上川陽子衆議院議員が法務大臣に就任しました(その2)。香西咲さんたちのAV出演強要被害をどのようにして解決するのでしょうか。刮目して待っています

一昨日(2020年9月16日)、あたらしい法務大臣に上川陽子衆議院議員が就任しました。
上川議員が法務大臣になるのは、これで3度目です。

(参考。上川陽子衆議院議員の法務大臣歴)
①1回目 2014年10月21日~2015年10月7日
②2回目 2017年8月3日~ 2018年10月2日
③3回目 2020年9月16日~

(再掲。上川陽子衆議院議員の法務大臣歴)
②2回目 2017年8月3日~ 2018年10月2日

昨日にひきつづき本日も、AV出演強要に対する上川法務大臣の国会答弁をふりかえってみます。
質疑者は仁比聡平参議院議員です。

2018年6月5日 参議院 法務委員会

2018年6月5日 参議院 法務委員会
(動画 参議院インターネット審議中継)

音声の文字化は、筆者。)
(※全文につきましては、2018年9月1日の当ブログをご覧ください。)

2018年6月5日 仁比聡平 参議院議員(日本共産党)

日本共産党の仁比聡平でございます。

皆さん、おつかれさまでございます。

今日は午前中から4人の参考人の皆さんにたいへん重要なご意見、問題提起をうけたうえでの対政府質疑になっておりまして、わたくし、未成年者取消権の意義、とりわけ若年者の消費者被害を防止するうえで果たしているこの未成年者取消権の重要性についてお訊(たず)ねをしたいと思うんですけれども。

あの、ちょっと抽象的なはなしから入ると、この時間ですので具体的な事案についてお訊(たず)ねをしたいと思います。
あの、午前中も、たとえばマルチ商法などがですね、話題にもなりました。

お手元にお配りをいたしましたのは、AV出演強要と契約の関係、なんですね。
あの、1枚目の資料にありますように、このAV産業ですが、入口として、ネットの広告とかスカウトを入口にして、プロダクション、それからおおよそメーカーの場合が多いですけども、制作にかかわるこれ、個人の場合もある。
DVDなどのプレス、っていう業者がある。
そしてこれを、アダルトビデオを販売する、あるいは動画を配信する。
いちいちあげませんけれども、資料にあるように有名どころをふくめてさまざまなプレーヤーが複雑にからみあっているわけです。

このAVに出演を強要する、と。
あるいは強要されるという若年女性、男性の場合もありますが、スカウトだという人間からですね、その独特の業界用語だとかイントネーションで、法律用語らしきものもですね散りばめながら、この勧誘をうけるっていう、こういうことになるわけですね。

PAPS、ポルノ被害と性暴力を考える会の皆さんのつくっていただいた資料なんですけれども、
「性をとりまく法律と年齢」
という表がありますが、ご覧のとおり18歳までは児童ポルノ禁止法だったり、あるいは青少年保護育成条例だったりという、こうした法制制度がありますけれども、18歳以上になると、未成年者取消権以外はない、と言っていいという、こういう状況にあるわけですね。

そうしたもとで、ちょっとわたしのほうでもうすこし説明して、まず男女共同参画局の認識をお訊(たず)ねしたいと思うんですけれども、2枚目に、当事者、若者、あるいは被害者と、プロダクションとのあいだでの契約書の一部が掲載をされています。
これ、専属芸術家契約書。
これ、専属モデル契約書、などと言う場合もあるんですけれども、このプロダクションに対して若者が被害の損害を請求されると。
それは出演義務を怠った場合であるというようなことが麗々しく書いてある。

下の営業委託契約書っていうのは、若者がプロダクションにですね、
「みずからの肖像権だとか財産権などの管理などを営業として委託をする」
っていうこのことばづかい自体、法律関係自体、わたしたちにもなかなかわかりにくいんじゃないかと思いますが、こうやって包括的にですね、みずからの肖像権も永久に渡してしまったというようなことにサインをさせられて、
「この義務に反すると損害を賠償しなければならない」
ということがこう書いてある。

そのつぎの頁にあるのは、若者を中心にした被害者と、それからメーカー、制作会社とのあいだで結ばれることのある出演同意書っていうものですけれども。
赤枠でかこんであるとおり、
「私は本件コンテンツの出演にあたっては貴社が本件コンテンツ撮影のため選定したスタッフの指示にしたがうものとし、演出、撮影方法についていっさい申し立てをおこないません」
とありますね。

演出とか撮影方法というのは、相手、たとえば女性の出演であれば男優ですね。
相手の男がだれなのか。
それからその人数、それから果てはですね、避妊するかどうか。
そういうこともですね、全部、演出、あるいは撮影方法だと強弁して、つまり性的行為、とりわけ性交のですね、具体的な対応についてすべてをメーカーサイド、あるいはプロダクションサイドにですね、ゆだねてしまうっていう、この驚くべき、ありえない契約なんですね。

下のAV出演同意書には、これ、前回3月の質疑にもちょっとふれましたけれども、この赤枠のところにあるように、撮影終了後以降における甲、甲というのは当事者、若い女性たちのことですが、甲の妊娠、性感染症への感染に関しては、乙、これはメーカーサイドですが、にいっさいの賠償や責任をもとめないものとします、などと書かれているわけです。

