2020年3月12日(木)
2日前(2020年3月12日)のことです。
準強制性交等をめぐる裁判で、名古屋高裁の堀内満裁判長は、第1審の無罪判決を破棄しました。
(参考。当ブログ)
・2020年3月13日
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判決は、2日前(2020年3月12日)に言い渡されました。
実はこの1日前にも、性暴力に関する事件の判決がありました。
あまり注目されていないようですが。
マスコミ各社の報道を参照します。
2020年3月11日(水)
TBS
(2020年3月11日 TBS「養女性的暴行で無罪判決を破棄」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2020年3月11日 TBS
男性被告はおととし、福岡県内の自宅で、当時14歳だった養女に性的暴行を加えたとして起訴されました。 |
1審の福岡地裁は、「被害者の証言には具体性や信用性がない」として、被告に無罪判決を言い渡し、検察側が控訴していました。 |
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●2020年3月11日 TBS
14歳の養女に性的暴行を加えたとして起訴され、1審で無罪となった男性被告の控訴審判決で、福岡高裁は1審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻しました。 |
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朝日新聞
(2020年3月11日 朝日新聞「18歳未満の養女と性交、無罪破棄し差し戻し 福岡高裁」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2020年3月11日 朝日新聞
被告は2018年1月中旬~2月12日、福岡県内の当時の自宅で、同居する養女と性交したとして起訴された。 |
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毎日新聞
(2020年3月11日 毎日新聞「監護者性交等罪で1審無罪事件、福岡高裁が差し戻し 『被害者供述の審理不足』」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2020年3月11日 毎日新聞
その上で鬼沢裁判長は「1審判決は事実誤認の疑いがある」と判断。養女が被害を申告した経緯などについて、場合によっては裁判所の職権で、性的虐待を受けた児童の供述特性などに関する専門家を証人として調べるなど「審理を尽くした上で、証拠を総合して供述の信用性を吟味すべきだった」とし、審理不尽を指摘した。 |
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西日本新聞
(2020年3月11日 西日本新聞「養女に監護者性交、男の無罪破棄 被害証言の地裁判断に疑問」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2020年3月11日 西日本新聞
高裁の鬼沢友直裁判長は、性犯罪の被害者は犯行の後遺症の影響でうまく証言できないことがあるとし、今回の事件もその傾向があると認定。「被害者の特性を十分踏まえる必要があるが、そうした配慮に欠けていた」と一審の審理を批判し、専門家の意見を聞くなどした上で、証言の信用性を改めて検討するよう求めた。 |
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上述のとおり、当該裁判を担当したのは鬼沢友直裁判長です。
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<2019年春の4つの無罪判決>
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(※控訴の状況につきましては、小川たまかさんの記事を参照しました。)
(再掲)
「福岡地裁久留米支部の無罪判決→2019年3月26日に検察が控訴→2020年2月5日に福岡高裁が有罪判決」
今年(2020年)の2月5日の控訴審を担当したのも鬼沢友直裁判長です。
(2020年2月5日 西日本新聞「準強姦被告に逆転有罪判決 『抵抗できないと認識』福岡高裁が懲役4年」より、引用。)
<一部分を抜粋>
●2020年2月5日 西日本新聞
鬼沢友直裁判長は「被告は女性が抵抗できない状態だと認識していた」として、一審福岡地裁久留米支部の無罪判決を破棄、求刑通り懲役4年を言い渡した。 |
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はなしを3日前(2020年3月11日)の判決にもどします。
(再掲。朝日新聞)
「被告は2018年1月中旬~2月12日、福岡県内の当時の自宅で、同居する養女と性交したとして起訴された」
2020年3月11日(水)
(再掲。毎日新聞)
<鬼沢友直裁判長>
「専門家を証人として調べるなど『審理を尽くした上で、証拠を総合して供述の信用性を吟味すべきだった』とし、審理不尽を指摘した」
(再掲。西日本新聞)
<鬼沢友直裁判長>
「専門家の意見を聞くなどした上で、証言の信用性を改めて検討するよう求めた」
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いまから2日前(2020年3月12日)に出された判決では、小西聖子教授の鑑定が決め手となったようです。
(再掲)
「名古屋地裁岡崎支部の無罪判決→2019年4月8日に検察側が控訴→2020年3月12日に名古屋高裁が有罪判決」
2020年3月12日(木)
(2020年3月12日 文春オンライン「19歳の娘へ性虐待の実父『逆転有罪』に 地裁の『無罪』で明るみに出た、現行法の問題点」より、引用。)
<一部分を引用>
●2020年3月12日 文春オンライン
高裁では、精神科医の小西聖子医師が、被害者の心理状態について、3日以上かけて鑑定を行い、法廷で、鑑定証人となった。 |
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●2020年3月12日 文春オンライン
高裁は、この証言によって、地裁とは異なる「経験則」を用いて、「抗拒不能」であると認定した可能性が高い。 |
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今後、性暴力に関する裁判では、専門家の鑑定が欠かせません。
ちなみにAV出演強要に関して、精神科医の和田秀樹さんはつぎのようにおっしゃっています。
(参考。当ブログ)
・2018年7月14日
(2018年7月13日 週刊プレイボーイ「性依存症告白漫画作者×精神科医・和田秀樹対談【前編】――映画『私は絶対許さない』に込められた意図とは」より、引用。)
<一部分を引用>
●和田秀樹さん(精神科医)
女性の性被害者によく見られるのですが、レイプを受けたことで、これまでの自分が”汚された”と悲観してしまい、(映画の主人公である)雪村さんのように風俗業界やAV業界に飛び込むというケースがままある。 |
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●和田秀樹さん(精神科医)
レイプによって”生きている時間の連続性が断たれた”結果、雪村さんのように性産業に自ら身を投じ、そのなかでしか生きられなくなってしまう人も多い。 |
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●和田秀樹さん(精神科医)
似たようなところで、昨今話題の「強要問題」も根っこは共通しているパターンがあるのではないでしょうか。
「AV強要といっても、その後何本もAVに出演しているじゃないか。本当に強要されたのか?」 |
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(再掲。和田秀樹さん【精神科医】)
「“最初のAV出演”がある意味レイプのようなモノ」
「そこでその女性の人格の連続性が断たれてしまっている」
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。 全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。 |
●香西咲さん
<2016年12月31日>
(前略。) 罪の無い女の子達を騙し込んでAVに出させてきた悪党達は許せません。 罪を最大限償って欲しいと思います。 |
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AV出演強要の裁判でも、専門家の鑑定は必須となることでしょう。
和田秀樹医師や小西聖子教授の出番が増える予感がします。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(哲学者のウィトゲンシュタイン)
「絶望に終わりはない。自殺もそれを終わらせることはない。人が奮起して絶望を終わらせない限りは」
(明日のブログへつづく)
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