、あらわす、と言うか、わかりやすくするために、こういうことがあったら不同意ですよね。『暴行・脅迫』があったら不同意ですよ

あと、
で、その、抵抗できない状態(抗拒不能)、本当に意識をうしなっているとか薬物を用いてそういう意識を失わせるような状況(心神喪失)にしたら、もうそれは不同意ですよね

っていうことで、不同意の徴表として、この2つでカバーされています

というのが法律家の言い分というかたちではあるんですよね。

ただ、先ほどみたように、不同意ー

この「暴行・脅迫」と、「抗拒不能」、「心神喪失」の隙間(すきま)に非常に落ちてしまっている。

「暴行・脅迫」もみとめられないし、抵抗できない状態(抗拒不能)でも認定されない、みたいなところで。

やはりこれは、ここを埋めていくものが必要なのではないか、ということで、弁護士さんたちの人権団体であるヒューマンライツ・ナウがこのようなかたちで、埋めるものとしていろいろな要件を出してくれているんですね。

(参考。ヒューマンライツ・ナウ)
【提言】私たちが求める刑法性犯罪規定改正案(改訂)

わたしもこの要件を検討会で、ぜひこういうことを入れてください、ということは発言しましたけれども。

(参考。2020年8月27日 第5回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録。)
山本潤 委員
その暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加え、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化することについては、第2回会議の際に配布された要望書の中に、ヒューマンライツ・ナウが提出した様々な要件があるかと思います
脅迫、威迫、不意打ち、偽計、欺罔、監禁を追加し、抗拒不能には、人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害、若しくは洗脳、恐怖、困惑、その他の状況により、特別に脆弱な状況に置かれている状況を利用し、又はその状況に乗じてという要件を追加することについて、私は支持したいと思います

たとえば、脅したとか、あとはその、ひと気のないところに連れ込んでいきなり襲いかかったとか、そういう不意打ち、とか。

あと、その、騙した――(検討会では)「欺罔」っていうようなことで言いましたけれども――騙して性行為に同意させた。

違う人間だと勘違いさせたり、とか、そういうこともあります。

あと、監禁した。

これが、加害者がこういうことをやって性交をした場合は罪に問えるようにする、という、そういう要件です。

「抗拒不能」、「心神喪失」は、被害者の状態なんですね。

意識がない、とか、抵抗できない、ちから関係の差があった、みたいな、そういうのが被害者の状態で。

で、結局、無意識である、っていうのが、先ほど、2019年3月の事件で、テキーラを飲まされて、意識ー
酩酊していた女性に対して性行為をして、(女性が目を開けたり何度か声を出したりしたことなどから)合意していると思った、ということで無罪になった事件がありましたけれども。

そういう認識状態のひとに対して、(性行為を)してはそれはアウトですよね、という要件にするとか。

あと、薬物を用いて意識を失わせて、あるいは意識を低下させて、性交した場合。

あとは障害者のかたに性行為を強要するというのも非常に起こっていますし、なかなか抵抗しづらいことが多い。
そういう疾患、障害を利用した場合。

あとは、洗脳とか恐怖によってやった場合、というふうに要件を定めて。
ちょっといまのままでは、「暴行・脅迫」、「抗拒不能」、「心神喪失」が、なんか、ひとのなかですごくこうー

なにが「暴行・脅迫」なのか。
(なにが)「抗拒不能」、「心神喪失」なのか。
すごいちがっているので。

愛知の無罪判決のように実父から実子、娘が性交されても、抵抗できない状態ではなかった、と言う裁判官もいれば、これは被害者ー
高裁では、こういうかたち自体が性被害、虐待が起こりうることなんだ、ということが認定されたので。

すごいばらつきがあるので、そのばらつきをひとつひとつ埋めていこう、というのがひとつ。

わたしたち自身は、やはり、それでも漏れ落ちるー
同意のない性交をうけながらもそれが性犯罪だとみとめられない状況があるので、不同意性交等罪というものを設立してほしい、ということをつたえています。
ただ、まあ、この、「はだか」の(おおいや飾りのない)不同意ですね。

不同意、というだけだと、なかなかー

もしかしたら、同意と思っているひとたちが処罰されるのではないか、とか。

よく言われるのが、やっぱり、あとからうったえられるのではないか、みたいなそういう心配の声であったりだとか。

あと、その、無実であるのに、自分は同意していると思っているのに相手は同意していない場合に犯罪者としてあつかわれてしまうのではないか、みたいなそういうことがあるんですけれども。

でも、もともと、冤罪はあってはいけないことだと思うんですよね。
なので、無実であるのに犯罪者とあつかわれてしまうことはあってはいけなくて。
行為が犯罪かどうかを裁判であきらかにしていく必要があることで、そのための刑事手続きをより公正なものにしていくことが必要だな、というふうに思っています。

あとからうったえられるのでは、ということは、やっぱり、同意というものを社会全体でー
セクシャルコンセント、とも言いますけれども、性的行為における「同意」ってなんなのか、っていうことをもっと議論を深める必要があるとも感じます。

性犯罪の処罰につきましては、現在、
「天網恢恢(かいかい)疎(そ)にして漏らさず」
(天の網は広大で目があらいようだが、悪人は漏らさずこれを捕える)
という状況にはなっていません。

(再掲。山本潤さん。2020年12月15日)
『暴行・脅迫』もみとめられないし、抵抗できない状態(抗拒不能)でも認定されない

やはりこれは、ここを埋めていくものが必要なのではないか

「暴行・脅迫」要件や抗拒不能要件の見直しは、AV出演強要問題にも影響をあたえます。

(例)
(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

このように、アダルトビデオの出演の場合、性的行為に応ずることと撮影に応ずることは同一の意思決定によって行われる場合が多いことから、まずは性的行為自体についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要になりますし、このような意味においては前回の検討会で議論しましたように、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件の意義についての議論を踏まえながら、更に性的行為自体に関する同意・不同意の限界について検討する必要があると考えます。

(再掲。津田大介さん。2020年12月15日)
現時点での感触、というのはいかがでしょうか?

(再掲。山本潤さん。2020年12月15日)
わたしたち性犯罪に関する刑事法検討会の各委員)としては、いま、たぶん、「暴行・脅迫」要件の見直しがいま必要だ、と思っているんですね

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

AV出演強要に関しましては、強制性交等罪(強姦罪)でなく、別の規定をあらたに設けて処罰する、ということも考えられます。
委員のあいだからそのような意見も出ております。
いずれにせよ、性犯罪者たちに未来はありません。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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