一昨日から、セクハラ問題と対峙する地域ユニオンのとりくみをみています。
(参考。当ブログ)
<ハラスメント被害について>
(1)2020年5月17日・・・・・・厚生労働省の相談窓口
(2)2020年5月18日・・・・・・東京管理職ユニオン①
(3)2020年5月19日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士①
(4)2020年5月20日・・・・・・上谷(かみたに)さくら弁護士
(5)2020年5月21日・・・・・・宮田桂子弁護士
(6)2020年5月22日・・・・・・弓田竜弁護士
(7)2020年5月23日・・・・・・神原元弁護士
(8)2020年5月24日・・・・・・太田真也弁護士
(9)2020年5月25日・・・・・・東京管理職ユニオン②
(10)2020年5月26日・・・・・・東京管理職ユニオン③
(11)2020年5月27日・・・・・・東京管理職ユニオン④
(12)2020年5月28日・・・・・・東京管理職ユニオン⑤
(13)2020年5月29日・・・・・・プレカリアートユニオン
(14)2020年5月30日・・・・・・東京管理職ユニオン⑥
(15)2020年5月31日・・・・・・迎合メールの無効性
(16)2020年6月1日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士②
(17)2020年6月2日・・・・・・宮崎学さん、小檜山博さん、宮本輝さんの論説
(18)2020年6月3日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士③
(19)2020年6月4日・・・・・・エセ労働組合について
(20)2020年6月5日・・・・・・東京管理職ユニオン⑦
(21)2020年6月6日・・・・・・東京管理職ユニオン⑧
(22)2020年6月7日・・・・・・東京管理職ユニオン⑨
(23)2020年6月9日・・・・・・東京管理職ユニオン⑩と、女性ユニオン東京①
(24)2020年6月10日・・・・・・東京管理職ユニオン⑪
(25)2020年6月11日・・・・・・東京管理職ユニオン⑫と、宗像恒次助教授の自己カウンセリングと親鸞
(26)2020年6月12日・・・・・・東京管理職ユニオン⑬と、野田正彰京都造形芸術大教授の論説
(27)2020年6月13日・・・・・・東京管理職ユニオン⑭と親鸞
(28)2020年6月14日・・・・・・東京管理職ユニオン⑮と、シモーヌ=ヴェイユ
(29)2020年6月15日・・・・・・東京管理職ユニオン⑯と、フロム
(30)2020年6月16日・・・・・・東京管理職ユニオン⑰と、アイリス=マードック
(31)2020年6月17日・・・・・・東京管理職ユニオン⑱と、カール=マルクス
(32)2020年6月18日・・・・・・セクハラ訴訟で勝訴
(33)2020年6月19日・・・・・・東京管理職ユニオン⑲と、ロマン=ロラン
(34)2020年6月20日・・・・・・東京管理職ユニオン⑳と、無償の愛
(35)2020年6月21日・・・・・・東京管理職ユニオン(21)と、遠藤司皇學館大学准教授の論説
(36)2020年6月22日・・・・・・東京管理職ユニオン(22)と、カミュ
(37)2020年6月23日・・・・・・東京管理職ユニオン(23)と、マキアヴェリ
(38)2020年6月24日・・・・・・東京管理職ユニオン(24)と、マザー=テレサ
(39)2020年6月25日・・・・・・東京管理職ユニオン(25)と、「キミがいれば」
(40)2020年6月26日・・・・・・東京管理職ユニオン(26)と、マキアヴェッリ
(41)2020年6月27日・・・・・・秋田県立農業短大事件①
(42)2020年6月28日・・・・・・秋田県立農業短大事件②
(43)2020年6月29日・・・・・・秋田県立農業短大事件③と、キャンパスセクハラ
(44)2020年6月30日・・・・・・東北大学セクハラ事件①
(45)2020年7月1日・・・・・・東北大学セクハラ事件②
(46)2020年7月2日・・・・・・京都大学セクハラ事件①
(47)2020年7月3日・・・・・・京都大学セクハラ事件②
(48)2020年7月4日・・・・・・京都大学セクハラ事件③
(49)2020年7月5日・・・・・・京都大学セクハラ事件④
(50)2020年7月6日・・・・・・キャンパスセクハラと、哲学者カントの思想①
(51)2020年7月7日・・・・・・キャンパスセクハラと、哲学者カントの思想②
(52)2020年7月8日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件①
(53)2020年7月9日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件②
(54)2020年7月10日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件③
(55)2020年7月11日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件④
(56)2020年7月12日・・・・・・東北生活文化大学セクハラ事件
