第5次男女共同参画基本計画の策定作業がはじまりました(その4)。香西咲さんたちAV強要被害者の方々への二次被害対策も火急の問題です

来年(2020年)の12月に、第5次男女共同参画基本計画が策定されると思われます。

(参考。内閣府「男女共同参画基本計画」より。)
<男女共同参画基本計画の推移>
2000年(平成12年)12月決定 第1次男女共同参画基本計画
  5年後
2005年(平成17年)12月決定 第2次男女共同参画基本計画
  5年後
2010年(平成22年)12月17日決定 第3次男女共同参画基本計画
  5年後
2015年(平成27年)12月25日決定 第4次男女共同参画基本計画
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  5年後
2020年12月 第5次男女共同参画基本計画

先月の末(2019年11月27日)に第5次基本計画策定専門調査会が発足しました。

(参考)

第5次基本計画策定専門調査会

・2019年11月27日 第1回 開催状況及&会議資料

(参考。当ブログ)
2019年12月10日
2019年12月11日
2019年12月12日

現在は、第4次男女共同参画基本計画が運用されています。

2015年(平成27年)12月25日決定 第4次男女共同参画基本計画

施行期間は、2016年4月1日から2021年3月31日までです。(※第4次男女共同参画基本計画【概要】①より)

本日は同計画の第12分野をみてみます。

第4次男女共同参画基本計画

(2015年12月25日 第4次男女共同参画基本計画「第12分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献」より、引用。)

2015年12月25日 第4次男女共同参画基本計画「第12分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献」

<基本的考え方>

我が国の男女共同参画施策については、国連を始めとする国際的な女性の地位向上に係る動きと連動してこれを推進してきており、女子差別撤廃委員会、国連婦人の地位委員会を始めとする国際会議等における議論や、平成27年9月に国連で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダ等の新たな国際的な潮流も踏まえつつ、引き続き、女子差別撤廃条約の積極的遵守等に努める。
(後略。)

1 女子差別撤廃条約等の国際的な規範、国際会議等における議論への対応

施策の基本的方向
女子差別撤廃条約を始めとする男女共同参画に関連の深い各種条約、北京宣言及び行動綱領等女性の地位向上のための国際規範・基準、女子差別撤廃委員会や国連婦人の地位委員会等の国際会議における議論や、持続可能な開発のための2030アジェンダ等の新たな国際的な潮流も踏まえ、幅広く国民の理解を深めるための情報提供や、取組等を積極的に行い、国内の施策に展開することにより、女子差別撤廃条約の積極的遵守等に努める。

具体的な取組
ア 女子差別撤廃条約等の積極的遵守
① 女子差別撤廃条約の積極的遵守のための施策の展開に努める。そのため、女子差別撤廃条約を始めとする国際規範や国際的な議論及び政府見解等について、国会、裁判所を含む国の機関、地方公共団体に対する情報提供に努め、特に、若者を始めとする幅広い年齢層の国民に対し、それらの理解を深めるための取組を積極的に実施する。
② 国際的な潮流を踏まえつつ、日本国内の国連機関と連携を図るとともに、NGOとの対話、連携がより建設的となるよう努める。
③ 男女共同参画に関連の深い法令・条約等について、政府職員等に対して、研修等の取組を通じて理解の促進を図る。
④ 女子差別撤廃条約に基づく女子差別撤廃委員会からの最終見解等に関し、同条約の積極的遵守の観点から、男女共同参画会議は、各府省における対応方針の報告を求め、必要な取組等を政府に対して要請する。

(後略。)

(再掲。第4次男女共同参画基本計画「第12分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献」)
④ 女子差別撤廃条約に基づく女子差別撤廃委員会からの最終見解等に関し、同条約の積極的遵守の観点から、男女共同参画会議は、各府省における対応方針の報告を求め、必要な取組等を政府に対して要請する

当ブログでたびたびふれています。
現在、日本は、女子差別撤廃委員会から「最終見解」をしめされています。
「最終見解」とは、改善要求のことです。
たとえば、以下の要求があります。

女子差別撤廃委員会最終見解

(2016年3月「第7回及び第8回報告報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解」より。)

26.(前略。)
委員会は、(略)以下について懸念する。
(a) 女性が風俗産業において特に売買春及びポルノ映画製作のために性的搾取を受け続けていること
(後略。)

