8月22日の当ブログで、KKさんというかたのセクハラ被害についてみてみました。
(参考。当ブログ)
(※注 赤字の箇所が、KKさんのセクハラ被害に関する記事です。)
<ハラスメント被害について>
(1)2020年5月17日・・・・・・厚生労働省の相談窓口
(2)2020年5月18日・・・・・・東京管理職ユニオン①
(3)2020年5月19日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士①
(4)2020年5月20日・・・・・・上谷(かみたに)さくら弁護士
(5)2020年5月21日・・・・・・宮田桂子弁護士
(6)2020年5月22日・・・・・・弓田竜弁護士
(7)2020年5月23日・・・・・・神原元弁護士
(8)2020年5月24日・・・・・・太田真也弁護士
(9)2020年5月25日・・・・・・東京管理職ユニオン②
(10)2020年5月26日・・・・・・東京管理職ユニオン③
(11)2020年5月27日・・・・・・東京管理職ユニオン④
(12)2020年5月28日・・・・・・東京管理職ユニオン⑤
(13)2020年5月29日・・・・・・プレカリアートユニオン
(14)2020年5月30日・・・・・・東京管理職ユニオン⑥
(15)2020年5月31日・・・・・・迎合メールの無効性
(16)2020年6月1日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士②
(17)2020年6月2日・・・・・・宮崎学さん、小檜山博さん、宮本輝さんの論説
(18)2020年6月3日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士③
(19)2020年6月4日・・・・・・エセ労働組合について
(20)2020年6月5日・・・・・・東京管理職ユニオン⑦
(21)2020年6月6日・・・・・・東京管理職ユニオン⑧
(22)2020年6月7日・・・・・・東京管理職ユニオン⑨
(23)2020年6月9日・・・・・・東京管理職ユニオン⑩と、女性ユニオン東京①
(24)2020年6月10日・・・・・・東京管理職ユニオン⑪
(25)2020年6月11日・・・・・・東京管理職ユニオン⑫と、宗像恒次助教授の自己カウンセリングと親鸞
(26)2020年6月12日・・・・・・東京管理職ユニオン⑬と、野田正彰京都造形芸術大教授の論説
(27)2020年6月13日・・・・・・東京管理職ユニオン⑭と親鸞
(28)2020年6月14日・・・・・・東京管理職ユニオン⑮と、シモーヌ=ヴェイユ
(29)2020年6月15日・・・・・・東京管理職ユニオン⑯と、フロム
(30)2020年6月16日・・・・・・東京管理職ユニオン⑰と、アイリス=マードック
(31)2020年6月17日・・・・・・東京管理職ユニオン⑱と、カール=マルクス
(32)2020年6月18日・・・・・・セクハラ訴訟で勝訴
(33)2020年6月19日・・・・・・東京管理職ユニオン⑲と、ロマン=ロラン
(34)2020年6月20日・・・・・・東京管理職ユニオン⑳と、無償の愛
(35)2020年6月21日・・・・・・東京管理職ユニオン(21)と、遠藤司皇學館大学准教授の論説
(36)2020年6月22日・・・・・・東京管理職ユニオン(22)と、カミュ
(37)2020年6月23日・・・・・・東京管理職ユニオン(23)と、マキアヴェリ
(38)2020年6月24日・・・・・・東京管理職ユニオン(24)と、マザー=テレサ
(39)2020年6月25日・・・・・・東京管理職ユニオン(25)と、「キミがいれば」
(40)2020年6月26日・・・・・・東京管理職ユニオン(26)と、マキアヴェッリ
(41)2020年6月27日・・・・・・秋田県立農業短大事件①
(42)2020年6月28日・・・・・・秋田県立農業短大事件②
(43)2020年6月29日・・・・・・秋田県立農業短大事件③と、キャンパスセクハラ
(44)2020年6月30日・・・・・・東北大学セクハラ事件①
(45)2020年7月1日・・・・・・東北大学セクハラ事件②
(46)2020年7月2日・・・・・・京都大学セクハラ事件①
(47)2020年7月3日・・・・・・京都大学セクハラ事件②
(48)2020年7月4日・・・・・・京都大学セクハラ事件③
(49)2020年7月5日・・・・・・京都大学セクハラ事件④
(50)2020年7月6日・・・・・・キャンパスセクハラと、哲学者カントの思想①
(51)2020年7月7日・・・・・・キャンパスセクハラと、哲学者カントの思想②
(52)2020年7月8日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件①
(53)2020年7月9日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件②
(54)2020年7月10日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件③
(55)2020年7月11日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件④
(56)2020年7月12日・・・・・・東北生活文化大学セクハラ事件
(57)2020年7月13日・・・・・・宮城学院女子大学講師セクハラ事件
(58)2020年7月14日・・・・・・琉球大学セクハラ事件
(59)2020年7月15日・・・・・・セクハラ犯が支払う賠償金
(60)2020年7月16日・・・・・・セクハラ犯の異常性と、マイケル=サンデル
(61)2020年7月17日・・・・・・女性ユニオン東京②
(62)2020年7月18日・・・・・・奈良女子大学セクハラ事件
(63)2020年7月19日・・・・・・高知大学セクハラ事件①
(64)2020年7月20日・・・・・・高知大学セクハラ事件②
(65)2020年7月21日・・・・・・佐賀大学セクハラ事件①
(66)2020年7月23日・・・・・・佐賀大学セクハラ事件②
(67)2020年7月24日・・・・・・大阪市立大学セクハラ事件
(68)2020年7月25日・・・・・・大阪市立大学セクハラ事件(別件①)
(69)2020年7月26日・・・・・・大阪市立大学セクハラ事件(別件②)
(70)2020年7月27日・・・・・・辻本育子弁護士
(71)2020年7月29日・・・・・・セクハラの裁判
(72)2020年7月30日・・・・・・いまもつづくキャンパスセクハラ
(73)2020年8月2日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん①
