参議院厚生労働委員会における角田由紀子弁護士の所論(その1)。被害者が望んでいるのは謝罪です。香西咲さんも。「謝罪してこない限りこの問題には一生掛けて本気で取り組む」

昨年(2019年)の5月23日、参議院で、厚生労働委員会が開催されました。

(参考。動画 参議院インターネット審議中継)

2019年5月23日
 参議院 厚生労働委員会

議題は、
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に関する参考人質疑」
です。
当日、参考人のひとりとして、角田由紀子弁護士が招かれました。
ちなみに角田弁護士につきましてはこれまで当ブログで何度もとりあげています。

(参考。当ブログ)
<一例>
2019年2月25日(セクハラについて①)
2019年2月26日(セクハラについて②)
2019年2月27日(セクハラについて③)
2019年2月28日(セクハラについて④)
2019年3月7日(強姦神話について)
2019年3月9日(性暴力被害に対する損害賠償請求について)

本日は、上述の参議院厚生労働委員会における角田由紀子弁護士の所論をみてみます。

(2019年5月23日 動画 参議院インターネット審議中継「参議院 厚生労働委員会」より。)

音声の文字化は、筆者。)
2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

弁護士の角田ともうします。
今日はお時間をいただきましてありがとうございました。
わたしはほぼ30年近く、セクシャルハラスメントの被害者の側に立って仕事をしてまいりました。
そこで今日は、いろんな問題があるんですけど、セクシャルハラスメント被害者への――話題になっております――司法的救済というのは本当に機能しているのか、というこの論点にしぼっておはなしをさせていただきたいというふうに思っています。
1989年、ご存じのように、ひとりの若い女性が、職場での語りにくい女性差別をなくそう、と初めてセクシャルハラスメントを理由として不法行為による損害賠償請求事件を福岡地裁に提訴しました。

(参考。当ブログ)
<福岡セクハラ訴訟について>
2019年1月26日
2019年1月27日

2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

で、それ以前は、それを告発することばも法的枠組も、日本にはありませんでした。
わたしはその裁判の原告代理人のひとりでした。
それ以来ですね、今日まで多くのセクシャルハラスメント事件を担当してきましたし、ほぼ30年間にさまざまな形態の事案もあつかってきました。
で、この、もうしあげましたこの第1号事件は92年(1992年)にですね、
「不法行為である」
と認定されて、原告のほぼ全面勝訴でおわりました。
わたしたちはアメリカでのセクシャルハラスメント事件のあつかいを見習ったのですが、日本にはアメリカとちがって、職場の性差別禁止法がありません。
そこでわたしたちはやむなく、
「せめて違法行為として損害賠償をされるべき」
と考えて、当時、いまもですが、つかえそうな法律をふくめてたったひとつあった民法の不法行為をつかいました。

(参考。民法
第709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

で、判決では、直接の行為者である編集長、に加えて、原告と編集長が勤めている会社の不法行為責任が明確にみとめられました。
で、原告は、
「それが不法行為であり慰謝料の支払い責任があるということを認定してもらうためには、性差別であるということを強調することが必要だ」
と考えましたので、つぎのように主張しました。
いわゆるセクシャルハラスメントは、職場でおこなわれる相手方の意思に反する性的な言動であって労働環境に悪い影響をあたえるような行為を言う。

  

それは相手方、とりわけ女性を性によって差別し、性的自己決定の自由等のプライバシーをふくむ人格権を侵害するものであり、またはたらく権利を侵害し、ひいては生存権を脅かすものであって、憲法13条14条民法1条等に違反する。

(参考。日本国憲法
第13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条

①すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

(参考。民法
第1条

1 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。

  

このような性差別がゆるされないことは諸外国においてもすでに広く認識されており、さらに女性差別撤廃条約、男女雇用機会均等法、労働基準法等により、セクシャルハラスメントをうけずにはたらく権利を法律で保障されているのだ、と。

