月別アーカイブ: 2020年12月

今年(2020年)はAV出演強要に関して、2つの進展がありました。来年(2021年)は、香西咲さんたちAV出演強要の被害者の方々が快哉を叫ぶ年になることを念願します

今年はAV出演強要に関して、2つのおおきな出来事がありました。
順にふりかえってみます。

AV業界人の顧問弁護士を懲戒処分

第二東京弁護士会

今年(2020年)の1月20日のことです。
第二東京弁護士会は、あるAV弁護士を懲戒処分にしました。
処分の内容は、戒告です。
詳細につきましては、過日の当ブログをご覧ください。

(参考。当ブログ)
<①第二東京弁護士会の決定について>

2020年1月27日(その1)
2020年1月28日(その2)
2020年1月29日(その3)
2020年1月30日(その4)
2020年1月31日(その5)
2020年2月1日(その6)
2020年2月2日(その7)

ここではなしがかわります。
アメリカの次期副大統領にカマラ・ハリスさんが就任する予定です。
年明け(2021年)のアメリカ連邦議会で承認される運びです。
ご存じのとおり、カマラ・ハリスさんは、女性です。
黒人でもあります。
女性で、且(か)つ黒人が、副大統領に就任するのは、アメリカで初のことです。
アメリカには、世界で最も厚い「ガラスの天井」があると言われています。
前回の大統領選挙で、ヒラリー・クリントンさんは、当選することができませんでした。
理由は、女性であるからです。
今回、カマラ・ハリスさんは、この厚い「ガラスの天井」を打ち破りました。

はなしをもどします。
第二東京弁護士会にも分厚い「ガラスの天井」が存在します。
朝日新聞の記事を引用します。

(2017年9月30日 朝日新聞「AV出演拒否の女性を提訴、会社側弁護士を『懲戒せず』」より、引用。)

2017年9月30日 朝日新聞

アダルトビデオ(AV)への出演を拒否した女性にプロダクション会社が2460万円の損害賠償を求めた訴訟=会社側敗訴が確定=を巡り、「提訴でAV出演強要に手を貸した」と懲戒請求を受けた当時の会社の代理人弁護士について、所属する第二東京弁護士会が、「懲戒しない」とする決定を出したことが分かった。
(2017年9月)27日付。

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男性弁護士については、賠償請求の経緯を知った第三者の男性が懲戒を請求。
同会(第二東京弁護士会)は「提訴が問題とは言えない」として、懲戒審査に付さないと判断したが、男性の異議申し立てを受けた日本弁護士連合会が昨年(2016年)12月、「AV出演を強制する威圧効果があり、問題がないとは言えない」として懲戒するべきか改めて審査するよう求める決定を出していた。

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冒頭でも記しました。
この第二東京弁護士会が、今回(2020年1月20日)、別のAV弁護士を戒告にしました。
懲戒の申請をおこなった「男性」は、ただ単に申し立ての用紙を提出しただけではありません。
種々の取組が「ガラスの天井」を打ち破りました。
第二東京弁護士会は、議決書のなかで、つぎのようにのべています。

(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)

<12ページ>
令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会

(略)、対象弁護士には、〇〇(AV業界人)の顧問弁護士として、職業安定法による規制について必要な調査を行うべきであったにも拘わらずこれを行わず、〇〇(AV業界人)に対して違法行為を行うことを止めるよう助言等しなかったことは、弁護士職務基本規程第37条1項に反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失う非行に該当するものといわざるをえない。

<12ページ>
令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会

3 結語

〇〇(AV業界人)が行っていた未成年者を含む女性を募集して、同女らに性交や性交類似行為をさせ、その様子を撮影して成人男性向けDVDとして制作、販売する事業というのは、未成年者、女性の人権を侵害する危険性を孕むものであるが、対象弁護士が漠然とそのような事業主の顧問弁護士になったことが、本件における根本的な問題ということができる。

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「ガラスの天井」を打ち破った男性は、日弁連に対して、さらに重い懲戒処分をもとめました。

日弁連

(参考。当ブログ)
<②日弁連の決定について>

2020年11月17日(その1)
2020年11月21日(その2)
2020年11月22日(その3)
2020年11月23日(その4)

今年(2020年)の11月10日、日弁連は、懲戒内容を戒告から業務停止1月へ変更しました。

(参考)
2020年11月16日 産経新聞 「戒告軽すぎる」、AV出演助長の弁護士に業務停止処分 日弁連

(再掲。第二東京弁護士会 懲戒委員会)
弁護士には、〇〇(AV業界人)の顧問弁護士として、職業安定法による規制について必要な調査を行うべきであったにも拘わらずこれを行わず、〇〇(AV業界人)に対して違法行為を行うことを止めるよう助言等しなかった

弁護士が漠然とそのような事業主(AV業界人)の顧問弁護士になったことが、本件における根本的な問題ということができる

人身売買の片棒を担いでいるAV弁護士はこの先どうするのでしょうか。
見物(みもの)です。
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つぎはAV出演強要に対する法規制についてです。

刑法改正の検討会でAV出演強要が議題に

7月27日のことです。
刑法改正を審議する検討会で以下のやりとりがありました。

(2020年7月27日 第4回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

2020年7月27日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

「『性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方』についてです。アダルトビデオ出演の強要でありますとか、盗撮だけではなく、同意なく撮影する行為も幅広く含まれるのかという点が一つです」

2020年7月27日 法務省 岡田参事官

「性的姿態の撮影行為に関して、アダルトビデオの出演の強要のような場合についても含まれるのかという観点の御質問ですけれども、どのようなものを処罰の対象とすべきかというところから、この検討会で御議論いただくべきものと考えております」

2020年7月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

「『性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方』についてなのですけれども、やはり、私も、アダルトビデオ出演強要は、人身取引も含めて非常に問題だと思っています」

アダルトビデオ出演強要は契約の問題というふうにも言われ、非常に難しいところはあるのですけれども、自分の性的な姿態が録画され、それを後から取り消すことができないということの問題や、また、だまされたり、脆弱な立場に乗じるなど、その他の強制力によって、性的な行為を撮影・録画された映像が拡大していくという問題について、『性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方』に、ぜひ含めていただければと思っています」

2020年7月27日 上谷さくら 委員(弁護士)

「性的姿態の撮影行為に関するところで補足させていただきたいのは、撮影だけでなく、譲渡とかインターネットに載せる行為など、盗撮に関してどこまでの行為を処罰するのかということについても、ぜひ検討をしていただきたいなと思います」

2020年7月27日 法務省 岡田参事官

「ただ今御指摘のありましたような、性的な姿態を撮影した画像の譲渡や拡散行為につきましても、第1の8の一つ目の「〇」の論点(他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為を処罰する規定を設けるべきか)のところで御議論がなされるものと思っております」

上述のとおり、7月27日の第4回性犯罪に関する刑事法検討会で、はじめて、AV出演強要が話題にのぼりました。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

2020年9月24日の第6回性犯罪に関する刑事法検討会で、橋爪隆委員は、AV出演強要についてつぎのようにのべました。

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

しかし、アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。
そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪(強姦罪)や準強制性交等罪(準強姦罪)の適用についても問題にする余地があると思います。

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現在、AV出演強要は、刑法改正の審議における有力な議題となっています。

(参考。当ブログ)
性犯罪に関する刑事法検討会に関する当ブログの記事
<AV出演強要に関する議論>

2020年9月14日(※第4回目の議事録を参照)
2020年9月23日(※第4回目第5回目の議事録を参照)
2020年9月25日(※検討会に提出されたAV出演強要に関する資料)
2020年11月18日(※第6回目の議事録を参照)
2020年11月19日(※第4回目と第5回目と第6回目の議事録を参照)
2020年12月2日(※処罰規定に関する2つの考え)
2020年12月5日(※強制性交等罪と準強制性交等罪の適用について)
2020年12月12日(※第7回目の議事録を参照)
2020年12月26日(※AV出演強要に関する巡目の論議①)
2020年12月27日(※AV出演強要に関する巡目の論議②)
2020年12月28日(※AV出演強要に関する巡目の論議③)

——————————————————–

今年(2020年)、AV出演強要問題は、おおきな進展をみせました。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

来年(2021年)は、AV出演強要の被害者の方々が快哉を叫ぶ年になることを念願します。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

AV出演強要などの強姦被害に泣き寝入りをしない香西咲さんたちの姿勢が、日本をかえようとしています。伊藤詩織さんへの不当な刑事告発も、検察によって一蹴されました

いまから約1年前(2019年12月18日)のことです。
民事訴訟の第1審で、伊藤詩織さんが勝訴しました。

BBCニュースの記事を引用します。

(2019年12月18日 BBCニュース「伊藤詩織氏が勝訴、強姦めぐる訴訟で元記者に賠償命令」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2019年12月18日 BBCニュース

東京地方裁判所は(2019年12月)18日、ジャーナリストの伊藤詩織氏が、著名なテレビ記者だった山口敬之氏に強姦されたとして損害賠償を求めた訴訟で、山口氏に330万円の支払いを命じた。

伊藤氏は、2015年に意識がない状態で山口氏に強姦されたと訴えていた。

——————————————————–

伊藤氏はその後、慰謝料など1100万円の損害賠償を求め、山口氏に対し民事訴訟を起こした。

山口氏は疑惑を全て否定しており、性行為は同意の上だったと主張している。
山口氏はこの民事訴訟に対し、名誉毀損などを理由に1億3000万円の損害賠償を求め反訴した。

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一方で、山口氏の反訴は棄却された。
これにより山口氏は330万円を支払う義務を負ったが、なお刑事事件の対象にはなっていない。

日本の刑法では、暴力や脅迫があったか、被害者が抵抗不能だったと検察が証明しなければ強姦とは認められない。
そのため、被害者には不公平な重荷が科されている。

——————————————————–

(再掲)
山口氏はこの民事訴訟に対し、名誉毀損などを理由に1億3000万円の損害賠償を求め反訴した

上述のとおり、東京地裁は、山口氏のうったえを一蹴しました。
山口氏のたくらみは、民事面だけでありません。
敗訴判決のあと、山口氏は記者会見でつぎのように語りました。

(2019年12月18日 テレ東NEWS 元TBS記者に賠償命令 山口氏控訴へ 会見ノーカットより。)
※注 リンクが切れています。)
(※音声の文字化は、筆者。)
<1:10:19のあたりから>
2019年12月18日 山口敬之氏

それでわたしは、伊藤さんを虚偽告訴と、それから名誉毀損で、刑事告訴しています
これは、あの、今年して、それは受理されて、いま捜査が進んでいるはずです。
ですから、これもぜひ、フェアに。
伊藤詩織さんは容疑者なんです、いま。

伊藤詩織容疑者、と書いていただきたい。
まあ、記者的に言うとね、逮捕状が執行されて容疑者となるという原稿の書き方もありますが、捜査に着手していれば、これは容疑者ですから。

——————————————————–

(再掲。山口敬之氏。2019年12月18日)
わたしは、伊藤さんを虚偽告訴と、それから名誉毀損で、刑事告訴しています

山口敬之氏は伊藤詩織さんを刑事告訴しました。
先日(2020年12月25日)、結果が出ました。

BuzzFeed Japanと弁護士ドットコムとの記事を参照します。

BuzzFeed Japan

(2020年12月25日 BuzzFeed Japan「『虚偽』と訴えられていた伊藤詩織さん、不起訴。性被害をめぐり、その思いは【独自インタビュー】」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年12月25日 BuzzFeed Japan

元TBS記者の山口敬之さんが、虚偽告訴と名誉毀損の疑いでジャーナリストの伊藤詩織さんを刑事告訴したことについて、警視庁の書類送検を受けていた東京地検は12月25日、伊藤さんを不起訴処分とした。
関係者が明らかにした。

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関係者によると、山口さんは2019年4月、警視庁に告訴状を届け、同年5月に受理されたという。
伊藤さんは不起訴という東京地検の判断について、こう語った。
「今回の不起訴はすごく安心しました。けれど、警察側が告訴を受理したら書類送検される点は、形式上、当たり前だとわかっていても、性被害を受けた当事者としてものすごく恐ろしいと思いました。これからアクションを起こす人に、どれくらい影響が出るんだろうと」
刑事訴訟法では、警察は告訴や告発を受けた場合、これに関係する書類などを速やかに検察に送付することが義務づけられている
これがメディアの報道では、一般的に「書類送検」と呼ばれている。
つまり、書類送検は告訴事件で必ず行われる手続きの一つであり、実際に警察が「容疑が固まった」と判断したことを意味するものではない。
そして書類を受け取った東京地検は今回、伊藤さんを起訴しない=刑事裁判にかけない、と判断したということだ。

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弁護士ドットコム

(2020年12月28日 弁護士ドットコム「伊藤詩織さんを不起訴、東京地検 山口敬之さんの刑事告訴受け」より、引用。)

<一部分を抜粋>
2020年12月28日 弁護士ドットコム

ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之さんから性暴力被害を受けたと訴えた事件をめぐり、山口さんから虚偽告訴と名誉毀損の疑いで刑事告訴されていた伊藤さんについて、東京地検は12月25日、不起訴処分とした。

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これを受け、警視庁は2020年9月28日、伊藤さんを書類送検した。
刑事訴訟法において警察は、原則として捜査した事件はすべて送致(送検)し(246条本文)、告訴事件については「速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない」(242条)とされている。

——————————————————–

伊藤詩織さんは現在、杉田水脈衆議院議員をうったえています。

こちらの裁判の行方も気になります。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

中国の「老子」という書物の第73章のなかに、
「天網恢恢、疎而不失」
(天網恢恢(かいかい)疎(そ)にして漏らさず」
というくだりがあります。
どのような意味なのでしょうか。
広辞苑には、
「天の網は広大で目があらいようだが、悪人は漏らさずこれを捕える。悪い事をすれば必ず天罰が下る」
と書かれています。
日本の「天の網」の目は、かなり粗いです。

現在、刑法の改正が審議されています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中(AV出演強要についても論議)
・第11回(2021年1月28日開催予定)

来年こそは性犯罪者を野放しにしない日本になってほしいものです。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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香西咲さんたちAV出演強要の被害者には、刑法改正の検討、という追い風が吹いています。AV出演強要をおこなったやつらはかならず牢屋に打ち込まれます

今月(2020年12月)の5日、NHKは、
「コロナ危機 女性にいま何が」
という番組を放映しました。

(参考。YouTube)
コロナ危機 女性にいま何が

12日前(2020年12月17日)のことです。
塩村あやか参議院議員が国会で、この番組を取り上げました。
会議録を参照します。

(2020年12月17日 参議院 内閣委員会「会議録」より、引用。)

2020年12月17日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)

続きまして、女性の自殺の問題についてお伺いをいたします。
先ほど来(らい)から出ておりますが、10月、女性の自殺が8割も増えてしまいました。
菅総理が11月30日の参議院本会議で、女性の自殺の原因については健康問題と家庭問題だと言いました。
議場からはそうじゃないだろうという声も多数飛んでいたので、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

(略。)

私、これまで内閣委員会で女性の問題について取り上げてきました。
自殺とかアルバイトがなくなった学生のことも取り上げてきました。
アダルト行為も含むチャットレディーというものを春からやらざるを得ない女性が増えていることもお伝えさせていただきました。

——————————————————–

(再掲。塩村あやか 議員)
私、これまで内閣委員会で女性の問題について取り上げてきました。自殺とかアルバイトがなくなった学生のことも取り上げてきました。アダルト行為も含むチャットレディーというものを春からやらざるを得ない女性が増えていることもお伝えさせていただきました

そのとき(2020年6月4日)の質疑をみてみます。

2020年6月4日 参議院 内閣委員会「会議録」より、引用。)