(57)2020年7月13日・・・・・・宮城学院女子大学講師セクハラ事件
(58)2020年7月14日・・・・・・琉球大学セクハラ事件
(59)2020年7月15日・・・・・・セクハラ犯が支払う賠償金
(60)2020年7月16日・・・・・・セクハラ犯の異常性と、マイケル=サンデル
(61)2020年7月17日・・・・・・女性ユニオン東京②
(62)2020年7月18日・・・・・・奈良女子大学セクハラ事件
(63)2020年7月19日・・・・・・高知大学セクハラ事件①
(64)2020年7月20日・・・・・・高知大学セクハラ事件②
(65)2020年7月21日・・・・・・佐賀大学セクハラ事件①
(66)2020年7月23日・・・・・・佐賀大学セクハラ事件②
(67)2020年7月24日・・・・・・大阪市立大学セクハラ事件
(68)2020年7月25日・・・・・・大阪市立大学セクハラ事件(別件①)
(69)2020年7月26日・・・・・・大阪市立大学セクハラ事件(別件②)
(70)2020年7月27日・・・・・・辻本育子弁護士
(71)2020年7月29日・・・・・・セクハラの裁判
(72)2020年7月30日・・・・・・いまもつづくキャンパスセクハラ
(73)2020年8月2日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん①
(74)2020年8月3日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん②
(75)2020年8月4日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん③
(76)2020年8月5日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん④
(77)2020年8月6日・・・・・・北海道ウィメンズ・ユニオン①
(78)2020年8月7日・・・・・・北海道ウィメンズ・ユニオン②(警察庁のHPに掲載された被害者のかたの手記)
(79)2020年8月9日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん⑤
(80)2020年8月11日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤香(さとうかおり)さん⑥
(81)2020年8月13日・・・・・・セクハラ被害者の佐藤美礼(さとうみゆき)さん
(82)2020年8月17日・・・・・・セクハラ被害者の東多江子さん(※脚本家)
(83)2020年8月19日・・・・・・厚生労働省関係の相談窓口の実情
(84)2020年8月20日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説①と、地域ユニオン
(85)2020年8月21日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説②と、あかし地域ユニオン(※一昨日)
(86)2020年8月22日・・・・・・独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究員の論説③と、にいがたユニオン(※昨日)
本日もひきつづき、独立行政法人 労働政策研究・研修機構で主任研究員をされている呉学殊さんの論文を参照します。
(引用元)
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本日は、3つ目の事例についてみてみます。
NGさんのセクハラ被害
(引用元)
(PDF版) □個人加盟ユニオンの紛争解決–セクハラをめぐる3つの紛争事例から– |
●2010年 呉学殊 主任研究員
NGさんは、入社後、間もない(2003年)10月22日以降、ある部長(当時56歳)によるセクハラ被害に遭うことになる。 |
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NGさんは、以上のようなセクハラ被害のために、(2004年2月)23日から休職した。 |
会社は、今回のセクハラ問題を解決するために、次のように加害者に「謝罪および誓約書」を書かせるとともに、20万円の金銭的な補償等を行うことを決めて、それを伝えた。 |
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ところが、休職中の3月8日、別の部長(取締役部長)がNGさんの携帯電話に連絡し、「社長の温情であなたを採用した。セクハラの問題で社長を困らせるな。会社に迷惑をかけるな」と発言した。NGさんは、その電話で精神的なショックを受けて翌日薬を飲み、手首を切るなどの行為まですることになった。 |
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NGさんはその後、連合福岡ユニオンへ赴き、相談をします。
●2010年 呉学殊 主任研究員
(連合福岡ユニオンの)志水書記長は、NGさんに対するセクハラ行為が酷いこと、また、NGさんの被害が深刻であること、特に、二次被害で薬を飲み手首を切る行為に至るほどになったこと、さらには、今後、会社の再発防止への取組みを強く促すためにも、20万円の補償金は低いと判断した。 |
