本日もひきつづき、キャンパスセクハラについてみていきます。
(参考。当ブログ)
<キャンパスセクハラに関するこれまでの記事>
□秋田県立農業短大事件 ↓ □東北大学セクハラ事件 ↓ □京都大学セクハラ事件 ↓ □鳴門教育大学セクハラ事件 ↓ □東北生活文化大学セクハラ事件 |
まずは、2020年6月29日の当ブログで参照した中国新聞の記事をもう一度、引きます。
(1999年12月20日 中国新聞「追跡’99 <7> 学内セクハラ訴訟 相次ぐ敗訴に戸惑う教員 体裁を重視 処分厳しく」より、引用。)
(※当該記事は、G-Searchデータベースサービスに所蔵されています。)
<一部分を抜粋>
●1999年12月20日 中国新聞
同地裁(仙台地裁)は(1999年)7月、女子大の元講師のピアニストを門下生の女性が訴えた訴訟で、900万円の賠償を命じた。 |
ピアニストは著名な演奏家で、女性は中学時代から師事。 |
判決は約8年間に及ぶ性的暴力を認定した。 |
「逆らえば音楽の道が閉ざされると思った」。女性は今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しむ。 |
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こちらの事件も前から気になっていました。
当時の報道をふりかえってみます。
宮城学院女子大学講師セクハラ事件
(1999年7月30日 毎日新聞「生徒に8年間セクハラ、ピアノ講師に賠償900万円命令--仙台地裁判決」より、引用。)
(※当該記事は、G-Searchデータベースサービスに所蔵されています。)
<一部分を抜粋>
●1999年7月30日 毎日新聞
小学生のころから、ピアノの指導を受けていたピアニストに、8年間にわたり性的嫌がらせ(セクシュアル・ハラスメント)を受けたとして、仙台市内の20代の女性ピアノ講師が、同市内の40代の男性ピアニストに対し、慰謝料など1000万円の損害賠償を求めた裁判が(1999年7月)29日、仙台地裁であった。 |
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判決によると、女性は10歳のころから男性にピアノの個人レッスンを受けていた。 |
中学3年の12月から、キスなどのわいせつな行為を受け、宮城学院女子大(仙台市青葉区)に進学後も、男性が同大の非常勤講師だったことから、ホテルなどで性的関係を強要された。 |
女性は拒食症になり、精神科医の診察を受けた。 |
梅津裁判長は、ピアノ講師としての尊敬と、うまく演奏できないと暴力を振るわれるという恐れから、男性は女性にとって絶対的存在で、両者には支配関係があったと認定。 |
被告の行為を「刑法上の強制わいせつ罪に相当し、性的虐待以外の何ものでもない」と厳しく批判。「原告の性的自由決定権や女性としての人格権を侵害し、人格形成に与えた影響は計り知れない」と指摘した。 |
男性側は「合意があり、自由恋愛だった。また、行為があったのは3年以上前なので時効になっている」と反論していた。 |
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梅津和宏裁判長は、原告の主張をほぼ全面的に認め、男性ピアニストに900万円の支払いを命じた。 |
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加害者の大学教官は、裁判のなかで、
「合意があり、自由恋愛だった。また、行為があったのは3年以上前なので時効になっている」
と論駁(ろんばく)しました。
強弁していた当該大学教官は、なぜか、控訴しませんでした。
(1999年8月11日 朝日新聞「被告控訴なしは異例 セクハラ訴訟、法廷外で和解」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●1999年8月11日 朝日新聞
仙台市内の女性(25)が、ピアノを習っていた男性(48)にセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)を受けたとして、損害賠償を求めていた訴訟は、女性側の訴えを認めた仙台地裁の判決を受け、男性側が800万円を支払うことで法廷外の和解が成立した。 |
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支払いを命じられた900万円のうち、慰謝料と認定された800万円を女性側に支払い、控訴しないことで、(1999年8月)9日に合意した。 |
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(略)男性側の代理人は「男性は、判決の一方的な事実認定と賠償額が不服で控訴するつもりだったが、この件を一刻も早く終わらせたいという気持ちが強まった」とのコメントを出した。 |
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賢明な判断です。
控訴や上告をしても、セクハラの事実が取り消されることはありません。
加害者は、被害者にうったえられた時点で、おわりです。
(参考。当ブログ)
<ハラスメント被害について>
(1)2020年5月17日・・・・・・厚生労働省の相談窓口
(2)2020年5月18日・・・・・・東京管理職ユニオン①
(3)2020年5月19日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士①
(4)2020年5月20日・・・・・・上谷(かみたに)さくら弁護士
(5)2020年5月21日・・・・・・宮田桂子弁護士
(6)2020年5月22日・・・・・・弓田竜弁護士