2020年6月4日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)

(前略。)
困窮をした学生の記事です。
コロナウイルス感染症の拡大で飲食や、営業自粛、接客業で営業自粛でアルバイトができなくなった学生が、やむを得ずチャットレディーをしているという記事なんです。

チャットレディーとは、オンライン上で男性のお客様とやり取りをするというような形で、まあちょっとテレクラとは違うんですけれども、いろんな会話を楽しむみたいなところがあるのがチャットレディーのお仕事でございます。

読んでいただくと分かるんですけれども、この学生は、朝はコンビニ、夜はラウンジで働いていました。
月の月収は両方合わせて約8万円です。

コロナの影響でラウンジが2月から休業になりました。

働き手がコンビニ、朝のコンビニで働いていたんですけれども、流れてきて、月2万円にしかバイト代がなりませんでした。

仕方がなくチャットレディーになりました。
チャットレディーというのはアダルト、ノンアダルトがあって、ノンアダルトを彼女は選択しましたけれども、ノンアダルトというのは、自分がアダルト行為をしないだけで、相手の男性はアダルト行為があるというのが実態だそうです。

もう本当に彼女も大変な思いをしたという話をしてくださいました。
例えば、服を脱ぐように言われる、そして男性の陰部を見せてくる。
アダルト行為は相手はないというのが実態、今お伝えしたとおりです。
精神的に彼女は耐えられなくなって4月にバイトを辞めています。

私が相談を受けた例でいえば、彼女だけではなくて、話を聞いてみれば、バイトの減収でチャットレディーになったという学生がたくさんいて、業界には苦境にあえぐ若い女の子がたくさんいたという話も私は聞きました。
これが実態なんです。

とある芸能人が、風俗系にはかわいい女の子がコロナで流れてくるみたいな話があって炎上しましたけれども、

(参考。2020年4月23日 オールナイトニッポン 岡村隆史氏)
(※音声の文字化は、筆者。)

東京都のブーメランチャンネルからいただきました。
「コロナの影響で今後しばらくは風俗に行けないし、女の子とエッチなこともできないと思うので、思いきってダッチワイフを買ってしまおうか、といま真剣に悩んでいます」

いや、もう、あかんて。
これはもう、あれやねんから。
いつかもう、雨はあがってくる。
うふふ。
ただ、いま、辛抱ー
辛抱よ、これは。
言うてはるやんか、みんなが、ほんまに。
止まない雨はない、って言うて。
言うてはるやんやから。
もう、このー
神様はあれなんですよ。
人間が乗り越えられない試練はつくらない、って言うてはりますから。
ここはぜったい、なんかー
なんか、乗り切れるはずなんですよ。
ほんで、だから、いまおもしろくなかったとしても、これ、コロナが終息したらぜったい、おもしろいことあるんですよ。
うん。
ほんで、なかなかね、苦しい状態がずっとつづきますから。

コロナ明けたらなかなかのかわいいひとが、短期間ですけれども、美人さんが、お嬢やります。
これ、なんでかと言うか、短時間でお金をやっぱりかせがないと苦しいですから。
そうなったときに、いままでのお仕事よりかはちょっとー

これ、ぼく、3か月や、と思っています。
苦しいの3か月や、と思います。
3か月のあいだ集中的にかわいい子がそういうところで、ぱっ、とはたらきます。
で、ぱっ、とやめます。
それなりの生活にもどったら。

だから、コロナ明けたときのその3か月ー
3か月は、
「いままで、えっ? こんな子、入っていた?」
っていうようなひとたちがぜったい入ってきますから。
はい。
だから、いま、我慢しましょう。
いま、本当に、我慢して。
はい、コロナ明けたときに、われわれ、風俗野郎Aチームみたいなもんは、この3か月ー
3か月を目安にがんばりましょう。
うふふ。

そのためにいまは我慢して風俗に行くお金を貯めておき、そして、いろいろね、仕事がないひともあれですけれども、切り詰めて切り詰めてそのときのその3か月のためにがんばって、いま、こう歯を食いしばって踏ん張りましょう。

そうしたら、コロナ明けたときのその3か月、みてみ、行ってみ。
「えっ? こんな子、入っていた?」
「まじっすか」

でも、3か月やで。
その子らも。
ぱっ、とやって、ぱっ、とやめるから。
それだけはもうー
たぶん、そうじゃないかと、ぼくはー
ぼくはそれを信じて、いま、がんばっています。
うふふ。

まあ一致をしてくるんじゃないかなというふうに私は思っています。
深刻です。
(後略。)

2020年6月4日 亀岡偉民 文部科学副大臣

まさに今、塩村委員の言われたとおり、もしこんなことがあったら、もうあってはならないことだと我々も考えておりまして、それに対する支援策はしっかり取ってきたつもりであります。

——————————————————–

ふたたび12日前(2020年12月17日)の質疑にもどります。

2020年12月17日 塩村あやか 参議院議員(立憲民主党)

今、NHKで注目をされている特集があります。それは、「コロナ危機 女性にいま何が」という特集なんですね。

私が警鐘を鳴らし続けてきたことが本当に社会問題となってきています。

夜のハローワーク、聞いたことあるでしょうか。
これ、厚労省も認可をしている人材派遣業なんですね。
いわゆる水商売に人を送るという、これが仕事なんです。
学費や生活費を稼ぐために若い女性、学生がすごく増えているとのことです。
それだけではありません。
風俗で働かざるを得ない女性も増えたということが報道をされています。

そのときに、赤ちゃんを抱えながら女性がインタビューに答えていました。
こんなことをしたいわけじゃないんだと、風俗というのはお客さんと一緒にお風呂に入ったりもするから、コロナもあっていろんな問題で、この子に何かをうつしてしまうと本当に心配だと、だけどこういう仕事しかないんだということなんですよね。
私、本当に声ももう出ないですね。言葉にならなかったです。

さらに、パパ活って御存じでしょうか。
これもNHKで特集として取り上げられました。いわゆる個人売春のことだそうです。
私も衝撃を受けました。

資料7を御覧ください。
これだけパパ活関連の投稿が減っていないんですよ。
コロナになれば当然こうしたことは減っていてもおかしくないのに、しかも、今年からはこうした投稿に対して警察庁が介入しているんですよ、ツイッターに対して、投稿に対して。
それでも減らない。
それだけ追い込まれている女性が多いということです。

コメントもありました。
ぜいたくをしたいんじゃないんだと。
この子たちを育てていきたい、普通な暮らしをしたいだけだと。

私も学生の声聞かせていただきました。
同じこと言っていました。
ぜいたくをしたいんじゃないんだと。
かばんとか欲しいんじゃない、旅行に行きたいんじゃない、普通の暮らし、学費を稼ぎたいだけなんだということなんですよね。

これ、いつの間にこんなことに日本ってなっているんでしょうか。
セーフティーネットが風俗とか、それでいいんでしょうか

これだと自殺がやっぱり増えるはずなんですよね、女性の。
こうした弱者に配慮をした政策をしっかりと打っていかなくてはいけないと思います。

休業支援金を含めて、制度はあっても申請できない、不十分な制度がたくさんあったと支援団体の方もおっしゃっています。

西村大臣にお願いをしたいと思います。
今後、こんなことにならないように、まだコロナ感染収束しておりませんので、雇用、経済、こうした視点で、こうした女性たちの存在もしっかりと踏まえて、迅速かつ確実な結果が出せるよう、今後で構いません、支援策の不備や、のエラーが出ればすぐに改善の指示が出せるように、これまでも何回もお願いしておりますが、本当に端的にお答えいただけないでしょうか。
よろしくお願いします。

2020年12月17日 西村康稔 経済再生担当大臣

御指摘のように、このコロナの危機で各国の弱いところが浮き彫りになってきております。

日本の場合でいえば、今御指摘のあった雇用面、特に女性、非正規の方、そしてフリーランスの方、こういった方にどうしてもしわ寄せが行ってしまっております。

4月に、資料にもございましたが、94万人が非労働力化した。
これは、子供が家にいるから、学校休校でですね、そのために私は仕事を離れなきゃいけない、そういうことで、そのうちの7割が女性であったということも報告を受けております。

その後、かなり雇用も戻ってきておりますけれども、依然としてまだコロナ前の状況には戻っておりませんので、こうした方々に対する支援ですね、まさに寄り添った支援、政策が必要であるというふうに認識をしております。

その上で、今回の経済対策でも、雇用と生活をしっかり守るということで、例えば低所得の一人親世帯、方への臨時給付金を年内にも行うということで今進めておりますし、緊急小口も来年3月末まで延ばす、あるいは住居確保の給付金、これも最長12か月まで延長するということで経済的にも支援を強めていくということであります。

他方、自殺される方が多いということで、本当に大変残念なことでありますし、心を痛めております。
まさに電話相談やSNS相談などの拡充を努めておりまして、今全国80の団体で対応を行っておりますが、まさにこうした団体や社会福祉協議会、あるいは福祉事務所、皆さん、年末年始にも是非対応していただければということをお願いしております。

様々課題があるかないか、しっかりと把握をして、そして改善が必要な点については関係省庁に働きかけていきたいというふうに考えております。

——————————————————–

(再掲。2020年6月4日 塩村あやか議員)
バイトの減収でチャットレディーになったという学生がたくさんいて、業界には苦境にあえぐ若い女の子がたくさんいたという話も私は聞きました

(再掲。2020年6月4日 亀岡偉民 文部科学副大臣)
もしこんなことがあったら、もうあってはならないことだ

(再掲。2020年12月17日 塩村あやか議員)
セーフティーネットが風俗とか、それでいいんでしょうか

そう言えば以前、アケミンというかたが、
AV女優は今でも借金で苦しむ女性のセーフティネット
と言っていました。

(再掲。2020年6月4日 亀岡偉民 文部科学副大臣)
もしこんなことがあったら、もうあってはならないことだ

コロナ禍は、世のなかの仕組みや、人々の価値観をかえています。

コロナの件とは別に、AV出演強要につきましては、刑法の改正が控えています。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

——————————————————–

コロナ禍がおわったあとの日本がまともな国になっていることを切望します。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

香西咲さんはいまも戦っています。AV出演強要については、「同意のない撮影として処罰」か「強制性交等罪や準強制性交等罪の適用」のいずれかで決着するような予感がします

3日前(2020年12月25日)に開催された第10回性犯罪に関する刑事法検討会で、
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
の検討がなされました。
巡目の議論となります。

(参考。当ブログ)
第10回性犯罪に関する刑事法検討会について
2020年12月26日(※一昨日)
2020年12月27日(※昨日)

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中
・第11回(2021年1月28日開催予定)

3日前(2020年12月25日)の同検討会は、巡目の意見を整理した資料にもとづいて議論が交わされました。

(参考。巡目の意見を整理した資料)
性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集(第7回会議分まで)

上述の「意見要旨集」を作成したのは、井田良座長です。

(参考。2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<井田良 座長>
巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております

このようにすれば、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性についての認識共有が図られるとともに、巡目の検討においてどういう意見があったのかというのを相互に参照しやすくもなりますから、重複も避けつつ、更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになるのではないかというふうに考えます

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」を集約した意見要旨集をみてみます。

性犯罪に関する刑事法検討会
 意見要旨集(第7回会議分まで)

(2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集【第7回会議分まで】より、引用。)

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方

意見要旨集(第7回会議分まで)

8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
  
(1)他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか
  
④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為

新たな罪の処罰対象とすべき行為」の中身を確認します。

新たな罪の処罰対象とすべき行為

新たな罪の処罰対象とすべき行為

〇 撮影する行為によって視覚的情報が固定化され、データが拡散する危険性が生じるのであって、見る行為とは次元の異なる法益侵害性が認められるから、撮影という行為に着目した処罰規定を検討する必要がある
——————————————————–

〇 被害者には、撮影者の目的にかかわらず重大な被害結果が生じるから、強制わいせつ罪において必ずしもわいせつ目的が必要ではないとされたことも踏まえ、撮影の罪の構成要件としてわいせつ目的を要するものとすべきではない
——————————————————–

〇 被害者が泣き寝入りしないよう、撮影された画像を第三者に提供した者、譲り受けた者、インターネット上に拡散した者、売却して利益を上げた者も処罰の対象とする必要がある
——————————————————–

〇 新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、

①被害者に気付かれずに密かに性的な姿態を撮影する類型(撮影されていることの認識があれば同意しなかったと推定されるもの)、
②強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型(性交等に同意しておらず、当然、撮影にも同意していないもの)、
アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)

に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある
——————————————————–

〇 いわゆるアダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

(再掲。2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<井田良 座長>
巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行う
更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになる

同検討会は、刑法の性犯罪の規定をかえるかどうかの審議をおこなっています。
AV出演強要は、「新たな罪の処罰対象とすべき行為」の範疇に入りました。
更に突っ込んだ議論」が期待されます。

本日は、AV出演強要に関する巡目の意見をふりかえってみます。

井田良座長によるまとめ
被害者が泣き寝入りしないよう、撮影された画像を第三者に提供した者、譲り受けた者、インターネット上に拡散した者、売却して利益を上げた者も処罰の対象とする必要がある

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<1~2ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

(前略)
そして、撮影された画像の没収だけではなく、そのコピーを消去することや、画像を第三者に提供したり、譲り受けた人や、インターネット上に拡散した人、売却して利益を上げた人も処罰する必要があると考えています。

前回配られた資料によりますと、韓国では撮影したものを編集したり合成、加工したりする場合に5年以下の懲役又は5、000万ウォン以下の罰金とし、情報通信網を利用した場合というのは、恐らくインターネットに載せた場合ということだと思いますが、その場合には7年以下の懲役と厳しく処罰することとしており、非常に参考になると思います。
(後略。)

——————————————————–

井田良座長によるまとめ
新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、(略)、③アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<35~36ページ>
2020年9月24日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

一定の盗撮行為を処罰の対象とすべきだということについては、ほぼ異論のないところだと思います。
(略。)
これまでの御意見の中で処罰規定を設ける必要があるとされる様々な事案が指摘されていますが、それらは大きくは三つの類型に分けられるのではないかと思います。
第1は、被害者に気付かれることなく密かに性的姿態を撮影する類型です。
この場合は、被害者には撮影されていることについて認識がないわけですが、仮に認識していたとすれば同意しなかったであろうと推定されるという意味で、同意のない撮影ということになります。
ここには、典型的な盗撮のほか、性行為には同意しているけれども、それを撮影されているとは思っていなかったという事案なども含まれることになります。

第2は、強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型です。
この類型には、被害者が撮影を認識している場合としていない場合の両方がありますけれども、被害者は性交等について同意しておらず、そうである以上は撮影についても当然に同意しておりませんので、同意のない撮影ということになります。

それから第3は、アダルトビデオの出演強要のような事案で、欺罔や威迫によって、性的な姿態を撮影することに同意させられるという類型になります。
この類型につきましては、先ほど橋爪委員から御指摘があったように、欺罔や威迫による性行為等についても広く強制性交等罪等が成立するという規定を設ければ、第2の類型として処理することが可能なのですが、性行為等については、そこまでカバーする処罰規定を設けない場合には、撮影について同意に瑕疵があるということで、同意のない撮影として処罰の対象にすることも考えられるのではないかと思います。
また、この類型は、第2の類型とは違って、性行為等を行う者と撮影する者が別で、撮影者の主目的は撮影自体にありますので、第2の類型とは別個の類型として考えた方が実態に合うようにも思います。

ここでは三つの類型を挙げましたが、これ以外の類型も考えられるかもしれません。
いずれにしましても、処罰規定の創設を検討するに当たっては、処罰すべき類型を抽出した上で、その類型ごとに要件等を検討するという手順を踏む必要があるかと思います。

