性犯罪に関する刑事法検討会は、現在、刑法のなかにある性犯罪の規定の見直しを論議しています。
(確認。刑法の性犯罪に関する規定)
<現在>
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先日、性犯罪に関する刑事法検討会は、
「性犯罪に関する刑事法検討会 意見要旨集(第5回会議分まで)」
という資料を公開しました。
(参考。当ブログ)
・2020年11月14日
2020年11月10日 意見要旨集(第5回会議分まで)
上述の資料(※意見要旨集)を読んで、以下の意見に瞠目させられました。
第1 刑事実体法について
↓
2 暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方
↓
(3)暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加えて、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化して列挙すべきか
↓
② 列挙することが考えられる手段、状態
↓
(ある委員の意見)
「抗拒不能の要件の明確化として、『人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害、洗脳、恐怖、困惑その他の状況により、特別に脆弱な状態におかれている状況を利用し、又はその状況に乗じて』という要件とすべき」
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「洗脳」とあります。
どなたがのべられたのでしょうか。
性犯罪に関する刑事法検討会の議事録を確認します。
・第1回(2020年6月4日)※議事録公開
・第2回(2020年6月22日)※議事録公開
・第3回(2020年7月9日)※議事録公開
・第4回(2020年7月27日)※議事録公開
・第5回(2020年8月27日)※議事録公開
・第6回(2020年9月24日)※議事録準備中
・第7回(2020年10月20日)※議事録準備中
・第8回(2020年11月10日)※議事録準備中
第5回目の議事録のなかに、
「洗脳」
との文字がありました。
参照します。
2020年8月27日 第5回性犯罪に関する刑事法検討会
(2020年8月27日 第5回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)
<10~11ページ>
●2020年8月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)
暴行・脅迫要件の撤廃若しくは要件の追加・緩和などを考えるときに、保護法益は何かということも、非常に大きな問題になると思います。 |
私は被害者であるので、被害者の実感として言わせていただければと思いますけれども、保護法益が性的自由、性的自己決定権といわれますけれども、被害者にとってみれば、心身の境界線の侵害です。 |
刑法では、余りなじみがない概念かと思いますけれども、性暴力は究極の境界線の侵害といわれています。 |
国連は、身体の統合性と性的自己決定権の侵害を性暴力と定めていますが、この身体の統合性を破壊する行為が性暴力であり、その結果、境界線の侵害が起こるという概念は、被害者として納得ができるものです。 |
フランス刑法も、心身の完全性を性暴力の保護法益としていると伝えられていますけれども、そのように、心身を踏まえた概念を保護法益の中に入れていただければと思います。 |
なぜかといえば、自由意思が無視されたことだけに、被害者は苦しんでいるわけではないからです。 |
自由意思が侵害され、自分の心身が踏みにじられたことに苦しんでいるのです。 |
正に、自分の体が犯罪の現場になったことに苦しんでいるのです。 |
それを思うと、先ほど、明治時代に考えられた刑法の説明もしていただきましたけれども、そのように、女性に自由や人権がなく、妻とめかけがいて、そして、選挙権も被選挙権もなく、結婚すれば財産権もなかった。 |
そのような時代に作られた暴行・脅迫や抗拒不能の在り方が、どのように運用されてきたのかということにも心を配ってほしいと思っています。 |
不同意は、隠れた構成要件というふうにいわれることもあるかと思うのですけれども、それならば、やはり、不同意を前面に出していただいて、同意なくして性犯罪を犯したということをきちんと処罰していただければと思います。 |
その暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能に加え、又はこれらに代えて、その手段や状態を明確化することについては、第2回会議の際に配布された要望書の中に、ヒューマンライツ・ナウが提出した様々な要件があるかと思います。 |
(※参考。ヒューマンライツ・ナウの要望)
【改正案】
176条 不同意性的行為罪・若年者性的行為罪 178条 同意不能等性的行為罪・同意不能等性交等罪 177条 不同意性交等罪・若年者性交等罪 178条 同意不能等性的行為罪・同意不能等性交等罪 |
