レイプシールドに関する法務省内の審議。日本では裁判の場で、被害者の方々が二次被害に遭っています。香西咲さんたちの正義を潰してはなりません

いまから2年前(2018年)のことです。
警察は、AVメーカーの社長ら2人を淫行勧誘罪(刑法第182条)で逮捕しました。
朝日新聞の記事を参照します。

(2018年8月7日 朝日新聞「もう一つの『#MeToo』 AV出演強要問題を考える」より、引用。)

2018年8月7日 朝日新聞

取り締まり強化を始めた警察にも悩みがあります。
出演強要が絡む事件で適用されるのは、労働者派遣法と職業安定法が大半。
撮影する性的な行為が「有害業務」だとの論理立てです。
しかし、AVではプロダクションが所属俳優に契約書すら渡していないなど、被害者を「労働者」と立証するのが難しく、罪の成立を妨げているケースもあります。
そんな中、警視庁は(2018年)1月、出演経験のない女性に出演を勧誘して性交させたとして、メーカー社長ら2人を刑法の淫行勧誘容疑で逮捕。

(参考。刑法182条)
営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する

AV出演へのこの容疑の適用は初めてで、支援者らは「撮影で被害者に性交させた時点で摘発できる道がひらけた」と期待を寄せました。
しかし、2人は不起訴処分になりました。
捜査関係者によると、被害者が裁判で思い出したくないことまで根掘り葉掘り聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらうケースも少なくないそうです。
不起訴にはこうした背景もありそうです。

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(再掲。朝日新聞)
被害者が裁判で思い出したくないことまで根掘り葉掘り聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらう

このときレイプシールド(強姦被害者保護)が確立していたら、被害者の女性は捜査に協力していたかもしれません。
悔やまれる事件でした。

現在、法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は、レイプシールドについても検討をおこなっています。
同検討会の7回目の議事録を参照します。

性犯罪に関する刑事法検討会

(論点)レイプシールドの在り方について

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<18ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

それでは,議論に入りたいと思います。
この論点(レイプシールドの在り方)について御意見のある方は、何でも結構ですので、御発言をお願いします。

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<18ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

弁護人が要証事実と関係ない性的なことで被害者をおとしめるということは、今でも法廷で行われています。
例えば、性的なことに関連して、被害者の職業について、被害とは全く関係ないということで公判前に裁判所・検察官・被告人側で合意したにもかかわらず、あえて弁護人が被害者の職業や活動について殊更に法廷で言及するということや、弁護人が被害とは無関係の被害者の既往歴に触れたために、被害者が体調を崩して休廷せざるを得なくなったというようなケースもあり、それらについて裁判所が漫然と放置しているケースがあります。
特に、既往症などについては、被害者がピルを飲んでいることを殊更に指摘する弁護人もおりまして、私も経験があるのですが、被害者支援団体の方から聞いた話だと、そういったケースはよく相談があるそうです。
このピルを飲んでいるというのは、要は性的に奔放な女性であると、妊娠をしないようにしているのだという趣旨で質問しているらしいのですけれども、ピルというのは、生理の調整をしたりとか、子宮筋腫を和らげる効果もあるということで、むしろ推奨されているという面もありますので、そういったことが考慮されずに法廷に普通に流れているという状況は放置できないと思います。

法廷というのは、被害回復にとって、とても重要な場所なのですけれども、そこで堂々と二次被害を生じさせるようなことが行われているということは、もう絶対に見過ごすことはできないと思っています。
これは、現状では裁判官の訴訟指揮に完全に任されている状態ですけれども、やはり裁判官によって訴訟指揮に相当な違いがあるということで、何らかの対応が必要なのではないかと考えています。

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<18~20ページ>
2020年10月20日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