——————————————————–

井田良座長によるまとめ
いわゆるアダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会 議事録
<33~34ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

私も、性的な姿態を同意なく撮影する行為については、撮影されたデータが固定され、それが拡散する危険性があることに鑑みますと、被害者の利益を重大に侵害する行為であり、条例レベルの対応では必ずしも十分ではなく、刑法典としてこれを処罰する必要性が高いと考えております。

特に、撮影されたデータやその記録媒体を没収・消去の対象にするためにも、その前提として撮影行為を処罰対象に含める必要性は高いと思います。

以下、3点、簡単に思うところを申し上げます。
(略。)
第3点目として、アダルトビデオの出演強要問題について簡単に言及しておきたいと存じます。

問題を正確に理解していないかもしれませんが、この問題は、盗撮の問題とは異なる側面を有する問題であるような印象を持っております。

と申しますのは、盗撮行為であれば、性行為については同意があるけれども、撮影行為については同意がないというケースがままあり得るわけであり、それゆえ撮影行為を独立に処罰することの要否が問題となるわけです。

しかし、アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。

そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用についても問題にする余地があると思います。

例えば、被害者が抗拒不能の状態にあることに乗じて、被害者に服を脱ぐように命じて、裸の写真を撮影するような行為は、服を脱がせて撮影する行為全体を評価した上で、準強制わいせつ罪の適用を検討する余地があると思われます。

このように、アダルトビデオの出演の場合、性的行為に応ずることと撮影に応ずることは同一の意思決定によって行われる場合が多いことから、まずは性的行為自体についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要になりますし、このような意味においては前回の検討会で議論しましたように、暴行・脅迫要件や抗拒不能要件の意義についての議論を踏まえながら、更に性的行為自体に関する同意・不同意の限界について検討する必要があると考えます。

——————————————————–

(再掲。川出敏裕 委員【東京大学教授】)
この類型(アダルトビデオの出演強要)につきましては、先ほど橋爪委員から御指摘があったように、欺罔や威迫による性行為等についても広く強制性交等罪等が成立するという規定を設ければ、第2の類型(強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型)として処理することが可能なのですが、性行為等については、そこまでカバーする処罰規定を設けない場合には、撮影について同意に瑕疵があるということで、同意のない撮影として処罰の対象にすることも考えられるのではないかと思います

(再掲。橋爪隆 委員【東京大学教授】)
アダルトビデオの出演強要につきましては、性的行為と撮影行為が密接不可分な関係にあることから、性行為については同意があるけれども、撮影に限って同意がないというケースはほとんど考え難いような気がしまして、むしろ、性行為自体についても同意の有無について疑問が生ずる事件が含まれているように思われます。そのような事例につきましては、むしろ、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用についても問題にする余地があると思います

上述のとおり、AV出演強要は、巡目の主たる論題となりました。
AV出演強要については、「同意のない撮影として処罰」か「強制性交等罪や準強制性交等罪の適用」のいずれかで決着するような予感がします。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

これまでの歴史が証明しているように、悪党の栄華は長続きしません。
悪はかならず滅びます。
これが世の習いです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

香西咲さんたちのAV出演強要被害。法務省の刑法改正を審議する検討会において、AV出演強要は、「新たな罪の処罰対象」となっています

昨日のつづきです。
2日前(2020年12月25日)に、第10性犯罪に関する刑事法検討会が開催されました。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中
・第11回(2021年1月28日開催予定)

同検討会は、刑法の改正の審議をおこなっています。
議論の叩き台になっているのは、
検討すべき論点
です。

(参考。当ブログ)
検討すべき論点について>
2020年12月22日

先月(11月)の10日から巡目の検討がはじまりました。

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<36~37ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

(前略。)
さて、本日(2020年10月20日)までで、各論点についての一巡目の検討は一通り行うことができたと思われますので、次回(2020年11月10日)からは二巡目の検討に入ることとします。
(後略。)

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2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

(前略。)二巡目の検討では、一巡目の検討において委員の皆様からお示しいただいた現状認識やそれに基づく様々な御意見を踏まえまして、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性も意識しながら、更に議論を深めていきたいと考えております。

そこで、私からの提案なのですが、次回会合では、もちろん私が責任を持ちますけれども、事務当局に協力してもらいまして、一巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております。

このようにすれば、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性についての認識共有が図られるとともに、一巡目の検討においてどういう意見があったのかというのを相互に参照しやすくもなりますから、重複も避けつつ、更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになるのではないかというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。

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(一同了承)

2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

ありがとうございます。それでは、そのような資料を作成することとし、作成したものにつきましては、次回の会合に先立って委員の皆様にお諮りし、前もって御検討いただくことができるようにしたいと思います。
(後略。)

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AV出演強要問題も関係している
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
についても、2日前(2020年12月25日)の同検討会で巡目の議論がおこなわれました。

(参考)
2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 第10回会議 議事次第 

(参考。当ブログ)
2020年12月26日(※昨日)

2日前(2020年12月25日)の同検討会では、
性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集(第7回会議分まで)
という資料が提示されました。

もう一度、いまから2か月前(2020年10月20日)の、井田良座長のことばを確認します。

(確認。井田良 座長。2020年10月20日)
もちろん私が責任を持ちますけれども、事務当局に協力してもらいまして、巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております

このようにすれば、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性についての認識共有が図られるとともに、巡目の検討においてどういう意見があったのかというのを相互に参照しやすくもなりますから、重複も避けつつ、更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになるのではないかというふうに考えます

今回、井田良座長がまとめた意見要旨集を読んで、瞠目させられた箇所があります。

8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方
  
(1)他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか
  
④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為

同要旨集の「④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為」に書かれている全文を抜粋します。

性犯罪に関する刑事法検討会
 意見要旨集(第7回会議分まで)

(2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集【第7回会議分まで】より、引用。)

④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為

④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為

〇 撮影する行為によって視覚的情報が固定化され、データが拡散する危険性が生じるのであって、見る行為とは次元の異なる法益侵害性が認められるから、撮影という行為に着目した処罰規定を検討する必要がある
〇 被害者には、撮影者の目的にかかわらず重大な被害結果が生じるから、強制わいせつ罪において必ずしもわいせつ目的が必要ではないとされたことも踏まえ、撮影の罪の構成要件としてわいせつ目的を要するものとすべきではない
〇 被害者が泣き寝入りしないよう、撮影された画像を第三者に提供した者、譲り受けた者、インターネット上に拡散した者、売却して利益を上げた者も処罰の対象とする必要がある
〇 新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、

①被害者に気付かれずに密かに性的な姿態を撮影する類型(撮影されていることの認識があれば同意しなかったと推定されるもの)、
②強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型(性交等に同意しておらず、当然、撮影にも同意していないもの)、
アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)

に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

〇 いわゆるアダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

ご覧のとおり、AV出演強要は、「新たな罪の処罰対象とすべき行為」の主たる対象になっています。

(再掲。井田良 座長)
巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております

このようにすれば、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性についての認識共有が図られるとともに、巡目の検討においてどういう意見があったのかというのを相互に参照しやすくもなりますから、重複も避けつつ、更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになるのではないかというふうに考えます

2日前(2020年12月25日)の検討会で、AV出演強要に対する論議が白熱したものと思惟(しい)します。
議事録の公開が待たれます。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

名探偵コナンの決め台詞のひとつに、
「もうとっくに詰んでいるんだよ」
があります。

(再掲。性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集【第7回会議分まで】)
アダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用

強制性交等罪(強姦罪)と準強制性交等罪(準強姦罪)の法定刑の上限は、懲役20年です。
AV業界人は何年間、刑務所に打(ぶ)ち込まれるのでしょうか。
楽しみです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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昨日、刑法改正を審議する10回目の検討会が開催されました。ふたたびAV出演強要が議題となりました。香西咲さんたちを蹂躙したやつらに待っているのは強姦罪の適用です

昨日(2020年12月25日)、第10回目の性犯罪に関する刑事法検討会が開催されました。
当日の議題は以下のとおりです。

(2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 第10回会議 議事次第より、引用。)

1 強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について
2 法定刑の在り方について
3 配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について
5 その他

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昨日(2020年12月25日)の会議で、ふたたび、
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について
が議題となったようです。
同論点に関しては、今回で、ふたまわり目の検討、となります。
ちなみに同検討会は、「ふたまわり目」でなく、「二巡目」という表現をもちいています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
第10回(2020年12月25日)※議事録準備中
・第11回(2021年1月28日開催予定)

(参考。当ブログ)
<AV出演強要に関する一巡目の議論>

2020年11月18日(※第6回目の議事録を参照。)
2020年11月19日(※第4回目と第5回目と第6回目の議事録を参照。)
2020年12月2日(※処罰規定に関する2つの考え)
2020年12月5日(※強制性交等罪と準強制性交等罪の適用について)
2020年12月12日(※第7回目の議事録を参照。)

(再掲。2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 第10回会議 議事次第

1 強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について
2 法定刑の在り方について
3 配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方について
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について
5 その他

今回(2020年12月25日)の
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について
につきましては、一部が次回(2021年1月28日)へ持ち越しになった、ということも考えられます。
前回がそうでした。
性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方について」の検討は、第6回第7回の会議でおこなわれました。
今回はどうなのでしょうか。
そのことはさておき、同検討会は、「検討すべき論点」にもとづいて刑法改正の審議をおこなっています。

(参考。当ブログ)
検討すべき論点について>
2020年12月22日

議論は、三巡目までおこなわれることとなっています。
一巡目の論議につきましては、第7回目の検討会(2020年10月20日)をもって終了しました。
現在は二巡目の検討に入っています。
第7回目の検討会の議事録を参照します。

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<36~37ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

(前略。)
さて、本日(2020年10月20日)までで、各論点についての一巡目の検討は一通り行うことができたと思われますので、次回(2020年11月10日)からは二巡目の検討に入ることとします。
(後略。)

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2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

(前略。)二巡目の検討では、一巡目の検討において委員の皆様からお示しいただいた現状認識やそれに基づく様々な御意見を踏まえまして、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性も意識しながら、更に議論を深めていきたいと考えております。

そこで、私からの提案なのですが、次回会合では、もちろん私が責任を持ちますけれども、事務当局に協力してもらいまして、一巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております。

このようにすれば、各論点に関する法的な検討課題や論点相互の関連性についての認識共有が図られるとともに、一巡目の検討においてどういう意見があったのかというのを相互に参照しやすくもなりますから、重複も避けつつ、更に突っ込んだ議論を行うことが可能となって、議論もより充実した、また濃厚なものになるのではないかというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。

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(一同了承)

2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

ありがとうございます。それでは、そのような資料を作成することとし、作成したものにつきましては、次回の会合に先立って委員の皆様にお諮りし、前もって御検討いただくことができるようにしたいと思います。
(後略。)

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(再掲。井田良 座長)
一巡目の検討における委員の皆様の御意見を整理したものを作成し、これを踏まえて議論を行うことにしてはいかがと考えております

性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」に関する意見要旨集につきましては、昨日(2020年12月25日)の会議で提示されました。
井田座長は、一巡目の意見をどのようにまとめたのでしょうか。

(2020年12月25日 性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集【第7回会議分まで】より、引用。)

【第7回会議分まで】

8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方

(1)他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか

① 被害の実態

〇 塾や学校、マッサージ店などでの盗撮事案は非常に多く、撮影される側が気付かないため潜在化することが多い。
また、航空業界では航空機内での客室乗務員に対する盗撮が問題となっているが、犯罪地の特定が難しく、適用される都道府県条例が定まらないため、取締りができない。
さらに、アダルトビデオ出演強要問題では、意に反する契約を結ばされて同意なき撮影が行われて売却されているし、スポーツ界では、トップアスリートから中高生の競技者に至るまで、赤外線カメラによる透視や、殊更に胸部や臀部を強調した写真を撮影してわいせつなコメントを付してインターネット上に投稿する行為が問題となっている
〇 同意のない性行為を強いられて、その状況を知らない間に撮影されて、後に、その画像の存在を知られたくなかったら言うことを聞くよう言われ、画像を基に脅迫され、性的行為を強要されるといった実態がある
〇 街中で声をかけられ、アルバイトとして行った先で衣服を身に着けた状態で撮影が始まり、年上の男性に取り囲まれて下着を見せるよう言われ、最終的に脅されてアダルトビデオの撮影に至る事例や、生徒や学生が複数の同級生に囲まれて撮影されながらレイプされる事例があるなど、今や多くの性被害が撮影とセットになっている
〇 性的な姿態をいつどこで誰に見られるかは自ら決めるべきことであり、たとえ気付かない間に撮影されていても、また、顔が写っていない状態でも、性的な姿態を同意なく撮影されることや、撮影された画像を他人に見られること、撮影された画像を他人に持たれることは、自分の体を他人に性的に利用されることにほかならず、被害者を苦しめ、その尊厳を害するものであって、特に、画像を拡散されると、外出することが怖くなるほどの恐怖を覚えるものである
〇 性的な画像を他人に見られるのではないかという恐怖から、うつ病や対人恐怖症になったり、死にたいという思いに駆られたりする人もいる
〇 臨床や被害者の鑑定の経験から、性犯罪の被害の際に同意なく撮影が行われたことが被害相談や警察への届出、民事訴訟の提起の妨げとなり、被害者の精神的回復を遅らせる一因ともなっており、同意なき撮影が被害者を黙らせる手段として用いられる例が増加していると感じる

② 新たな罪の創設の要否・当否

〇 盗撮行為は、主に都道府県の迷惑防止条例で規制されているが、条例によって、対象となる行為や刑の重さが異なるため、不都合が生じており、軽犯罪法や建造物侵入罪により取り締まることができる場合もあるものの、軽犯罪法は刑が軽く、建造物侵入罪は撮影対象者が被害者にならないという問題があることから、全国一律に盗撮自体を規制することが必要
〇 いわゆるリベンジポルノ法では、盗撮自体が犯罪とされておらず、また、迷惑防止条例は、都道府県によって内容が異なる上、法定刑も軽いことから、新たな処罰規定が必要
〇 機器の発達により盗撮が巧妙化する一方、画像が容易に流出し得る状況にある。
インターネット上に流出すると、画像の回収が非常に困難であるため、被害結果が重大なものとなることから、法律による対処が必要
〇 撮影データやその記録媒体を没収・消去の対象とする前提として撮影行為を処罰対象とする必要性が高い
〇 同意のない撮影行為が検討対象とされているが、同意に瑕疵がある場合として、例えば、顔を写さない約束であったのに写された場合、撮影したものを個人で持っている約束であったのに他人に拡散された場合、拡散の同意はしたが実際の拡散の範囲が異なっていた場合など、様々な場合が想定され、同意の有無の認定に問題が生ずる

③ 新たな罪の保護法益

〇 同意なく性的な姿態を撮影する罪をプライバシーを侵害する罪として構成することも可能であるが、性的な姿態が撮影され、それがデータとして固定化されることで撮影対象者の羞恥心、屈辱感、重大な不安などの感情を引き起こす危険性が類型的に高いことを重視し、性的自己決定権を損なう犯罪として位置付けた上で、撮影対象、撮影場所、行為態様などについて検討すべき

④ 新たな罪の処罰対象とすべき行為

〇 撮影する行為によって視覚的情報が固定化され、データが拡散する危険性が生じるのであって、見る行為とは次元の異なる法益侵害性が認められるから、撮影という行為に着目した処罰規定を検討する必要がある
〇 被害者には、撮影者の目的にかかわらず重大な被害結果が生じるから、強制わいせつ罪において必ずしもわいせつ目的が必要ではないとされたことも踏まえ、撮影の罪の構成要件としてわいせつ目的を要するものとすべきではない
〇 被害者が泣き寝入りしないよう、撮影された画像を第三者に提供した者、譲り受けた者、インターネット上に拡散した者、売却して利益を上げた者も処罰の対象とする必要がある
〇 新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、

