3日間にわたり、秋田県立農業短大の教官によるセクハラ事件をふりかえりました。
(参考。当ブログ)
(41)2020年6月27日・・・・・・秋田県立農業短大事件①(※3日前)
(42)2020年6月28日・・・・・・秋田県立農業短大事件②(※2日前)
(43)2020年6月29日・・・・・・秋田県立農業短大事件③(※1日前)
本日は、東北大学セクハラ訴訟についてみてみます。
参照する新聞記事は以下のとおりです。
<東北大学セクハラ訴訟に関する記事>
(※当該記事は、G-Searchデータベースサービスに所蔵されています。)
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東北大学セクハラ訴訟
まずは当該事件の概要を確認します。
●1998年5月26日 朝日新聞
(略)被告の助教授は、女性が1995年4月に博士後期課程に進学してまもなく、 「君に恋愛感情を持っているため、指導教官を降りたい」 などと言いより抱き付くなどし、性的関係を持った。 |
関係は、同年(1995年)10月まで続いたという。 |
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女性は今年(1998年)3月23日に提訴。 |
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第1審(仙台地方裁判所)で、加害者と被害者はつぎのような主張をしました。
(加害者)
●1998年5月26日 朝日新聞
(略)助教授は、性的関係があったことは認めているが、教師と学生の上下関係によるセクハラ行為ではなく、当事者の自由意思に基づく恋愛関係だと主張し、女性からも誘いかけがあったと言っている、としている。 |
(被害者)
「被告は、私の将来への強い不安につけ込み、巧みに性的関係へ引き込んだ」 |
「自分が苦悩する一方で、平然と振る舞う被告を見て、人間として、教育者としての良識を問いかけるようになった」 |
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第1審の仙台地方裁判所は1999年5月24日に判決を下しました。
●1999年5月25日 朝日新聞
(地裁は)暴力的行為がなくても、相手を精神的に追い込んで関係を結ぶ行為がセクハラになるとの判断を初めて示した。 |
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賠償額(750万円)はセクハラ訴訟で過去最高。 |
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このあと、被害者側は、加害者が勤務する大学へ出向きました。
大学に対して、加害者の処分をもとめるためです。
●1999年5月25日 朝日新聞
メンバー(女性の弁護団)はこの後、大学に出向いて、総長と所属する研究科の科長に対し 「助教授の適正な懲戒申し立てを早急に行い、懲戒処分確定まで適切な処置を執ることを求める」 とする申入書を提出した。 |
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加害者は控訴しました。
高裁での審理の最中(さなか)、大学は、加害者の処分を決定しました。
●2000年1月8日 朝日新聞
セクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)をめぐる民事訴訟で、仙台地裁から750万円の支払いを命じられた東北大学の助教授(47)について、同大大学院の研究科は(2000年1月)7日、臨時教授会を開き、懲戒免職処分を決めた。 |
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2000年7月7日、第2審の仙台高裁は判決を言い渡しました。
●2000年7月8日 共同通信
東北大学大学院(仙台市)の助手だった30代の女性が、指導教官の男性助教授(47)に性的関係を迫られ、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料など1,250万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が(2000年7月)7日、仙台高裁であった。 |
武藤冬士己裁判長は(略)一審仙台地裁判決を支持、一審が認めた慰謝料750万円に、控訴審の弁護士費用を加えた計900万円の支払いを命じた。 |
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控訴審で助教授側は 「一連の行為は女性が恋愛感情を抱いていると、助教授が誤解したことによる」 と主張。 武藤裁判長は また 判決は |
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昨日のブログでもふれました。
大学の教官からセクハラをされた場合は、ある意味、不幸中のさいわい、です。
かならず自身の被害を回復することができます。
加害者の教官については、カネを支払っておわり、となりません。
勤務する大学から処分されます。
(再掲。2000年1月8日。朝日新聞)
「同大大学院の研究科は(2000年1月)7日、臨時教授会を開き、懲戒免職処分を決めた」
教育機関は一般の企業とちがいます。