27.委員会は、締約国に以下を勧告する。
(略。)
(b) 性風俗での役務の提供やポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化すること
(後略。)

56.委員会は、第9回定期報告を2020年3月に提出するよう締約国(日本)に求める。

日本は女子差別撤廃委員会から、「ポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化」するようにもとめられています。

(再掲。第4次男女共同参画基本計画「第12分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献」)
④ 女子差別撤廃条約に基づく女子差別撤廃委員会からの最終見解等に関し、同条約の積極的遵守の観点から、男女共同参画会議は、各府省における対応方針の報告を求め、必要な取組等を政府に対して要請する

日本は「ポルノ映画の製作」に関してどのような対策を施すのでしょうか。

女子差別撤廃委員会最終見解への対応に関するワーキング・グループ

政府は今年(2019年)の1月に2回、女子差別撤廃委員会最終見解への対応に関するワーキング・グループを開催しました。

(参考)

女子差別撤廃委員会最終見解への対応に関するワーキング・グループ

2019年1月9日 第1回 議事次第・配付資料議事概要

2019年1月15日 第2回 議事次第・配付資料議事概要

(参考。当ブログ)
2019年11月27日
2019年11月28日

第2回女子差別撤廃委員会最終見解への対応に関するワーキング・グループで、委員のひとりが、AV出演強要に関してつぎの発言をしました。

(2019年1月15日 第2回女子差別撤廃委員会最終見解への対応に関するワーキング・グループ「議事録」より、引用。)

<14~15ページ>
2019年1月15日 小山内世喜子 委員(一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと代表理事)

2016年6月に閣議決定された質問主意書に対する答弁において、女性に対して、本人の意に反してアダルトビデオに出演を強要することは第4次男女共同参画基本計画で防止と根絶に取り組むとしており、また、これを女性に対する暴力に当たるとしている。併せて、教育啓発の推進や、被害者が相談しやすい体制づくりを通じて、効果的な支援の拡充を図っていくとしている。

AVへの出演等について、被害者は消費者という立場から、あるいは労働者としての立場からも保護されるものがないため、二次被害に苦しんで何ら救済を受けられないのが現状であると思う。

(再掲。小山内世喜子 委員)
AVへの出演等について、被害者は消費者という立場から、あるいは労働者としての立場からも保護されるものがないため、二次被害に苦しんで何ら救済を受けられないのが現状であると思う

何ら救済を受けられないのが現状
この点について日本政府は、はっきりとした方策を提示してほしいものです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年8月28日

嗚呼また衝動的なフラッシュバックをお許しくださいm(_ _)m
でも6年近く誰にも言えなかった事を、最近はメディアの皆様が代弁して下さるので、1人で抱えていたものをやっと吐き出せることが出来ました。
皆様に感謝致します。

香西咲さん
2016年10月28日

隅に追いやっていたトラウマを掘り起こすのはとてつもない労力が要りますね。
精神的にも、ついこの間までは普通の精神を保てたのに、思い出した瞬間動悸や頭痛吐き気…この突然の変化は経験者にしか分からない。女性の共犯者達は特に最低。

香西咲さん
2017年2月18日

AV強要の件に触れられたらフラッシュバックしてしまった…
6~3年も経つのに。

フラッシュバックに耐えられなくて、去年の秋以来この件に関しては取材を控えて居たのですが…まだまだ傷は癒えていませんでした。

怖い。

一生の傷にならない様に治療に人生を託します。

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(再掲。第4次男女共同参画基本計画「第12分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献」)
④ 女子差別撤廃条約に基づく女子差別撤廃委員会からの最終見解等に関し、同条約の積極的遵守の観点から、男女共同参画会議は、各府省における対応方針の報告を求め、必要な取組等を政府に対して要請する

政府のよりいっそうのとりくみがもとめられます。
上述のとおり日本は、来年(2020年)の3月に女子差別撤廃委員会へ報告することになっています。
はたしてどのような内容の報告となるのでしょうか。
刮目(かつもく)して待っています。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)



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1 thought on “第5次男女共同参画基本計画の策定作業がはじまりました(その4)。香西咲さんたちAV強要被害者の方々への二次被害対策も火急の問題です

  1. 海野

    本当にこの記事で書かれている通り、未だに法整備もままならない。

    >>「何ら救済を受けられないのが現状」

    せめて悪徳弁護士が懲戒になれば、先例が出来て整備の一つができるのに。

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