性犯罪に関する刑事法検討会
法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は、いま、刑法改正の審議をおこなっています。
(参考。性犯罪に関する刑事法検討会)
<開催状況>
・第1回(2020年6月4日)※議事録公開
・第2回(2020年6月22日)※議事録公開
・第3回(2020年7月9日)※議事録公開
・第4回(2020年7月27日)※議事録公開
・第5回(2020年8月27日)※議事録公開
・第6回(2020年9月24日)※議事録公開
・第7回(2020年10月20日)※議事録公開
・第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
・第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
・第10回(2020年12月25日開催予定)
AV出演強要につきましては、強制性交等罪(強姦罪)の適用も検討されています。
詳細につきましては、過日の当ブログをご覧ください。
(参考。当ブログ)
AV出演強要について
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本日は、
「公訴時効の在り方」
についてみてみます。
公訴時効の在り方
第7回目の議事録を参照します。
(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)
<7~8ページ>
●2020年10月20日 井田 良 座長(中央大学教授)
それでは、検討に入りたいと思います。
第2の「1」には「〇」で示した項目が二つありますので、この二つを区別して、一つずつ順番に議論することとしたいと思います。
まず、一つ目の「〇」の |
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<8~9ページ>
●2020年10月20日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)
(前略。) 私の知り合いの長期反復する虐待を受けていた人たちは、自分の被害を伝えられるようになったのは大体30代前半か、30歳前後ぐらいのことが多いと思います。 しかし、話すことがトリガーとなり心身の状態を悪化させることから、語れるようになるまで支援や治療を受け、心身のダメージから回復する必要があります。 資料55(※非公開)の事例4にあったかと思うのですけれども、やはり、被害を言うことによってPTSDの症状が増悪するというような実態もあると思います。 そのために、なかなか言うことが難しく、そして、時間がたって届け出ても、強制わいせつ罪は7年、強制性交等罪は10年の時効の壁に阻まれてしまいます。 証拠の散逸や記憶が薄れてしまう問題は指摘されていますが、DNAなどの科学的証拠や、動画や画像が残っている場合もあります。 |
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<9~10ページ>
●2020年10月20日 齋藤梓 委員(臨床心理士)
私は、公訴時効について撤廃、あるいは、撤廃が難しいのであれば、延長した上で一定年齢まで公訴時効停止などを検討いただきたいと思っております。 (略。) 性被害は、現在でも相談件数が少なく暗数が多いことが知られていて、被害だと認識するまでに時間がかかり、被害だと認識しても、本当に警察が取り上げてくれるのか、警察に届け出て自分は安全なのか迷い、フラッシュバックなどで被害を口に出すことも難しいという状況が続きます。 それは、子供の場合はもちろんですが、大人であっても、関係性の中で生じる継続的な被害であった場合、その関係性、例えば、仕事上の関係の中で生じた被害については、その関係などが続いている場合には、被害だと認識しづらいですし、認識しても、その関係を離れて自分の安全が確保されて初めて警察に行くことを考えられるようになるといったこともまれではありません。 また、性被害は被害者が自分を責めていることも多く、そのために被害を言い出せないということもあります。 証拠の散逸など多くの問題があることは分かっておりますが、今は、写真や動画など電子データが残っている場合もあります。 証拠がないものを無理に事件とすることを望んでいるわけではなく、少なくとも証拠があるにもかかわらず、被害だと気が付いたとき、あるいは、安全にそれは被害だと人に言うことができたときに時効期間が過ぎているために事件を届出できないといったことは避けるべきだと考えています。 |
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<10~11ページ>
●2020年10月20日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)
(前略。) 小さいお子さんや、保護者とか施設が連携してやっていらっしゃる方は、被害後すぐ来られるのですけれども、そうでなくて、自分で被害を認識して来られる方というのは、例えば、被害から7年、17年、27年というふうに、非常に長い時間がかかってから来られる方が多くなっています。 そういう点では、周囲の介入の仕方の問題にもよりますが、例えば、先ほどのお話にあったように、成年に達したところで人は被害を十分認識するのかといえば、決してそうではなく、先ほど皆様も言われていたと思いますが、やはり、30歳前後にならないと、自分の一人の力では、なかなか被害を認識することができないというのが実情だと思います。 もし公訴時効について撤廃したり、あるいは延長したりということが検討されるならば、そういう被害の実情、実態に合わせて検討していくことが必要ではないかなと思っております。 |
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<11~12ページ>
●2020年10月20日 小島妙子 委員(弁護士)
少し重なってしまうかもしれませんが、公訴時効の問題について意見を申し上げます。
性犯罪の被害というのは、PTSDなどトラウマの影響で被害申告が遅れることや、取り分け年少者について、性被害だと認識するまで時間がかかること、また、家庭内での被害については、性被害が潜在化しやすいということ、家庭内における支配関係から脱するまで申告ができないことなどの事情がございます。 このような特殊な事情を考えますと、公訴時効について他の犯罪とは異なる取扱い、特別な取扱いをする必要があると考えております。 特に、民法の改正で、2020年4月から、生命身体を害した場合の損害賠償について、時効期間が延長されております。 生命身体、そういう法益についての時効の延長ということで、被害者保護が、法全体で課題になっていることも前提に、この問題を検討していただきたいと存じます。 |
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(再掲。検討すべき論点)
「強制性交等の罪について、公訴時効を撤廃し、又はその期間を延長すべきか」
4人の委員は、
「公訴時効を撤廃し、又はその期間を延長すべき」
との意見をのべました。
ほかの委員の見解につきましては、明日のブログでみてみます。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2020年9月29日>
世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、 私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。 |
(再掲。山本潤 委員)
「成人に関しても公訴時効は撤廃して、性被害というのは時間がたったから許される罪ではないと示してほしいと思っています」
(再掲。齋藤梓 委員)
「証拠があるにもかかわらず、被害だと気が付いたとき、あるいは、安全にそれは被害だと人に言うことができたときに時効期間が過ぎているために事件を届出できないといったことは避けるべきだと考えています」
(再掲。小西聖子 委員)
「30歳前後にならないと、自分の一人の力では、なかなか被害を認識することができないというのが実情だと思います」
(再掲。小島妙子 委員)
「公訴時効について他の犯罪とは異なる取扱い、特別な取扱いをする必要があると考えております」
議論はこの先、三巡目までおこなわれます。
今回は、一巡目です。
被害者の方々がうけた傷を慮(おもんぱか)った審議が進むことを期待しております。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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