レイプシールドについては、支援現場の視点から意見を述べさせていただければと思います。
私も警察官の方たちと会うことはよくあるので、全ての方がそうではないとは存じておりますけれども、被害を訴えたときに警察官から、「裁判になったら耐えられないような嫌な質問をいっぱいされるけど大丈夫。」とか、「昔のことをあれこれ持ち出
されて傷つくよ。」というふうに言われたということを非常によく聞きます。
そう言われて被害届を取り下げた被害者の方も何人もいました
裁判が過酷なプロセスなので、尋問に耐えられるかどうかという観点からふるい落とそうとしているのかなというふうに思いますけれども、そういう話を聞くたびに、被害者を黙らせて加害者の罪を問わないようでは、何のための司法なのかと思います。
被害者は、事件に関連することについて、事実を証明するために証言するのであって、そこで傷つけられ、二次被害を与えられるようなことは、あってはならないと思います。

関連性のない証言を求めることは制止ができるので、性的言動の証拠を採用してはならないとするレイプシールド法を制定する必要はないと言われますけれども、そうはなっていないから、警察官が裁判を諦めさせるようなことを言うのではないのでしょうか。

最高裁判決でも、逃げなかったことを理由に、2009年4月14日に強制わいせつで逆転無罪判決が出され、逃げなかったことを一つの理由として、2011年7月25日に強姦罪の逆転無罪判決が出されました。
控訴審の有罪判決における認定が経験則に照らして不合理と指摘されましたが、被害者心理や危機的状態に置かれた人間の反応を理解しておらず、レイプ神話に基づくジェンダーバイアスがあるとジェンダー法学者などからも指摘をされています。

提出資料である医歯薬出版株式会社発行の「フォレンジック看護-性暴力被害者支援の基本から実践まで」の30ページに、レイプ神話とその実態に関するWHO(世界保健機構)の報告が掲載されているのですけれども、こちらにも、セックスワーカーはレイプされないとか、男性は妻をレイプできないとか、被害を受けたらすぐに警察に届け出るということが世界で言われているレイプ神話として記載されており、警察でも、すぐに届けなかったから、あなたはその行為に同意していたのではないか、遊びだったのではないかというふうに言われることは、やはり起こっているのですね。
こういう誤った認識、バイアスは、システム全体に根を張っていて、私たちはその中に生きていると思います。
これまでいろいろな人と関係を持っているのだから今回も同意の下ではないかという推測を働かせて、被害者の訴えを信用しない、そういう司法の現場で起こっていることを認識して対応するということが、今後、非常に重要なのではないかと思います。
寺町東子弁護士に、国際刑事裁判所ローマ規程の適用に関する証拠手続規則というのを翻訳していただいて、そちらも資料として提出しています。
こちらに、「真の同意を与えることができない状態の被害者による言葉や行動によって、同意は推定できない。」とか、「当該行為の前または後の性的行動の証拠を採用してはならない。」という規定があり、不適切な質問がされないということをこの規則によって定めているのではないかと思います。
訴えることでいろいろなことを言われるのではないか、警察で嫌な質問をされるなどの情報もネットに載せられているので、それを検索して、訴えるのをやめておこうと思う。
やめたくてやめているわけではないのだけれども、それをすると自分の症状が確実に悪化する、若しくは、今の耐え難い心身の状態に更に打撃を受けたら、とてもではないけれど生きていけない、そのように思うから、やはり訴えることが非常に難しくなってしまうのだと思います。
ですから、司法のプロセスの中に統一した見解を示すためにも、不適切な質問がされないとか、同意について根拠のない誤った思い込みによる判断がされないように、同意の推測というのは、ローマ規程のように、このようなものは同意の根拠としてはならないということを示すようなレイプシールド法を制定していただければと思っています。
私たち被害当事者、また、現場でせっかく支援して、本人も訴える気持ちを持ったにもかかわらず、やはり取り下げざるを得ない現実に直面している支援者の人たちも同じ気持ちだと思います。

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<20ページ>
2020年10月20日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

現在でも、証明すべき点と関連性のないものは証拠として提出できないということは理解しているのですけれども、それでもやはり問題ではないかと思う点がございます。

1点目は、法律家ではない支援者の立場からは、なぜそれに言及されないといけないのか分からないことに言及される場合があることです。
先ほど上谷委員もおっしゃっていたことでもありますけれども、例えば、見知らぬ人から性被害に遭った女性の事案で、その女
性が風俗とか水商売の仕事に就いていたことが法廷で言及されるということがあります。
なぜ言及されなければならないかということが、やはり理解しづらいなというふうに思います。

