アイドルの香坂きのさんは今月、YouTubeで、自身のAV出演強要被害をあきらかにされました。
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拝見しようと思いました。
ぼくは普段、動画をみる習慣がありません。
今回も、億劫なので、先延ばしをしていました。
いざみようとしてリンク先を開いたら、非公開、となっていました。
「この動画は非公開です」
「申し訳ありません」
2日前のことです。
弁護士ドットコムが、当該事件を詳細につたえました。
□2019年10月20日 弁護士ドットコム 「怖くて逃げ出せず…」騙されてAV出演、プラモアイドルが封印した9年前の記憶
弁護士ドットコムの記事を通読しました。
おおよそのことがわかりました。
記事の一部を抜粋させていただきます。
(2019年10月20日 弁護士ドットコム 「『怖くて逃げ出せず…』騙されてAV出演、プラモアイドルが封印した9年前の記憶」より、引用。)
●2019年10月20日 弁護士ドットコム
香坂さんによると、はっきりと覚えていないが、2010年ごろに撮影があったという。 |
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●2019年10月20日 弁護士ドットコム
ワンボックスカーの中には、2人の男性がいた。カメラマンと男優だった。ソファーに座ると、ドアの前が塞がれていることに気づいて、そこで初めて、香坂さんは「AVの撮影かもしれない」と思ったという。 |
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●2019年10月20日 弁護士ドットコム
穏便に済まそうという感情がはたらいて、できるだけ明るくふるまった。 |
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●2019年10月20日 弁護士ドットコム
ところが、今年に入って、ツイッターのダイレクトメッセージ(DM)で「これはあなたじゃないですか?」という連絡が寄せられた。 |
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●2019年10月20日 弁護士ドットコム
このとき、「もし出演していたことが広まったら、みんなに本当のことを動画で伝えよう」と覚悟した。 |
そして、9月下旬になって、ある掲示板で騒ぎになったことに気づいて、出演の経緯についてカミングアウトする動画を準備して、10月1日から4日にかけて、動画サイト上にアップロードした。 |
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香坂きのさんはこのたび、10年近く前のAV出演強要被害をおおやけにされました。
巷間、AV出演強要被害は、氷山の一角、と言われています。
(2017年2月8日 日本経済新聞「アイドル契約の女性『性的撮影要求』被害27% 内閣府調査」より、引用。改行を施しています。)
●2017年2月8日 日本経済新聞
「モデルやアイドルにならないか」と勧誘を受けるなどして契約を結んだ10~30代の女性197人中、4分の1に当たる53人(27%)が契約外の性的な行為の撮影を求められる経験をしていたことが(2017年2月)8日、内閣府の調査で分かった。 うち17人は求められた行為をしたと回答した。 多くの若い女性が、アダルトビデオ(AV)への出演強要など性暴力の危険にさらされる可能性があり、政府は調査結果を踏まえ予防・啓発活動を強化する方針だ。 内閣府が若い女性を対象にこうした実態調査を行うのは初めて。 |
「氷山の一角」
あらためてこのことが実証されました。
(2019年10月20日 弁護士ドットコム 「『怖くて逃げ出せず…』騙されてAV出演、プラモアイドルが封印した9年前の記憶」より、引用。)
●2019年10月20日 弁護士ドットコム
その日待ち合わせしていた友だちには打ち明けたが、どうしても警察や家族には相談できなかった。 |
「承諾書の控えももらえず、どこの誰なのかもわからなかったので、警察が動いてくれないと思ったんです。私が忘れてしまえば、その動画と出会うこともないだろうと。みんなも気づかないだろう。だから、なかったことにしよう、忘れようと」 |
ふと、弁護士の角田由紀子さんの論説を思い出しました。
2019年2月28日 発行 国立女性教育会館 NWEC実践研究 第9号 □第3章 |
論文のなかから一部を引用します。
(引用)
<61~62ページ>
●角田由紀子 弁護士
日本社会では、女性に対して、彼女たちが性的なことを口にすること自体をあたかもタブーのように扱ってきた。 |
「はしたない」という言葉が、性的なことを口にする女性を批難する言葉として使われた。 |
女性に対しての日本的「恥」概念の乱用も女性が語ることを妨げてきている。 |
「はしたない」に加えて、実は人権に深くかかわる問題でありながら、男性たちは女性がそれを語ることがなにか汚いことを語っているかのように扱ってきた。 |
男性だけの中では、女性を性的に貶めそれを楽しんできたようである。 |
たとえば、猥談や猥歌がそうであろうし、現在のアダルトビデオの娯楽性もその1つであろう。 |
女性をよってたかって男性の性的好奇心と性的欲望の対象にして楽しむわけである。 |
このような構造の中で、性に関わる貶めやからかいや具体的な身体的侵害について女性の羞恥心をあおり、それを逆手にとって見て見ぬふりをし、結局、語らせないことで存在そのものを消し去ってきた。 |
「恥じろよ!」と強制する社会では、「恥ずかしい存在」はそれが発覚するだけで不利益を被る仕組みが作られる。 |
だから、被害者は被害の事実に加えての語ることが引き起こす不利益を避けたいと願い、心ならずも沈黙してしまう。 |
このような社会では、被害を語ることで問題が改善されるどころか、被害者が恥じることを求められる。 |
そして、被害を語ることはそれが性的であるために好奇の的にされ、2次被害を生む。 |
語る被害者には、加害者からの報復の恐怖も大きい。 |
性暴力被害者を沈黙させるこの社会の構造が、性暴力被害であるセクシュアル・ハラスメント被害者をも沈黙させてきた。 |
「恥」を振りかざして行われる被害者への沈黙の強制は、加害者を利することになる。 |
加害者側に立つ可能性のある男性が社会では意思決定権を握っていることの弊害の大きさにも注目しなければならない。 |
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(再掲。角田由紀子さん)
「語らせないことで存在そのものを消し去ってきた」
「被害者は被害の事実に加えての語ることが引き起こす不利益を避けたいと願い、心ならずも沈黙してしまう」
「性暴力被害者を沈黙させるこの社会の構造」
香西咲さんはちがいました。
抗(あらが)いました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月14日>
今まで人間とは思えない仕打ちを受け続けてきた事、やっと吐き出す事ができました。 こんな私ですが今も変わらず好きでいてくださる方、本当にありがとうございます。 何度も言うけれど今後私はその人たちを大切に生きていくのみです。 「おまえ明日死ぬかもしれないんだから(←青木亮の口癖)」 |
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現在、多くの方々が、自身のAV出演強要被害を口にされています。
香西咲さんは嚆矢(こうし。「物事のはじまり」)です。
これまで数多(あまた)の被害者の方々に対して勇気をあたえてきました。
オリンピックまでにAV強要業界というこの世の極悪は滅びます。
香西咲さんたち被害者の復活は間近です。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
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