5日前(2020年1月26日)のことです。
AV業界人の顧問弁護士に懲戒処分が下った、との報を産経新聞がつたえました。
2020年1月26日 産経新聞 「女子高生にAV強要男の弁護士を懲戒処分 第二東京弁護士会『品位失う』」」 |
(参考。当ブログ)
・2020年1月27日(その1)
・2020年1月28日(その2)
・2020年1月29日(その3)
・2020年1月30日(その4)
第二東京弁護士会はこのたび、AV業界人の顧問弁護士を戒告にしました。
この決定は重いです。
戒告、という瑕(きず)は今後、当該弁護士にずっと付いて回ります。
消えることはありません。
当該弁護士に対して懲戒をもとめたのは海野さん(※仮名)というかたです。
懲戒の請求から今回の決定までの流れを簡単にふりかえってみます。
懲戒申立から戒告の決定まで
●海野さん(※仮名)
懲戒請求書
↓①送付(2017年10月19日)
●第二東京弁護士会
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●第二東京弁護士会
↓③事案の調査をもとめる(2017年10月25日)
●第二東京弁護士会 綱紀委員会
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●当該弁護士
弁明書「契約の場面を録画するようにアドバイスをしたことはない」
↓④提出(2017年11月13日)
●第二東京弁護士会
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●海野さん(※仮名)
反論書
↓⑤提出(2017年12月10日)
●第二東京弁護士会
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●当該弁護士
弁明書(2回目)
↓⑥提出(2018年5月30日)
●第二東京弁護士会
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その後、進展がありませんでした。
昨年(2019年)、海野さん(※仮名)は、日弁連に対して早期の議決をもとめました。
日弁連はこの請求をみとめました。
●第二東京弁護士会 綱紀委員会
⑦当該弁護士に対する懲戒を決定(2019年12月23日)
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●第二東京弁護士会
⑧議決書を決裁(2020年1月23日)
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●第二東京弁護士会
議決書
↓送付
●海野さん(※仮名)・・・・・・⑨受領(2020年1月24日)
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□産経新聞
報道(2020年1月26日【ネット】、2020年1月27日【朝刊】)
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ご覧のとおり、懲戒の申し立てから決定まで、2年以上の期間を要しました。
結果は戒告です。
海野さん(※仮名)はこの決定に満足されていないようです。
(当ブログへのコメントより。)
●2020年1月27日 海野さん(※仮名)
(前略。) ところで、菅谷弁護士には、私も異議を出す予定です。 相手も不服申立するかもしれませんが、私も異議を出して1か月以上の懲戒処分を求めます。 戒告で済ましていい案件なんですか? |
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今回、第二東京弁護士会の綱紀委員会は、当該弁護士を戒告としました。
同委員会の構成は以下のとおりです。
<第二東京弁護士会 綱紀委員会>
・委員長(1名)
・副委員長(1名)
・委員(11名)
合計で13名の弁護士が審査をおこないました。
(再掲。海野さん【※仮名】)
「私も異議を出して1か月以上の懲戒処分を求めます」
同委員会でも、海野さんと同じような考えをされたかたがいらっしゃったようです。
第二東京弁護士会の議決書を参照します。
令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」
(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)
<13ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
なお、本件に関しては、つぎのような少数意見があることを付記しておく。 |
(中略。)
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
しかも、○○と当該DVDに出演した女性との間でトラブルが発生した際には、その解決に尽力していたというのであるから、対象弁護士が、顧問弁護士として法的知見を提供していたと否にかからわず、○○の行っていた違法行為に少なくとも荷担し、これを助長していたと認められる。 |
そうだとすると、対象弁護士の上記行為は、当会及び弁護士一般の社会的信用を著しく毀損するものであり、多数意見の戒告処分は相当ではなく、対象弁護士には業務停止1月以上の処分をするのが相当である。 |
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はたしてこの先どうなるのでしょうか。
このことはさておき、第二東京弁護士会は今回、以下の決定をしました。
(令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会「議決書」より。)
<10ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
(略)、本件で問題となるのは、対象弁護士が、顧問先である○○が職業安定法第63条第2号にいう「「公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者の募集を行っ」ているという外形的な行為の認識はありながら、それが同条項に違反する違法行為であるという認識を欠いていたため、○○に対し当該行為を止めるよう助言等をしなかったことが、弁護士法第56条1項の「品位を失うべき非行」に当たるかということになる。 |
<12ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
(略)、対象弁護士には、○○の顧問弁護士として、職業安定法による規制について必要な調査を行うべきであったにも拘わらずこれを行わず、○○に対して違法行為を行うことを止めるよう助言等しなかったことは、弁護士職務基本規程第37条1項に反し、弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失う非行に該当するものといわざるをえない。 |
<12ページ>
●令和元年12月23日 第二東京弁護士会 懲戒委員会
3 結語
○○が行っていた未成年者を含む女性を募集して、同女らに性交や性交類似行為をさせ、その様子を撮影して成人男性向けDVDとして制作、販売する事業というのは、未成年者、女性の人権を侵害する危険性を孕むものであるが、対象弁護士が漠然とそのような事業主の顧問弁護士になったことが、本件における根本的な問題ということができる。 |
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第二東京弁護士会は、当該弁護士というよりも、AV業界とかかずらっている弁護士たちに対して警告を発しました。
AV業界は違法行為に手を染めている、と。
違法行為というのは、職業安定法第63条第2号に違反する行為のことです。
(参考。職業安定法)
●第63条
|
「弁護士が漠然とそのような事業主の顧問弁護士になったことが、本件における根本的な問題ということができる」
と。
|
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月13日>
やっと逃げ回ってた #青木亮 出てきたと思ったら、また契約書を盾に酷い事を言われている。 この後に及んでまた契約書問題。 しかもサインしたのは私じゃない。 本当に消えたい。 どこまで苦しめれば気が済むの? |
●香西咲さん
<2017年12月13日>
今回 #青木亮 の委任した オーセンスのイチ弁護士(オーセンス内で青木が委託した弁護士は私が知る上でも3人目) 法律上、犯罪者にも弁護士は付く事になっているけど、オーセンス青木担当弁護士の実名が出てくるのはすぐでしょうね。 |
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(再掲。伊藤和子 弁護士)
「AV業界の顧問弁護士やAV業界からの収入に依存している弁護士が驚くほどの数」
海野さん(※仮名)の労苦によって、AV業界と悪徳弁護士とのあいだにくさびが打ち込まれました。
このたびの懲戒はAV業界崩壊の序章となる予感がします。
幸先のよいスタートとなりました。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ
コロナ不況により倒産する会社が多発しています。
さて、そんな時にあの人の名前が出てきました。
金澤新一の顧問弁護士にして1月に懲戒処分が下った菅谷
幸彦弁護士の名前です。
https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20200401_06.html
宮本智弁護士は比較的、性風俗事件を得意として
基本的にはそれを専門的に扱い、一方で人権派を
標榜しながら生活しています。
それに対して菅谷弁護士は通常の事件も手掛けていますね。
だから懲戒処分になったのかもしれませんね。
理由は、宮本智弁護士は法の潜脱を性風俗業者側の弁護士として
熟知しているためです。