2点目は、明確に禁止していないことによって、少なくとも警察の捜査の段階などで、被害者が二次被害的に言及されることがあるという点があります。
もちろん、私も警察の方とよく一緒にお仕事しますので、本当に丁寧に配慮して聞き取りをなさる方がたくさんいらっしゃるとは存じているのですけれども、やはり今まで経験した事案でも、(具体的事例を紹介)。
ヒアリングで、岡田実穂さんが、性的マイノリティーの人たちがSNSや出会い系を使っていたことをもって届出が受け付けられないことがあるということもおっしゃっておりました。
もちろん、関係性の中で被害が起きている場合に、その加害者との過去の関係が問題になることは分かりますけれども、それ以外の性関係がなぜ問題になるのかということは、やはり理解が難しいなと思う点がございます。
捜査上必要なことであったとしても、過去の性的な経験とか傾向が今起きている出来事の同意には関わらないのだということが、何らかの形で明確になったならば、尋ね方が変わるなどして、二次被害が減っていくのではないかとも思います。

3点目は、これは山本委員も言及していたことかと思うのですけれども、性被害に対する偏見や先入観はいまだ大きく、それが現在の社会や司法に影響していないかということです。
現在も、証明すべき点と関連性のないものは証拠として提出できないとされておりますが、その判断全体にバイアスがかかっている可能性というのはないでしょうか。
こうした問題を解決する方法としてどのような方法がいいのかというところには、なかなか考えが及ばないのですけれども、いわゆるレイプシールドの在り方について検討いただくとか、同時に司法関係の方々にレイプ神話、ジェンダー、セクシャリティーに関する研修を適切に行っていただくということも検討いただければと思っております。

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<20~21ページ>
2020年10月20日 小島妙子 委員(弁護士)

裁判所は十分やっているから大丈夫なのだという意見と、上谷委員を始め山本委員や齋藤委員のように被害者側からは、ひどい質問をされて、それにおびえて被害申告をやめようと思うぐらいの状況になっているのだという意見の両方を伺います。
実態については重要だと思うのですけれども、問題は、被害の申告を考えている人々に、刑事訴訟法でこういう規定になっているから大丈夫だと、ひどい尋問というのはされない、不必要な尋問はされないのだということを、条文とか明確なテキストの形で示していって、説明できるようにしていくとよいのではないか。
被害者を励ますような刑事訴訟法であってほしいと思います。

もう一点は、次の論点である司法面接の導入との関係でも重要なのではないかという点です。
司法面接制度を導入するとしても、反対尋問権との対立の問題になってくる。
そうすると、反対尋問の在り方というのが問題になってくると思います。
この点から、レイプシールド法、不適切な反対尋問がなされないという法律ができているということが、重要なのではないかと思います。

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<21ページ>
2020年10月20日 中川綾子 委員(大阪地方裁判所部総括判事)

裁判官の立場から、二点申し上げたいと思います。

どのような証拠が公判に顕出されるかは、事案の内容や争点によって異なりますので、一概には言えないところではありますが、例えば、被害者の証人尋問で、弁護人から被害者の性的な経験や傾向が質問され、検察官がその質問は事件に関係がないと考える場合には、質問に対して異議が出されることになると思います。
その場合、裁判所は、弁護人の意見を聴いた上で、その質問が事件と関係がない質問であると判断すれば、その質問を認めず、質問を変えてもらうというような措置を採ることになります。
また、仮に事件のために必要な質問であったとしても、質問の方法などが被害者を侮辱するようなものであるような場合には、質問の方法を変えてもらったり、質問を止めさせたりすることもあると思われます。
これが1点目です。