(参考。2018年3月23日 参議院 法務委員会

2018年3月23日 仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
下の同意書にはですね、
「妊娠、性感染症への感染について、いっさいの保証や責任をもとめないものとします」
というふうにあります。

つまり、妊娠や性感染症のリスクが高い、そうしたありとあらゆることを演出だと言ってやらせる。
これはありえないことだと思います。

こういう契約条項が仮に書面としてあったとしても、これは本人の承諾があればですね、真摯な承諾があれば別の議論があるかもしれませんが、本人が、
「いやだ」
と言っている。
「こんなおぼえはない」
と言っているということであれば、その外形っていうのは、いちじるしい性的プライバシーの重大な侵害であって人権侵害である、ということをわたしは問題にしているわけですけれども。

あの、こうした同意書なり、契約書なるものがですね、実際に存在するという実態。
その説明というのは、されていないっていうことが多い。
女優とされた当事者の側がもっていないことも多い。
アダルトビデオと明示されていないものも多い。
など、わたしが申し上げたような実態というのは、内閣府としてはどのようなご認識でしょうか?

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2018年6月5日 仁比聡平 参議院議員(日本共産党)

それで良いのか、ということをわたしは問うているんです。

あの、大臣、いましめしていただいたように、未成年者取消権がその取り消しの対象としている範囲、これは20歳であればぜったいなんですね。
だから鉄壁の防波堤だし、だから悪質な業者はここに近寄れないわけですよ。

これを18歳に引き下げてしまうと。
引き下げるということになったら、これ、その保護はなくなるわけですよね。
それを大臣は、なくそう、と提案しておられる。
それを国会に判断しろ、と言っておられる。
そうやっても消費者被害の防止にはじゅうぶんだ、と大臣、くりかえし答弁されるけれども、消費者契約法で新設される取消権では、いま申し上げているように、現実に保護されなくなってしまうんです。

これ、なんとかしなくてはいけないじゃないですか。
大臣、どうお考えですか?

2018年6月5日 上川陽子 法務大臣

当事者のこの性的自由、これを不当に拘束する契約。
先ほど委員会からさまざまな場面をおしめしをいただきましたけれども、当事者がすみやかに解放する必要性、これが高いということにつきましては、委員がご指摘のとおりというふうに思っております。
これは成年年齢を引き下げるかどうかにかかわらずとりくむべきたいへん重大な問題である、と認識をしております

また、成年年齢の引き下げによりまして、18歳、19歳の若者に対しましてこうした不当な契約が拡大するということについておおきなご懸念がある、とこうしたご意見があるということも承知をしているところでございます。

未成年者取消権以外につきましても、公序良俗違反や錯誤による無効、詐欺または脅迫を理由とする取り消しなど、契約の効力を否定をする手段、これが存在するところでございます。

また、消費者契約法にもとづく取り消しができる場面もある、ということで、先ほどの答弁のとおりでございます。

このように現行制度におきましても不当な契約から当事者を解放する手段、存在するわけでございますが、ご指摘の問題に対する対応として、これらの既存の手段でじゅうぶんか否かにつきましては政府としても検討をつづけなければならない喫緊の(さしせまって大切な)課題であると認識をしております

2018年6月5日 仁比聡平 参議院議員(日本共産党)

時間がなくなってしまいましたので、今日はここでおわらなければなりませんけれども、じゅうぶんか否かを検討しつづけなければならない喫緊の(さしせまって大切な)課題だ、と。

その答弁の意味がですね、いったいどういうことになるのか。
ここをちょっと、この委員会ではっきりさせていただかないと、これちょっと議論が前へ進まないと思うんですよね。

いま大臣が例示にあげられた民法90条。
公序良俗違反による無効。
あるいはですね、錯誤や詐欺。
こうした要件というのはきわめてきびしくて、民事局長にお訊(たず)ねをすれば一発だと思いますけれども、被害者、とりわけ若年女性がですね、あるいはその保護者がですね、みずから主張、立証して不当な拘束から解放されるっていうのは、本当にきわめて困難ですよ。
弁護士が代理人に立って徹底的に戦ったって、裁判所は不当判決を次々に出してきていますよ。

そうやって不当な契約に拘束をさせるようなことを若年層にはしちゃならないと。
それ、自己責任じゃなくて、それは、成長を保障するためにそういう被害に遭わせちゃならない、というのがこれまでの未成年者保護の理念じゃありませんか。
ここはこわしてはだめだ、ということをきびしく申し上げ、次回また質問をさせていただきます。

ありがとうございます。

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月19日

今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

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2年前の国会で上川陽子法務大臣は、AV出演強要について、
これは成年年齢を引き下げるかどうかにかかわらずとりくむべきたいへん重大な問題である、と認識をしております
と答弁しました。
AV出演強要被害はまだ根治していません。
再度法務大臣に就任した上川法務大臣のとりくみに期待をしております。
明日も、AV出演強要に対する上川法務大臣のことばを顧(かえり)みます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
2018年11月1日
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
2018年11月1日
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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