北原みのりさんの性暴力に関する論説(その3)。「自分ひとりがまんすれば」。「やっぱ、そうじゃない」。嚆矢となったのは、香西咲さんたちAV強要被害者のうったえです

4日前に、「とことん共産党」という動画がライブ配信されました。

2020年4月28日
 とことん共産党
 フラワーデモから1年 いま考える新型コロナとジェンダー

(アーカイブ版)

ゲストの北原みのりさんは、性暴力について論じました。

(参考。当ブログ)
2020年4月30日(※一昨日)
2020年5月1日(※昨日)

本日も北原みのりさんの論説をみてみます。

(※音声の文字化は、筆者。)

<52:14のあたりから>
2020年4月28日 朝岡晶子さん(司会)

本当にそうだと思う。
それで、この4つの無罪判決、っていうおはなしをしましたけれども。
このフラワーデモが1年間、全国でどんどん広がって行った、ということがかならず影響していると思いますけれども。
この3月に名古屋高裁で、
「19歳の父親との性交は娘の意に反するが抵抗が不能だったとはみとめられない」
というこれに対して、逆転有罪判決が出されたんですよね。

(参考。当ブログ)
2020年3月13日

2020年4月28日 北原みのりさん

そうですね。

2020年4月28日 朝岡晶子さん(司会)

北原さんはそこの高裁の前にも行ってらしたんですよね。

2020年4月28日 北原みのりさん

そうです。
これは本当に画期的な判決で。

その前の福岡地裁(福岡高裁)もそうなんですけども。

(参考。当ブログ)
2020年2月7日

非常に画期的だったのは、あたらしい事実、出ていないんですよね。
あたらしい事実、出ていなくて、1審とほとんど同じ状況で、判決がまったくひっくり返った。

だから、たとえば、1審でなんで無罪になったか、と言うと、日常的にそこまでの暴力じゃなかった、と。
抗拒不能になるほどの暴力をしていない、とか。
娘が日常生活を送っていた、とか。
それを理由に無罪になっているんですけれども。

高裁のほうではそのまったく同じ事実をもとに、
「まったく普通どおりの日常を送っている。それが被害者の日常なんだ」
というふうに判断されたわけですよね。

あとは暴力の重さ。

たとえば、わたし本当に驚いたんですけど、(第1審の)判決文を読んで。
背中を踏み付けられたりとかされているんですよ。
それでも、抗拒不能になるほどの暴力じゃない、っていうふうに判事が。
考えたこと自体がもうおそろしいんですけれども。

でもそれが全部ひっくり返った。
だから、被害者からの視点、っていうのを裁判官のかたたちが学んだと思うんですよね。

で、これまでは、被害者と加害者、どっちが嘘をついているんだ、ってことで、いままでの判例とかをもとに判断してきたことが、そうではない。
被害者の声を聞いて、性暴力がどういう犯罪なのか、ってことを判事のかたたちが学んでくれたことによって変わってきたんだ、と思うんですよね。

だから非常にもう、1年間、声をあげることが無駄じゃなかったんだ、というふうに皆、思って。
名古屋地裁(名古屋高裁)の前でフラワーデモに参加したかたちは、本当に泣いて。
しかもその3月12日がちょうど福岡地裁の第1審で無罪判決が出た日だったんですね。
ちょうど1年でここまで変えられた、ってことが、やっぱ、本当にうれしかったですよね。

(参考)

福岡地裁久留米支部の無罪判決(2019年3月12日)→2019年3月26日に検察が控訴→福岡高裁が有罪判決(※2020年2月5日) 
静岡地裁浜松支部の無罪判決(2019年3月19日)→検察が控訴せず(※無罪が確定)
名古屋地裁岡崎支部の無罪判決(2019年3月26日)→2019年4月8日に検察側が控訴→2020年3月12日に判決
静岡地裁の無罪判決(2019年3月28日)→2019年4月10日までに検察が控訴

