一昨日のブログで、内閣府の第5回子供・若者育成支援推進のための有識者会議についてふれました。
(参考。子供・若者育成支援推進のための有識者会議)
(参考。当ブログ)
・2019年12月5日
同会議で、内閣府男女共同参画局のかたがAV出演強要に言及しました。
本日は、関連する資料等もあわせてみていきます。
(2019年9月27日 内閣府 第5回子供・若者育成支援推進のための有識者会議「議事要旨」より、引用。)
<38ページ>
●2019年9月27日 内閣府男女共同参画局
こうした問題と並びまして、同じ時期に若年層を被害者とする、いわゆるアダルトビデオの出演強要問題というものがNGO等により問題提起がなされ、国会等でも取り上げられたことがございまして、共通項の多いこの2つの問題をパッケージにするような形で、平成29年に、いわゆるアダルトビデオの出演強要問題あるいはJKビジネス問題の関係府省対策会議というのが設置されたというところでございます。
25ページ目はその概要でございますが、
(※下図は、資料4 子供・若者の福祉を害する犯罪対策 4/6(PDF形式:1,355KB)より。)

議長は内閣府の特命担当大臣でございまして、各省の局長級に構成員になっていただいているのですが、これまで開いた会合では全て官房長官に御出席いただき取組を後押ししていただきました。
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(再掲。内閣府男女共同参画局)
「これまで開いた会合では全て官房長官に御出席いただき取組を後押ししていただきました」
官房長官の発言を時系列でふりかえってみます。
2017年3月16日 内閣官房長官記者会見
(2017年3月16日 内閣官房長官記者会見より。)
(※音声の文字化は筆者。)
(※出演強要に関する所見は、15分ごろから。)
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
まずこの問題(出演強要問題)についてはですね、女性に対する暴力にあたる重大な人権侵害である、という認識をしております。
政府においてもですね、男女共同参画会議の専門調査会において、実態把握をするために、現状と課題について、一昨日報告書をとりまとめております。
女性に対する暴力は、安倍内閣がすすめる、女性活躍の前提となる、安全で安心な暮らしの基盤をゆるがす、きわめて大事な問題である、と受けとめています。
政府をあげてとりくみの強化、そして、相談体制の充実、教育、啓発のとりくみの強化等にとりくんでいく必要がある、というふうに思っています。
昨日、公明党のみなさんからちょうだいしましたそうした要請、要望書のなかにもありましたようにですね、早急に、ということでしたので、政府横断的に関係省庁の局長会議、これを設置をする。
このことを指示しています。
来週にでも、可能なとりくみから開催をして、実施をしていきたい、このように思っております。
特にまた、4月からは、進学だとか就職だとかですね、こうしたものにともなって、若い人の環境がおおきくかわる時期でありますので、被害にあうリスクが高まってくることが予測されますので、そうした被害をうまないための広報、啓発、とりくみの強化。
そして、万一、被害にあわれたかたの相談体制、こうしたものを拍車をかけておこなっていきたいと思います。
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2017年3月21日 第1回関係府省対策会議
(2017年3月21日 第1回関係府省対策会議より。)
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
近年、若年層の女性が、いわゆるアダルトビデオへの出演を強要される問題が発生するなど、若年層の女性を狙った性的な暴力の問題は極めて深刻な状況であると認識をいたしております。
政府は、男女共同参画会議のもとに設置しました専門調査会において、これらの問題について検討をいただいて、先日、その報告書が取りまとめられました。
女性に対して、本人の意に反してアダルトビデオの出演を強要することは、女性に対する暴力に当たる極めて重大な人権侵害だと考えます。
政府を挙げて、取り締まりの強化、そして、相談体制の充実、教育、啓発の取組の強化等に取組んでいきたいと思っています。
この件につきましては、先週、公明党からも早急の取組の必要性について要請もいただきました。
特に、年度当初、進学、就職等に伴って若者の生活環境が大きく変わる時期であり、こうした被害に遭うリスクが高まることが予測されるものでありますから、新たな被害者を生まないための必要な広報、そして、啓発や取り締まりの強化、万一被害に遭われた方を支援する相談体制の充実を直ちに行う必要があると考えます。
こうしたことを踏まえて、内閣府を中心に、省庁の縦割りを廃し、政府一丸となって検討した上で、まずは緊急に講ずべき対応策について、直ちに実施をしていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
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2017年3月21日 第2回関係府省対策会議
(2017年3月31日 第2回関係府省対策会議より。)
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
本日ここに緊急対策を取りまとめ、4月を被害防止月間として集中的に取組を実施することを決定しました。
各府省におかれましては、出席の各局長みずからが陣頭に立って、それぞれ関係する取締り、教育・啓発、相談等の現場レベルにまで、本問題に対する認識が浸透し、具体的な取組へと確実につながるよう、責任を持って取組んでいただきたいと思います。
さらに重要なのは、その結果をきちんと把握し、それを評価することであります。
月間中の実施状況についてフォローアップを行うことになっておりますのも、これも単なる通知の発出といった事実の報告にとどまるのではなく、それを受けて対応に当たる関係する各現場レベルでの具体的な取組の結果をしっかりと把握していただきたいというように思います。
また、以上の件については加藤大臣のもとで各府省が十分な危機意識を持って、この月間中の取組に当たっていただきたいと思います。
よろしくお願いをいたします。
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2017年3月31日 第3回関係府省対策会議
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議より。)
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
本日、4月の集中月間の実施状況も踏まえ、今後の対策を取りまとめました。
今後はこの問題の被害の根絶に向けて、この対策を確実に実行に移していくことが極めて重要であります。
