昨日のブログで、法務省が設置した性犯罪に関する刑事法検討会についてふれました。
同検討会はいま、刑法の性犯罪に関する規定の見直しを検討しています。
第4回目の検討会では、AV出演強要に関する要望も出ました。
議事録のなかから一部分を抜粋します。
(2020年7月27日 第4回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)
<12~14ページ>
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性犯罪に関する刑事法検討会は、刑法の性犯罪の規定の見直しを論議するために設置されました。
論議を進めるためには、叩き台が必要です。
同検討会の事務局は、いきなり叩き台を提示するのではなく、まずは叩き台の原案を委員にしめしました。
この叩き台の原案の名称は、「論点整理(案)」です。
上述の議事録の別の頁をみてみます。
(2020年7月27日 第4回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」より、引用。)
<1ページ>
●2020年7月27日 岡田参事官(法務省)
この「論点整理(案)」は、座長の御指示により、本検討会で検討すべきと考えられる論点を整理したものです。 |
この「論点整理(案)」の作成に当たっては、委員の皆様から第1回会合前に書面で御提出いただいた御意見、第1回会合で述べられた御意見、第2回・第3回会合でヒアリング出席者及び委員の皆様から述べられた御意見を精査いたしまして、その中から本検討会で検討すべき事項として指摘されたものを抽出した上で整理いたしました。 |
この「論点整理(案)」のなかに書かれているのが、上述の
「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」
です。
関係する部分を抜粋します。
(2020年7月27日 第4回性犯罪に関する刑事法検討会「論点整理(案)」より、引用。)
●2020年7月27日 論点整理(案)
第1 刑事実体法について
8 性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方 |
この記述に対して、上述のとおり齋藤梓委員が、AV出演強要との関連で訊(たず)ねました。
(再掲)
●2020年7月27日 齋藤梓 委員(臨床心理士)
「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」についてです。 |
アダルトビデオ出演の強要でありますとか、盗撮だけではなく、同意なく撮影する行為も幅広く含まれるのかという点が一つです。 |
この問いに対して、事務局(法務省)が以下の答弁をしました。
(再掲)
●2020年7月27日 岡田参事官(法務省)
性的姿態の撮影行為に関して、アダルトビデオの出演の強要のような場合についても含まれるのかという観点の御質問ですけれども、どのようなものを処罰の対象とすべきかというところから、この検討会で御議論いただくべきものと考えております。 |
その際に、同意なく撮影をされるということについての被害がどういうものであるかですとか、何を処罰しようとするのかという観点からも、御議論を頂ければと思っております。 |
事務局の答弁に対して、山本潤委員が意見をのべました。
(再掲)
●2020年7月27日 山本潤 委員(一般社団法人Spring代表理事)
「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」についてなのですけれども、やはり、私も、アダルトビデオ出演強要は、人身取引も含めて非常に問題だと思っています。 |
アダルトビデオ出演強要は契約の問題というふうにも言われ、非常に難しいところはあるのですけれども、自分の性的な姿態が録画され、それを後から取り消すことができないということの問題や、また、だまされたり、脆弱な立場に乗じるなど、その他の強制力によって、性的な行為を撮影・録画された映像が拡大していくという問題について、『性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方』に、ぜひ含めていただければと思っています。 |
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「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」以外にも、「論点整理(案)」に対して種々の意見が出されました。
最後、井田良座長は、つぎのように集約しました。
<21ページ>
●2020年7月27日 井田良 座長(中央大学教授)
本日、委員の皆様からは、この「論点整理(案)」について様々な御意見を頂きました。 |
そこで、今日頂いた御意見を踏まえて、この「論点整理(案)」の修正を検討してまいりたいと思います。 |
具体的な修正の内容につきましては、私が責任を持ちまして、事務当局に協力してもらって修正案を作成し、次回までに皆様にお示ししたいと考えています。 |
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また、議論の進め方につきましても、頂いた御意見を踏まえて検討し、併せて案をお示ししたいと考えています。 |
先月の末(2020年8月27日)に、第5回性犯罪に関する刑事法検討会が開催されました。
この席で、修正された叩き台(検討すべき論点)が提示されました。
「性的姿態の撮影行為に対する処罰規定の在り方」につきましても、加筆や字句の置き換えがされています。
叩き台の原案(論点整理【案】)と叩き台(検討すべき論点)を対照します。
□旧(論点整理【案】)
「他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為を処罰する規定を設けるべきか」
↓
□新(検討すべき論点)
「他人の性的な姿態を同意なく撮影する行為や画像を流通させる行為を処罰する規定を設けるべきか」
□旧(論点整理【案】)
「撮影された性的な姿態の画像の没収(消去)を可能にする特別規定を設けるべきか」
↓
□新(検討すべき論点)
「撮影された性的な姿態の画像の没収(剥奪)を可能にする特別規定を設けるべきか」
もう一度、確認します。
注目すべきは以下の部分です。
(再掲)
|
ご覧のとおり、あらたに、
「画像を流通させる行為」
が追加されました。
「流通」(=商品が生産者から消費者に渡ること)
というのは、AV業界の所行を指しているような気がします。
(再掲。第4回性犯罪に関する刑事法検討会「議事録」)
●2020年7月27日 岡田参事官(法務省)
性的姿態の撮影行為に関して、アダルトビデオの出演の強要のような場合についても含まれるのかという観点の御質問ですけれども、どのようなものを処罰の対象とすべきかというところから、この検討会で御議論いただくべきものと考えております。 |
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。 全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。 |
今後の性犯罪に関する刑事法検討会で、AV出演強要に関する論議は深まるのでしょうか。
AV出演強要が刑法の規定のなかに盛り込まれることを期待しております。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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