それから、2点目、レイプ神話の話がありました。
その関係ですが、被害者の方が証人尋問を受ける際の心理状態ですとか、裁判で配慮が必要な事項につきましては、司法研修所で行われる専門家の講演で研修も受けております。
質問の仕方などについて工夫するようにというふうに伺っています。
バイアスとかレイプ神話の関係につきましても、その講演の中で、性被害に対する先入観とか偏見があるのではないかというような講演もお聞きしております。
性犯罪被害者の心理と刑事裁判という御講演の中で、やはりレイプ神話に触れられていました。
女性に対するレイプ神話、それから男性に対するレイプ神話、両方触れておられました。
そういう講演などを伺う中で、私自身も含め、裁判官は自分自身がそうした偏見やバイアスを無意識のうちに持っていないかどうか、改めて確認をしております。
自分がその偏見に基づく不当な扱いをしていないかとか、二次被害を与えていないかというようなことを、常に心に留めながら努力しているところであります。

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<21~22ページ>
2020年10月20日 宮田桂子 委員(弁護士)

今まで裁判例の中で、例えば水商売に従事しているからといって、同意があったことにはならないのだというような形で判例が集積されておりますので、そのような被害者の属性そのものが一つの立証事項として重要だなどと考えている弁護人は恐らくいないだろうと思います。
しかしながら、事件の中には、そういうものに言及せざるを得ないものもあります。
例えば、売春の客と売春をする主体の関係にあり、支払う金額のことでもめた、だから被害を申告されたというような事例、あるいは、出会い系サイトで出会って性的な関係、一時的なラブアフェア、情事を楽しんだと、しかしながら、それが家族にばれた、夫にばれた、恋人にばれたというような事情があったために、同意はなかったのだ、無理にされたのだという話が出てきたとき、そうではなくて、こういうところで知り合って、こういう関係が過去にもこの人とはあって、という立証をせざるを得なかった事例なども聞いております。
あるいは、これは性交同意年齢の問題にも関わるかもしれませんけれども、比較的若い被害者が非常に性的な問題に対して関心を持っている、だから積極的に自分から男性と関係を持とうとしたという事例だということを立証しようと思えば、その被害者が性的な関心度が高かったことも争点にせざるを得ないということがございます。
つまり、被害者の属性について、どうしても争点にせざるを得ない、そこが正に同意があったかどうかの境目になる、という案件というのは存在するのです。

裁判所の訴訟指揮が悪いという御意見がありましたけれども、現在、裁判は当事者主義の下で行われております。
つまり、裁判所は、最初は起訴状しか分からない。
公判前整理手続に付された事件の場合には、裁判所もあらかじめ争点について御存じですが、そうではない事件については、裁判所は争点については御存じない状態で裁判に臨んでいます。
そういう場合に、弁護人がそういう性的な事項に関わる質問をしたとき、裁判官としては、これが争点に関わり合いがあるのかないのかが分からない、検察官が異議を出さずにスルーしてしまったら、これは争点なのかなと思いながら聞いていて、最後に、やはり争点ではなかったのではないかと、裁判官が気付くという事件もあるわけです。
つまり、公判前整理手続に付した事件はともかく、そうではない事件の場合には、反対尋問の際にもしも不適切な質問があったのであれば、「それは関連性のない質問です。」、「証人を侮辱するような質問です。」、あるいは、「裁判官に対して予断や偏見を与えるような質問ではありませんか。」という形で、検察官が適切に異議を述べなければならない。
しかしながら、それがないままにスルーされている事件があるのではないか
そして、それが裁判所の訴訟指揮が悪いという裁判所批判になっている事例もあるのではないかという気がいたします。

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<22~23ページ>
2020年10月20日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

今、宮田委員から御指摘がありましたように、被害者の性的な経験や傾向を立証することが被告人の防御にとって必要な場合があるのであれば、その立証を一切認めないということは許されませんので、仮にレイプシールドに係る立法をするとしても、現在の運用、つまり、関連性とか証拠調べの必要性のない証拠の取調べを認めないとか、あるいは、不相当な質問は認めないといったことを確認する規定を置くことになるのだろうと思います。

外国にはそのような規定を設けているところもあるわけですが、例えば、資料50で挙がっているアメリカの連邦証拠規則などを見てみますと、レイプシールドの規定は、関連性についての一連の規定の中の一つのカテゴリーとして定められています。

