厚生労働省はAV強要に対応する法律を制定しようとしています(その4)。「単に『ここでは対応できない』という対応は不十分」。香西咲さんが因習を打破しました

厚生労働省はいま、婦人相談所を活用してAV出演強要の被害者を救済しようとしています。

(参考。当ブログ)
2019年10月15日
2019年10月16日
2019年10月17日

法案も準備しています。

(2019年9月16日 時事通信「婦人相談所強化へ新法検討=AV強要、JKビジネスも対応-厚労省」より、引用。)

2019年9月16日 時事通信

厚生労働省は、都道府県が設置している婦人相談所の機能を強化するため、根拠法を売春防止法(売防法)から新法に改める検討を始めた。

アダルトビデオ(AV)への出演強要や女子高生らに接客させる「JKビジネス」といった若い女性を狙った新たな性被害などにもより十分な対応ができるようにする。

早ければ来年の通常国会に法案を提出する方針だ。
(後略。)

本日は、昨年(2018年)の3月30日に改定された婦人相談所ガイドラインについてみてみます。
婦人相談所ガイドラインにつきましては、過去の当ブログでも簡単にふれています。

(参考。当ブログ)
<婦人相談所ガイドラインに関して>
2018年6月11日
2018年11月30日
2018年12月1日
2018年12月2日
2019年7月6日

2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

同ガイドラインの中身を確認します。

 2018年(平成30年)3月30日改定
 婦人相談所ガイドライン
 厚生労働省 子ども家庭局家庭福祉課

ガイドラインに目をやりますと、最初の頁に、婦人相談所の役割が書かれています。

<1ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

婦人相談所は、昭和31年(1956年)に制定された売春防止法に基づき設置された機関であるが、その後複雑多様化する社会環境の変化に伴い徐々に支援の対象を拡大し、平成13年(2001年)からは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)に基づく被害者保護・支援の役割が定められるなど、現に保護や支援を必要する女性に対して大きな役割を果たしてきた。

2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

婦人相談所は、心身を傷つけられ、人権を侵害されるなど、複雑で深刻化する現代の女性の様々な問題に対して、相談・保護・自立支援など専門的支援を切れ目なく一貫して行うことを目的とした公的機関である。

厚生労働省はなぜこのようなガイドラインを作成したのでしょうか。

<1ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

そうした対象拡大の一方で、これまで、全国の婦人相談所が一堂に会しての情報交換の場はあったものの、婦人相談所が実際に行う業務のガイドラインとなるような国統一の指針は作成されることはなかった。
そのため、現在各都道府県に設置されている婦人相談所において実施されている女性への支援に関する具体的な業務の進め方については、都道府県毎の違いがみられる。

<2ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

(略)、婦人相談所の対応の違いによって、受けるべき支援サービスの内容に格差が生じないよう、全国の婦人相談所が実施する業務内容をあらためて明確化するとともに、支援の均等化・標準化を図るため、全国共通の業務の指針となるガイドラインを策定することとした。

受けるべき支援サービスの内容に格差が生じないよう(略)全国共通の業務の指針となるガイドラインを策定
AV出演強要に関する部分を参照します。

<10ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

(2)多様な相談内容
婦人相談所において対応すべき相談は、通知上、売春等に関係する相談と、配偶者等からの暴力に関する相談、及びその他正常な生活を営む上で困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関が他にないために、実際に支援を必要とする状態にある方からの相談となっている。

このうち、その他正常な生活を営む上で困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関が他にないために、実際に支援を必要とする状態にある方の相談内容は、
・交際相手等からの暴力
・親族からの暴力
・離婚問題
・人間関係
・生活困窮
・住居問題
・医療関係
・人身取引被害
・性暴力被害
・ストーカー被害
・いわゆるアダルトビデオ出演強要(以下「AV出演強要」という。)・「JKビジネス」被害など多岐にわたる。

AV出演強要の被害者からの相談は、
正常な生活を営む上で困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関が他にないために、実際に支援を必要とする状態にある方からの相談
という範疇に属しているようです。