①被害者に気付かれずに密かに性的な姿態を撮影する類型(撮影されていることの認識があれば同意しなかったと推定されるもの)、
②強制性交等罪等の犯行状況を撮影する類型(性交等に同意しておらず、当然、撮影にも同意していないもの)、
アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)

に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

〇 いわゆるアダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪や準強制性交等罪の適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

⑤ その他

〇 性的な姿態の画像の問題については、被害申告は望まないが画像の消去は望むという被害者もいるので、犯罪の成否を問わず、プライバシー情報のコントロールという意味で、個人を特定できる情報、取り分け性的な情報に対して個人がアクセスし、消去を求める権利を拡大した上で、その権利を実現する方法を検討するといった被害者の救済の方が重要

(2) 撮影された性的な姿態の画像の没収(消去)を可能にする特別規定を設けるべきか

① 捜査・公判における画像の没収・消去の実情

〇 捜査実務においては、刑罰として没収できないものについては、画像を消去する前提として、捜査官が被疑者・被告人から所有権放棄を得る努力をしているが、相当長期間にわたって放棄に応じない者も珍しくなく、対応に苦慮している
〇 強姦等の犯行の様子を撮影したビデオカセットの没収を認めた平成30年最高裁決定は、撮影の目的が、被害者が捜査機関に被告人の処罰を求めることを断念させ、刑事責任の追及を逃れようとするためであるとして、記録媒体を犯罪供用物件として没収できるとしているが、それ以外の場合、例えば、性的満足を得る目的や営利目的で撮影した場合については、判断が示されておらず、そのことが検察官が没収求刑しないことに影響しているのではないか

② 没収・消去を可能にする特別規定を設けることの要否・当否

〇 被害者にとっては、画像が存在していること自体が恐怖であり、いつか誰かに見られて何か言われるのではないか、交際相手や結婚相手、成長した子供に見られたらどうしようなどと不安や恐怖を抱え続けるものであるところ、加害者は、そのような状態を利用したり、画像を保持したりすることで、利益を得ているのであるから、法律上、没収を認めるべき
〇 同意なく撮影された画像を取り戻すには多くの手続を要し、弁護士を介したとしても遅々として進まない上、PTSDなどで体調の悪い被害者がそのような負担を抱えることは大変であるから、画像の消去等がより迅速に行えるような法整備が必要
〇 同意なく撮影された性的な姿態の画像を他人に持たれている限り、被害者は傷を負い続けることになるので、所持者に、それが同意なく撮影された画像であることの認識がない場合であっても、没収はできるようにすべき
〇 被害の拡大を防止する観点から、性的な姿態が撮影された記録媒体を没収することが必要であるが、判例の理解を前提とすると、例えば、強制わいせつ罪の遂行の過程で撮影が行われた場合であっても、撮影自体が実行行為の遂行を促進する効果を有し、実行行為と密接に関連する場合でなければ、犯罪供用物件として没収することは困難であると解されるから、立法による対応が必要
〇 刑法19条による没収の対象は、犯行時に撮影した画像などの原本であるところ、撮影した画像のデータの複製やスマートフォン・パソコン相互間等でのデータの転送が極めて容易であることなど現在の社会情勢に照らすと、現行法の没収対象物の範囲は狭きに失する
〇 デジタルデータに関しては、例えば、捜査としてクラウド上に保存してあるデータにアクセスしようとする場合には、本人からパスワードを聞かなければならないといった不都合があり、デジタルデータに関する刑法・刑事訴訟法の在り方自体を考える必要があるのであって、性犯罪に特有の問題ではない

③ 特別規定を設ける上での検討課題

〇 例えば、同意のない撮影行為を処罰対象とすれば、撮影されたデータが記録された記録媒体は犯罪生成物件として没収が可能になるから、没収の議論は、いかなる行為を処罰対象とするかの議論と関連付けて行う必要がある
〇 刑法19条によって没収できるのは有体物であり、かつ、犯罪行為と直接的な関連性を有するもの、すなわち原本に限られ、原則として複製物を没収することができず、データの消去を命ずる措置を刑罰として科すことが困難であるといった問題があるところ、データの複製が容易であることは性的な画像に限った話ではないから、複製物を没収の対象に含めることを検討するに当たっては、刑法典の没収規定全般に関する問題として検討するのかどうかについて議論の余地がある上、データの一部のコピー、データの修正・加工など、原本との同一性の認定が困難なケースにおいていかなる範囲で複製物を没収・消去の対象とするかについて、刑法19条の趣旨に遡った検討が必要

④ 有罪判決を前提としない画像の没収・消去

〇 現行法の没収は付加刑とされているから、他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為を処罰する規定を設けたとしても、没収は、当該行為について有罪判決を得ることが前提となるが、捜査機関が性的な画像等を発見した時点で既に撮影の罪の公訴時効期間が経過している場合や撮影対象者が処罰を望まないという理由で起訴されない場合には、有罪判決を得ることができない。
また、同意なく撮影された性的な画像を取得する行為を処罰する規定を設ければ、犯罪取得物件あるいは犯罪生成物件として、取得者からの没収が可能になるが、取得者が同意なく撮影された画像であることの認識を有しない場合については、有罪判決を得ることができないこととなる。
撮影する罪が犯され、その画像が残っていることによる法益侵害状態を解消する上で、その画像の剥奪が付加刑でなければならないとする必然性はないから、有罪判決を前提としない画像の没収ないし消去の仕組みを設ける必要がある
〇 有罪判決を前提とせずに記録媒体の所有権を剥奪し、又はデータを消去する仕組みを設ける場合には、財産権の制約になることから、その可否や法的根拠を検討するとともに、それと関連付けて剥奪・消去の要件や範囲を検討し、記録媒体の所有者や画像データの保有者に対する手続保障の在り方も考える必要がある

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井田良座長が取りまとめた上述の意見要旨集のなかには、AV出演強要問題もふくまれています。ご覧のとおり、「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」につきましては、現状のままでよい、という意見はありません。
皆さん、なんらかの対策が必要、とのべています。
他の論点とは異なる展開となっています。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

(再掲。第一巡目の意見)
アダルトビデオ出演強要問題では、意に反する契約を結ばされて同意なき撮影が行われて売却されている

街中で声をかけられ、アルバイトとして行った先で衣服を身に着けた状態で撮影が始まり、年上の男性に取り囲まれて下着を見せるよう言われ、最終的に脅されてアダルトビデオの撮影に至る事例や、(略)、今や多くの性被害が撮影とセットになっている

新たな処罰規定を設ける必要があると指摘されている類型としては、(略)③アダルトビデオ出演強要など欺罔や威迫によって性的な姿態を撮影することに同意させられた類型(撮影の同意に瑕疵があるもの)に分けられるように思われ、処罰規定を検討する際には、類型ごとに構成要件などを検討する必要がある

アダルトビデオ出演強要問題については、性的行為と撮影行為が密接不可分の関係にあり、性的行為の同意の有無に疑念が生ずる事例が含まれていることから、まずは、強制性交等罪(強姦罪)準強制性交等罪(準強姦罪)適用の問題として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件についての議論を踏まえながら、性的行為についての同意・不同意の限界を明確化する作業が必要

この第一巡目の意見をもとにして、昨日(2020年12月25日)、どのような議論がかわされたのでしょうか。
議事録の公開が待たれます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

強姦罪(強制性交等罪)の要件や範囲を広げるため、法務省は周到な準備をおこなっています。香西咲さんたちを蹂躙したやつらはかならず、強姦罪で逮捕されます

本日も、刑法の改正を審議している性犯罪に関する刑事法検討会の議事録をみていきます。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
・第10回(2020年12月25日開催予定)

同検討会が討論の叩き台としている「検討すべき論点」には、かなり先進的なことが書かれています。

(参考。当ブログ)
検討すべき論点について>
2020年12月22日

もしも検討すべき論点に書かれていることが実現すれば、画期的なことです。

(例)
他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか

撮影された性的な姿態の画像の没収(消去)を可能にする特別規定を設けるべきか

強制性交等罪の暴行・脅迫の要件、準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか

強制性交等罪の暴行・脅迫の要件、準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能の要件について、判例上必要とされる『被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度』を緩和した要件とすべきか

強制性交等罪や準強制性交等罪の構成要件として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか

被害者が性交等に同意していないことについて、一定の行為や状態が認められる場合に被告人側に立証責任を転換し、又はその要件の充足を推定する規定を設けるべきか

こうした論点を設定した時点で、気概に満ちています。
意欲的です。
そのなかで唯一、首を傾げてしまう箇所があります。
以下の論点です。

検討すべき論点より)
強制性交等罪の法定刑(5年以上の有期懲役)の下限を引き下げるべきか

3年前(2017年)、強制性交等罪(強姦罪)の法定刑の下限は、これまでの3年から5年に引き上げられました。
せっかく引き上げたものをなぜ、ふたたび下げようとしているのでしょうか。
同検討会の6回目の議事録を参照します。

性犯罪に関する刑事法検討会

(論点)強制性交等罪の法定刑(5年以上の有期懲役)の下限を引き下げるべきかについて

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<17ページ>
2020年9月24日 井田良 座長(中央大学教授)

(前略。)
(略)三つ目の「〇」の「強制性交等罪の法定刑(5年以上の有期懲役)の下限を引き下げるべきか」についての検討に進みたいと思います。
御意見のある方、御発言をお願いします。

——————————————————–

<17~18ページ>
2020年9月24日 宮田桂子 委員(弁護士)

恐らくこの議論をすべきだというのは、私一人なのではないかと思っているのです。

実は起訴猶予についての資料を出してくれということをお願いしたのですけれども、その辺は難しいと。
起訴猶予になるのは被害者が起訴を望んでいない案件であるというふうな形で事務局の方からは御説明を頂戴しました。

しかしながら、現行どういうふうな形で量刑が決まっているかというと、先ほどの集団的な行為や一定年齢未満の被害者の話のところで、中川委員や渡邊委員が御説明になったとおり、その犯罪行為が持っている性格、その行為類型はどういうものか、そしてそのような行為類型の中でこの行為が重いものかどうかということから量刑が決められていくというのが今の基本的な考え方ですので、犯罪の後になされた示談というのは、極めて今はウエートが低い。

量刑判断の中でウエートが低いものになっているので、示談ができて起訴猶予になるという案件は結構ございますが、一旦起訴されると、起訴された後に示談がさ
れても実刑になってしまうことになります。

現在、弁護人が被害者にアプローチしようとするときには、検察官に被害者の連絡先を教えていただけませんかと言います。

そして、検察官が被害者の連絡先を教えてくれた場合に初めてアクセスできるということになりますけれども、起訴前にそれを教えていただけず、起訴された後に連絡先を教えていただいた場合に、被害者からどうしてもっと早く連絡をくれなかったのかと言われたという案件は結構ございます。

捜査を担当する検察官の被害者に対するアプローチの仕方、御方針が非常に大きいのではないかというふうに私は考えておりまして、それによって被害者にアクセスできない、その結果、示談ができないという事例がある。

そうなると、起訴されればほぼ実刑になってしまう。

つまり、犯情の部分で酌量すべき部分がほとんどない性犯罪については起訴されればほぼ実刑ということになってしまい、このような差があるということは極めて不当というか、この埋め難い差はどうなのかという疑問を持つものでございます。

そして、被害を訴え出ても被害を聞いてもらえないという案件があるのは、もしかするとこの量刑が上がったことによって、非常に立証のハードルを高く設定して、こんな証拠では薄過ぎるよ、あるいはこのような記憶の剥落があったら無理だよということで、立証のハードルが上がっている可能性はないだろうかと思います。

また、177条(強制性交等罪)、178条(準強制性交等罪)の解釈についての様々な事例をお出しいただきましたけれども、以前の「性犯罪の罰則に関する検討会」のときに出てきたものに比べると、その幅が若干狭くなっている印象を持ちます。

ある意味において、量刑が重くなったことによって、検察官あるいは裁判官は、やはりここまで重い類型なのだから、解釈を広げることによってこの規定を適用することに対するちゅうちょのようなものが生まれているのではないだろうかという仮説を私は立てているのですけれども、この辺はうまく立証できないところでございます。

私は、刑の下限が3年であったということに合理性はあったのではないかと思っています。

もちろん被害者にとって、殺されるも同然の精神的な損害、大きな被害が与えられる犯罪類型である、性犯罪がそういう類型であるということは私も重々承知はしておりますけれども、そこから被害者の方がどう回復していくかそこをどうやって支援していったらいいかということこそ考えられるべきことで、それを人が死んだ事件と同じに扱う形に量刑を上げたことに関しては、私は政策としていかがだったのだろうかという考えを持っているものでございます。

——————————————————–

<18~19ページ>
2020年9月24日 金杉美和 委員(弁護士)

同じく刑事弁護の立場からは、5年というのは非常に重いなという強い印象を持っています。

本来、性交というのは、性交自体が違法であって真の同意があって初めて違法性が阻却されるというような考え方に立たない限りは、合意があれば自由であるはずのものと考えています。

それに対して、今、暴行・脅迫要件が非常に柔軟に解釈されているということとあいまって、真の合意に向けた努力というか、それは被害者側からしたらもちろん許されないことなのかもしれませんけれども、一定程度合意に向けた口説き落としとか、そういった行為をして同意が得られたと思って性交したつもりであったものが、真の同意がないという形で、例えば、服を脱がせるとか、足を開くとか、通常、性交に付随するような行為まで暴行・脅迫というような認定がされて、強制性交等罪になっているという現状からすると、非常に重いなというふうに考えています。

仮に、法定刑の下限が3年のままであったのであれば、先ほどの論点とも絡みますが、強制性交等の罪の対象となる行為に身体の一部や物の挿入といった行為を含めるということも考えられたのかなとは思うのですけれども、引き上げられた上に暴行・脅迫が柔軟に解釈されているという現状では、それも難しいのかなと考えています。

法定刑の下限が引き上げられたことによって、より強い縛りがかかっている、性交等を柔軟に解釈するということに対する縛りがかかっているのかなと思います。

——————————————————–

<19ページ>
2020年9月24日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

通常、性交に付随するような行為までというようなお話がありましたが、性被害に関する臨床に携わっておりますと、被害者の認識と加害者の認識は大きく違っておりまして、加害者側は口説き落とすようなことをしていたと言っていても、被害者にとってそれが言語的な強制であったということが多くみられます。

そして、もちろん被害者は精神的な回復ということを目指してはいきますけれども、WHOなどの研究の中で、精神的な影響によって死に至る可能性のある、生命に関わる被害である、生命に関わる暴力であるということが言われているとおり、性被害というのは自殺企図であるとか自殺未遂であるとかも多く、また適切なケアを受けない場合に何十年と苦しみ続けることが多い本当に重篤な被害であるということがあります。

法定刑の下限が5年に引き上がったから立証のハードルが高くなっているということは、性被害の重大性がむしろ社会にまだ浸透していないがために起きているのではないかと考えております。

その点だけ少し言わせていただければと思いました。

——————————————————–

<19~20ページ>
2020年9月24日 池田公博 委員(京都大学教授)