各府省においては、この会議に出席の各局長みずからが陣頭に立って、まずはこの対策に基づいて、それぞれ関係する取締り、教育啓発、相談等の現場レベルにおいて具体的な取組を徹底して行うように実施してほしいと思います。
さらに、対応策として盛り込まれた事項については、新たな被害を決して発生させないという強い姿勢で、責任を持って行ってほしいと思います。
今後も引き続いて、加藤大臣を議長とするこの対策会議のもとで皆さんが一体となって取り組んでいただくことを期待します。
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2018年3月26日 第4回関係府省対策会議
(2018年3月26日 第4回関係府省対策会議より。)
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
昨年(2017年)3月にこの会議が発足してから早いもので1年であります。
アダルトビデオへの出演強要の問題や「JKビジネス」問題に対して、これまでに取締り強化や教育・啓発、相談体制整備、保護・自立支援の取組強化など、各種対策を着実に進めてきたところであります。
しかしながら、今般の実態把握結果からは、若年層の女性に対する性暴力被害の実態は依然として深刻な状況にあると言わなければなりません。
被害に遭われた方々が公的な相談窓口などに相談していない実態も明らかになってきております。
孤立した被害者に救いの手を差し伸べていくことが必要であります。
関係府省におかれましては、これまでの対策を精査の上、一段と強化・拡充を図っていただくとともに、野田大臣を議長とするこの対策会議のもと、関係府省が密接に連携協力して、スピード感を持って対策を進めていただきたいと思います。
アダルトビデオへの出演強要の問題や「JKビジネス」問題は、「女性活躍」の前提となる安全・安心な暮らしの基盤を揺るがす問題でもあります。
この根絶に向け、政府一体となって取り組んでまいります。
関係各位の一段の御尽力をお願い申し上げます。
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今年の関係府省対策会議につきましては、資料だけが公開されています。
(参考)
いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策の取組状況
平成31年(令和元年)
| 概要 | 本文 | 月間実施施策一覧 |
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(再掲。内閣府男女共同参画局)
「これまで開いた会合では全て官房長官に御出席いただき取組を後押ししていただきました」
「全て」
今年の会議にも官房長官が出席したようです。
第5回子供・若者育成支援推進のための有識者会議の議事録にもどります。
(2019年9月27日 内閣府 第5回子供・若者育成支援推進のための有識者会議「議事要旨」より、引用。)
<38ページ>
●2019年9月27日 内閣府男女共同参画局
実際、DVの被害者団体ですとか性犯罪の被害者団体の方々から、なぜこのAV、JK問題だけ国としての対応が早いのか、とご意見をいただくぐらい関係省庁と連携しながら、様々な施策を進めているということでございます。
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朝日新聞の記事を参照します。
(2017年5月1日 朝日新聞「AV出演強要、被害者の告白が官邸の中枢を動かした」より、引用。改行を施しています。)
●2017年5月1日 朝日新聞
(前略。)
3月15日、首相官邸の一室で、菅義偉官房長官と、AV出演強要問題に取り組む公明党の佐々木さやか参院議員らが向き合った。
(略。)
資料を手に迫る佐々木氏に菅氏が応じた。
「できることはすぐやりましょう」
菅氏は翌16日の記者会見で、
「政府を挙げて相談態勢の充実や啓発に取り組む」
と表明した。
女子高生らに接客サービスをさせる「JKビジネス」と合わせ、それまで課長級で取り組んでいた対策会議は、局長級に格上げされた。
(略。)
2週間後には緊急対策が発表され、進学や就職で都会に出てくる女性が多い4月を「被害防止月間」にすることも決まった。
「異例の素早い対応」だと霞が関で話題になった。
(後略。)
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(再掲。朝日新聞)
「『異例の素早い対応』だと霞が関で話題になった」
霞が関とは府省庁のことです。
(再掲)
●2019年9月27日 内閣府男女共同参画局
実際、DVの被害者団体ですとか性犯罪の被害者団体の方々から、なぜこのAV、JK問題だけ国としての対応が早いのか、とご意見をいただくぐらい関係省庁と連携しながら、様々な施策を進めているということでございます。
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政府の施策はほかの被害者団体も羨むとりくみであったようです。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年12月28日>
ありがとうございます。
今後の方針ばかりでこれまでの過去の被害を置き去りにされないか心配でなりません。
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最後に控えているのが、AV出演強要新法の制定、です。
(2019年2月5日「Safer Internet Day 2019 シンポジウム」より、引用。改行を施しています。)
●2019年2月5日 宮崎政久 自民党アダルトビデオ出演強要問題を考えるPT 事務局長(衆議院議員)
宮﨑氏からは、AV出演強要問題に特有の論点について指摘がありました。
すなわち、この問題の難しさは、様々な社会現象が絡み合っているところにあるため、的を絞った議論が必要である点にある。
この問題を検討する際に考慮すべき権利をとってみても、表現の自由や営業の自由、さらには職業選択の自由等、多様な権利が関わってくるが、これらの権利に配慮しつつ、いかに公共の利益との調整を図るべきかを見極めた対策が必要であると語りました。
また、性に関わることは通常秘め事と位置づけられるものであり、AV作品にかかる表現の自由を検討するにあたっては、その表現内容の性質から自ずと制約を受けるところがあるという風に考えているという指摘がありました。
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来年の夏にオリンピックが開催されます。
被害者の方々の杞憂が霧散する日が近づいてきました。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)



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