(74)2020年8月3日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん②
(75)2020年8月4日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん③
(76)2020年8月5日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん④
(77)2020年8月6日・・・・・・北海道ウィメンズ・ユニオン①
(78)2020年8月7日・・・・・・北海道ウィメンズ・ユニオン②(警察庁のHPに掲載された被害者のかたの手記)
(79)2020年8月9日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん⑤
(80)2020年8月11日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん⑥
(81)2020年8月13日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤美礼(さとうみゆき)さん
(82)2020年8月17日・・・・・・セクハラ被害者の東多江子さん(※脚本家)
(83)2020年8月19日・・・・・・厚生労働省関係の相談窓口の実情
(84)2020年8月20日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説①と、地域ユニオン
(85)2020年8月21日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説②と、あかし地域ユニオン
(86)2020年8月22日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説③と、にいがたユニオン
(87)2020年8月23日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説④と、連合福岡ユニオン
(88)2020年8月24日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説⑤。地域ユニオンの優位性①
(89)2020年8月25日・・・・・・個人事業主と、地域ユニオン
(90)2020年8月26日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士④と太田真也弁護士②
(91)2020年8月27日・・・・・・地域ユニオンの優位性②。3人の被害者の事例。
(92)2020年8月28日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士⑤
(93)2020年8月29日・・・・・・最高裁が、個人事業主は労働者である、とみとめた判決①(新国立劇場運営財団事件)
(94)2020年8月30日・・・・・・最高裁が、個人事業主は労働者である、とみとめた判決②(INAXメンテナンス事件)
(95)2020年8月31日・・・・・・新国立劇場運営財団事件における地裁の不当判決
(96)2020年9月1日・・・・・・新国立劇場運営財団事件における高裁の不当判決
(97)2020年9月2日・・・・・・INAXメンテナンス事件における高裁の不当判決
(98)2020年9月3日・・・・・・堀江有里さん(花園大学非常勤講師)の論説①
(99)2020年9月4日・・・・・・堀江有里さん(花園大学非常勤講師)の論説②
(100)2020年9月5日・・・・・・堀江有里さん(花園大学非常勤講師)の論説③
(101)2020年9月6日・・・・・・堀江有里さん(花園大学非常勤講師)の論説④
(102)2020年9月7日・・・・・・堀江有里さん(花園大学非常勤講師)の論説⑤
(103)2020年9月8日・・・・・・劇団員も労働者である、との高裁判決
KKさんも、ほかの被害者の方々と似たようなあつかいを受けます。
相談に訪れた種々の機関で袖(そで)にされました。
体(てい)よくあしらわれました。
絶望の淵にいたKKさんを救ったのは地域ユニオンでした。
□連合新潟 にいがたユニオン
にいがたユニオンは、団体交渉でなく、労働審判によってKKさんのセクハラ問題を解決しました。
労働審判とはどのような制度なのでしょうか。
裁判所のホームページを参照します。
労働審判
(裁判所のホームページより、引用。)
●裁判所
労働審判手続は、解雇や給料の不払など、事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルを、その実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的としています。
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「迅速」
と書かれています。
労働審判にゆだねると、普通は、3か月程度で結果がでます。
●裁判所
労働審判手続は、労働審判官(裁判官)1人と労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員2人で組織された労働審判委員会が、個別労働紛争を、原則として3回以内の期日で審理し、適宜調停を試み、調停による解決に至らない場合には、事案の実情に応じた柔軟な解決を図るための労働審判を行うという紛争解決手続です。
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労働審判は、裁判でありません。
●裁判所
労働審判に対して当事者から異議の申立てがあれば、労働審判はその効力を失い、労働審判事件は訴訟に移行します。
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上述のKKさんのセクハラ事件は、労働審判によって解決がはかられました。
もう一度、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の呉学殊主任研究員が書かれた論文をふりかえってみます。
(引用元)
●2010年 呉学殊 主任研究員
KKさんは、上記の労働行政機関に相談する一方、2月20日、連合新潟県央地域協議会に労働相談を行った。
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何年か前に、新聞広告(新聞折り込み?)に同地協の広告が目立って掲載されていたものを、「自分もお世話になることもあるかも」との思いで切り抜いて保存しておいたものがあったので、同地協の存在を知ることができた。