これまで宮田委員、金杉委員から御指摘があった点について、意見を申し上げたいと思います。
まず、強制性交等罪の法定刑が引き上げられた結果、解釈論において成立を認めるのが難しくなったのではないかという御指摘があったわけですけれども、現在の法定刑は、従前の強姦罪の成否の判断において、用いられた暴行自体の強度のほかにも、様々な事情を考慮して、結論としては強姦罪の成立が認められてきたことによって形成されてきた量刑傾向が考慮されて決まったものでありまして、非常に幅広い行為態様を含むものであり、そのことは従前もそうであったし、現在もそうであると理解されているわけですので、法定刑の引上げの判断成立範囲の縮小をもたらすことにはならないのではないかと思います。
また、法定刑の下限が引き上げられたために、行為類型の拡張を認めることに困難が生じているのではないかという御指摘があったわけですけれども、手指・異物の挿入を強制性交等罪の対象とすべきである、あるいは別類型として設けて強制性交等罪と同等の処罰の対象とすべきであるという主張については、これは現状の強制性交等罪の当罰性に相応する当罰性のある行為だという主張であり、より低いものとして含めるという議論は、これとは整合しないのではないかと思います。
最後ですけれども、示談が認められるかどうかで非常に取扱いの差異が甚だしいという御指摘がありました。

示談の成否は、量刑判断に当たって考慮される情状事実の一つではあるわけですけれども、それがあるから当然に執行猶予になるというものでもないことは御承知のとおりだと思います。

これも若干前の資料なのですけれども、資料7-2(※非公開)には強姦罪・強制性交等罪の執行猶予が付された事件の数が4ページに載っておりまして、これで過去5年間の執行猶予が付された事件の割合を見てみたのですけれども、平成27年が17%で28年が14.6%、順次13.6%、15.5%、19.2%となっておりまして、法改正の前後で全部執行猶予が付される率が必ずしも減少しているわけではないように思います。

また、この間、肛門性交、口腔性交の事案が含まれておりますけれども、これらの類型については一般の強制性交等罪よりも執行猶予率が低く、これらを加えたから執行猶予率が上がったということにもなっておりません。

そうしますと、全体としての量刑傾向、取り分け執行猶予の付され方を見る限り、改正後に執行猶予の付され方に明確な変更があったようにはうかがわれないのでありまして、そのことを理由に法定刑の下限を引き下げるということにはならないのではないかと思います。

これは、実務上の運用に何か変更があったかどうかということとも関わってまいりますので、この点も御存じのところがありましたら、御教示いただけると有り難いと考えております。

——————————————————–

<20ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

実務的なことは全く申し上げようがないのですが、平成29年改正の段階の議論を簡単に御紹介した上で、私個人の意見を簡単に申し上げたいと存じます。
平成29年改正における法定刑の引上げにつきましては、前回の「法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会」で議論があったところですが、これは、法改正によって厳罰化を図る、つまり現在の量刑傾向の変更を迫る趣旨ではなく、むしろ、改正前においても既に量刑傾向と法定刑のギャップが生じていたことから、法定刑を現実の量刑傾向に対応する内容に修正したものと理解しております。
つまり、あえて申し上げますと、法的な評価の変更の決断があったわけではなく、改正前の実務の運用に対応するための改正を行ったものと評価できようかと存じます。
このような前提からは、その後、実務の運用や社会通念に大きな変化がない以上、今回法定刑を引き下げるだけの十分な根拠は乏しいと考えております。

——————————————————–

<20ページ>
2020年9月24日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

被害者の心情をお伝えさせていただければと思います。

法定刑に関して被害者の所感を聞いてきたのですけれども、多くは、一生刑務所に入っていてほしいというのが被害者の希望です。

5年であっても軽過ぎるというふうに感じたり、10年以上にしてほしいと言われる無理やりの性交の被害者の人もいます。

それは、齋藤委員が言われたように、レイプ被害によって人への信頼感や世界の見方が大きく損なわれて、以前に送れていたような生活を送ることができなくなってしまう。

だから、ある被害を受けた方は、加害者は10年で出てくるけれども、被害者は終身刑を受けているようなものだと、言われていました。

そのぐらい重い罪だということを示すためにも、5年というのは妥当であると思いますし、やっと上がったものをなぜ下げる議論がされるのかということに関しても疑問に思います。

——————————————————–

<20~21ページ>
2020年9月24日 中川綾子 委員(大阪地方裁判所部総括判事)

先ほど池田委員から実務の状況をということでしたので、分かる範囲で御説明したいというふうに思いますが、平成29年(2017年)の改正によって法定刑の下限が強制性交等罪だと懲役3年から5年に引き上げられております。

他方で、執行猶予にするためには3年以下に下げなければいけませんので、法律上の減軽事由があるか、あるいは酌量減軽ということが必要になってまいります。

ですので、法定刑の下限が引き上げられたことを踏まえ、酌量減軽すべき事情の有無を検討、もちろん法律上の減軽があるかどうかもそうなのですけれども、ない場合は酌量減軽の事情があるかどうかを検討するということになります。

その上で、そのような事情が認められた場合に執行猶予を付すかどうかを検討しているというところですので、酌量減軽があるかどうかを適切に評価しているということになろうかと思います。

——————————————————–

<21ページ>
2020年9月24日 渡邊ゆり 委員(東京地方検察庁検事)

起訴段階の関係のお話もございましたので、一言申し上げたいと思います。

私、捜査部の決裁官も担当したことがありますが、やはり平成29年(2017年)改正後に起訴猶予が増えたというのは、第1回の会議でも申し上げましたけれども、起訴・不起訴に関して、被害者の方の意向を確認することが非常に重要であるということが実務に徹底しているために、訴追を望まない被害者の方がおられて、そのようになっているというのが実感でございます。

また、被害者の連絡先を教えていただけるか、いただけないかが検察官によって違うというお話がありましたが、示談を受けるのは被害者の方の権利、実際に損害を受けておられるわけですから権利ですので、弁護側から申出があった際には、検察官は、必ず被害者の方に連絡を取ります。

御了解を取らないで被害者の方の個人情報を伝えるということは、被害者の方の二次被害になりかねませんので、実務としてそういった運用をしておるところで、被害者から御了解が得られて初めて弁護人の方から被害者にじかに御連絡を取っていただくということになります。

——————————————————–

<21ページ>
2020年9月24日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

せっかく法定刑の下限を上げたものを下げる意味があるのかというのは全くそのとおりだと思いますけれども、今回、強制性交等罪の手段の要件を少なくとも条文の文言上広げるという話が出てきていますし、それから、性交等の概念自体を広げるという話も出てきていますし、さらに、集団による強制性交等や、その他の類型についても、加重類型を設けるべきだという話が出てきています。
現行の強制性交等罪の刑の下限が5年で、それが事実上障害になるということもありますので、そのような重罰化あるいは処罰の拡張とセットで、通常の強制性交等罪については、例えば法定刑の下限を5年から4年に引き下げるということは、ほかの重罰化あるいは処罰の拡張をよりスムーズに持っていくための方法としてはあり得なくはないというふうに考えております。

——————————————————–

<21~22ページ>
2020年9月24日 宮田桂子 委員(弁護士)

池田委員、橋爪委員の方から統計的なところで変わっていないではないかという、現状を維持しているではないかという御意見を頂戴いたしました。

しかしながら、現場で実際に示談をやって、例えば、被告人がきちんとお金を支払って被害者に誠意を示し、さらに、再犯防止のために入院治療等をきちんとするということを約し、被害者の方もそういうことであればということで執行猶予でも構わないという御意思を明確に示していただいているような場合であっても、今や執行猶予は付かなくなりました。

そういう現場の現実、現場での体感のような話を一言させていただきたかったということです。

——————————————————–

<22ページ>
2020年9月24日 井田良 座長(中央大学教授)

それでは、この第1の「6」の三つ目の「〇」(強制性交等罪の法定刑(5年以上の有期懲役)の下限を引き下げるべきか)についても、御意見を一通りお伺いしたということで、ここで一区切りとさせていただきまして、開会から時間も経過しましたので、10分の休憩を取りたいと思います。

——————————————————–

法務省がなぜ、
強制性交等罪の法定刑(5年以上の有期懲役)の下限を引き下げるべきか
という論点を設定したのかがわかりました。

(再掲)
2020年9月24日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

せっかく法定刑の下限を上げたものを下げる意味があるのかというのは全くそのとおりだと思いますけれども、今回、強制性交等罪の手段の要件を少なくとも条文の文言上広げるという話が出てきていますし、それから、性交等の概念自体を広げるという話も出てきていますし、さらに、集団による強制性交等や、その他の類型についても、加重類型を設けるべきだという話が出てきています。

現行の強制性交等罪の刑の下限が5年で、それが事実上障害になるということもありますので、そのような重罰化あるいは処罰の拡張とセットで、通常の強制性交等罪については、例えば法定刑の下限を5年から4年に引き下げるということは、ほかの重罰化あるいは処罰の拡張をよりスムーズに持っていくための方法としてはあり得なくはないというふうに考えております。

法定刑の下限を5年から4年に引き下げるということは、ほかの重罰化あるいは処罰の拡張をよりスムーズに持っていくための方法としてはあり得なくはない

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

仮に強制性交等罪(強姦罪)の法定刑の下限が4年になったとしても、これはあくまでも「下限」です。
上限は20年です。
実際の判決において、AV出演強要のような凶悪犯罪が、懲役4年、ということにはならないでしょう。
一刻も早く、AV出演強要を強制性交等罪(強姦罪)で処罰できるようにしてほしいものです。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
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 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
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(明日のブログへつづく)



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「強制性交等の罪の対象となる行為の範囲」に関する法務省内の審議。香西咲さんたちから搾取の限りを尽くしたAV業界人は、この世から駆逐されることでしょう

今年(2020年)の3月31日に発足した法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は、「検討すべき論点」にそって刑法改正の論議をおこなっています。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
・第10回(2020年12月25日開催予定)

(参考。当ブログ)
検討すべき論点について>
2020年12月22日

当ブログはこれまで、以下の論点に対する各委員の見解を参照しました。

性犯罪に関する刑事法検討会

(論点)AV出演強要について
(参考。当ブログ)

2020年11月18日(※第6回目の議事録を参照。)
2020年11月19日(※第4回目と第5回目と第6回目の議事録を参照。)
2020年12月2日(※処罰規定に関する2つの考え)
2020年12月5日(※強制性交等罪と準強制性交等罪の適用について)
2020年12月12日(※第7回目の議事録を参照。)

(論点)不同意性交等罪の新設について
(参考。当ブログ)

2020年12月7日(※その1)
2020年12月8日(※その2)
2020年12月9日(※その3)
2020年12月10日(※その4)
2020年12月11日(※その5)

(論点)時効の撤廃、延長について
(参考。当ブログ)

2020年12月15日(※その1)
2020年12月16日(※その2)
2020年12月17日(※その3)

(論点)地位・関係性を利用した性犯罪について
(参考。当ブログ)

2020年12月14日

——————————————————–

(論点)継続的な行為を全体として一(いち)罪とすることのできる罪の創設について
(参考。当ブログ)

2020年12月19日

——————————————————–

(論点)性交同意年齢について
(参考。当ブログ)

2020年12月20日

——————————————————–

(論点)レイプシールドの在り方について
(参考。当ブログ)

2020年12月23日

——————————————————–

本日は、
強制性交等の罪の対象となる行為に、身体の一部や物を被害者の膣・肛門・口腔内に挿入する行為を含めるべきか
についてみてみます。

(論点)強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<3ページ>
2020年9月24日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

(略)「5」の強制性交等の罪の対象となる行為の範囲について意見を述べさせていただければと思います。

以前(2014年~2015年)の「性犯罪の罰則に関する検討会」の議論を読ませていただいたのですけれども、法律家の皆さんの議論を読んでいると、何を言っているのだろうというふうに理解できなくなることが私にはよくあります。

私が被害当事者であり、支援者であることから、被害者側の気持ち、状態の方から物事を見ているので、余計そう感じるのだと思いますが、被害者にとっては、同意なく身体に挿入されること自体がレイプです。

それは、男性器であろうが指であろうが、性具や様々なものであろうが変わりがありません。

前回の改正で口腔、膣、肛門への男性器の挿入が強制性交等罪と定められたのは大きな前進だと思います。

(参考。刑法177条)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする

そのときに、膣や肛門に対しては性交類似行為として考えられるのではないかというような意見も多数あり、指や物の挿入も議論に入っていました。

一番問題になったのは、口に対する物や指などの位置付けだったかと思うのですけれども、性被害としては、どういう関係性でどういう状況でそれが行われたのかということが大きく影響します。

だから、そもそも物を人の体に入れることが性的な暴行として行われているのだということを理解することが大切だと思います。

通常、体に入れられることがないペンとかのりなどの文房具とか、木刀や靴べらやビール瓶や電球や瓶やモップの柄などを身体に挿入する被害というのはずっと起こっていて、被害者が自分の体に許可していない異物を挿入されることに対して拒否する権利を何も持ち合わせていない、無力で価値のない存在であるということを知らしめるために行われている行為だと思います。

これは、加害者側の権力を確立して支配をする手段として行われているのであって、そこに何を入れようが、それが口腔であっても膣であっても肛門であっても、同意のない身体的な侵襲を加えられているということを認めて、強制性交等罪としていただきたいというのが私の意見です。

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<3ページ>
2020年9月24日 小島妙子 委員(弁護士)

私も、強制性交等罪として重く処罰する行為を男性器の挿入に限る必要はないと考えております。

諸外国の法制を見ますと、性器以外の身体の一部である指とか、物を性器や肛門に挿入する場合も性交と同程度に処罰している国が多いように思われました。

少なくとも膣と肛門への物や指の挿入行為を強制性交等罪の処罰の対象となる行為とすることを検討するべきだと考えております。

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<3~5ページ>
2020年9月24日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

平成29年改正前の検討会でこの議論が出たときに、そもそも膣への挿入と、肛門、口腔への性器の挿入とで、被害者の精神的影響に差があるかないかという話があったと思います。

男性器以外の体の一部とか物を挿入する被害というのは、男性器を挿入する被害とどう違うのかという話になったときに、そもそも心理学とか精神医学の調査においてレイプといった場合には、体の一部や異物の挿入を含むということが一般的で、影響の差について示しにくいとお話ししましたが、しっかりとそれをお示しできるように、その後自身で調査をした結果が、今日提出させていただきました資料(齋藤委員提出の「性被害類型別の精神的反応について」と題する資料)(※非公開)になります。

これは、私が自分で、男女約3、000人ずつに行った調査でして、その中で異物挿入や様々な被害に遭われた方のデータを取っております。

その男女各3、000人のうち、現在の日本の強制性交等の罪の「性交等」の定義に当てはまるような被害に遭った方というのは女性7.7%、男性2.9%でした。

これは、それぞれ内閣府の「男女間における暴力に関する調査」などと大きく変わりのない数字であろうというふうに思っております。

また、配布した資料(※非公開)の2ページ目にグラフも載っておりますが、基本的に、肛門や膣への手指・異物の挿入と口腔・肛門・膣への男性器の挿入との間には、精神的反応に差が見られないということが分かりました。

皆様がこれまで見聞きしてきたレイプが被害者に与える精神的影響というのは、海外の調査結果を基にしていることが多いので、皆様は、体の一部や異物の挿入を含んだ調査結果をずっと見聞きしてきたということになります。

そもそも、やはり先ほど山本委員も言っていましたけれども、

(参考。山本潤 委員)
これは、加害者側の権力を確立して支配をする手段として行われているのであって、そこに何を入れようが、それが口腔であっても膣であっても肛門であっても、同意のない身体的な侵襲を加えられているということを認めて、強制性交等罪としていただきたい

