昨日のつづきです。
AV出演強要に関する相談は現在、厚生労働省が所管する婦人相談所でも取り扱っています。
(参考。内閣府)
□AV出演強要相談窓口一覧
(例)
□相談機関 婦人相談所 □内容 |
婦人相談所が設立された経緯については、昨日のブログでふれました。
(参考。当ブログ)
・2019年11月1日(昨日)
もう一度、婦人相談員相談・支援指針を確認します。
(婦人相談員相談・支援指針より。)
「長らく日本に存続してきた公娼制度を廃止することから業者の転業や廃業が見込まれ、それによって売春に従事していた女性が生活困窮状況に陥ることが想定された」
「その際、再び売春に従事することを未然に防止し、生活再建を図っていけるよう、女性の『保護更生』を担う機関として婦人保護事業が規定された」
婦人相談所は、売春防止法第34条に規定されている
「都道府県は、婦人相談所を設置しなければならない」
にもとづいて設置されました。
現在、婦人相談所は、売春だけでなく、DVやストーカーなどの被害相談にも応じています。
最近はAV出演強要の相談も受け付けています。
上述のとおり、婦人相談所は売春防止法を根拠法にしています。
こうした構成には無理があるようです。
(2019年9月19日 しんぶん赤旗「婦人相談所強化へ新法検討 DV・AV強要など対応 共産党・倉林氏の追及で」より、引用。)
●2019年9月19日 しんぶん赤旗
厚生労働省が、自治体が設置している婦人相談所の機能を強化するため、根拠法を売春防止法(売防法)から新法に改める検討を始めたことが、(2019年9月)18日までに明らかになりました。 |
性暴力やドメスティックバイオレンス(DV=家庭内や恋人間の暴力)、アダルトビデオ(AV)への出演強要などによる女性の被害にも、より十分な対応ができるようにすることを目指し、来年の通常国会にも法案を提出する方針です。 |
(再掲。赤旗)
「暴力やドメスティックバイオレンス(DV=家庭内や恋人間の暴力)、アダルトビデオ(AV)への出演強要などによる女性の被害にも、より十分な対応ができるようにすることを目指し、来年の通常国会にも法案を提出する方針です」
昨日のブログで、厚生労働省の婦人相談員相談・支援指針を参照しました。
婦人相談員相談・支援指針は、昨年(2018年)の3月30日に改訂されました。
売春以外の性暴力に関しても参考になる記述が多いです。
同指針のなかから一部を抜粋させていただきます。
(婦人相談員相談・支援指針より、引用。)
<2ページ>
●2018年3月30日改訂 婦人相談員相談・支援指針
また、 1993年に起草された「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」は、「女性に対する暴力」とは、 「性に基づく暴力行為であって、公的生活で起こるか私的生活で起こるかを問わず、女性に対する身体的、性的若しくは心理的危害または苦痛(かかる行為の威嚇を含む)、強制または恣意的な自由の剥奪となる、または、なるおそれのあるものをいう」 (第1条)と規定し、「女性は、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、すべての人権および基本的自由の平等な享受と保護を受ける権利を有する」(第3条)としている。 |
「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」は、1993年の国連総会で採択されました。
(参考。女性に対する暴力の撤廃に関する宣言)
●第1条
この宣言の適用上、「女性に対する暴力」とは、性に基づく暴力行為であって、公的生活で起こるか私的生活で起こるかを問わず、女性に対する身体的、性的若しくは心理的危害または苦痛(かかる行為の威嚇を含む)、強制または恣意的な自由の剥奪となる、または、なるおそれのあるものをいう。 |
AV出演強要も、
「女性に対する身体的、性的若しくは心理的危害または苦痛(かかる行為の威嚇を含む)、強制または恣意的な自由の剥奪」
です。
<2ページ>
●2018年3月30日改訂 婦人相談員相談・支援指針
このような女性の権利をめぐる考え方の国際的な趨勢をおさえておくことは、婦人保護事業の発展に寄与するものといえよう。 |
AV出演強要につきましては東京オリンピックまでに決着がつこうとしています。
<6ページ>
●2018年3月30日改訂 婦人相談員相談・支援指針