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連合福岡ユニオンは当該会社に対して団体交渉を申し入れました。
第1回目の団体交渉
●2010年 呉学殊 主任研究員
第1回目の団交は、3月24日、行われ、ユニオンは書記長と書記次長、会社側は社長と総務部長、そして代理弁護士が出席した。 |
会社側は、この問題を早期解決したい、仕事の復帰は本人の意思を尊重する、慰謝料についてはユニオンから要求を出してほしいとの要請を行った。 |
第1回目の団体交渉のあと、連合福岡ユニオンと被害者のNGさんは、当該会社に対して要求書を提出しました。
要求書の内容は以下のとおりです。
●2010年 呉学殊 主任研究員
第1に、解決金として6,266,330円(626万6千330円)を支払うことである。 その主な内訳は、慰謝料300万円、医療費223,850円、逸失利益3,042,480円であった。 |
第2に、社長と取締役部長の謝罪文の提出。 |
第3に、前記の要求への合意を前提に、NGさんは2004年3月31日付の会社都合退職をする、というものであった。 |
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すぐに第2回目の団体交渉がおこなわれました。
●2010年 呉学殊 主任研究員
会社側は、以上の要求に対し、4月1日、第2回目の団交の席で、会社の業績が良くなく資金繰りに困難を抱えていること、また、加害者が多重債務者であり毎月約40万円の給料から13 万円を返済しているので当事者に解決金の支払い能力がないこと等の実情を挙げて減額の配慮を求め、250万円を提示した。 |
ユニオンは、NGさんと話し合いを行ったうえ、350万円を支払うように要求した。 |
その結果、4月、次のような協定書が取り交わされて同紛争は解決した。 |
1.NGさんは、会社の退職勧奨を受け入れ、2004年4月30日付で退職する。 |
2.会社は、NGさんの雇用保険遡及加入を行い、雇用保険受給資格を取得する手続きを行う。 |
3.会社は、加害者、二次被害者の取締部長及び会社がNGさんに対し謝罪文を提出したが、NGさんはそれを確認した。 |
4.会社は、本件紛争解決にあたりNGさんに解決金350万円の支払義務を認めて、2004年4月30日までに支払う等であった。 |
NGさんとNGさんの母親は、以上のような解決に大変満足し、ユニオンに感謝の意を表したという。 |
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2020年5月1日>
セクハラ、パワハラは何処に相談するのが一番効果的なのかな? もしご存知の方居たら教えてください。 |
弁護士に依頼して民事訴訟を提起すると、解決までに約2年程度の期間を要します。
労働組合の場合はどうでしょうか。
●2010年 呉学殊 主任研究員
(略)今回の紛争は、NGさんがセクハラ被害のために休職してから約2カ月、ユニオンに相談して約1カ月という短期間に解決した。 |
解決の期間だけでなく、賠償金についても差異があります。
一般的に、民事裁判で勝訴しても、100万円前後の賠償金となることが多いようです。
●2010年 呉学殊 主任研究員
NGさんが会社からの「今回の件に対する解決に向けての提案」をそのまま受け入れることもあり得たが、20万円の金額が妥当かどうかを疑ったことに鑑みると、被害を抑えるほどの補償になっていないと考えたとみられる。 |
最終解決金350万円は、会社提案額20万円の17倍にのぼる金額であり、それによってNGさんの被害がどれほど収まるかは計り知れないが、当初の会社提案額に比べると、NGさんの精神的な被害がより収まり、次の生活に前向きに取り組む環境は整ったとみられる。 |
労働組合はなぜ、安易な金額で妥協しないのでしょうか。
●2010年 呉学殊 主任研究員
ユニオンの存在意義・高い解決能力は特記すべきである。ユニオンが会社提案よりも17倍多い補償額を払わせたことから解決能力の高さをうかがえる。その能力の高さは、「労働者を泣き寝入りさせない」という強い信念を持っている志水書記長の存在抜きには語れない。また、同書記長は、その信念を貫くために、長い間紛争解決活動を積み重ねてプロの境地に辿り着いた。 |
賠償金以外に、謝罪も重要です。
民事訴訟ですと、裁判に勝っても相手は謝罪しません。
賠償金を支払って、それでおわりです。
●2010年 呉学殊 主任研究員
(連合福岡ユニオンの)志水書記長は、個別労働紛争の解決にあたり、当該紛争の解決にとどまらず、常に再発防止につながる解決策を模索している。今回の紛争では、そのために重い解決金を支払わせるだけではなく、二次被害を起こした取締役部長と社長に対し、謝罪文を書かせた。 |
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種々の面を勘案すると、労働組合に紛争の解決を依頼するのが最善であると考えます。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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