控訴の状況につきましては、小川たまかさんの記事を参照しました。)

2020年4月28日 朝岡晶子さん(司会)

そうですよね。
で、この高裁で逆転有罪判決になったその被害者のかたが、フラワーデモのことについてコメントされていたんですよね。

2020年4月28日 北原みのりさん

そうです。
わたしたちは被害者のかたとコンタクトをとったわけではなくて。
この事件をもとに声をあげてきた、っていうので、本当はどっかで、やっぱり、彼女がどう思っているのか、っていうことをずっと気になっていたので。
でも、蓋を開けたら、そのかたが声明文を出してくださって。
フラワーデモがあったことで支えられた、っていうふうに書いてくださったことで、ああ、よかったな、って思いました。
ほっとしました。

(参考)
2020年3月12日 朝日新聞 父から性暴力「私は感情ない人形」泣けることだけが救い
(被害者のかたのコメント)
<一部分を抜粋>

3.無罪判決が出たときには、取り乱しました。荒れまくりました。仕事にも行けなくなりました。今日の判決が出て、やっと少しホッとできるような気持ちです。

昨年、性犯罪についての無罪判決が全国で相次ぎ、#MeToo(ミートゥー)運動やフラワー・デモが広がりました。それらの活動を見聞きすると、今回の私の訴えは、意味があったと思えています。なかなか性被害は言い出しにくいけど、言葉にできた人、それに続けて「私も」「私も」と言いだせる人が出てきました。私の訴えでた苦しみも意味のある行動となったと思えています。

4.私が訴え出て、行動に移すまでにいろいろな支援者につながりました。しかし、「本当にこんなことがあるの?」と信じてくれる人は少なかったです。失望しました。疑わずに信じてほしかったです。

支援者の皆さん、どうか子どもの言うことをまず100%信じて聞いてほしいのです。今日、ここにつながるまでに、私は多くの傷つき体験を味わいました。信じてもらえないつらさです。子どもの訴えに静かに、真剣に耳を傾けてください。そうでないと、頑張って一歩踏み出しても、意味がなくなってしまいます。子どもの無力感をどうか救ってください。私の経験した、信じてもらえないつらさを、これから救いを求めてくる子どもたちにはどうか味わってほしくありません。

5.私は、幸いにも、やっと守ってくれる、寄り添ってくれる大人に出会えました。同じような経験をした多くの人は、道を踏み外してもおかしくないと思います。苦難を生きる子どもにどうか並走してくれる大人がいてほしいです。

2020年4月28日 小池晃 日本共産党 書記局長

でも本当に粘り強く運動をつづけてきて。
このあいだ、NHKの朝の「おはよう日本」でー

(※参考)
YouTube

ぼくちょっと、あまりふだんみていないんだけれども、たまたまみていたら、おっ、フラワーデモやっている、って。
けっこう長い時間ね。
しかもわりと丁寧に被害者のひとにね、かなり寄り添って。
取材したひと自体が非常に共感しているな、と思って。
NHKやるじゃん、と思って。
やればできるじゃん、って思ったんですけど。

2020年4月28日 北原みのりさん

いやー、だから、やればできるじゃん、みたいな女性記者とか、本当にいっぱいいるんですよね。
どこの社にも。
で、今回も。
赤旗さんもそうですけれども。

本当にいろんな組織のなかで、性暴力あって。
セクハラあって。
でも組織のおおきな声のなかで、自分ひとりがまんすれば、みたいな気持ちで黙っていた声が、やっぱ、そうじゃない、っていうふうに。
それが、現場の記者のかたたちもすごく熱心に取材してくれたことだったな、と思います。

2020年4月28日 朝岡晶子さん(司会)

それで、この4つの無罪判決に対して声をあげたフラワーデモですけれども、このなかで、刑法改正のねー
刑法の性犯罪規定の改正に向けてどんどんいろんな声が出てきたのも特徴だった、というふうに思うんですけれども。