(7)2020年5月23日・・・・・・神原元弁護士
(8)2020年5月24日・・・・・・太田真也弁護士
(9)2020年5月25日・・・・・・東京管理職ユニオン②
(10)2020年5月26日・・・・・・東京管理職ユニオン③
(11)2020年5月27日・・・・・・東京管理職ユニオン④
(12)2020年5月28日・・・・・・東京管理職ユニオン⑤
(13)2020年5月29日・・・・・・プレカリアートユニオン
(14)2020年5月30日・・・・・・東京管理職ユニオン⑥
(15)2020年5月31日・・・・・・迎合メールの無効性
(16)2020年6月1日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士②
(17)2020年6月2日・・・・・・宮崎学さん、小檜山博さん、宮本輝さんの論説
(18)2020年6月3日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士③
(19)2020年6月4日・・・・・・エセ労働組合について
(20)2020年6月5日・・・・・・東京管理職ユニオン⑦
(21)2020年6月6日・・・・・・東京管理職ユニオン⑧
(22)2020年6月7日・・・・・・東京管理職ユニオン⑨
(23)2020年6月9日・・・・・・東京管理職ユニオン⑩と、女性ユニオン東京
(24)2020年6月10日・・・・・・東京管理職ユニオン⑪
(25)2020年6月11日・・・・・・東京管理職ユニオン⑫と、宗像恒次助教授の自己カウンセリングと親鸞
(26)2020年6月12日・・・・・・東京管理職ユニオン⑬と、野田正彰京都造形芸術大教授の論説
(27)2020年6月13日・・・・・・東京管理職ユニオン⑭と親鸞
(28)2020年6月14日・・・・・・東京管理職ユニオン⑮と、シモーヌ=ヴェイユ
(29)2020年6月15日・・・・・・東京管理職ユニオン⑯と、フロム
(30)2020年6月16日・・・・・・東京管理職ユニオン⑰と、アイリス=マードック
(31)2020年6月17日・・・・・・東京管理職ユニオン⑱と、カール=マルクス
(32)2020年6月18日・・・・・・セクハラ訴訟で勝訴
(33)2020年6月19日・・・・・・東京管理職ユニオン⑲と、ロマン=ロラン
(34)2020年6月20日・・・・・・東京管理職ユニオン⑳と、無償の愛
(35)2020年6月21日・・・・・・東京管理職ユニオン(21)と、遠藤司皇學館大学准教授の論説
(36)2020年6月22日・・・・・・東京管理職ユニオン(22)と、カミュ
(37)2020年6月23日・・・・・・東京管理職ユニオン(23)と、マキアヴェリ
(38)2020年6月24日・・・・・・東京管理職ユニオン(24)と、マザー=テレサ
(39)2020年6月25日・・・・・・東京管理職ユニオン(25)と、「キミがいれば」
(40)2020年6月26日・・・・・・東京管理職ユニオン(26)と、マキアヴェッリ
(41)2020年6月27日・・・・・・秋田県立農業短大事件①
(42)2020年6月28日・・・・・・秋田県立農業短大事件②
(43)2020年6月29日・・・・・・秋田県立農業短大事件③と、キャンパスセクハラ
(44)2020年6月30日・・・・・・東北大学セクハラ事件①
(45)2020年7月1日・・・・・・東北大学セクハラ事件②
(46)2020年7月2日・・・・・・京都大学セクハラ事件①
(47)2020年7月3日・・・・・・京都大学セクハラ事件②
(48)2020年7月4日・・・・・・京都大学セクハラ事件③
(49)2020年7月5日・・・・・・京都大学セクハラ事件④
(50)2020年7月6日・・・・・・キャンパスセクハラと、哲学者カントの思想①
(51)2020年7月7日・・・・・・キャンパスセクハラと、哲学者カントの思想②
(52)2020年7月8日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件①
(53)2020年7月9日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件②
(54)2020年7月10日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件③
(55)2020年7月11日・・・・・・鳴門教育大学セクハラ事件④
(56)2020年7月12日・・・・・・東北生活文化大学セクハラ事件
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2020年5月1日>
セクハラ、パワハラは何処に相談するのが一番効果的なのかな? もしご存知の方居たら教えてください。 |
セクハラ訴訟の第一人者である角田(つのだ)由紀子弁護士は、かねてより、和解が最良、とおっしゃっています。
(参考。当ブログ)
(18)2020年6月3日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士③
●角田(つのだ)由紀子弁護士
「なんていうか、裁判あんまり勧めない」
「たとえば判決じゃなくて和解という手続きにうまく移行して、そこで、今後どうしましょうか、って、はなしができるわけですよね」
同感です。
裁判よりも労働組合による団体交渉のほうが実利的です。
セクハラの被害で悩んでいるかたは一度、東京管理職ユニオンへご相談されてはいかがでしょうか。
東京管理職ユニオンは労働組合なかで一番頼りになる組織です。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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