本日も引き続き、AV業界人の顧問弁護士がうけた懲戒処分についてみていきます。
(参考。当ブログ)
・2020年1月27日(その1)
・2020年1月28日(その2)
・2020年1月29日(その3)
・2020年1月30日(その4)
・2020年1月31日(その5)
昨日は、懲戒の請求から処分の決定までの流れを記しました。
(参考。当ブログ)
・2020年1月31日(※昨日)
昨日の当ブログより、一部分を抜粋します。
(再掲)
●当該弁護士
弁明書「契約の場面を録画するようにアドバイスをしたことはない」
↓④提出(2017年11月13日)
●第二東京弁護士会
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「契約の場面を録画するようにアドバイスをしたことはない」
と抗弁した当該弁護士は、上述の弁明書のなかでさらにこうのべています。
(※注 弁明書の引用ではありません。)
女性側から出演したビデオの削除と慰謝料の支払いをもとめられたことがあった。
契約を交わすときに撮った映像があるので確認した。
ラインのやりとりも検(あらた)めた。
強要の事実はいっさいなかった。
わたしは相手方の弁護士に対して、慰謝料の支払いにはおうじない、ビデオについては削除する、と答えた。
(※弁明書の一部を筆者が要約。)
2020年1月26日 産経新聞 「女子高生にAV強要男の弁護士を懲戒処分 第二東京弁護士会『品位失う』」」 |
このたび第二東京弁護士会は、当該弁護士を戒告にしました。
昨日も引きました。
(参考。当ブログ)
・2020年1月31日(※昨日)
審査を担当した同弁護士会の綱紀委員会では、以下の意見が出ました。
(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)
<13ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
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(再掲)
「○○と当該DVDに出演した女性との間でトラブルが発生した際には、その解決に尽力していた」
「○○の行っていた違法行為に少なくとも荷担し、これを助長していた」
第二東京弁護士会の懲戒委員会はこの件について、不問としました。
(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)
<9ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
(略)、対象弁護士が○○の違法行為について、具体的に法的知見を提供してその違法行為を助長したことを窺わせる証拠はなく、そのような事実は認められない。 |
<10ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
なお、対象弁護士が、○○の前記第2記載の違法行為のうち、強要罪等職業安定法違反以外の行為を認識していたことを認めるに足りる証拠はない。 |
懲戒委員会が問題にしているのは、職業安定法に対する認識です。
ちなみに当該弁護士は、金沢新一の第1審の裁判において以下の発言をしています。
2019年2月28日 発行 国立女性教育会館 NWEC実践研究 第9号 □第6章 |
(引用)
●2019年2月28日 遠矢家永子 SEAN 相談部門代表
また、弁護士の男の「性欲の発露としたことは否めないが、こういったDVDがたくさん出回っている中で特に悪質とは言えない」という言葉を耳にし、少女たちの悲しみや後悔、不安、自責の念と向き合ってきた私にとっては、どうしても許せない言葉として脳裏に焼き付けられました。 |
裁判における発言はさておき、はなしを懲戒の件にもどします。
(再掲。)
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
なお、対象弁護士が、○○の前記第2記載の違法行為のうち、強要罪等職業安定法違反以外の行為を認識していたことを認めるに足りる証拠はない。 |
第二東京弁護士会の懲戒委員会は、職業安定法に規定されている有害業務の件を問いました。
(参考。職業安定法)
●第63条
|
当該弁護士は抗弁しました。
(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)
<9ページ>
(※当該弁護士の言い分)
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
対象弁護士において、○○の行為が、職業安定法上の「有害業務」に該当するかどうかに思いを致すことは現実的に困難であった。 |
「有害業務」の概念は極めて広汎であり、有害業務に該当するか否かを事前に明確に判断することは困難である。 |
過去の懲戒事例として、某広域指定暴力団の顧問弁護士を40年間してきた弁護士が戒告になった事例がある。 |
(略)、そのような組織の顧問弁護士を長年に渡り勤めた事案が懲戒されていることと比べると、以上のように、犯罪該当性を事前に明確に判断することが困難な本件は、懲戒事由が認められるとまではいえない。 |
当該弁護士は、
「『有害業務』の概念は極めて広汎であり、有害業務に該当するか否かを事前に明確に判断することは困難である」
と抗(あらが)いました。
このことに対する第二東京弁護士会の懲戒委員会の答は、明快、です。
(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)
<11ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
そして、対象弁護士が○○の顧問弁護士になった当時、成人男性向けDVDの出演者として性交等をさせる業務が「有害業務」に該当することは確立していた(略)。 |
<12ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
(略)、対象弁護士には、○○の顧問弁護士として、職業安定法による規制について必要な調査を行うべきであったにも拘わらずこれを行わず、○○に対して違法行為を行うことを止めるよう助言等しなかったことは、弁護士職務基本規程第37条1項に反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失う非行に該当するものといわざるをえない。 |
<12ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
3 結語
○○が行っていた未成年者を含む女性を募集して、同女らに性交や性交類似行為をさせ、その様子を撮影して成人男性向けDVDとして制作、販売する事業というのは、未成年者、女性の人権を侵害する危険性を孕むものであるが、対象弁護士が漠然とそのような事業主の顧問弁護士になったことが、本件における根本的な問題ということができる。 |
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(再掲。議決書)
「過去の懲戒事例として、某広域指定暴力団の顧問弁護士を40年間してきた弁護士が戒告になった事例がある」
第二東京弁護士会は、暴力団とAV業界は同根、と判断しました。
(再掲。議決書)
「対象弁護士が漠然とそのような事業主の顧問弁護士になったことが、本件における根本的な問題ということができる」
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年6月23日>
(前略。) 数年前は監視が酷かったから。 少しネガティヴ吐いただけで相手方弁護士から電話かかってきたり。 監視は今も無くはないけど。 |
●香西咲さん
<2016年7月14日>
契約書を盾に止めさせてもくれない、かと言って事務所に居続けたら、V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる… 本気で死にたかった。 あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。 |
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平家物語の書出しの部分が頭にうかびました。
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「驕(おご)れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」
「猛(たけ)き者もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵(ちり)に同じ」
悪党は、風の前の塵(ちり)です。
いずれ消える運命にあります。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ
記事の配信、有り難うございます。
私も少数意見に賛成です。
懲戒事由に該当するとまでは、認めれないってどの口が言っているんですか?
菅谷弁護士は、これまで監査役や中小企業の顧問弁護士をしてきたのですが、
このような人物が企業統治ができるとは、とても思えません。
コーポレートガバナンス徹底が求められる、我が国の企業統治において
悪質なロリコンDVDを販売する業者の顧問弁護士として、違法行為に加担し
違法行為を助長する人物を監査役や顧問弁護士にするのは不適切だと懲戒請求者である
当方は考えます。
懲戒請求の時に、支援団体の人に菅谷に関して聞きまして。
懲戒請求を出すことを決意しました。
当時、宮本智の懲戒請求が2弁で棄却されて、頭の中が、宮本智で
いっぱいでしたが、懲戒請求を出すことによって、本件問題に
強い関心が持てるようになり、かつ事案を調査する上で宮本より
コイツある意味で酷いんじゃないか?と思うようになっていきました。
ちなみに、宮本智は、アルシェの弁護士に南雲グループの弁護士もしています。(本人は南雲は否定)
このように反復継続してAV業界の弁護を受任することも問題視したいところではあります。
違約金で脅したり、悪質ですし。
削除依頼を妨害するなど言語道断です。