不同意性交罪の新設に関する法務省内の審議(その5)。AV出演強要で成り立ってるAV業界の末路が楽しみです。香西咲さんたちの苦しみを味わうがよい

現在、法務省内に設置されている性犯罪に関する刑事法検討会の場で、刑法の性犯罪の規定をかえるかどうかの審議がおこなわれています。

(参考。刑法のなかにある性犯罪の規定
<現在>

第176条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。

13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条

1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

本日も不同意性交罪の新設に関する議論をみてみます。

(参考。当ブログ)
<不同意性交罪の新設について>
2020年12月6日(※前段の意見)・・・・・・第4回目の議事録を参照
2020年12月7日(※意見①)・・・・・・第5回目の議事録を参照(1)
2020年12月8日(※意見②)・・・・・・第5回目の議事録を参照(2)
2020年12月9日(※意見③)・・・・・・第5回目の議事録を参照(3)
2020年12月10日(※意見④)・・・・・・第5回目の議事録を参照(4)

不同意性交罪の新設について

2020年8月27日
5回 性犯罪に関する刑事法検討会
議事録

(2020年8月27日 第5回 性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<20ページ>
2020年8月27日 井田 良 座長(中央大学教授)

では、時間の関係もありますので、(177条に関する論議は)ひとまずそのぐらいにして、次は、178条に関する問題について、御意見ございますでしょうか。

(参考。刑法)
第178条

1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例(6月以上10年以下の懲役)による。

2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例(5年以上の有期懲役)による。

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<20ページ>
2020年8月27日 渡邊ゆり 委員(東京地方検察庁検事)

地検の現場で捜査・公判を担当しておりますけれども、178条に抗拒不能という言葉が用いられていまして、しかも、心神喪失と並んで書かれておりまして、実際にその範囲がどうなのだろうなということは、例えば、起訴・不起訴を決める段階などで悩む場合が多いところでございます。
実際に、今回見せていただきました資料を見ましても、178条についての裁判例でも一審と二審で判断が分かれているといったものも、やはり、178条の要件の定め方が背景としてあるのではないかなというふうに思います。
例えば、今までお話に出ていますように、薬物、飲酒その他、そういった問題状況列挙するというのも非常に有用な手法かと思いますし、また、そういったものを列挙するときに、一つ現場でやっていて思うことは、薬物だけが原因、あるいは飲酒だけが原因ではなくて、それらの一つ一つの要素が足し算のようになって、問題状況が生じているというところもございますので、そういったことが分かるような要件というのが望ましいのかなというふうに思います。
先ほど、177条が成立しないときは、必ずや178条が成立するというような御指摘もございましたけれども、

(参考。宮田桂子 委員)
「177条の暴行・脅迫要件を撤廃すべきであるという御議論なのですが、実は、177条が成立しない場合には178条で救っている、そういうような判決はかなりございます」
「例えば、親から強姦されたということで、177条で起訴されたものについて、どうも子供の方は、特に抵抗も示していないし、暴行・脅迫もなかったという前提で、お父さんが大好きなので、お父さんから嫌われたくないので、そのような行為を受け入れたという形で、178条の成立を認めた案件もございますし、暴行・脅迫が非常に弱いのだけれども、恐怖心で被害者がフリーズしてしまった、そのような精神状態で抵抗できるわけがないということで178条を成立させた事例もございます」
「今、お話を伺っておりますと、177条だけの御議論のように聞こえてしまい、177条と、それを補うものとして178条があるのだというところは、共通認識にしなければならないのではないかというのがまず1点」

「三つ目です。暴行・脅迫要件について、小西委員から、このような事例が有罪にならなかったのだという御指摘がありましたけれども、そこには検察官の立証の問題はなかったのかという視点も必要かと思います。検察官が、被害者がフリーズしてしまうような精神状態について理解し、きちんと立証していれば、177条がもしも成立しなかったとしても、178条が必ずや成立するはずなのです」
「ですから、条文の問題なのか、立証の問題なのか、その辺のところをもう少し切り分ける必要があると思います」

私の実感としては、起訴時はもとより、公判段階でも、そういうことはないと考えておりまして、178条について、適正な処罰範囲の在り方とその構成要件の定め方を御検討いただきたいと思っておるところです。

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<20~21ページ>
2020年8月27日 小西聖子 委員(武蔵野大学教授)