仮に、我が国でレイプシールドについての規定を設けるとすれば、これと同様に、例えば前科証拠の扱いなども含めた形で規定を設けるのが筋であり、レイプシールドに関してのみ明文規定を置くというのであれば、やはり相応の理由が必要であろうと思います。
その上で、どのような場合にレイプシールドについてだけ確認規定を置くことが正当化されるかですが、考えられるとすれば、配偶者間の性的行為の処罰規定の在り方についての議論の際に指摘されていたのと同様に、実務上、被害者の性的な経験や傾向に係る証拠の関連性や証拠調べの必要性について誤った理解、解釈がなされている可能性があるので、それが誤ったものであることを立法によって明示するということであろうと思います。

そうしますと、先ほど、弁護人側から関連性のないような質問が出されるのに対して、裁判所がそれを漫然と放置しているという実情があるという御紹介がありましたが、そのような例が現にあるとして、それが、関連性や証拠調べの必要性についての裁判所の理解が誤っていることによるものなのか、それとも、その理解自体は誤っていないけれども、個別の事件における判断を誤ったことによるものなのかを明らかにする必要があります。

仮に、裁判所の関連性等の理解自体が誤っているということであれば、それを正すという意味で、特別な規定を置く意味が出てきますが、そうではなく、個別の判断の誤りということであれば、立法をするよりも、例えば、裁判所内部で研修を行うとか、あるいは、一歩進んで運用面における指針のようなものを作るといった形で対処すべき問題なのではないかと思います。

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<23ページ>
2020年10月20日 金杉美和 委員(弁護士)

私も、一般的にこのレイプシールド、性的な経験や傾向に関する証拠を法廷に顕出することを禁止するという規定を置くのは、行き過ぎだと考えています。
まず、二つ考えられると思うのですが、客観的な証拠、書証であるとか物証であるとかの証拠の提出に関しては、あらかじめ検察官が意見を述べて、関連性がないものであれば、検察官が不同意にする、あるいは、証拠の関連性に異議を述べるという形で裁定を経ることになります。
その上で、裁判所が、関連性があるものであれば採用するという判断をすることになるわけなので、そこで全く関連性がないものは排除されると思います。
一番問題になる尋問の場面ですけれども、これについても、やはり、先ほどの上谷委員の御指摘のような事案であれば、もちろん不適切だと思いますけれども、裁判所が漫然と放置する前に、恐らく検察官も異議を言うということもあるのだと思います。
検察官の異議、あるいは裁判所の裁定という判断が適切になされているのであれば、つまり、運用面で問題がないのであれば、そこで遮られるはずの質問だと思います。
関連性がないものが遮られるべきは当然ですけれども、関連性のある証拠、その事件にとってその性的な経験や傾向に関する質問が必要である場合にまで、それを遮られるというのは、憲法で保障された、全ての証人に十分に審問する機会が与えられるべきという反対尋問権を制限するものであって、やはり認められないと思います。

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<23~24ページ>
2020年10月20日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

まだ御説明いただいていない資料にはなってしまうのですが、資料57には、イギリスにおける特別措置のガイダンスが書かれていまして、その8ページ以下にグラウンドルールについての記載があります。
これを見ますと、イギリスでは、脆弱証人、性犯罪被害者はこれに当たり得るということですけれども、それが関わる事件においては、事前にグラウンドルールを決めるという手続があるようでありまして、その中では、証人の性的遍歴に関する質問を制限することであるとか、あるいは、侮辱的な言葉を使用することに対するコントロールを決めることができるという制度が設けられているようであります。

我が国でもこれと同じような制度を設けるというのは一つの方法かもしれませんし、正式な制度にまでしなくても、現行法の運用の中で、より積極的にそういうことを実現していくことが考えられると思います。