●2020年8月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)
脅迫、威迫、不意打ち、偽計、欺罔、監禁を追加し、抗拒不能には、人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害、若しくは洗脳、恐怖、困惑、その他の状況により、特別に脆弱な状況に置かれている状況を利用し、又はその状況に乗じてという要件を追加することについて、私は支持したいと思います。 |
また、暴行・脅迫要件を撤廃するか、緩和するかについては、少なくとも緩和する必要があると思いますし、刃物などの武器で脅された場合の恐怖を考えれば、より重い法定刑にするという議論があってもよいのではないかとも思います。 |
抗拒不能に関しては、先ほどからも議論に出ていますけれども、あまりにもばらつきが多いとも感じています。 |
その判断が明確にできるような基準を、構成要件にして定めてもいいのではないかと思います。 |
加えて、私自身は、不同意性交等罪については、スウェーデン刑法のようなイエス・ミーンズ・イエス型、「自発的に参加していない人に対して」としてほしいと思っています。 |
特に違和感を覚えるのは、拒否していなければ同意と考えられてしまうことです。 |
性交は、双方が合意を形成しながら、お互いに参加して行うものだと私は思います。 |
もし、ドイツの刑法のように、「明示的な意思に反して」とした場合に、被害者が拒絶意思を示すことが求められてしまうのではないかということを懸念します。 |
私たちは、加害者の行動が犯罪になるのかを問いたいのであり、被害者に抵抗を求めるような条件を課すことは適切ではないと考えます。 |
イエス・ミーンズ・イエス型になれば、明確な同意を取らずに性交すれば犯罪になるという、より重いルールを強制することになるということに対して、反対意見があることも承知しています。 |
しかし、先ほど齋藤委員からも話があったように、非常に性暴力が日本の中でありふれていて、加害者たちはアプリを使ったり、呼び出したり、教師であったり上司であったりする優越的な地位を利用して、本当にカジュアルに性加害をしていて、そして、被害者は、自分が悪いと思ってこれが性暴力と認識することも難しく、長年苦しんだ挙げ句にその認識に至り、それを訴えようと思ったら証拠もないし時効も過ぎている。 |
このような現状を考えると、性暴力の実態に即したイエス・ミーンズ・イエス型で、これは犯罪であるということを明確にしてほしいというのが私の希望です。 |
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年12月27日>
もう一度言います。 元アットハニーズA氏に洗脳されて無ければ私はAVに出ていません。 8ヶ月間洗脳され占い師まで登場し、イメージビデオとあやふやなまま富士山の麓のスタジオに連れていかれました。 勿論後悔しています。 最近ファンの方々に恵まれた事が唯一の救いです。 |
●香西咲さん
<2017年12月9日>
洗脳で「身内(事務所)の話しか聞く耳を持たない」っていう脳のバリアが出来るんですね。 ヘルメット被っている様な感じ。 そこに非道理な事をやらされたり不信感を持つと亀裂が入り、疑問を抱くけどまだ何も出来ない。 時間をかけて外の世界と触れ合う様になって少しずつバリアが削げ落ちていく感じです。 |
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(再掲。山本潤 委員)
「脅迫、威迫、不意打ち、偽計、欺罔、監禁を追加し、抗拒不能には、人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害、若しくは洗脳、恐怖、困惑、その他の状況により、特別に脆弱な状況に置かれている状況を利用し、又はその状況に乗じてという要件を追加することについて、私は支持したいと思います」
山本潤委員のほかにも、洗脳に論及された委員がいます。
こちらの意見につきましては明日のブログでみてみます。
洗脳とは別に、山本委員は、以下のことを主張されています。
(再掲。山本潤 委員)
「保護法益が性的自由、性的自己決定権といわれます」
「自由意思が無視されたことだけに、被害者は苦しんでいるわけではない」
「被害者にとってみれば、心身の境界線の侵害です」
「自分の心身が踏みにじられたことに苦しんでいるのです」
性暴力は、一般的に、性的自己決定権の侵害、と言われています。
ぼくはこれを聞くたびに、腑に落ちないものを感じていました。
そうなのかな、と。
山本委員はこうおっしゃっています。
「心身の境界線の侵害です」
「自分の心身が踏みにじられたことに苦しんでいるのです」
と。
夾雑物が失せました。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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