<10ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

このように様々な内容の相談に対して、婦人相談所は、どのような内容であっても利用者の話を丁寧に確実に聞き取る姿勢が求められる。
特に利用者本人からの相談電話については、電話をする時点ですでに相当厳しい状況に追い込まれている利用者に対して、単に「ここでは対応できない」という対応は不十分であり、利用者の視点に立った丁寧な対応を心がけることが必要である。

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<14ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

18才未満の保護・支援については、児童相談所の対応が基本であるが、婦人相談所は児童相談所と違い年齢による制限はなく、児童買春やAV出演強要・「JKビジネス」等による性暴力被害の事例など婦人相談所で支援した方が、より適切な支援ができる場合もあることから、児童相談所や市区町村と十分協議のうえ、事例に応じて柔軟に対応することも必要である。

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<15ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

なお、近年問題となっている、AV出演強要・「JKビジネス」問題等の対応においては、被害に遭いやすい若年女性の支援を行っている民間団体との連携体制をとることが望ましい。

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<37ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

Ⅸ.広報啓発

都道府県内の幅広い対象者を支援するためには、まず婦人保護事業について、支援を必要としている方々に知ってもらわなければならない。
そのためには広報啓発活動は重要である。
広報誌やホームページなど、より多くの方々の目に触れるような広報の手段を図るとともに、警察や学校などの協力を得て啓発活動にも努める。

なお、近年、ストーカー被害やAV出演強要・「JKビジネス」等による性暴力被害などが社会問題となっているが、このような被害に遭いやすい若年女性は婦人相談所等の公的機関の窓口につながりにくいことから、今後、若年女性にも相談窓口を広く周知する方法を検討する必要がある。

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<39ページ>
2018年3月30日改定 婦人相談所ガイドライン

おわりに

婦人保護事業の根拠法である売春防止法については、法律が実態にそぐなわなくなってきているとの指摘がある。

一方で、性暴力被害者対策や、ストーカー対策など、新たな分野から婦人保護事業が持つ専門機能に期待が寄せられている。

こうした中、新たな制度や事業体系の検討が迫られているが、婦人相談所に求められる役割はこれまで以上に重要となる可能性が高く、その機能に大きな期待が寄せられている。
そのためにも、全国どこの婦人相談所においても、利用者が質の高い支援を平等に利用できるよう制度が運用されることが不可欠である。

このガイドラインを、全国すべての婦人相談所での日々の活動の指標として活用していただき、婦人相談所の支援の全国的な水準が向上することを期待する。

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(再掲。婦人相談所ガイドライン)
いわゆるアダルトビデオ出演強要(略)被害など多岐にわたる。このように様々な内容の相談に対して、婦人相談所は、どのような内容であっても利用者の話を丁寧に確実に聞き取る姿勢が求められる。特に利用者本人からの相談電話については、電話をする時点ですでに相当厳しい状況に追い込まれている利用者に対して、単に『ここでは対応できない』という対応は不十分であり、利用者の視点に立った丁寧な対応を心がけることが必要である

世情は激変したようです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年6月12日

私が前に事務所問題でトラブった事があるのは皆様ご存知かと思います。
実はその時に弁護士10人弱訪問してるんです。霞ヶ関含めて。
でも殆どの弁護士の先生に『立証しにくい』と言われ、あからさまに嫌な顔されて門前払いされました。
現実ってこんなものなんだな~って悟って腹を括った訳です。

香西咲さん
2016年10月3日

アットハニーズを辞めて即座に
第二弁護士会にも行って相談してます。
セックスワーカー団体SWASHのご紹介の、打越さくら弁護士にも相談。
どちらも即答で『立証が取りにくい』とほぼ門前払いでしたよ。
だから世間(弁護士)の風当たりの厳しさを実感し、
腹括って独立の道を選びました。

単に『ここでは対応できない』という対応は不十分
当時の弁護士に聞かせやりたいせりふです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月17日

何故今更告発?
皆様の1番の疑問はそこでしょう。
私は辞める時に弁護士会もセックスワーカー御用達の弁護士もその他5件以上の弁護士を当たっています。
が、当時は今の時代と違い『立証しにくい』と門前払いされました。
このタイミングで週刊文春様はいい意味で私を起用してくださりました。

単に『ここでは対応できない』という対応は不十分
香西咲さんが因習を打破しました。
香西咲さんは至高です。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)



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