AV出演強要をされたあげく2,460万円の違約金を請求された事件についてみています。
(参考。当ブログ)
・2020年11月25日(※判決文)
・2020年11月26日(※判決文+国会質疑)
・2020年11月27日(※判決文+国会質疑+被害者の手記)
・2020年11月28日(※内閣府)
2,460万円の違約金を請求された女性は、プロダクション側の弁護士の存在にも畏怖しました。
当該女性の手記を参照します。
(被害者の女性の手記より、引用。)
<一部分を抜粋>
●被害者の女性
そして私の場合は、(露出度の高いグラビア撮影等に)出演する毎に、違約金がとんでもない額になっていきました。 |
それを支払わなければ裁判で負けて本当に支払う羽目になると追い詰められ、最後はAVに出演せざるを得なくなったのです。 |
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女の子にとっては、どこのメーカーが有名かどうかわからないですし、自分がどこのメーカーに売られるのかわからないですし、とにかく知識がないので、「言う事を聞けば終われる、逃れられる」と思っていました。 |
大人の男性を相手に敵に回すのはとても怖かったです。 |
プロダクションやメーカーの人もそうですが、相手方の弁護士も怖かったです。 |
ようやく支援団体に助けを求めた日に、警察にも助けを求めました。警察の人の協力もすこしは得られました。しかし、警察の人はプロダクションに事情を聴いたあとで、私に対して「あと2本出演したらどうか」と言ってきました。 |
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(再掲。被害者の女性)
「相手方の弁護士も怖かったです」
朝日新聞の記事をみてみます。
(2017年1月19日 朝日新聞「AV強要の会社側弁護士は『懲戒審査が相当』 日弁連」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2017年1月19日 朝日新聞
アダルトビデオ(AV)への出演を拒否した女性が、プロダクション会社から「契約違反だ」として2460万円の損害賠償を求められた訴訟で、会社代理人を務めた60代の男性弁護士について、日本弁護士連合会は懲戒処分にするべきか審査するよう、弁護士が所属する第二東京弁護士会に求める決定を出した。 |
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弁護士が訴訟を起こしたことで懲戒審査の対象になるのは異例。 |
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損害賠償訴訟の判決によると、女性はAV出演を拒否すると会社から「違約金が1千万円かかる」と言われた。
(参考。判決文) |
契約解除を求めると、会社はこの男性弁護士らを代理人として東京地裁に提訴。 |
地裁は2015年9月、「強要できない仕事なのに、多額の違約金を告げて出演を迫った」として請求を棄却し、確定した。
(参考。判決文) |
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(再掲。朝日新聞)
「弁護士ら」
プロダクション(原告)の訴訟代理人となったのは、男性弁護士と女性弁護士の計2名です。
両名の名前につきましては、判決文に記載されています。
(※参考。判決文)
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上述の朝日新聞の記事をつづけます。
●2017年1月19日 朝日新聞
弁護士は取材に、 「国民が持つ『裁判を受ける権利』を代理し、裁判所に判断を求めるのが弁護士の仕事。提訴を懲戒審査の対象にした日弁連の判断は不当で、懲戒委員会で正当性を主張していく」 と話した。 |
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(参考。憲法)
□第32条
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。 |
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(参考。弁護士職務基本規程)
□31条
(不当な事件の受任)
弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない。 |
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(再掲。判決文)
●2015年9月9日 東京地方裁判所 原克也裁判長)
アダルトビデオへの出演は、原告が指定する男性と性行為等をすることを内容とするものであるから、出演者である被告の意に反してこれを従事させることが許せない性質のものといえる。 それなのに、原告は、被告の意に反するにもかかわらず、被告のアダルトビデオの出演を決定し、被告に対し、第2次契約に基づき、1000万円という莫大な違約金がかかることを告げて、アダルトビデオの撮影に従事させようとした |
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被告は、グラビア撮影の内容及びアダルトビデオへの出演が、第1次契約の当初より被告の意に反する業務であったため、平成〇年〇月〇日のグラビア撮影及び翌3日のアダルトビデオ撮影の直前である同月1日に、支援者を通じて、原告に対し、第1次契約及び第2次契約を解除する旨の意思表示をした。 |
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プロダクションは、上述の男性弁護士に相談しました。
プロダクションは以前にも何度か、別の件でこの弁護士に依頼をしたことがあります。
男性弁護士は、訴訟を提起する方針を決定しました。
請求額の2,460万円は、最終的に、男性弁護士が算出しました。
こうした所作は、弁護士職務基本規程第31条がさだめる
「弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない」
に抵触しないのでしょうか。
このことについて、谷直樹弁護士はつぎのようにのべています。
(谷直樹弁護士のブログより、引用。)
<一部分を抜粋>
●2017年1月19日 谷直樹 弁護士
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第二東京弁護士会は結局、プロダクション側の代理人として訴訟を提起した両名の弁護士を処分しませんでした。
その後、第二東京弁護士会は、方針をかえたようです。
今年(2020年)の1月、別のAV弁護士を戒告処分にしました。
(参考。当ブログ)
<第二東京弁護士会がAV業界人の顧問弁護士に下した懲戒処分>
・2020年1月27日(その1)
・2020年1月28日(その2)
・2020年1月29日(その3)
・2020年1月30日(その4)
・2020年1月31日(その5)
・2020年2月1日(その6)
・2020年2月2日(その7)
第二東京弁護士会は、
「AV業界人の顧問弁護士をしていることはゆるされない」
との判断をしめしました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。 全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。 |
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あるAV弁護士はいま、AVとは別の件でうったえられています。
国民が納得する判決となることを期待しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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