香西咲さんはいまも性犯罪者と戦っています。日本学術会議が9月に出した刑法改正に関する提言を読んで、あたらめて、日本は未開の国である、と感じました

本日もひきつづき、9月に日本学術会議が出した刑法改正に関する提言をみてみます。

(参考。当ブログ)
2020年11月10日
2020年11月11日

上述の提言の表題は、
『同意の有無』を中核に置く刑法改正に向けて―性暴力に対する国際人権基準の反映―
です。
「暴行・脅迫」要件の撤廃について論じています。
当該提言の一部を引用します。

(2020年9月29日 日本学術会議「『同意の有無』を中核に置く刑法改正に向けて―性暴力に対する国際人権基準の反映―」より、引用。)

<1~2ページ>
2020年9月29日 日本学術会議

2017年の刑法改正は、いくつかの点で大きな改善を果たした。

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しかし、日本国憲法が保障する「個人の尊重」及び「自己決定権」を十分に尊重する形での刑法改正は2017年も実現しなかった。

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国際社会では、 1990年代から「女性に対する暴力」の撤廃に向けた取り組みが本格化した。
これを受け、多くの国で「暴行又は脅迫」の有無から「同意の有無」へと犯罪成立の構成要件(用語①)の基本的枠組みが転換されていった。

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(略)日本では、強姦罪においては「暴行又は脅迫」要件が、準強姦罪(用語②)においては「心神喪失」(用語③)あるいは「抗拒不能」 (用語④)が、犯罪成立の構成要件とされてきた。

(参考。刑法の性犯罪に関する規定
<現在>

第176条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。

13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

第177条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

第178条

1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(177条)の例による。

2020年9月29日 日本学術会議

被害者の「同意」がなかった場合(「同意の不存在」=不同意性交)でも、加害者の「暴行又は脅迫」が認められなかった場合や、被害者が「抗拒不能」であったと認められなかった場合には、構成要件を充足せず、無罪とされてきた。
しかも、 これらの要件は、 2017年にも改正されず、維持された。
その意味で、 日本の現行法は、加害者がどのような行為を行い、 それに対して被害者がどのように対応したかを犯罪成立要件の中核とするため、 被害者の性的自己決定権や性的自由を保護するのには十分な規定となっていないのである。

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<4~5ページ>
2020年9月29日 日本学術会議

暴力は、行為者の意図や客観的な証拠だけでなく、社会構造にも由来することを念頭に置かなければならない。
その重要な視点の一つと考えられているのが、「同意の有無」を中核に置く性暴力に関する刑罰法規の整備である。

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(略)性暴力については、加害行為の態様ではなく、「同意」の不存在または「状況」のみを要件とする犯罪化が求められている。

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犯罪の成否は、 あくまで「同意の有無」によって決せられるのであり、「暴行又は脅迫」の有無によって決せられるのではない。

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<6ページ>
2020年9月29日 日本学術会議

日本の刑法177条の要件は、性暴力を個人の「身体の保全及び性的自律」の侵害と認識して「同意の有無」 を要件の中核に据える現在の国際人権基準とは相容れない。

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日本国憲法の国際協調主義、男女共同参画社会の形成の促進が「国際的協調の下に行われなければならない」(男女共同参画社会基本法7条)との要請に従い、 国際人権基準に基づいて、「暴行又は脅迫」 及び「抗拒不能」 の各要件の再検討、ならびに、配偶者間強制性交等罪の明文化や、男性器を用いた性交等への限定の見直し、13歳という性交同意年齢の引き上げが求められる。

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日本では、 2017年の改正後も、強制性交等罪は「暴行又は脅迫」を成立要件とし、準強制性交等罪は「抗拒不能」を成立要件としている。
これらの点で、諸外国と比較して、 日本は、被害者の尊厳や性的自己決定権の保障がもっとも希薄であると言える。
多くの国では、現在までに国際人権基準に沿って改正を終え、「同意の有無」を中核とした法制度に移行している。

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こうした考えにもとづいて、日本学術会議は、具体的に以下の提言をおこなっています。

<iv~vページ>
2020年9月29日 日本学術会議

提言2
刑法のさらなる改正にあたっては、日本国憲法が定める人権(プライバシー権)の一つである「性的自己決定権」を尊重するためにも、また、国際人権基準を満たすためにも、立法府及び法務省は、性犯罪規定を「同意の有無」を中核とする規定に改めることを最優先課題として取り組むべきである。
提言3
刑法の性犯罪規定を「同意の有無」を中核とする規定に改正するためには、「暴行又は脅迫」及び「抗拒不能」を犯罪成立の構成要件からはずすことが必須である。

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2020年9月29日

世間に顔だしてないから忘れられがちだけど、
私AV強要の件以来、週刊文春の件以来まだまだずっと戦ってるから。

香西咲さんをはじめ、泣き寝入りをせずに依然として戦っている方々がいます。

(再掲。日本学術会議)
多くの国で『暴行又は脅迫』の有無から『同意の有無』へと犯罪成立の構成要件の基本的枠組みが転換されていった

日本も早く、他国並みの法制度に転換してほしいものです。
上述の日本学術会議の提言を読んで、あらためて、日本は遅れた国である、ということがわかりました。
はずかしいかぎりです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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