具体的には、被害者の性的な経験に関する証拠の提出だとか、尋問が問題となり得るという事案は、当然、あり得なくはないわけですけれども、公判前整理手続だとか事前の打合せで、そういう証拠提出の範囲や尋問の範囲をあらかじめ明確に決めるようにする。
決めておいたにもかかわらず、それに反することをされるのだという御指摘もあったのかもしれませんけれども、そこはより強く、合意に反してそういうことがなされないように、より積極的に運用をしていくということが考えられてよいのではないかと思います。

そのように、一律に証拠を禁止するのではなくて、個別の事案ごとに合意を設けて、それに反する行為が行われないように可能な限り強くコントロールして、適切な訴訟指揮だとか異議申立てができるようにして、それがある程度機能すれば、それが機能しないところが問題なのだという御指摘なのかもしれませんけれども、それがある程度機能するようになれば、証人となる被害者にとっても、個別の事案において事前の予測可能性が出てきて、利益になるのではないかと思う次第です。

私は訴訟法の専門家でないので、若干、専門外からの意見ということになりますが、以上です。

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<24ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

時間の関係もございますので、第2の「3」((レイプシールドの在り方))についての議論はこの辺りまでということにしたいと思います。
この論点については、それへの対応を運用に任せるべきだという御意見が複数の委員から出されました。
近い将来のことですが、この検討会の取りまとめをしなければならないときにも、そういう運用の改善に資するような、今日頂いた貴重な御示唆、こういうものを入れて提言のようなことを行うというのは十分考えられるところだと思います。
他方で、何らかの明文の規定を作るということになると、先ほど川出委員が適切にまとめられたような問題があり、なかなかこれは、ここだけでのピンポイントの対応にとどまらないことになってしまいそうです。
先ほど、明文の規定をという御意見が何人かの委員から出されましたけれども、いかがでしょうか。

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<24ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

検察官が適切に異議を出して、それについて裁判所が意見を聴くという話がありまして、私も実務で、検察官はもう少し異議を出してほしいと思うことは確かにあるのですけれども、検察官が異議を出すということは、もう不適切な質問はされているわけです。
検察官が異議を出そうが出すまいが、被害者に対する侮辱的な事態はもう法廷で起きているわけですので、検察官が異議を出せばいいではないかという話ではないと思います。
確かに全面禁止とかそういうのは難しいと思いますけれども、例えば、確認規定でもいいのではないかとか、研修をすべきではないか、何らかの指針を定めるべきではないかという、何らかの手当てはすべきではないかと私は強く思っています。

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<24ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

刑事訴訟法に何らかの規定を入れるべきだという御趣旨ですか。

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<24ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

その方法ももちろん検討すべきかと思います。

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<24ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

それでは、この論点につきましても、一渡り御意見は頂けたということで、時間の関係がございますので、議論はこのぐらいにしたいと思います。

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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(再掲。朝日新聞)

AV出演へのこの容疑(淫行勧誘)の適用は初めてで、支援者らは「撮影で被害者に性交させた時点で摘発できる道がひらけた」と期待を寄せました。
しかし、2人は不起訴処分になりました。
捜査関係者によると、被害者が裁判で思い出したくないことまで根掘り葉掘り聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらうケースも少なくないそうです。

(再掲。上谷さくら 委員)
法廷というのは、被害回復にとって、とても重要な場所なのですけれども、そこで堂々と二次被害を生じさせるようなことが行われているということは、もう絶対に見過ごすことはできないと思っています

(再掲。山本潤 委員)
被害者は、事件に関連することについて、事実を証明するために証言するのであって、そこで傷つけられ、二次被害を与えられるようなことは、あってはならないと思います

(再掲。齋藤梓 委員)
明確に禁止していないことによって、少なくとも警察の捜査の段階などで、被害者が二次被害的に言及されることがあるという点があります
捜査上必要なことであったとしても、過去の性的な経験とか傾向が今起きている出来事の同意には関わらないのだということが、何らかの形で明確になったならば、尋ね方が変わるなどして、二次被害が減っていくのではないかとも思います

日本ではレイプシールド(強姦被害者保護)がおこなわれていません。
山本潤委員がおっしゃるように「被害者を黙らせて加害者の罪を問わない」という事態になっています。
香西咲さんたちの正義を潰してはなりません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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