参議院厚生労働委員会における角田由紀子弁護士の所論(その2)。セクハラ被害はほぼ勝訴することができます。香西咲さん「彼らを庇う必要もないと思い始めて打ち明けます」

昨日のつづきです。

(参考。当ブログ)
2020年3月28日(※昨日)

本日も、参議院厚生労働委員会における角田由紀子弁護士の論説を拝聴します。
議題は、セクハラ、です。

2019年5月23日 参議院 厚生労働委員会

(2019年5月23日 動画 参議院インターネット審議中継「参議院 厚生労働委員会」より。)

音声の文字化は、筆者。)
(※0:48:09のあたりから。)
2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

今回の改正案でも法的解決手段として、不法行為裁判しか考えられていないようですけれども、

(参考。民法

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

30年にわたってそのことをおこなってきたわたしの経験からは非常にそれは不十分であるし、結論としては、原告の救済になっていない、というふうに考えております。

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問題 ~その1

2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

いろんな問題があるんですが、まずひとつは理論的な問題があります。
不法行為法という法的枠組は、性差別が本質であるセクシャルハラスメントの事案に適しているのだろうか、ということです。

(参考。民法

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

問題の性質から、
「これは適さないんじゃないか」
「不法行為という枠組はふさわしくないんじゃないか」
ということを民法学者からも言われています。
たとえば、立命館大学の木村和成さんです。

不法行為法は財産権の侵害に対する損害の填補(てんぽ)を目的とするものとして形成、構成されてきた

人格権侵害にもとづく損害賠償請求の多くは、不法行為法の機能である損害の填補(てんぽ)を目的とするものではなく、他者の行為によって自身の人格が侵害されたことに対する個人の尊厳を守るための戦いである、と言ってもよい

財産権の侵害と決定的に異なるのはこの部分であって、それを抽象的に、権利侵害、として不法行為法上の保護法益として論じることは人格権の保護にとって適切であるとは言えない

というふうにのべられております。

で、つまり、本来、財産権侵害に対する金銭の填補(てんぽ)を目的とするこの法律からは食(は)み出してしまうのではないか、ということなんですね。

(参考。民法

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

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問題 ~その2

2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

つぎに、被害者と加害者に平等な位置付けをあたえる司法手続き(つまり民事訴訟はそういうものですが)という、しかしこれは非常に時間のかかる手続きは、この事案に対して適切か、という問題があります。
で、不法行為、はご存じのように、もともと個人間の利益調整手段ですから、被害者の権利と加害者の権利をー
比較衡量をおこなうことは当然に起きるわけです。
で、裁判になるのは、事前の話し合いがつかなかった事案ですから、事案として非常にシビアな対立事件です。
で、そこでは、加害者は、裁判になれば、支払わなければいけない賠償金を払わせないために必死の抵抗をします。
有りと有らゆる自分に役に立つと思われる主張、立証をします。
で、不法行為、であるわけですので、過失相殺、という抵抗の場があたえられるわけなんですね。

(参考。広辞苑より)

過失相殺
「債務不履行や不法行為に関して債権者や被害者にも損害の発生や拡大について過失が認められる場合に、裁判所がこれを斟酌して債務者や加害者の支払うべき損害賠償の額を減ずること」

これは、民法722条が、
被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる
と定めていることから、当然のあつかいになってきます。
で、第1号の事件(福岡セクハラ訴訟)も実は、原告の過失相殺がされました。
えー、「これからの事情やその他前記認定にあられた諸般の事情を考慮し」という極(きま)り文句でですね、原告の請求した慰謝料300万だったんですけども、みとめられたのは150万でした。
で、裁判は、原告と被告とが攻撃、防御(防禦)をくりかえす場ですが、過失相殺をゆるされることで、そのための主張、立証のために裁判期間は必然的に長引きます。
これは被害者からみれば、あらためて被害者側の攻撃にさらされ心身の負担がはげしくなる二次被害の期間でもあるわけです。
過失相殺との関係で、セクシャルハラスメント被害者の権利は理解できますが、加害者の権利、っていうのはいったい考えられるのでしょうか。
仮に加害者の権利が有り得るとしてもそれは被害者の侵害された権利と並べて比較衡量できるものなのでしょうか。
さらに言えば、過失相殺をゆるされても交通事故裁判で、100対0、ということはあるわけですね。
で、被害者の過失0ということを当然、認定することは可能なんですが、ジェンダー教育をほとんどうけていない裁判官にそれができるのでしょうか、という問題です。
多くの裁判官は男性原理にもとづく経験則やあいまいな社会通念や世間の常識と決別できてはいません。
自動車事故での過失の割り振りとは異なる困難がこの事件にはあります。
ここが同じ不法行為法による解決でも、自動車事故の解決と根本的にちがう、という問題ですね。
そもそもですね、性暴力被害における被害者の過失責任、つまり、何が注意義務違反か、ということですが、それは、性暴力に遭わないために被害者がとるべき言動がある、ということを前提にしている考え方だと思います。

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問題 ~その3

2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

それから3番目の困難な問題は、不法行為法をもとにして裁判をおこないますと、ゴールは金銭賠償でしかない、ということですね。

(参考。民法

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

そのうえに、日本では賠償金額が非常に低い、という問題があります。
セクシャルハラスメントは最初に申し上げましたように、3段階にわたる人権侵害、であって、しかもそれは性差別の結果です。

参考

①いわゆるセクシャルハラスメントは、職場でおこなわれる相手方の意思に反する性的な言動であって労働環境に悪い影響をあたえるような行為を言う。

②それは相手方、とりわけ女性を性によって差別し、性的自己決定の自由等のプライバシーをふくむ人格権を侵害するものであり、またはたらく権利を侵害し、ひいては生存権を脅かすものであって、憲法13条、14条民法1条等に違反する。

③このような性差別がゆるされないことは諸外国においてもすでに広く認識されており、さらに女性差別撤廃条約、男女雇用機会均等法、労働基準法等により、セクシャルハラスメントをうけずにはたらく権利を法律で保障されている。

しかし、そういう認識がですね、明確にないものですから。
裁判所に。
被害は往々にして非常に低く見積もられてしまいます。
性差別、との認識はきわめて低いわけなので、ひとによってはさっき申し上げましたように、一生引き摺るような被害を賠償してもらうことにはなっていない、ということなんですね。
で、現状の法案では、司法的救済としてはあいかわらずですね、不法行為、というものが期待されているようなんですけど、

(参考。民法

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

それでは不十分であってとても被害者の救済には役に立たない、というのが30年間これをやってきたわたくしの結論でございます。

どうもありがとうございました。

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(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年3月17日

一度マンション?に連れ込まれ猥褻行為を迫られた事がありました。買取りまっくすさんにはお世話になっていたのは事実ですし、墓場迄持っていくつもりで居ましたが…バコバコテレビと言い不誠実な対応を受けているのに
私が我慢して彼らを庇う必要もないと思い始めて打ち明けます
#MeToo
#パワハラ

現在、セクハラ被害につきましては、裁判にうったえればほぼ勝てると言われています。
角田由紀子弁護士がおっしゃるように金銭的賠償ですが。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年4月17日

セクハラ、AV強要…現実を直視するだけで本当に苦しい。
逃げたい。けど逃げない。
自分の未来は自分で決める!

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そう遠くない将来、AV出演強要新法が制定されることでしょう。
AV業界でおこなわれているAV出演強要とセクハラは一気呵成に粉砕される予感がします。
性犯罪者たちに未来はありません。
生きる資格もありません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



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