——————————————————–

2019年5月23日 角田由紀子 弁護士

つまり、性差別であって、自己決定権をふくむ人格権侵害であり、その結果、労働する権利がうばわれ、あげくには生存権がうばわれる、と。
こういう3段階にわたり違法行為であることがセクシャルハラスメントの特徴であります。
で、はたらく女性には、セクシャルハラスメント、まさに死活問題です。
わたしは30年にわたって被害者にかかわってきましたが、加害者からは、
「たったそれだけのことか」
と言われるような出来事であっても、被害者は心身におおきなダメージをうけ、仕事はもちろん、食べたり眠ったりする日常生活すら満足にこなせなくなっている、ということはけっしてめずらしいことではありません。
さらに行為そのものと、周囲の人々の誤った対応などからうける屈辱感、自尊感情の破壊などがもたらす被害は、傷そのものの身体的な傷のように外部からみえないので、理解されませんし、被害者はさらに苦しむことになるのです。
PTSDのもたらす心身の不調は、それを知らないひとには、単なるなまけもの、としてしかみえなかったりするわけです。
で、この最初の判決は――いままで法律問題とされてこなかった、しかし、はたらく女性の日常にとって、場合によっては人生をおおきく左右する出来事――社会的にも法的にもセクシャルハラスメントとしてみとめたものだと理解されています。
しかしいま30年をふりかえってみると、セクシャルハラスメント事件は不法行為のカタログをひとつ追加したのにすぎない面があったのでないか、というふうに思っています。
なぜならば、いまだに不法行為の枠を超えられず、本当に被害者がもとめているものを獲得できないからです。
被害者のもとめるものは、先ほどのなかには出てきましたが、
「事実をセクシャルハラスメントとみとめること」
それから、
「加害者が謝罪すること」
さらに、
「再発防止策をとる」
というこの3つです。
ところがですね、セクシャルハラスメント裁判を不法行為をつかってやってきた現在では、その限界を、わたしは、おおきくみえている、というふうに思います。

——————————————————–

このつづきは明日のブログでご紹介をさせていただきます。

(再掲。角田由紀子 弁護士)
被害者は心身におおきなダメージをうけ、仕事はもちろん、食べたり眠ったりする日常生活すら満足にこなせなくなっている、ということはけっしてめずらしいことではありません

角田由紀子弁護士はセクハラ被害についてこのように語っています。
AV出演強要被害の場合はどうでしょうか。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年10月28日

隅に追いやっていたトラウマを掘り起こすのはとてつもない労力が要りますね。
精神的にも、ついこの間までは普通の精神を保てたのに、思い出した瞬間動悸や頭痛吐き気…この突然の変化は経験者にしか分からない。女性の共犯者達は特に最低。

——————————————————–

(再掲。角田由紀子 弁護士)
さらに行為そのものと、周囲の人々の誤った対応などからうける屈辱感、自尊感情の破壊などがもたらす被害は、傷そのものの身体的な傷のように外部からみえないので、理解されませんし、被害者はさらに苦しむことになるのです

(2016年7月14日発売「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。改行を施しています。)

香西咲さん

ストレスから円形脱毛症になり全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。
自分で救急車を呼んだこともあった。
屈辱がフラッシュバックし、絶望的に命を絶ちたくなるときも・・・・・・

——————————————————–

(再掲。角田由紀子 弁護士)
被害者のもとめるものは、先ほどのなかには出てきましたが、『事実をセクシャルハラスメントとみとめること』。それから、『加害者が謝罪すること』。さらに、『再発防止策をとる』というこの3つです

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年11月27日

私が東京湾に沈められようが、
万が一 芸能プロダクションA-team #エーチーム スカウトの #飯田正和 に命を狙われようが、私は死ぬのも怖くない。だから謝罪してこない限りこの問題には一生掛けて本気で取り組む。

——————————————————–

(再掲。香西咲さん)
謝罪してこない限りこの問題には一生掛けて本気で取り組む

香西咲さんは純正です。
高潔です。
ヒューマニスト(人道主義者)です。
人間が出来ています。
ヒューマニスト(人道主義者)は、残虐行為などの非人間的なものを排斥します。
ぼくはちがいます。
おそらくほかのひとたちも。
人々がいま望んでいるのは、AV業界人の破滅です。
人間のクズに生きる資格はありません。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。