で、やっと、この刑事法検討会議(性犯罪に関する刑事法検討会)っていうのがー
そのメンバーがつい先頃、発表されて、そこにその被害者の当事者であるところのSpringっていう団体の山本潤さんが入った。
本当にこの間、皆さんが声をあげてきた運動の成果だな、と思うわけですけれども。

でも、それがね、どっちの方向に行くか、っていうのはまだね、これから世論の後押しや、小池さんたちー
われわれ共産党としても国会のなかでがんばっていかなくちゃいけないな、と思うので。

フラワーデモもまだー
毎月あの場所でやるというのはー
ちょっとかたちは変えていくかもしれないけれども。
でも、またなにか、あれですよね。
いろんなかたちで今後も。

2020年4月28日 北原みのりさん

そうですよね。
47都道府県のかたたちはつながったので。
やっぱ、性暴力の問題、って、本当、長い女性運動の歴史、だと思うんですよね。
で、そういったひとたちと若いひとたちがつながったので、この声をもっとおおきくして強くしていく、ってことが、やらなきゃいけないことだな、というふうに思っています。

2020年4月28日 小池晃 日本共産党 書記局長

オンラインでフラワーデモをつづける、とか。

2020年4月28日 北原みのりさん

オンラインー
そうですね。
そう、そう。
あとは、やっぱりー
そうです、オンライン、やりましょう。
やりましょう、てか、やりたいです。

2020年4月28日 小池晃 日本共産党 書記局長

このあいだ、やったんですよね、1回。

2020年4月28日 北原みのりさん

やりました。

2020年4月28日 小池晃 日本共産党 書記局長

ネット中継でのフラワーデモ。

2020年4月28日 朝岡晶子さん(司会)

実は小池さんも寒い時期にひっそりと、ね。
フラワーデモー
東京駅行幸通り、いらしたんですよ。

2020年4月28日 小池晃 日本共産党 書記局長

そっと。

志位委員長は毎回のように。

2020年4月28日 北原みのりさん

志位さんがあんなにオーラを消しているってことにびっくりしました。
「あれ? いた?」
みたいな。

だれも気づかなかった。

2020年4月28日 小池晃 日本共産党 書記局長

でも、本当、じっと聞いて、やっぱりね、ちょっと、人生観、揺さぶられる感じはあるよね。
あれね、本当に。
これまで自分は何をやってきたのか、みたいなー
いう感じはありますから。
そういう意味では本当に、聞く力が問われる、っていうか。
そう言う場だな、ってぼくは思いました。

2020年4月28日 朝岡晶子さん(司会)

同性でももちろんそうでした。
わたしたちー
わたしもそうでした。

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(再掲。北原みのりさん)
本当にいろんな組織のなかで、性暴力あって

でも組織のおおきな声のなかで、自分ひとりがまんすれば、みたいな気持ちで黙っていた声が、やっぱ、そうじゃない、っていうふうに

フラワーデモより前に、#MeToo(ミートゥー)運動よりも前に、自身の被害をおおやけにしたのは、AV出演強要の被害者の方々です。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2014年7月4日

みんなに指摘された通り、
今までの私は自分を大事にしてきませんでした。
辛い事も理不尽な事も全部自分が我慢すれば良いと思ってました
自分で自分を痛めつけてました。

それじゃいけないって気づいたのは本当に最近です。
これからは自分を労わります。

香西咲さん
2016年7月14日

今まで人間とは思えない仕打ちを受け続けてきた事、やっと吐き出す事ができました
こんな私ですが今も変わらず好きでいてくださる方、本当にありがとうございます。
何度も言うけれど今後私はその人たちを大切に生きていくのみです。
「おまえ明日死ぬかもしれないんだから(←青木亮の口癖)」

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香西咲さんや、数多(あまた)のAV出演強要の被害者の方々の声が、世の中を変えました。
性暴力被害をうったえる嚆矢(こうし)となりました。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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