性的侵襲とか身体への侵襲という観点で考えたときに、挿入されるものを問う必要があるのかということは疑問に思います。

一定年齢の場合、もちろん膣に陰茎が挿入されることで妊娠のリスクなどがあり、それは本当に重大な問題だと思います。

肛門に陰茎を挿入された場合、性感染症や炎症、臓器の損傷のリスクなども生じます。

でも、もちろん指を挿入されても傷がつくリスクはありますし、鉄パイプとか割箸でしたらほぼ間違いなく傷つきますし、臓器が著しく損傷するリスクがあります。

被害者支援やスクールカウンセリング、HIVカウンセリング等臨床上の経験でも、臨床以外の場で当事者の方々からお話を伺った経験からも、腕や拳、足、鉄パイプ、割箸、木刀、角材、瓶など、挿入されるものは様々です。

これは実際に生じている被害の話です。

ペニスバンド等の男性器を擬した性具、バイブレーターなどが使用されたときに、それを果たしてレイプではないというのかということですとか、加害者が被害者の男性器をくわえた場合には強制性交等になりますが、加害者が被害者の膣に舌を入れること、肛門に舌を入れることというのは強制性交等の罪にはならないのかですとか、疑問に思うことはたくさんあります。

(参考。刑法177条)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする

自分が性的に侵襲されているということに何の変わりもないのに、成立する罪が変わってしまうということは、どうなのだろうなと思っています。

集団レイプでは異物挿入が行われることもあります。

その集団レイプの中で、例えば、ある加害者は男性器を挿入し、ある加害者はビール瓶を挿入したという場合に、前者は強制性交等罪、後者は強制わいせつ罪というのは、おかしな話だと思います。

いじめの一環で異物を肛門や膣に挿入するということもありまして、性的な意図がどうかということも以前の議論では出ましたけれども、いじめの一環で異物を肛門や膣に挿入するということは、性暴力ですし、相手を性的におとしめる意図を持ったもので、被害者にとって性的に虐げられたこと、性的なモノとして扱われたことに違いはありません。

強制わいせつの罪で処罰することも可能だという、委員の皆様の中でもそういった意見があることも承知しているのですけれども、第2回会合のヒアリングでいらしてくださった岡田さんなども述べていたように、強制わいせつ罪の中で実質的に重く処罰してほしいということではなくて、体への侵襲とか性的な侵害ということを考えたときに、何ら変わらないと思われていることがなぜ分けられているのだろうということを、心理職としては大変疑問に思います。

そのため、この強制性交等の罪の対象となる行為に体の一部や物を被害者の膣、肛門に挿入する行為を含めるべきかという点については、再び様々な観点から検討が行われることを望みます。

また、諸外国の法律の文言と比較する際に、ただ文言を比較するのではなくて、なぜ性的侵襲という非常に深刻な精神的後遺症をもたらすことが分かっている行為について、日本では一部がレイプに当たらず、諸外国ではその一部を含めてレイプとされているのか、その背景も含めて議論する必要があるのではないかと考えております。

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<5ページ>
2020年9月24日 宮田桂子 委員(弁護士)

性的侵襲としたときに、性的という色彩があるのかないのか、その辺の区別をどのようにつけていくのか。

強制性交等の罪の場合には、男性器というものがあるわけです

けれども、それに比べて、およそ物、およそ人体の一部というふうな形で規定をするということで果たしてうまく対応ができるのかというところに、まず一つ疑問を持ちました。

そして、量刑の問題なのですけれども、強制わいせつ罪は法定刑の上限が10年ですし、今、齋藤委員のお話にありましたとおり、異物挿入の場合にはけがをする可能性が非常に高いですから、強制わいせつ致傷の罪になるということになると、更に加重することが可能です。

そういうときに、検察官が被害者の精神的な苦痛も含めて丁寧な立証を行えば、もちろんそれがなぜレイプではないのだという疑問は残るにせよ、量刑的な問題については解決ができる、つまり、新たな構成要件が策定されなくても、実質的な解決は可能なのではないかというのが私の意見でございます。

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<5~6ページ>
2020年9月24日 橋爪隆 委員(東京大学教授)

この問題につきまして、前回(2016年6月16日)の「法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会」での議論を踏まえた上で若干の意見を申し上げたいと思います。

御承知のとおり、平成29年(2017年)改正によって、膣性交に加えて肛門性交、口腔性交が強制性交等罪の処罰対象に追加されました。

ここでは、肛門性交、口腔性交のいずれもが強制わいせつ罪を構成する性的な侵害行為であることを前提にした上で、かつ、これらが体腔内への性器の挿入という意味において濃厚な性的接触の強要であり、被害者の性的利益を重大に侵襲する行為であるという観点から、これらの行為には、強姦行為と同程度の法益侵害性を肯定できるとして、強制性交等罪の処罰範囲に含められたものです。

すなわち、ここでは、そもそも性的な侵害行為であり、改正前においても強制わいせつ罪を構成する行為であったことを前提にした上で、かつ、強姦行為と同程度の重大性、悪質性があるかという観点から加重処罰の可否について検討がなされたわけです。

このような前提からは、処罰対象の拡張を論ずるに際しては、二つの観点が重要であるように思います。

すなわち、第1に、強制性交等罪が強制わいせつ罪の加重類型であることから、まずは性的な侵害行為であり、少なくとも現行法において強制わいせつ罪を構成することが前提になるべきです。
逆に申しますと、行為態様に性的な意味が乏しく、そもそも現行法でも強制わいせつ罪を構成しない行為態様を強制性交等罪の処罰対象に追加することは、正当化できないと思われます。
このような観点から具体的に検討した場合、もちろん膣への指や性具の挿入のように性的侵害性が明らかなものもある反面、口腔への異物の挿入、指の挿入のように性的意味が乏しい行為も存在します。
このように、性的意味が乏しい行為までを強制性交等罪の処罰対象に含めることは、およそ正当化し難いように考えております。
行為態様を追加する場合でも、飽くまでも性的な意味が明らかであり、性的な侵害行為と評価できる場合に限定することが必要になると思われます。

第2点ですが、強制性交等と同程度の重大性、悪質性が必要になると思われます。
現行の強制性交等罪の法定刑の下限は5年です。
法定刑の下限が5年というのは、殺人、放火、強盗など極めて重大悪質な犯罪に限定されております。
ここでは、強制性交等罪が極めて悪質な行為であり、その当罰性が高いという評価が立法者によって示されているわけです。
したがって、強制性交等罪の行為態様を追加するとしても、その追加されるべき行為態様が強制性交等と同程度の悪質性、当罰性を有することが前提になるように思われます。

ここで注意すべき点は、異物挿入行為などの中には、強制性交等と同程度に悪質な行為が含まれているという観点だけでは不十分であり、追加すべき行為態様全てが強制性交等と同程度の悪質性、当罰性を有することが必要になるという点です。
すなわち、追加される行為態様のうち最も軽微な事例であっても、現行法の強制性交等罪と同程度の処罰がふさわしく、酌量減軽を行うとしてもなお2年6月以上の懲役刑で処罰することが相当といえることが必要になると思われます。
膣や肛門への異物や指の挿入行為の当罰性につきましては、先ほど貴重な御意見を頂きました。
もちろん、その中には現行法の強制性交等罪と同程度の当罰性を有する行為も多数含まれていると思われます。
もっとも、私には、その全ての行為類型、行為態様が現行法の強制性交等罪と同程度の当罰性を有するかについては、なお若干の疑問を覚えております。

もう一度申し上げますけれども、強制性交等罪の対象を拡張するとしても、その場合には当罰性、悪質性において強制性交等の実行行為に匹敵する行為類型のみを処罰対象に含めるべきであり、平成29年改正では、正にこのような観点から口腔性交、肛門性交のみが追加されたと理解しております。

このような前提からは、処罰対象を拡張するとしましても、その範囲はある程度限定的に考えざるを得ないと思います。
例えば、膣への異物又は身体の一部の挿入を伴う性的行為であり、かつ、その法益侵害性が重大な類型に限って、強制性交等罪と同等の法定刑で処罰をするという可能性について、更に具体的に検討することが有益であると考えます。

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<6~7ページ>
2020年9月24日 池田公博 委員(京都大学教授)

手指、異物の挿入については、現在でも強制わいせつ罪として処罰の対象となっておりまして、先ほど宮田委員からも御指摘があったように、量刑評価の適切性が問題になるように思います。

本日配布していただいている資料34(※非公開)を見ましたところ、現状、手指や異物の挿入を伴う強制わいせつについては、行為が複数回にわたって長期化している、あるいは致傷の結果があるというものは、それに応じて重く処罰されていることが分かります。

他方で、飽くまで現状ではということですけれども、2年あるいは3年又は執行猶予付きの事件も相応に存在しておりまして、それらについては、強制わいせつ罪の法定刑の枠内で評価をされているということに留意をしておかなければならないと思います。

つまり、量刑傾向として、上の方に張り付いているとか、下の方はおよそないというわけでは必ずしもなくて、そのことは現在の法定刑の範囲内で適正な量刑が困難になっているということでは必ずしもないという点に留意する必要があろうかと思います。

その上で、推移等も考慮して検討を更に重ねていく必要があるものと考えております。

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<7ページ>
2020年9月24日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

これまで出てきた御意見はそれぞれごもっともだと思います。
恐らく、現行の強制性交等罪で拾えない部分に、それに匹敵する犯罪性のある行為がまだ残っているということについては、大きな意見のずれはないのではないかと思いますが、それが新たな規定を用意することによってうまく拾えるかどうか、そこが問題で、そこが拾えなくても量刑上問題ないという見方が一方であるでしょうし、しかし、それでは不十分で、やはり犯罪の名前として強制性交等罪と同じような評価をしていくということにも意味があるという考え方が他方であるということは、十分理解できるところです。
ここで、その強制性交等罪で拾えていない部分に強制性交等罪と同等のものを広げていくための具体的なやり方を考えたときに、やはり今幾つかの御意見で出てきたように、単に身体への異物の挿入という書き方をしてしまうと、性的でない行為も拾ってしまうというところが一つ問題になるわけですので、条文の書き方として、強制性交等罪に含めるか、それと並べた別の形にするかはともかく、わいせつな行為であって、かつ、身体への侵入を伴う行為を処罰する類型を新たに作ることとすれば、これまでに挙げられた懸念のうち多くの部分は解消するのではないかと個人的には考えているところです。
ただ、それが強制性交等罪と同じ重さで強制性交等罪の中に含めて処罰できるのかどうかということは、更に問題になり得ますので、強制性交等罪の概念の中にわいせつな行為であって、かつ、身体的侵襲を伴うものを含めるというやり方とは別に、強制性交等罪の条文の横にわいせつな行為であって身体への侵襲を伴う行為を処罰する別の類型を別途用意して、それに強制性交等罪と同じ法定刑を規定するということもあり得るでしょうし、強制わいせつ罪と強制性交等罪の間の法定刑を規定するということもあり得るかもしれませんし、その辺りについて、具体的な規定の置き方という観点からも更に検討を深めていく必要があるのではないかというふうに考える次第です。

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<7ページ>
2020年9月24日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

補充なのですけれども、特に、例えば性的マイノリティーの方などを考えたときに、恐らく皆様の想定されているものと異なる性交の在り方が多く行われているということがございます。
そうしたときに、皆様の考える性交の在り方のみが性的な侵襲であるというような前提に立った議論というのは、少しどうなのかなと思っています。

そして、今まで体の一部の挿入とか異物の挿入が強制性交等とか強姦に含まれてこなかったことによって、重大な侵襲であり被害者は深刻な精神的な影響を受けているにもかかわらず、それが社会的に軽いものだというふうに捉えられ、量刑ですとかいろいろなことに反映されてはこなかったのかということも一つ疑問に考えているところです。

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<7~8ページ>
2020年9月24日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

私も齋藤委員と同じように、性的ないじめとか、あとはDVの中で虐待的に物を挿入する行為というのは、必ずしも事前にわいせつな行為、性的な行為を伴うわけではないということを現場の支援から把握しています。
それは、性的な辱めのような形で行われるのであり、被害を受けた人も、自分がレイプ被害を受けたということをなかなか認識しづらいという場合もあります。

加害者は、優位性に立っておとしめる目的でやっているにもかかわらず、なかなかそれを罪として認識しづらいという問題もあります。

齋藤委員の資料にあったように、PTSDの範囲としても、カットオフポイントを超えるぐらいの値を示しているのですから、そのダメージが同じだということを司法の中でも認めていただきたいと思っています。

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<8ページ>
2020年9月24日 佐藤陽子 委員(北海道大学教授)

委員の方々がおっしゃることは非常にもっともだと思うのですけれども、立法の技術の問題として一点気になっているのが、例えば177条(強制性交等罪)に「身体への挿入」というふうに規定をしてしまうと、現在だと性交とか肛門性交とか口腔性交とか、挿入する方もされる方も、加害者にも被害者にもなり得るというふうな類型になっているのに対して、物の挿入の場合には、物を挿入する側が性交等の被害者と同じぐらいの被害を受けるという点の説明が少し難しいように思います。

挿入される方が同じようなダメージを受けるというのはおっしゃるとおりだと思うのですけれども、挿入する側には疑問があって、こういう点を考えると、和田委員やあるいは橋爪委員がおっしゃったように、一旦別類型として切り分けるというふうに、性交等と一緒に入れたいというお気持ちはすごくよく分かるのですけれども、別類型として、例えば膣内あるいは肛門に物を挿入する行為で性的な性質を持つものとか、そういうふうな形で少し区別をして規定する方が良いのではないかと考えております。

そういうときに法定刑をどうするかというのは、これはまた別の問題だとは思うのですが、いずれにせよ177条(強制性交等罪)に一気に規定してしまうのは無理ではないかという意見でございます。

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<8ページ>
2020年9月24日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

刑法の専門家ではないので、どのように法律を作っていくのかということは分からないのですが、そもそもどうして男性器のみをそれほど特別扱いするのかが私には分かりません。
海外の性犯罪規定に関する配布資料などを見ても、特に、例えばアメリカのミシガン州においても、人の体の一部若しくは物による他の人の体の性器若しくは肛門の開口部の侵入というふうに、やはり同列に扱っているところが多いと思うのですね。
どうしてそのことに関して男性器のみを取り出して判別しないといけないのかということに関しては、私の理解が難しいのかもしれないのですけれども、そこはやはりもう少し考えていただければと思っています。

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<8~9ページ>
2020年9月24日 井田良 座長(中央大学教授)

差し当たり御意見も出尽くした感じがいたします。
なかなか議論の状況をまとめるのは難しいのですけれども、一方では、2017年改正後の現行法の強制性交等罪と強制わいせつ罪の切り分けの仕方が基本的に妥当でないという御意見がありました。

取り分け、男性器に限らず手指それから物等の挿入行為、こういうものも含めて強制性交等罪の範囲を広げるべきだという御意見がありました。

また、広げるべきだという御意見の中にも、口腔については少し別で、膣と肛門への挿入行為に限って重い類型に含めるべきだという御意見もありました。

他方で、2017年改正後の切り分けで基本的に合理的なのではないかという御意見もあり、ただ、基本的に妥当な切り分けを前提としつつも、一定の行為、これもやはり口腔への挿入行為を除いた膣と肛門への挿入行為だと思うのですけれども、手指、物のそういう挿入行為の扱い自体は検討に値する、強制性交等罪の中に含めるか、あるいは別類型を作って三類型とするなど、法的な扱いをどうするかは検討に値する論点ではあると、こういう御意見もあったように思われます。

一巡目の議論としてはこのぐらいにいたしまして、二巡目以降の更なる検討に任せたいというふうに考えます。
それでは、この第1の「5」(強制性交等の罪の対象となる行為の範囲)についての議論はこの辺りで一区切りとさせていただきたいと思います。

