香西咲さんはいまも戦っています。AV出演強要については、「同意のない撮影として処罰」か「強制性交等罪や準強制性交等罪の適用」のいずれかで決着するような予感がします

3日前(2020年12月25日)に開催された第10回性犯罪に関する刑事法検討会で、
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
の検討がなされました。
巡目の議論となります。

(参考。当ブログ)
第10回性犯罪に関する刑事法検討会について
2020年12月26日(※一昨日)
2020年12月27日(※昨日)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中
・第11回(2021年1月28日開催予定)

3日前(2020年12月25日)の同検討会は、巡目の意見を整理した資料にもとづいて議論が交わされました。

(参考。巡目の意見を整理した資料)
性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集(第7回会議分まで)

上述の「意見要旨集」を作成したのは、井田良座長です。

(参考。2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<井田良 座長>
巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております

このようにすれば、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性についての認識共有が図られるとともに、巡目の検討においてどういう意見があったのかというのを相互に参照しやすくもなりますから、重複も避けつつ、更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになるのではないかというふうに考えます

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」を集約した意見要旨集をみてみます。

性犯罪に関する刑事法検討会
 意見要旨集(第7回会議分まで)

(2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集【第7回会議分まで】より、引用。)

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方

意見要旨集(第7回会議分まで)

8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
  
(1)他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか
  
④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為

新たな罪の処罰対象とすべき行為」の中身を確認します。

新たな罪の処罰対象とすべき行為

新たな罪の処罰対象とすべき行為

〇 撮影する行為によって視覚的情報が固定化され、データが拡散する危険性が生じるのであって、見る行為とは次元の異なる法益侵害性が認められるから、撮影という行為に着目した処罰規定を検討する必要がある
——————————————————–

〇 被害者には、撮影者の目的にかかわらず重大な被害結果が生じるから、強制わいせつ罪において必ずしもわいせつ目的が必要ではないとされたことも踏まえ、撮影の罪の構成要件としてわいせつ目的を要するものとすべきではない
——————————————————–

〇 被害者が泣き寝入りしないよう、撮影された画像を第三者に提供した者、譲り受けた者、インターネット上に拡散した者、売却して利益を上げた者も処罰の対象とする必要がある
——————————————————–

〇 新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、

①被害者に気付かれずに密かに性的な姿態を撮影する類型(撮影されていることの認識があれば同意しなかったと推定されるもの)、
②強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型(性交等に同意しておらず、当然、撮影にも同意していないもの)、
アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)

に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある
——————————————————–

〇 いわゆるアダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

(再掲。2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<井田良 座長>
巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行う
更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになる

同検討会は、刑法の性犯罪の規定をかえるかどうかの審議をおこなっています。
AV出演強要は、「新たな罪の処罰対象とすべき行為」の範疇に入りました。
更に突っ込んだ議論」が期待されます。

本日は、AV出演強要に関する巡目の意見をふりかえってみます。

井田良座長によるまとめ
被害者が泣き寝入りしないよう、撮影された画像を第三者に提供した者、譲り受けた者、インターネット上に拡散した者、売却して利益を上げた者も処罰の対象とする必要がある

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<1~2ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

(前略)
そして、撮影された画像の没収だけではなく、そのコピーを消去することや、画像を第三者に提供したり、譲り受けた人や、インターネット上に拡散した人、売却して利益を上げた人も処罰する必要があると考えています。

前回配られた資料によりますと、韓国では撮影したものを編集したり合成、加工したりする場合に5年以下の懲役又は5、000万ウォン以下の罰金とし、情報通信網を利用した場合というのは、恐らくインターネットに載せた場合ということだと思いますが、その場合には7年以下の懲役と厳しく処罰することとしており、非常に参考になると思います。
(後略。)

——————————————————–

井田良座長によるまとめ
新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、(略)、③アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<35~36ページ>
2020年9月24日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

一定の盗撮行為を処罰の対象とすべきだということについては、ほぼ異論のないところだと思います。
(略。)
これまでの御意見の中で処罰規定を設ける必要があるとされる様々な事案が指摘されていますが、それらは大きくは三つの類型に分けられるのではないかと思います。
第1は、被害者に気付かれることなく密かに性的姿態を撮影する類型です。
この場合は、被害者には撮影されていることについて認識がないわけですが、仮に認識していたとすれば同意しなかったであろうと推定されるという意味で、同意のない撮影ということになります。
ここには、典型的な盗撮のほか、性行為には同意しているけれども、それを撮影されているとは思っていなかったという事案なども含まれることになります。