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相談後、KKさんは、特に地協(連合新潟県央地域協議会)に連絡をしなかった。
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地協(連合新潟県央地域協議会)の佐藤事務局長は、
「しばらくブランクがあったものですから、私としてはあえて KK さんのほうに、『どうした』、『どうなっている』というのは遠慮していた。連絡がないんだから、均等室へ行ってそれなりの対応がなされているのかなと思っていた」
という。
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(略)KKさんは、2回目に地協(連合新潟県央地域協議会)を訪れて相談した。
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その際、地協(連合新潟県央地域協議会)の佐藤事務局長から、「労働審判とかそういう方法もあるから、(40万円を受け入れるのを;筆者)もう1回考えてみないか」といわれた。
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地協(連合新潟県央地域協議会)は、上部組織である連合新潟にKKさんのことを報告し、連合新潟としての支援を行うことをとりつけた。
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その結果、連合新潟の山本アドバイザー(女性)がKKさんを全面的にバックアップすることになり、行政機関において要求が通らない場合、労働審判や裁判までも行うことをKKさんと話し合った。
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その間、KKさんは、管轄の警察に、解雇通知された2009年1月19日と2月21日、セクハラ問題の解決策について相談したが、解決につながる対応を受けることができなかった。
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連合新潟の山本アドバイザーは、3月16日労働局のあっせんに補佐人として同行し、紛争解決までKKさんを支えていった。
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あっせんでは、院長(加害者)は出席せず、前記の40万円を支払うとの回答のみが出された。
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KKさんが、それを拒否したので、あっせんは打ち切られた。
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その後、連合新潟は、「にいがたユニオン」(個人加盟のユニオン)で支援することを再度約束し、KKさんは、 2009年4月1日、ユニオンに加入した。
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連合新潟は、あっせん打ち切りの当日、弁護士との相談を経て労働審判で訴えて、KKさんに関する紛争解決を図ることを決めた。
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また、それに必要な費用を「職場の権利を守る援助基金(「連帯基金」といわれる。)」から支援することも確認した。
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連合新潟から「弁護士さんはとてもやり手だから、大船に乗った気持でいればいいから」といわれて、 KK さんは、「多分もう泣き寝入りすることはないだろう」と思った。
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弁護士が労働審判の申し立て書を書き、8月12日の第1回目の労働審判に臨んだ。
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院長(加害者)は出席せず、代理人弁護士のみが出席し、60万円で解決したいとの意見を述べた。
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KKさんは、院長(加害者)がセクハラ行為を認めない、また、反省も示さないことに対し、納得できず、院側の提案を拒否した。
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院長(加害者)が出席し、セクハラの事実を認めて謝罪を行い、解決金として200万円を提示した。
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KK さんは、院長(加害者)から直接謝罪をもらったので、院長(加害者)の提示額を受け入れることにした。
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その結果、今回の紛争は、紛争発生から約9カ月が経って終結した。
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(参考。KKさんの場合)
□2009年4月1日 にいがたユニオンに加入
↓
□2009年8月12日 第1回目の労働審判
↓
□2009年9月30日 第2回目の労働審判(※決着)
(再掲。呉学殊 主任研究員)
「今回の紛争は、紛争発生から約9カ月が経って終結した」
KKさんがにいがたユニオンに加入したのちは、約6か月で決着がはかられました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2020年5月1日>
セクハラ、パワハラは何処に相談するのが一番効果的なのかな?
もしご存知の方居たら教えてください。
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女優には当然、労働者性があります。
AV業界の悪逆な振る舞いに苦しんでいるかたにおかれましては、上述のとおり、労働審判という制度があります。
労働審判は短期間で結果が出ます。
一考していただければと思います。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)



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