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強制性交等の罪の対象となる行為に、身体の一部や物を被害者の膣・肛門・口腔内に挿入する行為を含めるべきか
につきましても、前向きな議論が交わされています。
性犯罪者にとって、これからの日本は、住みづらい世の中になりそうな予感がします。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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上述の各員の論説を拝見して、感じたことがあります。
性犯罪者は異常である、と。
生きる資格はない、と。
二巡目、三巡目の論議に期待をしております。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

レイプシールドに関する法務省内の審議。日本では裁判の場で、被害者の方々が二次被害に遭っています。香西咲さんたちの正義を潰してはなりません

いまから2年前(2018年)のことです。
警察は、AVメーカーの社長ら2人を淫行勧誘罪(刑法第182条)で逮捕しました。
朝日新聞の記事を参照します。

(2018年8月7日 朝日新聞「もう一つの『#MeToo』 AV出演強要問題を考える」より、引用。)

2018年8月7日 朝日新聞

取り締まり強化を始めた警察にも悩みがあります。
出演強要が絡む事件で適用されるのは、労働者派遣法と職業安定法が大半。
撮影する性的な行為が「有害業務」だとの論理立てです。
しかし、AVではプロダクションが所属俳優に契約書すら渡していないなど、被害者を「労働者」と立証するのが難しく、罪の成立を妨げているケースもあります。
そんな中、警視庁は(2018年)1月、出演経験のない女性に出演を勧誘して性交させたとして、メーカー社長ら2人を刑法の淫行勧誘容疑で逮捕。

(参考。刑法182条)
営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する

AV出演へのこの容疑の適用は初めてで、支援者らは「撮影で被害者に性交させた時点で摘発できる道がひらけた」と期待を寄せました。
しかし、2人は不起訴処分になりました。
捜査関係者によると、被害者が裁判で思い出したくないことまで根掘り葉掘り聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらうケースも少なくないそうです。
不起訴にはこうした背景もありそうです。

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(再掲。朝日新聞)
被害者が裁判で思い出したくないことまで根掘り葉掘り聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらう

このときレイプシールド(強姦被害者保護)が確立していたら、被害者の女性は捜査に協力していたかもしれません。
悔やまれる事件でした。

現在、法務省の性犯罪に関する刑事法検討会は、レイプシールドについても検討をおこなっています。
同検討会の7回目の議事録を参照します。

性犯罪に関する刑事法検討会

(論点)レイプシールドの在り方について

(2020年10月20日 第7回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<18ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

それでは,議論に入りたいと思います。
この論点(レイプシールドの在り方)について御意見のある方は、何でも結構ですので、御発言をお願いします。

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<18ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

弁護人が要証事実と関係ない性的なことで被害者をおとしめるということは、今でも法廷で行われています。
例えば、性的なことに関連して、被害者の職業について、被害とは全く関係ないということで公判前に裁判所・検察官・被告人側で合意したにもかかわらず、あえて弁護人が被害者の職業や活動について殊更に法廷で言及するということや、弁護人が被害とは無関係の被害者の既往歴に触れたために、被害者が体調を崩して休廷せざるを得なくなったというようなケースもあり、それらについて裁判所が漫然と放置しているケースがあります。
特に、既往症などについては、被害者がピルを飲んでいることを殊更に指摘する弁護人もおりまして、私も経験があるのですが、被害者支援団体の方から聞いた話だと、そういったケースはよく相談があるそうです。
このピルを飲んでいるというのは、要は性的に奔放な女性であると、妊娠をしないようにしているのだという趣旨で質問しているらしいのですけれども、ピルというのは、生理の調整をしたりとか、子宮筋腫を和らげる効果もあるということで、むしろ推奨されているという面もありますので、そういったことが考慮されずに法廷に普通に流れているという状況は放置できないと思います。

法廷というのは、被害回復にとって、とても重要な場所なのですけれども、そこで堂々と二次被害を生じさせるようなことが行われているということは、もう絶対に見過ごすことはできないと思っています。
これは、現状では裁判官の訴訟指揮に完全に任されている状態ですけれども、やはり裁判官によって訴訟指揮に相当な違いがあるということで、何らかの対応が必要なのではないかと考えています。

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<18~20ページ>
2020年10月20日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)

レイプシールドについては、支援現場の視点から意見を述べさせていただければと思います。
私も警察官の方たちと会うことはよくあるので、全ての方がそうではないとは存じておりますけれども、被害を訴えたときに警察官から、「裁判になったら耐えられないような嫌な質問をいっぱいされるけど大丈夫。」とか、「昔のことをあれこれ持ち出
されて傷つくよ。」というふうに言われたということを非常によく聞きます。
そう言われて被害届を取り下げた被害者の方も何人もいました
裁判が過酷なプロセスなので、尋問に耐えられるかどうかという観点からふるい落とそうとしているのかなというふうに思いますけれども、そういう話を聞くたびに、被害者を黙らせて加害者の罪を問わないようでは、何のための司法なのかと思います。
被害者は、事件に関連することについて、事実を証明するために証言するのであって、そこで傷つけられ、二次被害を与えられるようなことは、あってはならないと思います。

関連性のない証言を求めることは制止ができるので、性的言動の証拠を採用してはならないとするレイプシールド法を制定する必要はないと言われますけれども、そうはなっていないから、警察官が裁判を諦めさせるようなことを言うのではないのでしょうか。

最高裁判決でも、逃げなかったことを理由に、2009年4月14日に強制わいせつで逆転無罪判決が出され、逃げなかったことを一つの理由として、2011年7月25日に強姦罪の逆転無罪判決が出されました。
控訴審の有罪判決における認定が経験則に照らして不合理と指摘されましたが、被害者心理や危機的状態に置かれた人間の反応を理解しておらず、レイプ神話に基づくジェンダーバイアスがあるとジェンダー法学者などからも指摘をされています。

提出資料である医歯薬出版株式会社発行の「フォレンジック看護-性暴力被害者支援の基本から実践まで」の30ページに、レイプ神話とその実態に関するWHO(世界保健機構)の報告が掲載されているのですけれども、こちらにも、セックスワーカーはレイプされないとか、男性は妻をレイプできないとか、被害を受けたらすぐに警察に届け出るということが世界で言われているレイプ神話として記載されており、警察でも、すぐに届けなかったから、あなたはその行為に同意していたのではないか、遊びだったのではないかというふうに言われることは、やはり起こっているのですね。
こういう誤った認識、バイアスは、システム全体に根を張っていて、私たちはその中に生きていると思います。
これまでいろいろな人と関係を持っているのだから今回も同意の下ではないかという推測を働かせて、被害者の訴えを信用しない、そういう司法の現場で起こっていることを認識して対応するということが、今後、非常に重要なのではないかと思います。
寺町東子弁護士に、国際刑事裁判所ローマ規程の適用に関する証拠手続規則というのを翻訳していただいて、そちらも資料として提出しています。
こちらに、「真の同意を与えることができない状態の被害者による言葉や行動によって、同意は推定できない。」とか、「当該行為の前または後の性的行動の証拠を採用してはならない。」という規定があり、不適切な質問がされないということをこの規則によって定めているのではないかと思います。
訴えることでいろいろなことを言われるのではないか、警察で嫌な質問をされるなどの情報もネットに載せられているので、それを検索して、訴えるのをやめておこうと思う。
やめたくてやめているわけではないのだけれども、それをすると自分の症状が確実に悪化する、若しくは、今の耐え難い心身の状態に更に打撃を受けたら、とてもではないけれど生きていけない、そのように思うから、やはり訴えることが非常に難しくなってしまうのだと思います。
ですから、司法のプロセスの中に統一した見解を示すためにも、不適切な質問がされないとか、同意について根拠のない誤った思い込みによる判断がされないように、同意の推測というのは、ローマ規程のように、このようなものは同意の根拠としてはならないということを示すようなレイプシールド法を制定していただければと思っています。
私たち被害当事者、また、現場でせっかく支援して、本人も訴える気持ちを持ったにもかかわらず、やはり取り下げざるを得ない現実に直面している支援者の人たちも同じ気持ちだと思います。

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<20ページ>
2020年10月20日 齋藤梓 委員(臨床心理士)

現在でも、証明すべき点と関連性のないものは証拠として提出できないということは理解しているのですけれども、それでもやはり問題ではないかと思う点がございます。

1点目は、法律家ではない支援者の立場からは、なぜそれに言及されないといけないのか分からないことに言及される場合があることです。
先ほど上谷委員もおっしゃっていたことでもありますけれども、例えば、見知らぬ人から性被害に遭った女性の事案で、その女
性が風俗とか水商売の仕事に就いていたことが法廷で言及されるということがあります。
なぜ言及されなければならないかということが、やはり理解しづらいなというふうに思います。

2点目は、明確に禁止していないことによって、少なくとも警察の捜査の段階などで、被害者が二次被害的に言及されることがあるという点があります。
もちろん、私も警察の方とよく一緒にお仕事しますので、本当に丁寧に配慮して聞き取りをなさる方がたくさんいらっしゃるとは存じているのですけれども、やはり今まで経験した事案でも、(具体的事例を紹介)。
ヒアリングで、岡田実穂さんが、性的マイノリティーの人たちがSNSや出会い系を使っていたことをもって届出が受け付けられないことがあるということもおっしゃっておりました。
もちろん、関係性の中で被害が起きている場合に、その加害者との過去の関係が問題になることは分かりますけれども、それ以外の性関係がなぜ問題になるのかということは、やはり理解が難しいなと思う点がございます。
捜査上必要なことであったとしても、過去の性的な経験とか傾向が今起きている出来事の同意には関わらないのだということが、何らかの形で明確になったならば、尋ね方が変わるなどして、二次被害が減っていくのではないかとも思います。

3点目は、これは山本委員も言及していたことかと思うのですけれども、性被害に対する偏見や先入観はいまだ大きく、それが現在の社会や司法に影響していないかということです。
現在も、証明すべき点と関連性のないものは証拠として提出できないとされておりますが、その判断全体にバイアスがかかっている可能性というのはないでしょうか。
こうした問題を解決する方法としてどのような方法がいいのかというところには、なかなか考えが及ばないのですけれども、いわゆるレイプシールドの在り方について検討いただくとか、同時に司法関係の方々にレイプ神話、ジェンダー、セクシャリティーに関する研修を適切に行っていただくということも検討いただければと思っております。

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<20~21ページ>
2020年10月20日 小島妙子 委員(弁護士)

裁判所は十分やっているから大丈夫なのだという意見と、上谷委員を始め山本委員や齋藤委員のように被害者側からは、ひどい質問をされて、それにおびえて被害申告をやめようと思うぐらいの状況になっているのだという意見の両方を伺います。
実態については重要だと思うのですけれども、問題は、被害の申告を考えている人々に、刑事訴訟法でこういう規定になっているから大丈夫だと、ひどい尋問というのはされない、不必要な尋問はされないのだということを、条文とか明確なテキストの形で示していって、説明できるようにしていくとよいのではないか。
被害者を励ますような刑事訴訟法であってほしいと思います。

もう一点は、次の論点である司法面接の導入との関係でも重要なのではないかという点です。
司法面接制度を導入するとしても、反対尋問権との対立の問題になってくる。
そうすると、反対尋問の在り方というのが問題になってくると思います。
この点から、レイプシールド法、不適切な反対尋問がなされないという法律ができているということが、重要なのではないかと思います。

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<21ページ>
2020年10月20日 中川綾子 委員(大阪地方裁判所部総括判事)

裁判官の立場から、二点申し上げたいと思います。

どのような証拠が公判に顕出されるかは、事案の内容や争点によって異なりますので、一概には言えないところではありますが、例えば、被害者の証人尋問で、弁護人から被害者の性的な経験や傾向が質問され、検察官がその質問は事件に関係がないと考える場合には、質問に対して異議が出されることになると思います。
その場合、裁判所は、弁護人の意見を聴いた上で、その質問が事件と関係がない質問であると判断すれば、その質問を認めず、質問を変えてもらうというような措置を採ることになります。
また、仮に事件のために必要な質問であったとしても、質問の方法などが被害者を侮辱するようなものであるような場合には、質問の方法を変えてもらったり、質問を止めさせたりすることもあると思われます。
これが1点目です。

それから、2点目、レイプ神話の話がありました。
その関係ですが、被害者の方が証人尋問を受ける際の心理状態ですとか、裁判で配慮が必要な事項につきましては、司法研修所で行われる専門家の講演で研修も受けております。
質問の仕方などについて工夫するようにというふうに伺っています。
バイアスとかレイプ神話の関係につきましても、その講演の中で、性被害に対する先入観とか偏見があるのではないかというような講演もお聞きしております。
性犯罪被害者の心理と刑事裁判という御講演の中で、やはりレイプ神話に触れられていました。
女性に対するレイプ神話、それから男性に対するレイプ神話、両方触れておられました。
そういう講演などを伺う中で、私自身も含め、裁判官は自分自身がそうした偏見やバイアスを無意識のうちに持っていないかどうか、改めて確認をしております。
自分がその偏見に基づく不当な扱いをしていないかとか、二次被害を与えていないかというようなことを、常に心に留めながら努力しているところであります。

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<21~22ページ>
2020年10月20日 宮田桂子 委員(弁護士)

今まで裁判例の中で、例えば水商売に従事しているからといって、同意があったことにはならないのだというような形で判例が集積されておりますので、そのような被害者の属性そのものが一つの立証事項として重要だなどと考えている弁護人は恐らくいないだろうと思います。
しかしながら、事件の中には、そういうものに言及せざるを得ないものもあります。
例えば、売春の客と売春をする主体の関係にあり、支払う金額のことでもめた、だから被害を申告されたというような事例、あるいは、出会い系サイトで出会って性的な関係、一時的なラブアフェア、情事を楽しんだと、しかしながら、それが家族にばれた、夫にばれた、恋人にばれたというような事情があったために、同意はなかったのだ、無理にされたのだという話が出てきたとき、そうではなくて、こういうところで知り合って、こういう関係が過去にもこの人とはあって、という立証をせざるを得なかった事例なども聞いております。
あるいは、これは性交同意年齢の問題にも関わるかもしれませんけれども、比較的若い被害者が非常に性的な問題に対して関心を持っている、だから積極的に自分から男性と関係を持とうとしたという事例だということを立証しようと思えば、その被害者が性的な関心度が高かったことも争点にせざるを得ないということがございます。
つまり、被害者の属性について、どうしても争点にせざるを得ない、そこが正に同意があったかどうかの境目になる、という案件というのは存在するのです。

裁判所の訴訟指揮が悪いという御意見がありましたけれども、現在、裁判は当事者主義の下で行われております。
つまり、裁判所は、最初は起訴状しか分からない。
公判前整理手続に付された事件の場合には、裁判所もあらかじめ争点について御存じですが、そうではない事件については、裁判所は争点については御存じない状態で裁判に臨んでいます。
そういう場合に、弁護人がそういう性的な事項に関わる質問をしたとき、裁判官としては、これが争点に関わり合いがあるのかないのかが分からない、検察官が異議を出さずにスルーしてしまったら、これは争点なのかなと思いながら聞いていて、最後に、やはり争点ではなかったのではないかと、裁判官が気付くという事件もあるわけです。
つまり、公判前整理手続に付した事件はともかく、そうではない事件の場合には、反対尋問の際にもしも不適切な質問があったのであれば、「それは関連性のない質問です。」、「証人を侮辱するような質問です。」、あるいは、「裁判官に対して予断や偏見を与えるような質問ではありませんか。」という形で、検察官が適切に異議を述べなければならない。
しかしながら、それがないままにスルーされている事件があるのではないか
そして、それが裁判所の訴訟指揮が悪いという裁判所批判になっている事例もあるのではないかという気がいたします。

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<22~23ページ>
2020年10月20日 川出敏裕 委員(東京大学教授)