第2は、強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型です。
この類型には、被害者が撮影を認識している場合としていない場合の両方がありますけれども、被害者は性交等について同意しておらず、そうである以上は撮影についても当然に同意しておりませんので、同意のない撮影ということになります。

それから第3は、アダルトビデオの出演強要のような事案で、欺罔や威迫によって、性的な姿態を撮影することに同意させられるという類型になります。
この類型につきましては、先ほど橋爪委員から御指摘があったように、欺罔や威迫による性行為等についても広く強制性交等罪等が成立するという規定を設ければ、第2の類型として処理することが可能なのですが、性行為等については、そこまでカバーする処罰規定を設けない場合には、撮影について同意に瑕疵があるということで、同意のない撮影として処罰の対象にすることも考えられるのではないかと思います。
また、この類型は、第2の類型とは違って、性行為等を行う者と撮影する者が別で、撮影者の主目的は撮影自体にありますので、第2の類型とは別個の類型として考えた方が実態に合うようにも思います。

ここでは三つの類型を挙げましたが、これ以外の類型も考えられるかもしれません。
いずれにしましても、処罰規定の創設を検討するに当たっては、処罰すべき類型を抽出した上で、その類型ごとに要件等を検討するという手順を踏む必要があるかと思います。

——————————————————–

井田良座長によるまとめ
いわゆるアダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<33~34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私も、性的な姿態を同意なく撮影する行為については、撮影されたデータが固定され、それが拡散する危険性があることに鑑みますと、被害者の利益を重大に侵害する行為であり、条例レベルの対応では必ずしも十分ではなく、刑法典としてこれを処罰する必要性が高いと考えております。

特に、撮影されたデータやその記録媒体を没収・消去の対象にするためにも、その前提として撮影行為を処罰対象に含める必要性は高いと思います。

以下、3点、簡単に思うところを申し上げます。
(略。)
第3点目として、アダルトビデオの出演強要問題について簡単に言及しておきたいと存じます。

問題を正確に理解していないかもしれませんが、この問題は、盗撮の問題とは異なる側面を有する問題であるような印象を持っております。

と申しますのは、盗撮行為であれば、性行為については同意があるけれども、撮影行為については同意がないというケースがままあり得るわけであり、それゆえ撮影行為を独立に処罰することの要否が問題となるわけです。

しかし、アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。

そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用についても問題にする余地があると思います。

例えば、被害者が抗拒不能の状態にあることに乗じて、被害者に服を脱ぐように命じて、裸の写真を撮影するような行為は、服を脱がせて撮影する行為全体を評価した上で、準強制わいせつ罪の適用を検討する余地があると思われます。

このように、アダルトビデオの出演の場合、性的行為に応ずることと撮影に応ずることは同一の意思決定によって行われる場合が多いことから、まずは性的行為自体についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要になりますし、このような意味においては前回の検討会で議論しましたように、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件の意義についての議論を踏まえながら、更に性的行為自体に関する同意・不同意の限界について検討する必要があると考えます。

——————————————————–

(再掲。川出敏裕 委員【東京大学教授】)
この類型(アダルトビデオの出演強要)につきましては、先ほど橋爪委員から御指摘があったように、欺罔や威迫による性行為等についても広く強制性交等罪等が成立するという規定を設ければ、第2の類型(強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型)として処理することが可能なのですが、性行為等については、そこまでカバーする処罰規定を設けない場合には、撮影について同意に瑕疵があるということで、同意のない撮影として処罰の対象にすることも考えられるのではないかと思います

(再掲。橋爪隆 委員【東京大学教授】)
アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用についても問題にする余地があると思います

上述のとおり、AV出演強要は、巡目の主たる論題となりました。
AV出演強要については、「同意のない撮影として処罰」か「強制性交等罪や準強制性交等罪の適用」のいずれかで決着するような予感がします。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

これまでの歴史が証明しているように、悪党の栄華は長続きしません。
悪はかならず滅びます。
これが世の習いです。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。