昨年(2019年)の12月にぱっぷす(PAPS)は、AV出演強要の院内集会に関する記事を配信しました。
(参考。当ブログ)
・2020年1月11日
もう一度、ぱっぷす(PAPS)の記事を引きます。
(2019年12月9日 PAPSメルマガ vol.80「2019年12月3日 緊急院内集会開催 AV出演強要―被害をなくすための法制化が急務― 被害者のなまの声」より、引用。)
●2019年12月9日 PAPS
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AV強要新法の制定をもとめる院内集会で、串田誠一議員は、
「削除等法整備にしっかり法整備に取り組んでまいります」
とのべたようです。
気概に溢れています。
ぼくはこの記事を拝見するまで、串田議員の存在を知りませんでした。
串田議員とはどのようなかたなのでしょうか。
国会の会議録のなかから、性暴力に関する串田議員の質疑を抜粋します。
2019年10月23日 衆議院 法務委員会
(2019年10月23日 衆議院 法務委員会「会議録」より、引用。)
●2019年10月23日 串田誠一 衆議院議員(日本維新の会)
(前略。) 名古屋地裁の岡崎支部の判決もあって、世の中でも非常に問題になっておりますけれども、 |
(2019年4月6日 朝日新聞「娘と性交、父親に無罪判決 抵抗できない状態と認めず」より、引用。)
●2019年4月6日 朝日新聞
虐待によって抵抗できない精神状態だった実の娘(当時19)と性交したとして、準強制性交等罪に問われた父親の被告に、名古屋地裁岡崎支部(鵜飼祐充裁判長)は無罪判決(求刑懲役10年)を言い渡した。 |
判決は(2019年)3月26日付。 (後略。) |
●2019年10月23日 串田誠一 衆議院議員(日本維新の会)
昭和24年(1949年)5月10日に、強制性交罪というのが、名前が変わりまして、前は強姦罪という名前でしたが、あります。そこには、暴行、脅迫をもってと書いてあるんですが、この判例で、抗拒をすることが著しく困難な程度で足りるという判例が出されまして、この判例が今でもずっと生き続けていて、19歳の女性が父親に強制的に行われたときにも暴行、脅迫は認められているんです。 |
(参考)
□裁判所「検索結果詳細画面」
(昭和24年【1949年】5月10日 最高裁「判決文」より、引用。)
●昭和24年(1949年)5月10日 最高裁
(前略。) 論旨は、被告人が被害者に暴行脅迫を加えた事実はなく、仮りにそのような事実があつたとしても、被害者が抗拒不能に陥つたという事実は全記録の何処にも発見することができないと主張しているけれども、刑法第177条にいわゆる暴行又は脅迫は相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のものであることを以て足りる。 (後略。) |
●2019年10月23日 串田誠一 衆議院議員(日本維新の会)
同意もしていない。 |
しかし、抗拒を行うのに著しく困難な程度にまで達していないから無罪だと言っているんですよ。 |
法律の中に暴行、脅迫をもってとしか書いていないのであれば、暴行、脅迫が行われて性交等が行われれば、これは許されることではないにもかかわらず、何で裁判所がこのハードルを上げて、著しく困難な程度でない限り無罪だという判断をして、それが昭和24年(1949年)から生き続けているのかというのは、大変私は不思議だと思うんですが、もし、大臣、この点についての御意見、政府参考人でも結構です。 |
ちなみに、昨年の3月に名古屋地裁岡崎支部が出した判決につきましては、検察が控訴しています。
(2019年4月9日 朝日新聞「娘と性交、父親への無罪判決に不服 検察側が控訴」より、引用。)
●2019年4月9日 朝日新聞
抵抗できない状態だった実の娘(当時19)と性交したとして準強制性交等罪に問われ、一審・名古屋地裁岡崎支部が無罪判決を言い渡した男性被告について、検察側は判決を不服として控訴した。 |
(2019年4月)8日付。 (後略。) |
当該裁判は今月(2020年1月)、結審しました。
(2020年1月14日 朝日新聞「準強制性交等罪で無罪の父親、控訴審が結審 名古屋高裁」より、引用。)
●2020年1月14日 朝日新聞
愛知県で2017年、19歳だった実の娘に性的暴行をしたとして準強制性交等の罪に問われ、一審で無罪判決を受けた父親(50)の控訴審が(2020年1月)14日、名古屋高裁(堀内満裁判長)で結審した。 |
判決は(2020年1月)3月12日午後3時に言い渡される予定。 |
(略。)
検察側は「長期間にわたり父親から繰り返された性的虐待により抵抗や拒絶の意思・意欲が奪いとられており、事件当時は精神的・心理的に抵抗できなかった」と訴えた。 |
(略。)
昨年(2019年)3月の一審判決では、父親と被害者の間に同意はなかったと認定。 |
また、父親は被害者が小学生の頃から暴力を振るうなどの虐待をしており、遅くとも被害者が中学2年生の頃には、性的行為も始まったと認めた。 |
一方で、犯行当時、被害者は抵抗することが著しく困難な「抗拒不能」の状態だったと認定するには合理的な疑いが残るとして、父親に無罪を言い渡した。 |
(再掲。串田誠一 議員)
「同意もしていない。しかし、抗拒を行うのに著しく困難な程度にまで達していないから無罪だと言っているんですよ」
串田誠一議員の発言をつづけます。
●2019年10月23日 串田誠一 衆議院議員(日本維新の会)
特に、あの岡崎支部の事案というのは、娘、親子なんですね。 |
(再掲。朝日新聞)
「虐待によって抵抗できない精神状態だった実の娘(当時19)と性交したとして、準強制性交等罪に問われた父親の被告に、名古屋地裁岡崎支部(鵜飼祐充裁判長)は無罪判決(求刑懲役10年)を言い渡した」
●2019年10月23日 串田誠一 衆議院議員(日本維新の会)
抗拒不能、著しく困難ということは、娘は、殴る、蹴るをしてでも、とにかく親を殴ってでも蹴ってでも抵抗して、それで逃れられるかどうか、そういうことまで要求を、娘にさせるわけですよ。 |
そういう意味では、全く、その昭和24年(1949年)の5月の判決を全ての事案に対してただ単に当てはめていく、それの検証も十分になされていない。 |
何でそこまで要求するのかは条文に何も書いていないんですね。 |
こういったようなことを、所信の中でも、性犯罪についての検討をするということでありますので、ぜひこれについても検討していただきたいと思います。 |
串田誠一議員は後日の委員会でふたたび、「暴行、脅迫」、「抗拒不能」に関する質疑をおこなっています。
こちらにつきましては、明日のブログでふれたいと思います。
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年9月19日>
AV強要の告発をしても 業界側の人はスルー 『そんな事ありえない』の一言で終わらされる。 逆に親身になって下さるのは、娘を持つ親御さんだったりする。 (後略。) |
●香西咲さん
<2016年10月8日>
【お願い】 ニュース記事は一定期間を以て消えてしまいます。 ですがこの発信した事はどうか風化しない様に皆様もご協力をお願い致します。 同じ様な被害者が減る事を祈って。
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(再掲)
●2019年12月9日 PAPS
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「冒頭で串田誠一議員より『削除等法整備にしっかり法整備に取り組んでまいります。』」
香西咲さんたち被害者のうったえは多くの国会議員のこころを揺り動かしました。
機が熟しました。
オリンピックまでにAV出演強要新法が制定されるのは必定です。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
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