今、宮田委員から御指摘がありましたように、被害者の性的な経験や傾向を立証することが被告人の防御にとって必要な場合があるのであれば、その立証を一切認めないということは許されませんので、仮にレイプシールドに係る立法をするとしても、現在の運用、つまり、関連性とか証拠調べの必要性のない証拠の取調べを認めないとか、あるいは、不相当な質問は認めないといったことを確認する規定を置くことになるのだろうと思います。

外国にはそのような規定を設けているところもあるわけですが、例えば、資料50で挙がっているアメリカの連邦証拠規則などを見てみますと、レイプシールドの規定は、関連性についての一連の規定の中の一つのカテゴリーとして定められています。

仮に、我が国でレイプシールドについての規定を設けるとすれば、これと同様に、例えば前科証拠の扱いなども含めた形で規定を設けるのが筋であり、レイプシールドに関してのみ明文規定を置くというのであれば、やはり相応の理由が必要であろうと思います。
その上で、どのような場合にレイプシールドについてだけ確認規定を置くことが正当化されるかですが、考えられるとすれば、配偶者間の性的行為の処罰規定の在り方についての議論の際に指摘されていたのと同様に、実務上、被害者の性的な経験や傾向に係る証拠の関連性や証拠調べの必要性について誤った理解、解釈がなされている可能性があるので、それが誤ったものであることを立法によって明示するということであろうと思います。

そうしますと、先ほど、弁護人側から関連性のないような質問が出されるのに対して、裁判所がそれを漫然と放置しているという実情があるという御紹介がありましたが、そのような例が現にあるとして、それが、関連性や証拠調べの必要性についての裁判所の理解が誤っていることによるものなのか、それとも、その理解自体は誤っていないけれども、個別の事件における判断を誤ったことによるものなのかを明らかにする必要があります。

仮に、裁判所の関連性等の理解自体が誤っているということであれば、それを正すという意味で、特別な規定を置く意味が出てきますが、そうではなく、個別の判断の誤りということであれば、立法をするよりも、例えば、裁判所内部で研修を行うとか、あるいは、一歩進んで運用面における指針のようなものを作るといった形で対処すべき問題なのではないかと思います。

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<23ページ>
2020年10月20日 金杉美和 委員(弁護士)

私も、一般的にこのレイプシールド、性的な経験や傾向に関する証拠を法廷に顕出することを禁止するという規定を置くのは、行き過ぎだと考えています。
まず、二つ考えられると思うのですが、客観的な証拠、書証であるとか物証であるとかの証拠の提出に関しては、あらかじめ検察官が意見を述べて、関連性がないものであれば、検察官が不同意にする、あるいは、証拠の関連性に異議を述べるという形で裁定を経ることになります。
その上で、裁判所が、関連性があるものであれば採用するという判断をすることになるわけなので、そこで全く関連性がないものは排除されると思います。
一番問題になる尋問の場面ですけれども、これについても、やはり、先ほどの上谷委員の御指摘のような事案であれば、もちろん不適切だと思いますけれども、裁判所が漫然と放置する前に、恐らく検察官も異議を言うということもあるのだと思います。
検察官の異議、あるいは裁判所の裁定という判断が適切になされているのであれば、つまり、運用面で問題がないのであれば、そこで遮られるはずの質問だと思います。
関連性がないものが遮られるべきは当然ですけれども、関連性のある証拠、その事件にとってその性的な経験や傾向に関する質問が必要である場合にまで、それを遮られるというのは、憲法で保障された、全ての証人に十分に審問する機会が与えられるべきという反対尋問権を制限するものであって、やはり認められないと思います。

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<23~24ページ>
2020年10月20日 和田俊憲 委員(東京大学教授)

まだ御説明いただいていない資料にはなってしまうのですが、資料57には、イギリスにおける特別措置のガイダンスが書かれていまして、その8ページ以下にグラウンドルールについての記載があります。
これを見ますと、イギリスでは、脆弱証人、性犯罪被害者はこれに当たり得るということですけれども、それが関わる事件においては、事前にグラウンドルールを決めるという手続があるようでありまして、その中では、証人の性的遍歴に関する質問を制限することであるとか、あるいは、侮辱的な言葉を使用することに対するコントロールを決めることができるという制度が設けられているようであります。

我が国でもこれと同じような制度を設けるというのは一つの方法かもしれませんし、正式な制度にまでしなくても、現行法の運用の中で、より積極的にそういうことを実現していくことが考えられると思います。

具体的には、被害者の性的な経験に関する証拠の提出だとか、尋問が問題となり得るという事案は、当然、あり得なくはないわけですけれども、公判前整理手続だとか事前の打合せで、そういう証拠提出の範囲や尋問の範囲をあらかじめ明確に決めるようにする。
決めておいたにもかかわらず、それに反することをされるのだという御指摘もあったのかもしれませんけれども、そこはより強く、合意に反してそういうことがなされないように、より積極的に運用をしていくということが考えられてよいのではないかと思います。

そのように、一律に証拠を禁止するのではなくて、個別の事案ごとに合意を設けて、それに反する行為が行われないように可能な限り強くコントロールして、適切な訴訟指揮だとか異議申立てができるようにして、それがある程度機能すれば、それが機能しないところが問題なのだという御指摘なのかもしれませんけれども、それがある程度機能するようになれば、証人となる被害者にとっても、個別の事案において事前の予測可能性が出てきて、利益になるのではないかと思う次第です。

私は訴訟法の専門家でないので、若干、専門外からの意見ということになりますが、以上です。

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<24ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

時間の関係もございますので、第2の「3」((レイプシールドの在り方))についての議論はこの辺りまでということにしたいと思います。
この論点については、それへの対応を運用に任せるべきだという御意見が複数の委員から出されました。
近い将来のことですが、この検討会の取りまとめをしなければならないときにも、そういう運用の改善に資するような、今日頂いた貴重な御示唆、こういうものを入れて提言のようなことを行うというのは十分考えられるところだと思います。
他方で、何らかの明文の規定を作るということになると、先ほど川出委員が適切にまとめられたような問題があり、なかなかこれは、ここだけでのピンポイントの対応にとどまらないことになってしまいそうです。
先ほど、明文の規定をという御意見が何人かの委員から出されましたけれども、いかがでしょうか。

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<24ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

検察官が適切に異議を出して、それについて裁判所が意見を聴くという話がありまして、私も実務で、検察官はもう少し異議を出してほしいと思うことは確かにあるのですけれども、検察官が異議を出すということは、もう不適切な質問はされているわけです。
検察官が異議を出そうが出すまいが、被害者に対する侮辱的な事態はもう法廷で起きているわけですので、検察官が異議を出せばいいではないかという話ではないと思います。
確かに全面禁止とかそういうのは難しいと思いますけれども、例えば、確認規定でもいいのではないかとか、研修をすべきではないか、何らかの指針を定めるべきではないかという、何らかの手当てはすべきではないかと私は強く思っています。

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<24ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

刑事訴訟法に何らかの規定を入れるべきだという御趣旨ですか。

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<24ページ>
2020年10月20日 上谷さくら 委員(弁護士)

その方法ももちろん検討すべきかと思います。

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<24ページ>
2020年10月20日 井田良 座長(中央大学教授)

それでは、この論点につきましても、一渡り御意見は頂けたということで、時間の関係がございますので、議論はこのぐらいにしたいと思います。

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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(再掲。朝日新聞)

AV出演へのこの容疑(淫行勧誘)の適用は初めてで、支援者らは「撮影で被害者に性交させた時点で摘発できる道がひらけた」と期待を寄せました。
しかし、2人は不起訴処分になりました。
捜査関係者によると、被害者が裁判で思い出したくないことまで根掘り葉掘り聞かれる可能性を恐れ、捜査協力をためらうケースも少なくないそうです。

(再掲。上谷さくら 委員)
法廷というのは、被害回復にとって、とても重要な場所なのですけれども、そこで堂々と二次被害を生じさせるようなことが行われているということは、もう絶対に見過ごすことはできないと思っています

(再掲。山本潤 委員)
被害者は、事件に関連することについて、事実を証明するために証言するのであって、そこで傷つけられ、二次被害を与えられるようなことは、あってはならないと思います

(再掲。齋藤梓 委員)
明確に禁止していないことによって、少なくとも警察の捜査の段階などで、被害者が二次被害的に言及されることがあるという点があります
捜査上必要なことであったとしても、過去の性的な経験とか傾向が今起きている出来事の同意には関わらないのだということが、何らかの形で明確になったならば、尋ね方が変わるなどして、二次被害が減っていくのではないかとも思います

日本ではレイプシールド(強姦被害者保護)がおこなわれていません。
山本潤委員がおっしゃるように「被害者を黙らせて加害者の罪を問わない」という事態になっています。
香西咲さんたちの正義を潰してはなりません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

刑法を改正するための審議は、順調に推移しています。香西咲さんたち被害者の方々の泣き寝入りをしない姿勢が、論議を後押ししています。あとは刑法の改正です

いまから3年前(2017年)のことです。
国会で、刑法の一部を改正する法律が可決、成立しました。
同法は、2017年7月13日から施行されました。

(参考)
2017年7月13日 刑法の一部を改正する法律

同法の附則第9条を参照します。

刑法の一部を改正する法律より。)
附則第9条

政府は、この法律の施行後3年(2020年)を目途として、性犯罪における被害の実情、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

「附則第9条」にもとづいて、今年(2020年)の3月31日、法務省内に性犯罪に関する刑事法検討会が設置されました。

(参考。性犯罪に関する刑事法検討会
<開催状況>
第1回(2020年6月4日)※議事録公開
第2回(2020年6月22日)※議事録公開
第3回(2020年7月9日)※議事録公開
第4回(2020年7月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第5回(2020年8月27日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第6回(2020年9月24日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第7回(2020年10月20日)※議事録公開(AV出演強要についても論議)
第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第9回(2020年12月8日)※議事録準備中
・第10回(2020年12月25日開催予定)

同検討会は、闇雲にはなしをしているのではありません。
検討すべき論点にもとづいて議論をおこなっています。
本日は、当ブログが参照した論点をみてみます。

(「検討すべき論点」より、引用)

第1 刑事実体法について

1 現行法の運用の実情と課題(総論的事項)

〇 現行法がどのように運用されているか、処罰すべき行為が適切に処罰されない事態が生じているか

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2 暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方

〇 強制性交等罪の暴行・脅迫の要件、準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか
〇 強制性交等罪の暴行・脅迫の要件、準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能の要件について、判例上必要とされる「被害者の抗拒を著しく困難にさせる程度」を緩和した要件とすべきか
〇 強制性交等罪や準強制性交等罪の構成要件として、暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか
〇 被害者が性交等に同意していないことについて、一定の行為や状態が認められる場合に被告人側に立証責任を転換し、又はその要件の充足を推定する規定を設けるべきか
〇 行為者が、被害者が性交等に同意していないことの認識を有しない場合にどのように対処すべきか

  
(参考。当ブログ)
<不同意性交等罪の新設について>

2020年12月7日(※その1)
2020年12月8日(※その2)
2020年12月9日(※その3)
2020年12月10日(※その4)
2020年12月11日(※その5)

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3 地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方

〇 被害者が一定の年齢未満である場合に、その者を「現に監護する者」には該当しないものの、被害者に対して一定の影響力を有する者が性的行為をしたときは、被害者の同意の有無を問わず、監護者性交等罪と同様に処罰する類型を創設すべきか

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〇 被害者の年齢を問わず、行為者が被害者の脆弱性、被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為について、当罰性が認められる場合を類型化し、新たな罪を創設すべきか

  
(参考。当ブログ)
<地位・関係性を利用した性犯罪について>

2020年12月14日

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〇 同一被害者に対して継続的に性的行為がなされた場合において、個々の行為の具体的な日時・場所を特定しなくても、個々の行為を包括する一連の事実について1個の犯罪の成立を認めることができるような罪を資料創設すべきか

  
(参考。当ブログ)
<継続的な行為を全体として一(いち)罪とすることのできる罪の創設について>

2020年12月19日

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〇 一定の年齢未満の者に対し、性的行為や児童ポルノの対象とすることを目的として行われるいわゆるグルーミング行為を処罰する規定を創設すべきか

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4 いわゆる性交同意年齢の在り方

〇 暴行・脅迫や被害者の同意の有無を問わず強制性交等罪が成立する年齢を引き上げるべきか

  
(参考。当ブログ)
<性交同意年齢の在り方について>

2020年12月20日

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5 強制性交等の罪の対象となる行為の範囲

〇 強制性交等の罪の対象となる行為に、身体の一部や物を被害者の膣・肛門・口腔内に挿入する行為を含めるべきか

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6 法定刑の在り方

〇 2名以上の者が現場において共同した場合について加重類型を設けるべきか
〇 被害者が一定の年齢未満の者である場合について加重類型を設けるべきか
〇 強制性交等罪の法定刑(5年以上の有期懲役)の下限を引き下げるべきか

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7 配偶者間等の性的行為に対する処罰規定の在り方

〇 配偶者、内縁などの関係にある者の間でも強制性交等罪や準強制性交等罪が成立することを明示する規定を設けるべきか

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8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方

〇 他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか
〇 撮影された性的な姿態の画像の没収(消去)を可能にする特別規定を設けるべきか

  
(参考。当ブログ)
AV出演強要について>

2020年11月18日(※第6回目の議事録を参照。)
2020年11月19日(※第4回目と第5回目と第6回目の議事録を参照。)
2020年12月2日(※処罰規定に関する2つの考え)
2020年12月5日(※強制性交等罪と準強制性交等罪の適用について)
2020年12月12日(※第7回目の議事録を参照。)

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第2 刑事手続法について

1 公訴時効の在り方

〇 強制性交等の罪について、公訴時効を撤廃し、又はその期間を延長すべきか
〇 一定の年齢未満の者を被害者とする強制性交等の罪について、公訴時効期間を延長することとし、又は一定の期間は公訴時効が進行しないこととすべきか

  
(参考。当ブログ)
<時効の撤廃、延長について>

2020年12月15日(※その1)
2020年12月16日(※その2)
2020年12月17日(※その3)

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2 起訴状等における被害者等の氏名の取扱いの在り方

〇 起訴状等の送達等によって、被害者の氏名などの被害者特定事項が被告人に知られることがないようにする仕組みを設けるべきか

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3 いわゆるレイプシールドの在り方

〇 被害者の性的な経験や傾向に関する証拠を公判に顕出することを原則として禁止することとすべきか

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4 司法面接的手法による聴取結果の証拠法上の取扱いの在り方

〇 司法面接的手法による聴取結果を記録した録音・録画記録媒体について、特別に証拠能力を認める規定を設けるべきか

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論点のなかにある
起訴状等の送達等によって、被害者の氏名などの被害者特定事項が被告人に知られることがないようにする仕組みを設けるべきか
につきましては、より迅速な対応がとられることとなりました。
6回目の議事録を参照します。

(2020年9月24日 第6回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)

<1ページ>
2020年9月24日 岡田 参事官(法務省)

(前略。)
(略)「2 起訴状等における被害者等の氏名の取扱いの在り方
については、(略)、法務大臣の指示により、別途、法改正に向けた具体的な検討を加速して行うこととなりました。

今後、この論点については、法務省において検討を進めていくこととなりますが、法改正に向けた方向性が定まりましたら、本検討会において、委員の皆様に御報告したいと考えております。
(後略。)

いま、論点のなかで気になっているのは、
レイプシールド

司法面接
です。
こちらにつきましては、明日以降のブログでみていきたいと思います。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

被害者の方々の泣き寝入りをしない姿勢が、上述の論点をつくりあげました。
あとは刑法の改正です。
この日本が性犯罪者を野放しにしない国になることを念願します。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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