体面上、倫理を重んじます。
セクハラに関しては当然、加害者に対して酷烈な処分をおこないます。
被害者は留飲を下げることができます。
まあ、加害者が大学教官、という「幸運」は、それほど多くあるものではありません。
ここではなしが変わります。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2020年5月1日>
セクハラ、パワハラは何処に相談するのが一番効果的なのかな? もしご存知の方居たら教えてください。 |
(参考。当ブログ)
<ハラスメント被害について>
(1)2020年5月17日・・・・・・厚生労働省の相談窓口
(2)2020年5月18日・・・・・・東京管理職ユニオン①
(3)2020年5月19日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士
(4)2020年5月20日・・・・・・上谷(かみたに)さくら弁護士
(5)2020年5月21日・・・・・・宮田桂子弁護士
(6)2020年5月22日・・・・・・弓田竜弁護士
(7)2020年5月23日・・・・・・神原元弁護士
(8)2020年5月24日・・・・・・太田真也弁護士
(9)2020年5月25日・・・・・・東京管理職ユニオン②
(10)2020年5月26日・・・・・・東京管理職ユニオン③
(11)2020年5月27日・・・・・・東京管理職ユニオン④
(12)2020年5月28日・・・・・・東京管理職ユニオン⑤
(13)2020年5月29日・・・・・・プレカリアートユニオン
(14)2020年5月30日・・・・・・東京管理職ユニオン⑥
(15)2020年5月31日・・・・・・迎合メールの無効性
(16)2020年6月1日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士②
(17)2020年6月2日・・・・・・宮崎学さん、小檜山博さん、宮本輝さんの論説
(18)2020年6月3日・・・・・・角田(つのだ)由紀子弁護士③
(19)2020年6月4日・・・・・・エセ労働組合について
(20)2020年6月5日・・・・・・東京管理職ユニオン⑦
(21)2020年6月6日・・・・・・東京管理職ユニオン⑧
(22)2020年6月7日・・・・・・東京管理職ユニオン⑨
(23)2020年6月9日・・・・・・東京管理職ユニオン⑩と、女性ユニオン東京
(24)2020年6月10日・・・・・・東京管理職ユニオン⑪
(25)2020年6月11日・・・・・・東京管理職ユニオン⑫と、宗像恒次助教授の自己カウンセリングと親鸞
(26)2020年6月12日・・・・・・東京管理職ユニオン⑬と、野田正彰京都造形芸術大教授の論説
(27)2020年6月13日・・・・・・東京管理職ユニオン⑭と親鸞
(28)2020年6月14日・・・・・・東京管理職ユニオン⑮と、シモーヌ=ヴェイユ
(29)2020年6月15日・・・・・・東京管理職ユニオン⑯と、フロム
(30)2020年6月16日・・・・・・東京管理職ユニオン⑰と、アイリス=マードック
(31)2020年6月17日・・・・・・東京管理職ユニオン⑱と、カール=マルクス
(32)2020年6月18日・・・・・・セクハラ訴訟で勝訴
(33)2020年6月19日・・・・・・東京管理職ユニオン⑲と、ロマン=ロラン
(34)2020年6月20日・・・・・・東京管理職ユニオン⑳と、無償の愛
(35)2020年6月21日・・・・・・東京管理職ユニオン(21)と、遠藤司皇學館大学准教授の論説
(36)2020年6月22日・・・・・・東京管理職ユニオン(22)と、カミュ
(37)2020年6月23日・・・・・・東京管理職ユニオン(23)と、マキアヴェリ
(38)2020年6月24日・・・・・・東京管理職ユニオン(24)と、マザー=テレサ
(39)2020年6月25日・・・・・・東京管理職ユニオン(25)と、「キミがいれば」
(40)2020年6月26日・・・・・・東京管理職ユニオン(26)と、マキアヴェッリ
(41)2020年6月27日・・・・・・秋田県立農業短大事件①
(42)2020年6月28日・・・・・・秋田県立農業短大事件②
(43)2020年6月29日・・・・・・秋田県立農業短大事件③と、キャンパスセクハラ
加害者が大学の教官でなくても、被害者のかたが泣き寝入りをしなければかならず勝つことができます。
得られる賠償額は大学の教官の場合とくらべて低くなるかもしれませんが。
被害者のかたはひとりで悩まず、東京管理職ユニオンへご相談をしてほしいと思います。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
<2018年11月1日>
昨日から久しぶりの体調不良 あの頃の感覚をハッキリ思い出した。よくこんなストレスに何年も耐えてたなぁ。一般人に戻った私にはあの頃の気力も体力も残ってない。
<2018年11月1日>
まぁあの頃は常に死と比較して生きてきたから尋常ではなかったのだろうな。『死ぬくらいならAV出よう』『行先無くなったら人生止めればいいや』何をするにもこれが念頭にありました。そりゃAV出来た訳だわ。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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