先ほど、177条で救えないものは178条にいっているはずだというふうに宮田委員はおっしゃったのですけれども、実際にそうではないということは私も言いたいと思っています。
例えば、資料14(※非公開)の8ページのところですね。準強制性交等罪の事例の1で挙がっているものですけれども、実は、このケースは、私が直接鑑定をしたケースでございます。
一審では抗拒不能について非常に厳しい考え方がとられていまして、それが二審で覆ったとなっていますけれども、「抗拒不能」についてこういう一審のような考え方が可能なのであれば、とても、性的虐待のケースの実情というか、その人たちの被害について、適切な捉え方はできないと思います。
例えば、一審では、被告人に服従、盲従せざるを得ないような強い支配・従属関係にあったとまでは認め難いというふうに言っているのですが、これは、虐待における被虐待者のコントロールの実態について全く知らない人が言っていることだと思います。
日常生活ができなくなるわけではありませんし、むしろ、被害については非常に過小に表現することこそ、こういう症状の表れなのですね。
この方は、本当に、鑑定の最初のうち、何時間も被害のことや加害者のことを感情と共に語ることがなかったですし、しばらくして初めて、どういうふうに苦しかったかということは言えましたけれども、このような回避的な態度は、性的虐待の被害者に一般的なものです。
そういう中で、抗拒不能というのが絵に描いた餅のような形で考えられている実情があるのだということを、やはりちょっと知っていただきたいと思います。
法律のところまで私は言えませんけれども、こういうケースが実際に起こって、十分に理解がされないまま、判決が下りていることがあることは知っていただきたいと思います。

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<21ページ>
2020年8月27日 宮田桂子 委員(弁護士)

私は、178条で全部救えると言った覚えはありません。
そもそも178条で救えるのはどういう案件かといえば、これは、検察官が予備的な訴因として、178条の公訴事実を提示した場合です。
つまり、検察官が、こういう事実が178条に当たるという審判対象を設定した場合においては、177条ではなく178条で、裁判所が有罪を認定できるという問題であります。
ですから、判断について、問題だというときに、そのとき検察官はどのような立証をしたかどのような審判対象を設定したかという問題意識は必ず持たなければならないと思っています。
そして、178条の抗拒不能というのは、主観的不能であるという説もかなり強い、つまり、当該本人が抵抗できないような状態になってしまう、先ほどのフリーズであるとか、あるいは、それこそグルーミング等も含めて、相当幅広に解釈し得る概念だということなのです。
ですから、これが狭いのだというふうに宣伝されることによって、みんながそういうふうに思い込んでいるけれども、私は、実際の判例等を見ていると、必ずしもそうではないのだということを思っています。
そうではない判決もあるということは間違いありません。
しかしながら、かなり幅広に、きちんと認定している判決もあるということは御指摘申し上げたいと思います。

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<21~22ページ>
2020年8月27日 井田 良 座長(中央大学教授)

私も、177条と178条というのは、我々が普通に考えている以上に、連続性というのでしょうか、共通性というのでしょうか、そういうものを持っているのではないかという感じがしております。
いずれにしても、議論が尽きないところでございますけれども、時間の関係もございますので、本日のところは、第2の「2」

(参考。検討すべき論点
「〇 強制性交等罪の暴行・脅迫の要件、準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか」

「〇 強制性交等罪の暴行・脅迫の要件、準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能の要件について、判例上必要とされる『被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度』を緩和した要件とすべきか」

「〇 強制性交等罪や準強制性交等罪の構成要件として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか」

「〇 被害者が性交等に同意していないことについて、一定の行為や状態が認められる場合に被告人側に立証責任を転換し、又はその要件の充足を推定する規定を設けるべきか」

「〇 行為者が、被害者が性交等に同意していないことの認識を有しない場合にどのように対処すべきか」

についての議論はこの辺りで一区切りとさせていただきたいと思います。

文言と、解釈の実際との間にかなり乖離があるのだとか、それから、抗拒困難という言葉自体が、適切とはいえないメッセージを発しているのだというような、非常に貴重な御指摘もありました。
この点については、今日述べられました御意見や、他の論点についての一巡目の検討結果も踏まえて、二巡目の検討で更に深めてまいりたいと思います。
それでは、開会からかなり時間も経過しましたので、ここで、5分ほどの休憩をしたいと思います。再開後、第1の「3 地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」について検討を行いたいと思います。

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月25日

富士山の樹海近くのスタジオに連れていかれてどうやって逃げろと?
周り何も無いですし。
怖い人20人近くいて声も出ないですよ。
男性にはこの怖さは分かりません。

(2016年10月17日 AFP「出演強要の罠、警告する日本のAV女優たち」より、引用。改行を施しています。)

香西咲さん

ただ泣くしかできず。
周りで20人くらいの大人たちがせかすように構えて待っている。
あの中で、女性1人で囲まれても、私じゃなくても断れない。

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上述の性犯罪に関する刑事法検討会では、AV出演強要に関する論議もおこなわれています。

(参考。当ブログ)
2020年11月18日
2020年11月19日

いずれにせよ、AV出演強要で成り立っているAV業界はおわりでしょう。
これまでの歴史において、悪が栄えた例(ためし)はありません。
悪はかならず滅びます。
AV業界という悪についても然りです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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