さらに、婦人相談員には、女性の権利擁護の視点やジェンダー平等の視点から、相談者に寄り添う姿勢が求められる。 |
なぜならば、婦人保護事業がおもな対象とする「女性」は、性差別が構造化されている社会のなかで、性別役割分業を前提として過重なケア役割を課され、より劣位に置かれる女性労働によって貧困に晒され、さらには暴力や性の商品化などの被害によって尊厳を侵害される現状に置かれているからである。 |
女性差別撤廃条約では、女性に対する暴力は、 「女性が従属的地位に置かれることを余儀なくさせる重大な社会的構造の一つである」 と指摘しているように、力による支配とコントロールが私生活のみならず社会の仕組みのなかにも組み込まれていることを見抜く目が婦人相談員には必要である。 |
女性差別撤廃条約には、
「女性が従属的地位に置かれることを余儀なくさせる重大な社会的構造の一つである」
との記述はありません。
女性差別撤廃条約、の箇所は誤植であろうと思われます。
正しくは、女性に対する暴力の撤廃に関する宣言、です。
(参考。女性に対する暴力の撤廃に関する宣言)
●前文
「女性に対する暴力は、女性が男性に比べて従属的地位に置かされることを余儀なくさせる重大な社会的構造の一つである」 |
<6ページ>
●2018年3月30日改訂 婦人相談員相談・支援指針
そのためにも、相談者が置かれている状況を安易に個人の努力や自己責任とみなすのではなく、女性であるがゆえに直面する困難を女性問題として捉え、被害からの回復支援を通して女性のエンパワーメントと権利擁護を図っていくことが肝心である。 |
そこで問われるのは、婦人相談員自身の人権意識である。 |
たとえば、売買春という事象をどう捉えるのか、母親はケアを担うべきという母親規範をどう認識するのか、離婚は自分で選んだのだから自己責任で対処すべきという考えにどう応答するのかなど、相談を通して問われるのは婦人相談員自身であることを自覚し、婦人相談員が「自分に働きかける姿勢」も求められている。 |
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昨年のこの婦人相談員相談・支援指針に、AV出演強要、が追記されました。
(婦人相談員相談・支援指針より)
<66ページ>
●2018年3月30日改訂 婦人相談員相談・支援指針
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年10月3日>
アットハニーズを辞めて即座に 第二弁護士会にも行って相談してます。 セックスワーカー団体SWASHのご紹介の、打越さくら弁護士にも相談。 どちらも即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払いでしたよ。 だから世間(弁護士)の風当たりの厳しさを実感し、 腹括って独立の道を選びました。 |
●香西咲さん
<2018年8月22日>
同感です。 名前は伏せますが、ある警視庁担当が「この事( #AV強要 #強姦 )忘れないと幸せになれないよ?」と言ってのけた事を一生許せないです。作品も傷も絶対に消えません。 もう少し実力着いたら警察だろうと名前晒します。 |
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(再掲。婦人相談員相談・支援指針)
「そこで問われるのは、婦人相談員自身の人権意識である」
「相談を通して問われるのは婦人相談員自身であることを自覚し、婦人相談員が『自分に働きかける姿勢』も求められている」
上の者たちにも「婦人相談員相談・支援指針」を読ませるべきでしょう。
「即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払い」
「この事( #AV強要 #強姦 )忘れないと幸せになれないよ」
自身の人権意識を問い直してほしいものです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ
口先より行動で結果を出すことが重要ということですね。
>>第二弁護士会にも行って相談してます。
セックスワーカー団体SWASHのご紹介の、打越さくら弁護士にも相談。
どちらも即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払いでしたよ。
↑コイツ等は、人権より金を優先します。
確かに難しい事件なのは、理解しますが、普段から人権とか言うなということです。